2022年12月19日公開
2024年06月21日更新
小麦粉の生焼けは危険?見分け方や加熱時間の目安を料理別に紹介
生焼けの小麦粉を食べてはいけない理由をご存じでしょうか。この記事では、小麦粉の生焼けが危険といわれる理由や、生焼けの小麦粉を食べてしまった場合の対処法などを紹介しています。生焼けか見分けるポイントも料理別に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
「どうして小麦粉は生で食べてはダメなの?」
「生焼けの小麦粉を食べてしまったら、どう対処したらいい?」
「小麦粉で作った食べ物が生焼けだった場合、どうすればいいの?」
小麦粉はしっかり火を通さないといけないということを知っていても、その原因までは知らず、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、小麦粉の生焼けが危険といわれる理由や、小麦粉を安全に食べる方法、生焼けの小麦粉を食べてしまった場合の対処法を紹介しています。
また、生焼けかどうかの見分け方や、小麦粉が生焼けだったときの対処法を料理別に紹介していますので、安心して小麦粉を使った料理を食べられるようになるでしょう。
小麦粉の生焼けが心配という方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
小麦粉の生焼けが危険といわれる理由とは?
小麦粉とは、小麦の粒を挽いて粉状にしたものです。うどんやパスタ、クッキー、ケーキなど小麦粉を使った食べ物はたくさんありますが、どれも加熱調理されたものばかりで、生で食べるものではありません。
しかし、加熱が不十分なまま生焼けの状態で食べると、腹痛を起こしてしまう危険性があるといわれています。どうして、生焼けの小麦粉を食べると危険なのでしょうか。
まず、小麦粉の生焼けが危険といわれる理由について解説していきます。
加熱しないと消化しにくい
小麦粉は、加熱していないと消化されにくいといわれています。しっかり加熱されていないと腹痛や嘔吐、下痢といった症状が起こる可能性があるため、注意しましょう。
出典・参照: #568 小麦粉の生食について | 木下製粉株式会社
食中毒の危険性がある
先ほども紹介したように、小麦粉は小麦の粒を挽いて粉状にしたものです。
生の小麦粉は殺菌処理が施されていないため、腸管出血性大腸菌O157やリステリア菌などの菌が付着している可能性があります。生の状態の小麦粉を口にしてしまうと、これらの菌の影響で食中毒を起こしてしまう危険性があるため、生食は避けるようにといわれているのです。
腸管出血性大腸菌O157といえば生の肉、リステリア菌といえばチーズなどの乳製品を食べることによって発症してしまうというイメージを持っている方もいるかもしれませんが、土の中にも含まれている可能性があるため注意してください。
出典・参照: 腸管出血性大腸菌Q&A|厚生労働省
出典・参照: リステリアによる食中毒|厚生労働省
小麦粉はアレルギーにも注意
小麦粉を食べる場合、生焼けによる消化不良や食中毒だけでなく、食物アレルギーやダニアレルギーにも注意しなくてはいけません。
小麦が原因の食物アレルギーを持つ人が小麦粉を口にしてしまうと、蕁麻疹や嘔吐、腹痛、下痢などさまざまな症状があらわれます。呼吸困難などの重度のアナフィラキシー症状を引き起こしてしまう危険性もあり、注意しなくてはいけません。
また、小麦粉はダニアレルギーの危険性もあるでしょう。ダニが繁殖した小麦粉を知らずに口にしてしまうと、腹痛や嘔吐、下痢などの症状が出てしまいます。
一度開封した小麦粉を常温で保管するとダニが繁殖するといわれており、加熱してもアレルゲンは除去できません。ダニアレルギーを予防するためには、ダニを繁殖させないことが大切です。
ダニは低温化では繁殖しないといわれていますので、開封後は密閉容器に入れ冷蔵庫で保管しましょう。
出典・参照: 食物アレルギーの症状(アナフィラキシー症状を含む)があらわれたときの対応を教えてください。|アレルギーポータル
出典・参照: ダニアレルギー | 福岡市南区「竹山ファミリークリニック」
小麦粉を安全に食べるにはどうすればいい?
