2020年03月07日公開
2024年10月12日更新
マーマレード作りのコツは?詳しい作り方や保存方法を解説!
マーマレード作りの大事なコツを解説します。マーマレードジャムをプロの味に近づける下ごしらえの仕方から長期保存できる方法まで詳しく紹介!マーマレードの基本レシピから簡単で美味しいお菓子、料理の人気レシピも紹介します。
目次
マーマレードの人気レシピが知りたい!
ジャムは果物や果汁に含まれるペクチンと糖と酸が作用してゼリー状になったものです。マーマレードはジャムの一種で、オレンジやレモンなどの柑橘類の果皮を使って作られたものをさします。甘みの中に爽やかさもあるのが人気のひとつで、そのままパンに塗ったりお菓子に入れて食べます。
マーマレードはレシピによって苦みがでてしまいます。爽やかさが特徴的なマーマレードをプロの味にするコツや人気のレシピ、マーマレードを使った料理やお菓子の人気レシピも紹介します。
マーマレードジャムの基本レシピ
材料
様々なレシピがありますが、マーマレードの材料は基本的にオレンジや甘夏などお好みの柑橘系の果物とグラニュー糖の二つだけです。イチゴやブルーベリーなどのジャムのレシピではレモン汁を入れますが、これは果物自体に含まれるペクチンの量が少ないためです。
マーマレードに使われる柑橘類にはペクチンが多く含まれているので加える必要がなく、マーマレードは他のジャムに比べて準備が簡単です。特に種の部分に多く含まれているので、マーマレード作りには欠かせません。
薄皮や皮のわたの部分を取り除いた重さの40%ほどのグラニュー糖と、果物を用意すれば材料は揃います。マーマレードのレシピによって砂糖の量が違うので、好みの量で調整してください。
下ごしらえの方法
まずはマーマレードに使う柑橘類の皮をむきます。傷がある場合は取ってください。皮に農薬などが付いていることがあるので、綺麗に洗ってからむきます。包丁で十字に切り込みを入れてからむくとむきやすいです。
そして皮についている白いわたの部分をできるだけ取り除きます。このわたが残っていると苦みがでてしまうので、できるだけ綺麗に取り除いてください。ワタを取らずに作るマーマレードのレシピもあります。
わたを取り除いた皮は、鍋に入れて皮が浸るくらいの水と一緒に火にかけ、沸騰させてから5分ほど煮ます。これを2回繰り返します。この作業は皮の苦みを抜くために大切です。怠らないようにしてください。
次に薄皮から身を取り出します。背の方がむきずらいですが、包丁でそぎ取るなどしてむいてみてください。わたと薄皮を取り除いて、皮と果実だけの状態になったらマーマレード作りの下ごしらえ完了です。
作り方
【材料】
- 夏みかん1個300gを2個
- 砂糖みかんの皮の重さと同量~8割
- 水200ml
【作り方】
- 皮を1~3mmに切ります。酸に強い鍋に皮と実を入れて、グラニュー糖の半量を入れて水気が出るまで置いておきます。
- 水気が出たら、種とワタを入れた袋と一緒に10分ほど煮込みます。
- 残りのグラニュー糖を何回かに分けて加えて、さらに15分ほど煮ます。
- 煮沸消毒した瓶に入れて、瓶の口をアルコールで拭いたり、逆さまにして冷ますなど、菌が増殖しないように保存します。
圧力鍋でもっと簡単に
短時間でマーマレードを作れる圧力鍋を使ったレシピも人気があります。圧力鍋に皮と身、種とわたを入れた袋、グラニュー糖を入れて加圧すると簡単にできます。普通の鍋でマーマレードを作ると30分位かかってしまいますが、圧力鍋を使うと圧がかかってから2分ほど加熱すれば煮ることができます。
皮を茹でこぼす時でも圧力鍋を使えます。皮と水を入れて圧がかかったら、火を止めて待つだけで簡単です。ことこと煮るのが苦手な方や時間がない時は、圧力鍋を使ったレシピでマーマレードを作ってみてください。
プロの味に近づけるコツ
マーマレードをプロの味に近づけるには、ちょっとした手間を惜しまないことが大切です。マーマレードを美味しく仕上げるコツを2つ紹介します。
下ごしらえが肝心
