2022年12月19日公開
2024年06月21日更新
1日2食ダイエットが危険と言われる理由とは?やり方のコツも解説
1日2食ダイエットを始めようと思っている人は必見です。数々のダイエットには危険性がつきものですが、1日2食ダイエットもやり方を間違えてしまうと逆効果になってしまう可能性があります。本記事では、その危険性と効果的なやり方を詳しく紹介しています。
目次
「ダイエットのために1日2食にしたい!」
「痩せるにはどんな食事方法が最適なの?」
「1食抜くと体に悪いって本当?」
ダイエットに悩んでいる人は多いのではないでしょうか。最近は外出制限などもあり、なかなか思うような結果が出なくて悩んでいる方もいるでしょう。
本記事では、注目度の高い1日2食ダイエットについて紹介します。1食抜けば単純に摂取カロリーが減るので短期間で結果を出しやすくなりますが、栄養が不足したり体調を崩したりするデメリットもあります。
注意すべき点をしっかりと押さえて、長期的に健康を維持できるダイエットを行っていくために、この記事を読んで参考にしてください。良い結果が出せることを目標に、頑張りましょう。
昔の日本は1日2食
現在は朝昼夕の1日3食が基本になっていますが、昔の日本は違いました。
奈良時代や平安時代は、体を使って仕事をする農民や工人以外は朝夕の1日2食が一般的でした。肉体労働の農民や工人は1日2食では体力がもたないので、朝と夕方の間に間食を取ってエネルギーを補給していたことが分かっています。
また、昔は暗くなったら布団に入る生活をしていたので、お腹が空く前に寝てしまい、夜に食事をとる必要がありませんでした。
江戸時代になると行燈(あんどん)と呼ばれる灯りが使われるようになり、夜でも明るく過ごせるようになったため活動時間が延びました。
早く寝ていた頃に比べて活動時間が長くなると、夜、空腹を感じるようになります。朝と夕方だけの食事では足りなくなり、現在の朝昼夕の1日3食が確立されていきました。
江戸時代、肉はほとんど食べられていません。タンパク質は豆類や魚で補っていたようです。食事内容は質素ですが、成人男性は平均1日5合もお米を食べていたと言う記録があり、主食のお米でエネルギーを補っていたことが分かっています。
同じ3食でも、現代の食事内容と全く異なります。1日2食を推奨する人が、1日3回食事をするのは栄養過多だと言うのはこのためでしょう。
1日2食ダイエットと16時間ダイエットの違いとは?
16時間ダイエットも最近よく聞くワードです。16時間ダイエットとは、8時間以内に1日の食事を済ませ、残りの16時間は空腹にするプチ断食の状態を作る食事法のことを言います。要は、16時間は何も食べないと言うことです。
16時間ダイエットで良いとされている点はデトックス効果です。空腹の時間が16時間あると消化器官を休めることができます。お腹が空いたからとすぐに食べてしまっては、内臓を休める時間がありません。疲れた内臓を休める時間があると老廃物を排出する力が高まり、デトックス効果が期待できると言われています。
1日2食ダイエットは、よく16時間ダイエットと一緒にされることがありますが、1日2食ダイエットの場合、朝昼夕のどれを抜くかは人それぞれです。1食分抜けばそれで成立する方法なので、16時間ダイエットとは少し違います。
似たような食事方法に12時間ダイエットと言う方法もあります。これは、1日3食摂ることを前提にしており、1日2食ダイエットや18時間ダイエットとは違う方法です。1日の最後の食事から次の食事まで12時間空ける方法で、夕食から翌日の朝食までの時間を12時間空けることで、脂肪の燃焼効果が期待できると言うものです。
どれも違ったダイエット方法ですが、1日2食ダイエットと16時間ダイエットに関していえばデメリットが共通しています。16時間ダイエットに興味がある人も、これからお伝えする危険性を参考に始めると良いでしょう。
1日2食ダイエットが危険と言われる理由
1日2食ダイエットの効果を実感している方も多いようですが、メリットと同時にデメリットも把握することが成功への鍵だと言われています。むしろ、なぜ危険だと言われるのかをきちんと理解していないと、ダイエットに失敗するケースが多くなってしまうでしょう。
