2023年02月03日公開
2024年05月26日更新
サラダ油って体に悪いの?理由やおすすめの代用油もあわせて紹介
サラダ油は、安くてさまざまな料理に使える万能な油ですが、その一方で体に悪い油としてあげられているのはご存知でしょうか。この記事では、そんなサラダ油が体に悪いと言われている理由や選び方のポイントなどを紹介します。気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
目次
「サラダ油のサラダってどんな意味?」
「サラダ油って体に悪いの?」
「サラダ油の原材料ってなに?」
このように、普段からサラダ油を使っているが実際に原材料はわからない、なぜ「サラダ」という言葉がつくのか知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、サラダ油の特徴や体に悪いと言われている理由など解説しながら、サラダ油の選び方とサラダ油の代わりに使うのにおすすめの油も紹介します。
この記事を読むことで、サラダ油の特徴や選び方を知ることができ、安心して料理に使えるようになるでしょう。油は、日々の料理には欠かせない存在なので、しっかり理解して摂取していきましょう。
また、油はサラダ油だけではありません。さまざまな種類があり、原材料も使い方も異なります。ぜひ、この記事を参考にその料理に合った油を使ってみてください。
サラダ油ってどんな油?
日々、料理する方であれば、油は欠かせない存在です。特に、サラダ油は安価で香りにくせもなく使いやすいため、普段からサラダ油を常備している家庭も多いでしょう。
そんな、さまざまな料理に使えるサラダ油ですが、実際にどんな油なのかわからずに使っている方も多いでしょう。サラダ油は日本で開発された植物油であり、そのままサラダドレッシングに使える油として売り出したのが、サラダ油の始まりと言われています。
ですので、サラダ油だからといって生野菜が原料ではありません。あくまでサラダにかけて食べられる油という意味になります。サラダ油は精製度が高く、低温でも濁らず固まらないサラサラしているのが特徴です。
飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸ってなに?
まず、三大栄養素にタンパク質・糖質・脂質がありますが、油はその中の脂質にあたります。そして、この油の主成分は脂肪酸です。脂肪酸の構造は、炭素、水素、酸素の原子で構成されています。
この構造のつながりや違いによって、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2種類に分けられているのです。なお、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸には、それぞれ特徴があるので、以下で詳しく解説していきます。
出典・参照:脂肪酸|農林水産省
飽和脂肪酸
構成する炭素の仕方により、二重結合がない脂肪酸を飽和脂肪酸と言います。他にも、パルミチン酸やステアリン酸なども二重結合がない脂肪酸です。この飽和脂肪酸は、主に乳製品や肉類に含まれており、ココアバターやパーム油などにあたります。
そのため、バターのように常温時は、固形なのが特徴です。なお、飽和脂肪酸は生きていくために必要なエネルギー源です。ただし、過剰に摂取すると体に悪い傾向があり、動脈硬化や糖尿病などリスクが高まると言われています。
出典・参照:脂肪酸|農林水産省
出典・参照:2─3─2─1.生活習慣病との関連 114ページ|厚生労働省
不飽和脂肪酸
脂肪酸の構成の仕方により、二重結合があるものを不飽和脂肪酸と言います。なお、二重結合が1つあると一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、2つ以上あると多価不飽和脂肪酸(オメガ6系・オメガ3系)と分けられており、それぞれ異なる働きをします。
不飽和脂肪酸は、植物や魚に含まれており、今回解説しているサラダ油やオリーブオイルもこの脂肪酸です。固形ではなく、サラサラした液体なのが特徴です。また、オリーブオイルなどはコレステロール値を下げる効果があり、動脈硬化などの予防にも期待されています。
出典・参照:脂肪酸|農林水産省
出典・参照:2─4─3─1.生活習慣病との関連 118ページ|厚生労働省