爽やかなマーマレードをプロの味に近づけるには皮の下ごしらえが肝心です。白いわたの部分は苦味が強くて柔らかくなりづらいので、丁寧に取り除くことが大切です。皮を2,3回茹でてお湯を捨てる作業もほどよい苦みを出して皮を柔らかくするために必要です。また、皮についたワックスや農薬などを取り除くこともできます。
わたを取り除く作業と皮を茹でこぼす作業が、マーマレードをプロの味に近づけるのに最重要です。一番手間のかかるところですが、面倒がらずしっかりと行うことで美味しいマーマレードになります。
種も一緒に入れる
マーマレードの材料である柑橘類の種には、ペクチンという成分がたくさん含まれています。このペクチンによってジャムのとろみが生まれます。一緒に煮込むことでプロのようにつやつやなマーマレードになるので、茶こし袋などに入れて一緒に煮込んでください。
白いわたの部分もペクチンが豊富に含まれているので、一緒に袋に入れて煮ると良いです。捨てずにとっておいてください。種だけを別に煮てペクチン液を作る方法もありますが、一緒に煮るレシピの方が簡単で人気です。
柑橘系の種やワタの部分には、ペクチンというトロミの元となる成分が含まれています。マーマレードをトロッとさせるために、種やワタも一緒に煮込みましょう。
マーマレードの保存方法
保存容器
マーマレードを長期保存するには、カビが繁殖しないように清潔な容器に入れることが大切です。瓶は煮沸消毒できるので保存容器として人気です。熱い状態のマーマレードを瓶に詰めて蓋を閉め、下に向けて冷ますだけで簡単に瓶の中の空気を抜くことができます。空気を抜くことで1〜2年と長期に保存できます。
保存方法
瓶に入れたマーマレードは空気を抜いたままの状態で1〜2年間保存可能です。開封後は冷蔵庫に入れて2週間くらいで食べきるようにしてください。なかなか消費できないときはお菓子作りに使うのもおすすめです。
開封後は糖分が高くても雑菌がついてカビが発生しやすいので、冷蔵庫に入れてなるべく早く食べきってください。使うときは清潔なスプーンで必要な分を取り出して使います。使ったスプーンを入れてしまうとカビが生えやすくなってしまいますので気をつけてください。
冷凍保存も可能
すぐに食べきれない場合はなるべく早めに冷凍保存がおすすめです。風味は落ちてしまいますがカビが生える心配がありません。
ジップロックなどの袋に入れて冷凍保存してください。そのまま解凍してパンに塗ったり、お菓子作りにも使えます。ラップに包んで小分けにしておくと簡単に使いやすいです。冷凍したマーマレードは1年くらい美味しく食べられます。
マーマレードのレシピ【種類別】
マーマレードと一言で言ってもレシピはたくさんあります。中でもスーパーなどでよく目にする柑橘類を使ったマーマレードのレシピをいくつか紹介します。
甘夏マーマレード
【材料】
- 甘夏2000g
- 砂糖800g
【作り方】
- 皮を洗ってヘタを取ります。
- ぐるっと一周2本切り込みを入れて皮を剥きます。
- 皮を縦半分に切ってからせんぎりします。
- 水につけてよくもみ洗いして、水を捨てます。これを3回繰り返します。
- きれいな水につけて1時間から半日おきます。
甘夏はそのまま食べると酸味が強いですが、マーマレードにすることで甘酸っぱく食べやすくなります。大量に夏みかんが手に入ったときはぜひこのレシピを参考に、マーマレードを作ってお菓子などに入れてみてください。
オレンジ
【材料】
- オレンジ
- 砂糖
- 重曹
【作り方】
- 白い部分を残して皮をむきます。
- 薄い千切りにします。
- 白いわたの部分を除きます。
- 果汁を絞り出します。
- 果肉をみじん切りにします。
- 果肉と果汁を合わせます。
- 鍋に皮を入れて水と重曹を加えて火にかけます。
- 果実を加えて沸騰させて蓋をして弱火で10分煮ます。
- 砂糖を加えて中火で沸騰させます。
- 完全沸騰したらペクチンを加えてよく混ぜ、再び完全沸騰させます。
- 1分間完全沸騰させて火を止めます。
- 瓶の淵3mm残したあたりまでジャムを入れて熱いうちに蓋をします。
- すぐに5分間逆さまにします。
