ガレットの意味とは?クレープと違う?由来や材料のそば粉から違いを紹介

ガレットは最近日本でも注目され始めた、そば粉を使ったフランス料理のひとつです。一方でガレットに良く似たフランス料理に、日本でも人気を集めるスイーツであるクレープがあります。ガレットとクレープの違いは、その材料や具材といった作り方だけなのでしょうか?実はガレットとクレープには、そば粉や具材といった作り方だけでなく、その由来や名前の意味にも違いがあるのです。ガレットとクレープの違いやその由来を始め、ガレットの作り方やカロリーまで紹介していきます。

ガレットの意味とは?クレープと違う?由来や材料のそば粉から違いを紹介のイメージ

目次

  1. 1ガレットとは?どんな意味や由来がある?
  2. 2ガレットはフランス由来のそば粉を使う料理
  3. 3クレープはガレットとは全然違う!
  4. 4ガレットとクレープの違い
  5. 5ガレットとクレープのカロリー
  6. 6ガレットの作り方とおすすめのトッピング具材
  7. 7ガレットとはクレープのもとになった主食だった!

ガレットとは?どんな意味や由来がある?

ガレットは最近日本でも注目され始めたフランス料理のひとつですが、まだまだ馴染みの薄い料理でもあります。そんなガレットはそば粉を使って作りますが、フランス料理とそば粉との組み合わせにも、違和感を感じる人はいるかもしれません。

そんなガレットには一体どんな意味があり、どんな由来で生まれたフランス料理なのでしょうか?ガレットの由来や、同じフランス料理で良く似たクレープとの違いなど、ガレットについて調べてまとめてみました。

ガレットはフランス由来のそば粉を使う料理

ガレットはフランス由来の、そば粉を使った塩気のある生地に、チーズやハム、卵などの具材をトッピングして、食事としての作り方をするのが一般的な料理です。そんなガレットの意味や詳しい由来を調べてまとめてみました。

発祥地

ガレットはフランスの北西部にあるブルターニュ地方由来の郷土料理です。そば粉に水や塩のほか、時には卵も混ぜてから寝かせておいた生地を、熱した平鍋やガレット専用の鉄板にすくった生地を注いでから、専用のこてで薄く丸くのばして片面だけ焼きます

焼いている途中に卵を落としたり、ハムなどの肉類や魚介のほかチーズや野菜も乗せて、四方を折り曲げて正方形に調える独特な作り方をします。ガレットは主食としてのレシピが一般的ですが、はちみつや生クリームと共に、デザートとして食べる食べ方もすることがあります

ガレットは、ブルターニュ地方の言語であるブルタン語で「クランプーズ(Krampouz)」と言って、語源的にはアイルランドやスコットランドの文化圏のひとつ、ゲール文化との関わりが指摘されています。

ガレットの「ガレ」とは?

ガレットとは一体どういう意味があるのでしょうか?この「ガレット(Galette)」には「丸くて平たい」「丸く薄いもの」と言う意味があります。ですが食べ物の名前として使われるときには、そば粉のガレットを指すことが一般的です。

ただし「丸くて平たい」食べ物であれば、必然的にそば粉のガレット以外のガレットもあります。代表的なのが「ガレットブルトンヌ (Galette bretonne)」という塩味のクッキーが挙げられます。このクッキーには厚さが2種類あり、薄いタイプと5mmほどの分厚いタイプがあるのです。

一方でフランス語の「ガレ」には「小石」という意味もあります。古い時代にはガレットを熱した石の上で焼いていたため、そのことに由来していると考えられています。

材料

ガレットがそば粉を原料とする料理としてブルターニュ地方で誕生したのには、ちゃんとした理由があります。元々ブルターニュ地方は雨の多い土地柄で、当時の主食であった小麦の育成には不向きな、痩せた土地柄だったのです。

そんなブルターニュ地方に、中国原産のそばがイスラム諸国を経由して、13世紀に十字軍によって持ち込まれました。そばは痩せたブルターニュの地でも十分に育つ植物として認められさらには無税で広く栽培が奨励されました

そばはわずか3ヶ月のサイクルで収穫が可能な上、ルチンなどのポリフェノール類が多く含まれるなど、栄養価が高く収穫量も豊富な食材として、長く人々の生活を支えてきたのです。

クレープはガレットとは全然違う!