小麦粉は生で食べると、消化不良や食中毒の危険性があることが分かりました。では、どうすれば安全に小麦粉を食べることができるのでしょう。
小麦粉を安全に食べるには、しっかり加熱することが大切です。
生の小麦粉の含まれるβデンプンは、加熱することで糊化し分子の構造が崩れ「αデンプン」という状態になります。分子構造が崩れることによって、水や消化酵素が侵入できるようになり消化ができるようになるため、腹痛を起こす心配がなくなるでしょう。
また、腸管出血性大腸菌O157やリステリア菌は、中心温度75℃で1分以上加熱することで死滅させることができます。加熱することで食中毒の心配も無くなりますので、しっかり火を通すようにしましょう。
出典・参照: 小麦粉の知識(2)|科学技術振興機構
出典・参照: 腸管出血性大腸菌Q&A|厚生労働省
出典・参照: これからママになるあなたへ 食 べ 物 に つ い て 知 っ て お い て ほ し い こ と|厚生労働省検疫所
【料理別】小麦粉が生焼けか見分けるポイントと加熱時間の目安
小麦粉を使った料理には、うどん、パスタなどさまざまな種類があります。
うどんやパスタは表示された手順通りにしっかり茹でれば安全に食べられますが、お好み焼きやたこ焼きなど小麦粉と他の材料を混ぜて作る料理は、しっかり火が通っているかどうか自分で見分けなくてはいけません。
しかし、見分け方が分からず、手をつけた後に生焼けであることが判明してしまうこともあるでしょう。
ここからは、小麦粉が生焼けか見分けるポイントと加熱時間の目安を、料理別に紹介していきます。
クッキーの場合
クッキーは、見た目と感触で生焼けであるか見分けましょう。
焼き色が薄く、時間が経ってもしっとりしたままで固くならない場合には生焼けである可能性が高いです。また、割ってみて中の生地に半透明な部分がある場合も、しっかり火が通っていない可能性があるため注意しましょう。
生焼けを防ぐためには、オーブンやトースターをしっかりと予熱して、機種によって時間は異なりますが、約5分から15分しっかり加熱してください。
お好み焼きの場合
お好み焼きの見分け方は、竹串を刺す方法が形が崩れず、手軽にできるためおすすめです。
竹串を刺して生地が付かなければ、しっかり火が通っているといえるでしょう。ただし、お好み焼きはさまざまな具が入っているため焼きムラができやすいです。竹串を数か所刺して、全体がしっかり焼けているか確認してください。
フライパンで焼くか、ホットプレートで焼くで違いは出てきますが、お好み焼きはじっくり弱火で約15分から20分、焼くことでしっかり中まで火を通せるでしょう。
たこ焼きの場合
たこ焼きは、外はカリッとしていて、中がトロッとしているため、生焼けであるか判断がしにくい料理です。
たこ焼きは、割ってみて中の生地が粉っぽく、ふんわりしていない場合には生焼けである可能性が高いでしょう。
またたこ焼きは、串刺しを用いた見分け方もできます。竹串を刺してみて、どろっとした生地が付いてくるようでしたらまだ火が通っていない可能性が高いため、再度加熱が必要です。
たこ焼き器の種類によって温度や熱の伝わり方が異なりますが、たこ焼きの中心までしっかり火を通すためには約10分、加熱するようにしましょう。
ホットケーキの場合
ホットケーキが生焼けであるかの見分け方も、竹串を使った方法がいいでしょう。
ホットケーキも竹串を刺して、トロッとした生地が付いてくるようであれば生焼けである可能性が高いため、再加熱が必要です。竹串を刺して生地が付かないのであれば、しっかり火が通っているといえるため、安心して食べられるでしょう。
さらに、割ってみて粉っぽさや生卵のにおいが感じられるようであれば、しっかり火が通っていないことが考えられるため注意してください。
ホットケーキの生焼けを防ぐためには、15分から20分程度、弱火でじっくり焼くようにしましょう。
【料理別】小麦粉が生焼けだったときの対処法
小麦粉が生焼けであるかの見分け方や加熱時間の目安を紹介しましたが、目安通りしっかり加熱したとしても、使用する機器の種類や火加減などさまざまなことが原因で、生焼けになってしまうことはあります。
食卓に出し、いざ食べようとしたときに生焼けであることが判明した場合、どうしたらいいのでしょう。
ここからは、小麦粉が生焼けだったときの対処法を料理別に紹介していきます。小麦粉を安全に食べたい方は、ぜひ参考にしてください。
クッキーの場合