サラダ油が体に悪いと言われている理由
サラダ油は、なぜ体に悪いと言われているのか気になる方も多いでしょう。まず、体に悪いという主な理由は、サラダ油の過剰摂取などです。
しかし、人体に影響が確認されていないものもあるため、確実にサラダ油が体に悪いとは言い切れません。
ここでは、サラダ油が体に悪いと言われている理由や危険性を、5つに分けて解説していきます。参考程度に頭に入れておきましょう。
原材料が遺伝子組み換えの場合があるため
遺伝子組み換えは、名前のとおり生物のDNAから遺伝子を取り出し、他の生物の細胞核に組み込んで品種改良することを言います。
それにより、害虫に強い性質を持つ品種や、強力な除草剤に耐えられる品種ができます。主に大豆やトウモロコシなどに応用され、それらはサラダ油の原材料になります。
この遺伝子組み換えに対する安全性は、未だ証明されていません。そのため、サラダ油が体に悪いと言われているのです。
製造過程で化学物質や添加物が使用されているため
サラダ油の原材料は大豆やトウモロコシなどですが、それらをどうやって油にしているのか知らない方も多いでしょう。結論から言うと、ノルマンヘキサンという有機溶剤をかけて、大豆やトウモロコシから油分を抽出していきます。
このように、製造過程で化学物資や添加物が使用されていることから、サラダ油は体に悪いと言われる原因になっているでしょう。
高カロリーであるため
サラダ油は、大さじ1(12g)に対して111kcalもあります。そのため、安いからといってサラダ油を揚げ物などにたくさん使っていくと、いつの間にか摂取カロリーが高くなってしまうでしょう。
このカロリーの高さも、体に悪いと言われている理由の1つです。とはいえ、体にいいと言われているオリーブオイルもサラダ油と同じカロリーです。
なにごとも使いすぎない、食べすぎないということが大切です。
出典・参照: サラダ油|カロリーSlism
出典・参照: オリーブオイル|カロリーSlism
リノール酸(オメガ6脂肪酸)が含まれているため
サラダ油には、リノール酸(オメガ6脂肪酸)という必須脂肪酸が含まれています。なお、必須脂肪酸にはオメガ6脂肪酸とオメガ3脂肪酸があります。どちらも体内では作れないので、食事から摂取する必要があります。
近年の研究結果から、このリノール酸を過剰摂取することで、アレルギー症状など体に悪い影響を与えると懸念されています。この理由もサラダ油は体に悪い、危険性があると言われる理由のt1つと言えるでしょう。
なお、アマニ油などのオメガ3脂肪酸には、アレルギーや血液凝固などを抑制する作用があるため、バランスよく摂取するのが大切です。サラダ油だけを偏って使用するのではなく、オリーブオイルやアマニ油などもバランスよく入れましょう。
出典・参照: 体にいい油、悪い油|総合南東北病院
トランス脂肪酸が含まれているため
サラダ油で危険性があると言われているのが、トランス脂肪酸です。名前を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。このトランス脂肪酸は、精製の過程で水素を添加することで発生します。
トランス脂肪酸は過剰摂取によって、健康被害のリスクが高まると研究結果で指摘されています。ただし、この研究結果は、トランス脂肪酸の摂取量が多い外国人が対象です。
そのため、脂質の摂取量が少ない日本人に外国人と同じ影響があるのかどうかは、未だ解明されていません。また、サラダ油に含まれるトランス脂肪酸は少ないため、体に悪いとまでは言えないのも現状です。
出典・参照: すぐにわかるトランス脂肪酸|農林水産省
サラダ油を選ぶときのポイント
サラダ油は、比較的に安価で使いやすいため、絶対に使わないというのは現実的に厳しいでしょう。そのため、必要以上に摂取しないことを意識して、サラダ油を選んでみてください。
また、リノール酸とトランス脂肪酸が少ないサラダ油を見極めていくのもポイントです。ここからは、それらをふまえてサラダ油の選び方を解説していくので、ぜひ参考にしてください。
- 国産のものを選ぶ
- 酸化しにくい・酸化していないものを選ぶ
- 遺伝子組み換えでない原材料のものを選ぶ
国産のものを選ぶ
まず、サラダ油を選ぶポイントとして、国産のものかどうか確認しましょう。特に、国産原料100%と表記されているサラダ油は、鮮度がいいです。他のサラダ油よりか少量、かつ割高ではありますが、結果として過剰摂取も防げるのでおすすめです。