食事制限すると空腹に耐える辛さだけでなく、栄養面の偏りや運動パフォーマンスの低下に直結します。適正に行わないと体にとって良くない影響が出てしまいます。
ここからは、1日2食が危険だと言われる理由について説明していきます。
食べ過ぎてしまう
1日2食でダイエット効果が得られるのは、単純に1日の摂取カロリーが1食分減ることにあります。せっかく1食抜いたのに、その分食べ過ぎてしまっては効果が期待できません。
ダイエットを始めてすぐは2食に慣れないこともあり、空腹をいつも以上に感じやすくなります。1食抜くとその後の食事は、たくさん食べても大丈夫だろうと気持ちが大きくなり、結果的に暴飲暴食してしまう危険があるのです。
食べ過ぎが危険な理由は血糖値の急上昇にあります。長時間の空腹で血糖値が下がっているところから急に暴食すると、血糖値が急激に上がります。この血糖値の乱高下は、体がだるくなったり眠気に襲われたり、太りやすい体質になったりする原因と考えられているのです。
せっかく減量したくてダイエットを始めたのに、2食にしたことで逆に太ってしまうこともあります。食べ過ぎないよう、十分注意しながらダイエットしましょう。
出典・参照:血糖値スパイクを予防しよう|社会福祉法人 恩賜財団 済生会
食事を抜くことが精神的にきつい
1日しっかり3食を食べている方がこのダイエットを始めると、空腹がとても辛く感じるでしょう。1〜2週間程度は慣れず、空腹に耐えるのが大変だったと言う経験談もあります。
ダイエットに成功できた方も、最初の内は辛いと感じていたようですが、次第に慣れてきて続けることが苦にならなくなったようです。
あまりにも空腹が辛いと感じるときは間食がおすすめです。我慢し過ぎるとめまいなどで倒れてしまう危険もあります。ナッツや高カカオチョコレート、バナナなどカロリー控えめなものを少量選ぶと良いでしょう。
それでも数週間続けているのに空腹に慣れず辛い思いをしている場合は、このダイエット方法が体質に合っていないため中止をおすすめします。いずれ耐えられなくなり、反動で暴食してしまう可能性が高まるでしょう。
ダイエットは継続することが大切です。早く結果を出すことができても、それを維持できなければ意味がありません。長期的にできる自分に合った他のダイエット方法を探しましょう。
子どもの成長に悪い影響が出る可能性がある
1日2食の食事量は、成長期の子どもには適切ではありません。子どもの場合、大人に比べて1回に摂れる栄養や食事量が少なめです。1回の食事量が少ない場合は、回数を増やした方が栄養の摂取率は上がります。成長期の子どもにとって、1日3回の食事は必要不可欠なのです。
栄養が不足すると体の成長に大きな影響を及ぼします。また、必要以上に食事制限を行なって食べたいものを我慢し過ぎるのは、成長期の心にも影響しかねません。
食事量や栄養が足りないと成長過程だけでなく、大人になってからも影響が出る場合があります。貧血や月経不順の原因となり、骨粗しょう症などの症状は一生の健康をも左右する危険があるので注意しましょう。
肥満で悩んでいるお子さんには食事の回数を減らすのではなく、適正な食事量と栄養管理など、食事内容の見直しや、運動量を増やすのがおすすめです。大人が行う極端なダイエット方法は子どもには向いていません。
出典・参照:食生活を考えよう─ 体も心も元気な毎日のために─|文部科学省
妊娠中の場合は胎児に悪い影響が出る可能性がある
妊娠中の体重増加には目安があり、体重を増やし過ぎないよう体重管理の必要があると言われています。これは、母体や胎児へのリスクを軽減するために指導されているものです。体重を増やし過ぎないように食事の回数や量を減らすのではなく、内容の見直しや運動が推奨されています。
つわりや胸焼けで十分な食事量を摂れない場合以外は、食事の回数や量を減らすことは避けましょう。妊娠中、安易に1日2食の食事制限を行うことは栄養不足で母体や胎児に悪影響を及ぼしてしまう可能性があります。
体重増加でお悩みの場合は医師に相談し、適切な診断のもとダイエットするようにしましょう。
出典・参照:妊娠中のあなたにたいせつな食生活|松本市
栄養不足になる
1日2食にすると、体に必要な1日分の栄養素の摂取が難しくなります。