ガレットと良く似たフランス料理にクレープがあります。クレープも薄く丸い生地の食べ物で、ガレットと良く似ています。ですがガレットが主に主食として食べられているのに対して、クレープは主にスイーツとして食べられている違いがあります。

一見ガレットのスイーツ版に見えるクレープについて、その意味や由来と共にガレットとの細かい違いを見ていきましょう。

発祥地

元々のクレープの起源は、紀元前7000年のエジプト時代からあった古い食べ物と言われています。たまたま太陽で熱せられて熱くなっていた平らな石の上に、1人の女性が主食のおかゆをこぼしてしまったところ、おかゆが焼けて固まったので食べてみたら美味しかったというのです。

それ以降エジプトでは穀物を粉にして水で溶いて焼いたものが食べられていましたが、エジプト王朝が起こった紀元前3150年ごろには発酵させて作るパンに変わっていました

クレープがフランス料理として作られるきっかけになったのは、スペイン国王フェリペ3世の長女でフランス国王ルイ13世に嫁いだアンヌ王妃が、ルイ13世と共にブルターニュ地方に狩りに訪れた際、現地の人たちが食べていたガレットを偶然食べたことに始まります。

ガレットの味が気に入ったアンヌ王妃は、フランスの宮廷料理にも取り入れたのです。そのときに生地の材料はそば粉から小麦粉に変更されたり、水と塩だけだった生地には卵やバター、牛乳に砂糖などが加わり、クレープの生地へと変化していったのです。

一方で元々の本場であるブルターニュ地方でのクレープには、そば粉で作ったものもあります。正確には東側のオート=ブルターニュ地方では原料がそば粉のものをガレットと呼び、西側のバス=ブルターニュ地方では原料がそば粉でもクレープと呼ぶのです。

「クレープ」の意味

クレープの名前の意味は、焼いたときにできる焦げ模様が絹織物のちりめんを連想させるとして、「絹のような」食べ物「クレープ」になったと言われています。

クレープは元々は「クリスプ(crispe)」と呼ばれていて、こちらはラテン語の「crĭspus」が由来となっています。意味は「カールした、波状の」といいます。13世紀初頭の本の中でもこの「クリスプ」で登場していますが、その1世紀後には「クレープ(crêpe・クレップ)」に変更されたといいます。

材料

クレープの生地の材料は、一般的には小麦粉を使います。ただしブルターニュ地方でも西側のバス=ブルターニュ地方では、先にも紹介したようにそば粉を使っていてもクレープと呼びます。

元々は小麦粉に水と塩を混ぜて生地を作っていましたが、その後改良が加えられて牛乳やバター、卵や砂糖などが足されていきました。そうして作った生地を鉄板で薄く焼いて、さまざまな材料を包み込んで巻いたり折ったりすることが多いです。

フランスではバターや砂糖だけを巻くシンプルなものから、生クリームやフルーツ、ジャム、チョコレートソース、アイスクリームといった甘いものを包んでスイーツとして食べる食べ方を総称して「クレープ・シュクレ(crêpe sucrée・砂糖味のクレープ)」と呼びます。

一方でハムや鶏肉などの肉類や、チーズ、野菜などを包んで軽食として食べる食べ方を、「クレープ・サレ(crêpe salée・塩味のクレープ)」と呼ぶほか、調理法でもさまざまな名前で呼び分けている名前の多い料理でもあるのです。

日本とフランスのクレープの違い

クレープというと、日本では生クリームにフルーツなどをたっぷりと乗せてから、くるりとラッパ状に巻いたスイーツですが、フランスでは家の食卓やレストランで食べる場合には、折りたたんだ生地をナイフやフォークでいただく食べ方が一般的です。

フランスでも露天で売っているクレープもありますが、日本のものと比べてその具材は少ないのが一般的で、薄い形が特徴です。日本のように具材を楽しむのではなく、生地そのものを楽しむ食べ物という感覚が近いといえます。

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ガレットとクレープの違い

ガレットとクレープの違いは、先にも紹介したようにガレットと材料が同じでもクレープと呼んだり、曖昧な点もまだまだあります。つまるところガレットとクレープの違いは何なのでしょうか?

クレープはガレットの派生

クレープは先にも紹介したように、ガレットを偶然食べたアンヌ王妃が、フランスの宮廷料理に取り入れたのが始まりです。つまりクレープはガレットから派生した料理であり、ガレットとは親子関係のような料理と言えます。

一方で元となったガレットが主食のブルターニュ地方でも、西側のバス=ブルターニュ地方ではそば粉を使っていてもクレープと呼ぶことは紹介した通りです。つまり生地の材料の違いで料理名が分かれるわけではないのです。

ただし小麦粉で作られるクレープは東西どちらの地方にもあり、呼ばれ方は「小麦粉のクレープ」で統一しているといいます。このことからわかるのは、クレープは元々ガレットと同じものであり、地域によって呼び名が違っただけなのです。

材料の違い

ガレットとクレープは地方で呼び名が異なるものの、一般的には生地の材料で呼び分けていますガレットはそば粉で生地を作った料理であり、クレープは小麦粉で生地を作った料理です。