サラダ油を選ぶときは、国産原料100%と表記されている油を選びましょう。
酸化しにくい・酸化していないものを選ぶ
サラダ油を選ぶポイントとして、酸化しにくい油を選ぶのもおすすめです。油は基本的に過熱されると過酸化脂質が発生し、ガンや動脈硬化を招く危険性があります。そのため、酸化した油は使わないようにしましょう。
なお、オメガ6のごま油などは170度まで、オメガ9のオリーブオイルは240度までで、それを超えると酸化反応が早まります。
特に、加熱調理が多い場合は、キャノーラ油やこめ油を選ぶのがおすすめです。
出典・参照: 体にいい油・わるい油|一般社団法人 全日本司厨士協会東京地方本部
遺伝子組み換えでない原材料のものを選ぶ
遺伝子組み換えではない原材料のサラダ油を選ぶのも、1つのポイントです。日本では遺伝子組み換え作物は生産されていないため、基本的に国産の油を選んでおけば問題ありません。なお、選ぶときは、国産原料100%と明記されているかチェックしましょう。
特に、こめ油は遺伝子組み換えの流通が認められていないので、国産原料を確認しなくても判断できます。
サラダ油の代わりに使うのにおすすめの油
サラダ油は、他の油より安価で使いやすいですが、健康面を考えたら体に良い油を使いたいでしょう。ここでは、サラダ油の代わりに使えるおすすめの油を紹介していきます。
なたね油
なたねが原材料である「なたね油」は酸化しにくく、高温の調理にも適している油です。なお、カナダで開発されたキャノーラ種からしぼったキャノーラ油も、酸化に強い特徴があります。
そのため、さまざまな料理に活躍できる万能の油です。さらにオレイン酸も多く含まれているため、悪玉コレステロールを減らしてくれる効果があると言われています。
出典・参照: こだわりのなたね油|米澤製油株式会社
オリーブオイル
オリーブオイルもオレイン酸が多く含まれているため、酸化しにくいです。また、β-カロテンが多く含まれている油です。
このβ-カロテンは、抗酸化作用の他にビタミンAに変わる働きがあります。ビタミンAは、粘膜などの健康を保ってくれるため、積極的に摂取したい成分でもあります。
非常に使い勝手の良い油なので、家に常備しておくのがおすすめです。
出典・参照: カロテノイド|e-ヘルスネット(厚生労働省)
グレープシードオイル
グレープシードオイルもサラダ油の代用として使えます。サラダ油と同様にくせがなく、使いやすいのが特徴です。また、加熱しても酸化しにくいため、揚げ物や炒め物にも利用できます。
なお、グレープシードオイルは、ブドウの種を抽出して作られているため、健康にも良い油として期待されています。さまざまな料理に使える便利な油なので、サラダ油の代用として非常におすすめです。
ごま油
ごま油は、焙煎と圧搾法で作られており、香ばしい香りが特徴です。また、他の油に比べて酸化しにくく、長期的に保存できるのも嬉しいポイントです。ただし、風味と香りが強いため、サラダ油の代用で使う場合は炒め物などがよいでしょう。
特に、中華料理に使うと、味わい深い仕上がりになるのでおすすめです。
こめ油
こめ油は、サラダ油同様サラサラしていて風味も良く、さまざまな料理に使えるためサラダ油の代用に適した油です。また、スーパーでも比較的安価で入手できるのも、嬉しいポイントでしょう。
油の中でも抗酸化作用を多く保有しており、健康に良い油でもあるためぜひ取り入れてみてください。
えごま油
えごま油は「ごま」ではなく、シソ科の「えごま」という植物から搾られた油です。特に、オメガ3の脂肪酸であるαリノレン酸が豊富に含まれています。そのため、健康を意識した方に人気の油です。
ただし、えごま油は酸化しやすいため、サラダ油の代用としてはあまり向いていないでしょう。保存方法や使い方に気をつけながら、使用してみてください。
サラダ油が体に悪いと言われる理由について知っておこう
サラダ油は、比較的安価で入手でき、さまざまな料理にも使える万能な油です。ただし、過剰摂取すると体に悪い可能性があるため、使いすぎには注意してください。
過剰摂取を避けるためにも、料理に合わせて油を使い分けるなどの工夫をしていくのがおすすめです。ぜひ、この記事を参考に、サラダ油が体に悪いと言われる理由や特徴を知り、賢く油を選んでいきましょう。