成長期の子どもや妊婦さんへの注意を先述しましたが、健康な大人も同じです。1日2食の食事では栄養不足が懸念されます。
1日3食でも、1日に必要な栄養素を適量摂ることは難しいと言われています。3食でもサプリメントで鉄分やビタミンなど、必要な栄養を補っている方が多いのではないでしょうか。
1日2食を続けるためには、より栄養を意識した食事を心がけることが大切です。主食、主菜、副菜に合わせて乳製品などのカルシウムや果物でビタミンを摂ります。バランスの良い献立をそろえ、1回の食事を大切にしましょう。
食事で補えない分は用量を守って、サプリメントや間食で必要な栄養を摂るようにしてください。
出典・参照:低栄養を防ぐ食生活|徳島県
代謝や筋肉が減少する
1日2食にすることで栄養不足だけでなく、エネルギー不足も懸念されます。
体重減少は摂取カロリーが消費カロリーを下回ることで成功します。しかし、摂取カロリーが大幅に下回った状態が長く続く、摂取しているタンパク質の量が少ないなどの状態が続くと、筋肉量が減り代謝が下がってしまうのです。
代謝が落ちると脂肪を燃焼させる力が弱まったり、逆に少ない栄養をできるだけ吸収しようと太りやすい体質になってしまうこともあります。
代謝が落ちないよう、適切な量の炭水化物やタンパク質を摂ることを心がけましょう。また、食事制限と同時に筋肉量を落とさないための運動を続けることも大切です。
食事制限だけでは体重を落とすことはできても、体力や筋肉量を維持することはできません。必ず適度な運動も同時に行うことが、ダイエット成功への近道になります。
出典・参照:体重減少の原因は?|国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター
朝食を抜くことで体に悪い影響が出る可能性がある
1日2食にする場合、朝食を抜く方が多いでしょう。朝は忙しく、もともと食べていない方もいるのではないでしょうか。
朝食を抜くことが、現在悩んでいる不調を悪化させている原因になる可能性があります。
1つ目は片頭痛です。大人だけでなく最近では子どもで悩んでいる方も多い片頭痛は、朝起こりやすいと言われています。これは他の要因もありますが、空腹時や血糖値が低いと症状が悪化することが分かっています。片頭痛を回避できる場合があるので、朝食は抜かないのがおすすめです。
2つ目は胆石症です。これは胆のうや胆管に石ができて、痛みやさまざまな症状を引き起こす病気です。できる原因は食生活や生活習慣もあげられており、過度なダイエットも原因の1つと言われています。胆石症予防には規則正しい食生活を心がけることが大切です。
3つ目は骨粗しょう症です。骨や歯を強くするには成長期から意識して食事を心がけることが大切ですが、年齢を重ねてからも意識してカルシウムを摂らないと症状は悪化します。老化だけでなく偏食やダイエットも骨粗しょう症の原因とされているので、骨密度に自信がない方は朝食を抜くことはおすすめしません。
バランスの良い食事を適量摂りましょう。
出典・参照:やさしい頭痛のはなし|Neuroinfo Japan
出典・参照:胆石症ガイドQ&A 胆石症についてお話しします。|日本消化器病学会ガイドライン
出典・参照:骨粗鬆症|社団法人 日本整形外科学会
食事時間別による1日2食のダイエットをするコツ
ここまで1日2食を行うときの注意点や危険性について説明してきました。食事制限は適切に行わないと長続きしません。また、栄養不足で体調を崩しがちになってしまうでしょう。
ダイエットとはただ痩せるだけでなく、健康維持の意味もあります。健康な体に近づけるため、適正な体重を目指すために行いましょう。
では、1日2食ダイエットではどの食事を抜くのが1番良いのでしょうか。この答えは個人のライフスタイルによって変わります。人によって効果が現れる時間帯も変われば、活動時間や勤務時間も違います。自分の生活スタイルや体調に合った時間帯を選ぶことが継続するコツです。
ここからは、食事の時間別に押さえるべきポイントを紹介します。自分に合う無理のない時間帯を探してみてください。
- 昼食を食べない場合
- 夕食を食べない場合
- 朝食を食べない場合
昼食を食べない場合
1日2食のうち、昼食を抜くとどのような効果があるでしょうか。