特にガレットの生地がそば粉のほかは塩と水だけとシンプルなのに対して、クレープの生地はバターや卵、砂糖などもくわえて作るのが大きな違いです。共通しているのは、生地は作ったあと少し寝かせたほうが、全体が馴染んで美味しくなる点です。

食べ方の違い

ガレットとクレープには、食べ方にも大きな違いがあります。それは具材に良く現れています。ガレットが主にハムやチーズ、卵といった具材を使う、主食としての食べ方をする料理であるのに対し、クレープは主にバターや砂糖、フルーツや生クリームなどの甘い具材を使う、デザートとしての食べ方をする料理です。

あくまで基本であり、甘いガレットもあれば食事のようなクレープもあります。ですが一般的な区別としては、ガレットは主食、クレープはデザートという認識になります。

ガレットとクレープのカロリー

ガレットとクレープのカロリーはどのくらいあるのでしょうか?単に材料や作り方を見た場合は、どちらもカロリーが高そうに感じます。ガレットとクレープのカロリーを調べてまとめてみました。

ガレットのカロリー

ガレットのカロリーは1枚(75g)あたり128kcalとなります。100gで換算すると171kcalとなり、決して低い数字ではありません。使うそば粉のタイプによって色や栄養価にも差が出るのが特徴です。また塩を足して生地を作るため、塩分量も1枚あたり1.07gとそれなりにあります。

クレープのカロリー

クレープのカロリーは生地だけで見た場合、1枚(63.3g)あたり120kcalとなります。100gに換算すると190kcalとなり、バターや卵、砂糖といったものが加わる分、ガレットよりもカロリーが高めになっています。ただし塩が入っていない分、塩分量は1枚あたり0.39gとガレットよりも低くなります。

トッピングするものでカロリーは変わる

ガレットもクレープも、基本生地だけで食べる料理ではありません。どんな具材をトッピングするかでそのカロリーも大きく変わってしまいます。そのためガレットもクレープも、生地だけではカロリーが計れない料理といえます。

ガレットであれば、肉類やチーズといった高カロリーな食材を使った作り方をすれば、当然全体のカロリーは上がってしまいます。

クレープはデザートとして食べることが多いため、元々具材だけでもかなり高カロリーになりがちです。またクレープは自作する場合、ホットケーキミックスを使った作り方も人気です。生地の材料次第でもカロリーに大きなばらつきが出るのも大きな特徴です。

ガレットの作り方とおすすめのトッピング具材

ガレットは元々家庭料理なので、道具と材料さえ用意すれば自宅でも作ることのできる料理です。ガレットの作り方と、トッピングにおすすめの具材をまとめてみました。

材料

ガレットの材料はそば粉500g塩15g水1Lです。最近ではさまざまなレシピがあり、卵を使うときもあります。そば粉は少し色の濃いものを選ぶと良いでしょう。通販などではガレット専用のそば粉も売っています。

道具として、「クレピエ」というクレープ用の生地を焼く大きい鉄板(フライパンかホットプレートでも代用可能)、「ロゼル(日本ではトンボ)」という生地を丸く伸ばすための道具「スパチュラ」という焼きあがった生地をすくうための道具、この3点があると便利です。

作り方

ガレットの生地の作り方は、ボウルにそば粉を入れたらそこに塩を入れて混ぜ合わせます。水を少しずつ入れて混ぜ合わせながら、液状にしていきます。生地は小麦粉を使うよりも粉っぽいため、その分ガレットの生地は水が必要になります。

生地が液状になったら6時間以上寝かせて発酵させます。生地を寝かせて発酵させることで、薄く伸ばして焼けるようになります。また焼き色も良くなります。

クレピエに焦げ付き防止に油をしっかり馴染ませたら、生地を流してロゼルで丸く伸ばします。慣れるまではなかなかうまくいきませんが、薄く伸ばすようにしましょう。

生地の焼け具合を見ながら、焦げやすい端をスパチュラで鉄板から剥がし、折りたためば完成です。具材を乗せながら焼いていく場合は、全体の焼き加減を見ながら時間を調節していきます。

具材

ガレットは主食でもあるため、ハムなどの肉類や魚介類、チーズや卵、ジャガイモといった野菜も具材に使います。飾りとしてサラダを添えて出す場合もあります。

そんなガレットの中でも、チーズとハムと卵を具材にする作り方をしたものは、「ガレット・コンプレット(galette complète)」と呼ばれ、昔はチーズを使うことのなかったブルターニュの人たちではなくパリの人たちが考案したガレットのメニューなのです。

ガレットとはクレープのもとになった主食だった!

ガレットがクレープと良く似た見た目をし、同じフランス料理だったのは、ガレットがクレープの元になった料理だったからでした。ですがガレットは主に主食であり、クレープは主にデザートとして独自の発達を続けています。時には本家のガレットをのんびりと堪能してみてはどうでしょうか?

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