オレンジは一番手に入りやすく苦みも少ないので、マーマレードの材料として人気です。マーマレードといえばオレンジというイメージがあります。どのようなお菓子とも相性抜群で使いやすいレシピです。
ゆず
【材料】
- ゆずの皮
- 砂糖ゆずの皮の80%
- ゆずの果汁+水皮の重量の1.6倍
【作り方】
- ゆずの皮をたわしでこすって半分に切ります。
- ゆずの果汁を絞ります。
- 皮のへたと白いわたを手で取ります。
- 皮の重さを計って80%の砂糖を用意します。
- 皮の1.6倍の量の果汁と水を用意します。
- 皮を薄切りにして10分水に浸して、10分後水を切ります。
- 鍋にひたひたの水と皮を入れて沸騰させて水をきります。
- 鍋に戻して砂糖と果汁を加えて沸騰させます。
- 弱火にして焦がさないように30~50分ほど煮ます。
- 混ぜると鍋底が見えるようになるくらいまで煮詰めます。
ゆずは酸味が強いので料理に添えたり、ちょっとしたアクセントに使います。少量使う事が多いので余りがちです。そんな時はマーマレードにしてお菓子作りなどに役立ててください。
橙
【材料】
- グラニュー糖500g
- だいだい果皮200g
- だいだい果汁400cc
- しぼり汁30~50cc
【作り方】
- だいだいの皮をむきやすいように切ります。
- 果汁を絞るために皮をむきます。
- しぼり布を使って果汁を絞ります。
- ある程度果汁を絞った皮の部分を更に絞ります。このしぼり汁はさきほど絞った果汁とは別にとっておきます。
- 果皮をだいたい同じ大きさになるように千切りにします。
- 水にいれてもみ洗いします。
- 果皮が柔らかくなるまで茹でこぼします。
- 鍋に果汁と果皮を入れて弱火で煮ます。
- 沸騰したら灰汁を取ってグラニュー糖を入れます。
- しぼり汁を入れて15分程度煮込みます。
- 容器に入れて冷やして完成です。
橙はインドのヒマラヤ原産のみかんで、ビターオレンジとも呼ばれています。橙は木から落ちることなく実り続け、何世代もの実が一つの木になっていることで代々→橙と呼ばれるようになりました。こうした由来から日本では子孫繁栄の縁起物として正月飾りに使われています。
みかんよりも酸味が強いので生で食べるよりもマーマレードにしてお菓子に入れるなど、調理むきのみかんです。
レモン
【材料】
- レモン
- はちみつ
【作り方】
- レモンをくし形に切って種を取り除きます。
- 皮は千切りにします。
- 房から実を取り出します。
- 実の方にはちみつを入れます。
- 鍋に水と皮と砂糖を入れて沸騰させ、身を加えて更に火にかけます。
- 煮沸消毒した瓶に入れます。
はちみつレモンは風邪をひいた時にも大活躍します。疲れた時は風邪をひいてしまった時は、このレシピで元気回復できます。
夏みかん
【材料】
- 夏みかん1個に砂糖100g
【作り方】
- 皮の汚れをきれいに洗います。
- みかんの皮をむき細かく刻みます。
- みかんの薄皮を取り、実だけにします。
- 大き目の鍋に刻んだ皮と水を入れて茹でます。
- 皮を中火で約50分茹でます。みかんの数でゆで時間が違うため皮があめ色になったら火を止めます。そのまま一晩寝かせます。
- 一晩寝かせた鍋の水をきります。
- 砂糖とみかんの実を入れ、約90分焦がさないように煮込みます。
- 皮があめ色になってとろみが出たら冷まします。
夏みかんは乾燥しやすく、中身がパサパサになってしまう事があります。マーマレードにすれば気にならなくなるのでぜひ試してみてください。
八朔
【材料】
- 八朔の皮約10個
- 八朔の果肉約5個分
- グラニュー糖1200g
- クエン酸小さじ3
【作り方】
- 八朔の皮をむいて皮を細く切ります
- 果肉を取り分けて種を取ります。
- 鍋に皮と水を入れて沸騰させます。
- 沸騰後水をきって、もう一度鍋に戻して水を入れて沸騰させます。
- 水をきって再び鍋に戻して沸騰したら弱火にして30分煮ます。
- 水をきって再度鍋に戻します。
- 水を入れて一晩おきます。
- 水をきって鍋に皮と果肉と砂糖、ひたひたの水を入れて混ぜます。