まず、昼食を食べないと午後に感じやすい眠気がなくなります。特に仕事をしている方は、昼食後に眠くなってしまったといった経験があるでしょう。
また、昼食は同僚と外食する方も多いでしょう。外食で栄養バランスを考えるのは難しいことが多いです。家で食べる朝と夕方であれば、落ち着いて栄養バランスを考えた食事ができるメリットがあります。
ただし、昼食は抜いてしまうと空腹感を感じやすく、他の食事に比べて辛いと感じる方もいるでしょう。エネルギー切れで午後の仕事に支障が出る危険もあります。
長続きさせるコツは、間食で栄養補給したり夕食を早めに摂る工夫をすることです。間食はカロリー控えめで栄養価の高いナッツや果物などが向いています。牛乳はタンパク質やカルシウムが摂れるので、最近は間食に選ぶ方も増えているようです。
また、間食にプロテインを摂る方も増えています。必要な栄養素を補うことができるのに加え、味もチョコレートやヨーグルトなどさまざまなフレイバーを楽しめます。ストレスを溜めずに続けられるので、こちらもおすすめです。
夕食を食べない場合
夕食抜きダイエットは、3食の中でも1番難易度が高いと言われています。
普段から家でお酒を飲む方や飲み会が多い方には、夕食抜きは辛いでしょう。夕食抜きを継続したいと考えている方は、周りに理解してもらうことが大切です。
夜空腹を感じると眠れない方もいるでしょう。お腹が空いて眠れない方は寝不足になってしまう危険があるので、あまりおすすめできません。
また、夕食は3食の中で1番落ち着いてできる食事でもあります。栄養バランスなどを考慮した食事が摂れる時間帯でもあるので、朝食と昼食だけで栄養素を補うのは至難の業です。これからダイエットを始めようとしている方は、無理のないようにしましょう。
もちろんメリットもあります。食べ物を完全に消化しきってから寝るので、胃腸をしっかり休めることができます。夜活動できる時間が増えるので、プライベートな時間に充てることも可能です。2食に慣れている方は、夕食を抜いて節約したり勉強したりと良いことも多いようです。
朝食を食べない場合
朝食抜きは、他の2食に比べて抜くのがラクだと感じる方は多いです。
朝からしっかり朝ごはんを食べている方は別ですが、朝食は昼食や夕食に比べると量が少ないという方も多いでしょう。起きてすぐは空腹を感じにくいので、もともと食べない方もいます。
また、昼食までの時間も短いので、空腹を我慢する時間が少なくて済みます。朝食を食べた後にくる眠気もないので、慣れてしまうとこちらの方が頭が冴えると言う声もあります。
危険なのは水分不足になりがちな点です。通常は寝ている間に失われた水分を食事と飲み物の両方で補給しますが、朝食を抜くことで補給しづらくなります。意識的に水分と塩分の両方を摂るよう心がけてください。特に午前中から体を動かす予定がある方は、脱水症状の危険が伴うことを理解しておきましょう。
もともと朝食をあまり食べないという方は、ダイエット効果を感じにくい場合もあります。今まで以上に栄養面に気をつけて食事を摂り、長期的なプランで健康的な体を目指しましょう。
ダイエットをする前に1日2食の危険を知っておこう
今回は1日2食ダイエットに焦点を当てて見てきましたが、食事制限に関するダイエットはどの方法にも少なからず危険性が伴います。
成人が1ヶ月に減らしても問題ない目安は、体重の約5%までと言われています。これ以上落としてしまうと体が危険だと感じ、減量前の状態に戻そうとします。すると、それ以上減量できなくなったり痩せづらい体質に変わってしまうのです。
1日2食ダイエットは危険性をしっかり理解して始めないと、この痩せづらい体へと変化してしまう可能性が高い方法です。せっかく健康的になりたいと始めたのに、続けることで不調を感じたりリバウンドしたりしてしまっては意味がありません。
無理にダイエットを続けることで、ストレスを感じて心の健康を害してしまうこともあります。しかし、1日2食ダイエットは適正に行えば、必要な栄養素を摂取しながら健康的に減量することも十分可能です。
ダイエットのネガティブな面をしっかりと把握した上で、自分の現在の生活習慣を見直して、無理のない範囲で健康的なダイエットを行ってください。きっと良い結果を手に入れることができるでしょう。