クッキーが生焼けだったときは、オーブンやオーブントースター、電子レンジで再加熱してください。
オーブンを使用する場合は、140℃から150℃程度の温度で約10分焼くことで、焦げずに中心まで火を通せるでしょう。
オーブントースターは、温度が高くなりやすいため、焦げてしまわないように注意しなくてはいけません。アルミホイルを被せ、焦げないように様子を見ながら加熱してください。
電子レンジを使用する場合は、600wと20秒から30秒ずつ様子を見ながら加熱するといいでしょう。
お好み焼きの場合
お好み焼きが生焼けだったときには、フライパンや電子レンジ、オーブントースターで再加熱してください。
フライパンを使用する場合は、弱火で蓋をして蒸し焼きにするといいでしょう。焦げないように様子を見ながら、じっくり火を通してください。
電子レンジを使用する場合は、ラップを軽くかけて1分加熱しましょう。竹串を刺してまだ中まで完全に火が通っていないようであれば、再度1分加熱してください。
オーブントースターを使用する場合は、焦げないようにアルミホイルを被せ、10分から15分程度加熱しましょう。
たこ焼きの場合
たこ焼きが生焼けだった場合、たこ焼き器で再加熱するのがおすすめです。たこ焼き器は高温になってしまうため、表面が焦げないようにコロコロと転がしながら、全体に火が通るようにしてください。
また、たこ焼きが生焼けであった場合、電子レンジで再加熱する方法もあります。お皿にたこ焼きを盛りラップをかけて、20秒から30秒、加熱してください。
なお、電子レンジを使って加熱すると、たこ焼きが爆発してしまう恐れがあります。爆発しないように様子を見ながら加熱時間を調整しましょう。
ホットケーキの場合
ホットケーキが生焼けだった場合、フライパンや電子レンジを使って再加熱してください。
フライパンを使う場合は、表面が焦げないように弱火でじっくり火を通すようにしましょう。焼きあがったら竹串で数か所刺して、中心まで火が通っているか、焼きムラがないか確認してください。
電子レンジを使う場合、温めすぎてホットケーキが固くなってしまわないように注意しましょう。ラップを軽くかけて、20秒ずつ様子を見ながら加熱してください。
小麦粉が生焼けにならないためのコツ
生焼けであることが分かった場合、前述したような方法で再加熱すれば安心して食べられるでしょう。しかし、再加熱を失敗してしまうと、生地が固くなって美味しくなくなってしまいます。
美味しく食べるためには、生焼けを起こさなければいいのです。生焼けにならないためには、どのようなことに注意したらいいのでしょう。
生焼けにならないためには、混ぜすぎない、捏ねすぎないことが大切です。
小麦粉は、混ぜれば混ぜるほど、捏ねれば捏ねるほど、重く固くなってしまいます。重く固くなってしまえば火の通りが悪くなり、生焼けが起きてしまうリスクが高まるでしょう。粉っぽさがなくなる程度に混ぜるようにしてください。
生焼けの小麦粉を食べてしまったらどうすればいい?
しっかり確認したつもりでも、生焼けの小麦粉を食べてしまうことがあります。生焼けの小麦粉を食べてしまったら、どのように対処すればいいのでしょう。
生焼けの小麦粉を食べてしまったら、しっかりとお腹を休ませてあげることが大切です。
消化不良の症状は、食べた直後に感じることもありますし、食べてから数時間経ってから感じることもあります。何時間後に起こると断言することはできませんので、食後30分は消化不良を起こさないようにお風呂などは避け、安静にするようにしましょう。
もし消化不良を感じたら、脂っこい食事や刺激物、食物繊維の多い野菜などお腹に負担のかかるものは避け、豆腐や白身魚、ゼリー飲料といった消化しやすいものを食べるようにしてください。また、脱水症状を防ぐために、こまめに水分補給するのも忘れないようにしましょう。
安静にしても消化不良が続くようでしたら、病院を受診してください。
出典・参照: 消化不良|イーヘルスクリニック 新宿院
小麦粉の生焼けに注意しよう
ここまで、小麦粉の生焼けが危険といわれる理由などを見てきました。
生焼けの小麦粉を口にしてしまうと、消化不良や食中毒を起こしてしまう危険性があります。小麦粉を安全に食べるためには、しっかり火を通し、生焼けを起こさないことが大切です。
この記事で紹介した、小麦粉が生焼けかの見分け方や生焼けだった場合の対処法を参考に、生焼けにならないように調理しましょう。
もし、生焼けの小麦粉を食べてしまったら、安静にしてお腹を休ませてください。