- クエン酸を入れて火にかけます。
- 中火から弱火で灰汁を取りながら煮ます。
- 少しとろみが出て皮が柔らかければ完成です。
- 煮沸消毒した瓶に入れて蓋をして、お湯をはった鍋に入れて15分火にかけます。
- 瓶を逆さまにして冷まします。
はっさくは酸味が少なめでほのかな苦みが特徴的です。皮が厚めで剥きにくさもありますが、マーマレードにすると甘いだけではなくほのかな苦みも楽しめます。
すだち
【材料】
- すだち約20個分約600g
- 砂糖400g
- すだち酢100cc
【作り方】
- すだちを微量の台所用洗剤で洗います。
- 水でよく洗います
- へたに対して横に切って、果汁と種を取ります。
- へたを取ってすだちをさらに半分に切ってスライスします。
- 水が透明になるまで洗います。
- たっぷりの水で中火で煮ます。
- 88℃で火を止めて10分おきます。
- もう一度水が透明になるまで洗います。
- 鍋に戻して、600ccの水を入れて中火で約10分煮ます。
- 砂糖を50gずつに分けて入れます。火を止めて10分おいて弱火で煮込む作業を繰り返すと甘みがでます。
- 最後にすだち酢を加えます。
すだちもゆずと同様に大量に使うことが難しい種類です。マーマレードにすることでデザートにすることもできます。大量消費したい時は、このレシピでマーマレード作りにチャレンジしてみてください。
マーマレードを使ったアレンジレシピ
スペアリブのマーマレード煮
【材料】
- スペアリブ300g
- マーマレードジャム80g
- 酒大さじ3
- 醤油大さじ3
【作り方】
- スペアリブに切り込みを入れて味を染み込みやすくします。
- 両面を中火で約7分焼きます。
- マーマレードジャム、酒、醤油を入れて混ぜ合わせて蓋をします。
- そのまま中火で約10分煮込みます。
- 蓋を外して更に10分ほど煮詰めてできあがりです。
難しそうに見えるスペアリブ煮も、とても簡単にできるレシピです。マーマレードは砂糖代わりに入れますが、それだけではなくマーマレードの爽やかさで肉の臭みが消えてより美味しくなります。簡単にプロの味に近づけるレシピですので、ぜひ試してみてください。
手羽元マーマレード煮
【材料】
- 手羽元
- 手羽元の1%の重量の塩
- マーマレード1
- しょうゆ1
- 黄金だし2
【作り方】
- 油を熱したフライパンに手羽元を入れて塩を振って表面を焼きます。
- マーマレードと醤油、黄金だしを加えて煮込みます。
- たれにとろみがつくまで5分ほど煮込んで完成です。
スペアリブよりも脂が少なく食べやすいので、お子様にもおすすめのレシピです。手羽元は安価で豪華に見えるので夕食が一気に華やかになります。
オレンジマーマレードケーキ
【材料】
- バター100g
- 卵2個
- 豆乳大さじ3
- オレンジリキュール小さじ1
- 薄力粉100g
- ベーキングパウダー3g
- マーマレード80g
- オレンジ1~2個
【作り方】
- バターを室温に戻して柔らかくします。
- 溶き卵を少しづつ加えて混ぜ合わせます。
- 豆乳、オレンジリキュールを入れてその都度混ぜ合わせます。
- 薄力粉、ベーキングパウダーを入れてゴムベラでさっくりと混ぜます。
- 型にマーマレードジャムを塗ってスライスしたオレンジを並べ、生地を流しいれます
- 180℃のオーブンで35分焼きます。
オレンジスライスを並べて焼くお菓子はプロのような仕上がりで人気です。まるごとオレンジを食べられるので、爽やかさを存分に味わえるお菓子レシピです。
マーマレードのレシピを自宅で試してみよう!
マーマレード作りは簡単とは言えませんが、お菓子作りだけでなく砂糖代わりに料理に使うだけでプロの味に早変わりもできて万能です。そのまま食べると酸味が強い柑橘類でも、お子様が美味しく食べられるように生まれ変わります。
プロのようなマーマレードを作るには下ごしらえが大切です。マーマレードにもたくさんの種類があるので、好みのレシピを見つけてお菓子作りや日々のレシピに取り込んでみてください。