コーヒー豆の焙煎とは?自宅のフライパンで出来る焙煎方法を解説!
コーヒー豆を自宅で焙煎してみませんか?ほっと一息いれたいときに飲みたくなるコーヒーですが、実は自宅で生のコーヒー豆から焙煎することが出来るのです。特別な機材は必要なく、家にあるフライパンを使えば簡単に自家焙煎することが出来ます。自分好みに焙煎して自宅カフェタイムを楽しみましょう。今回は、自宅で出来るフライパンを使ったコーヒー豆の焙煎方法を詳しく解説していきます。良かったら試してみて下さい。
目次
コーヒー豆を自宅で焙煎してみよう
コーヒー豆の焙煎と聞くと、特別な道具を使ったり難しいイメージはありませんか?実は自宅でも気軽に挑戦できる方法があるようです。それは自宅にあるフライパンを使って焙煎する方法です。自宅で焙煎すれば、好みのローストを見つけることができますし、ミルで挽けば香り高いコーヒーを味わうことができます。今回はコーヒー豆の焙煎についてや、自宅で出来るフライパンを使った焙煎方法について紹介していきたいと思います。
一般的なコーヒー豆の焙煎方法
コーヒー豆の焙煎方法として、一般的に知られているのは焙煎機を使った焙煎です。主にコーヒーショップでは大型の焙煎機を使用してローストしていますが、家庭用の焙煎機も小型のものが販売されています。家庭用焙煎機は、大きく分けると電気式・ガス式・電気+ガス式に分けられます。電気式は、スイッチを入れるだけで焙煎が出来るので簡単ではありますが、自動なので焙煎をしているという楽しみは薄れてしまいそうです。
ガス式は、火力の調整が自分ででき、自分好みの焙煎にしやすいです。しかし、慣れるまでは扱いが難しいのが難点で、安全装置つきのビルトインコンロ等では使用できず、カセットコンロで代用しなければならないデメリットもあります。電気+ガス式は、ガスコンロの上にのせ使用でき、火力の調節も自分で出来て良いのですが海外仕様のものが多いようです。
自宅でコーヒー豆を焙煎するにはフライパンがおすすめ!
初めてコーヒー豆を焙煎するという人は、フライパンを使った焙煎方法を試してみましょう。いきなり本格的に焙煎機を購入するとなると、費用もかかりますし、用具の手入れも必要です。フライパンでの焙煎なら目視しながらロースト具合を確認でき、気軽に挑戦できます。また、近年オール電化のキッチンも増えてきていますが、フライパン焙煎ならIHコンロでも焙煎することができるのでおすすめです。
コーヒー豆のフライパン焙煎の分量は?
フライパンでコーヒー豆を焙煎するには、1回で400グラムから500グラム程度が適量です。あまり少なすぎると、コーヒー豆に過度に熱が加わってしまい焼きムラが出来てしまうようです。フライパンで焙煎するには400グラム前後を目安に焙煎するようにしましょう。片手鍋などで焙煎する場合は200g前後が適量です。
コーヒー豆の焙煎の種類を知ろう
コーヒー豆の焙煎の種類は8種類あります。焙煎時間の短い方から、ライトロースト・シナモンロースト・ミディアムロースト・ハイロースト・シティーロースト・フルシティロースト・フレンチロースト・イタリアンローストです。味の変化は、ライトローストに近いほうが酸味が強く、イタリアンローストに近づくにつれて苦味が増していきます。
「ライトロースト」は最も浅煎りで普段は飲用にされないローストです。コーヒー豆を出荷するときに品質を確認するために使用されるローストだそうです。「シナモンロースト」は、かなりの浅煎り状態で、苦味はほとんどなくフルーティーな酸味が楽しめる焙煎です。口当たりのいいさっぱりとした味が特徴です。「ミディアムロースト」は浅煎りで酸味が強く苦味は弱め、アメリカンローストとも呼ばれアメリカンコーヒーに向いています。
「ハイロースト」は中くらいの煎り具合ですが、まだ酸味も残っていてほんのりと苦味も感じます。「シティロースト」は日本人に一番好まれると言われているローストで、中煎りで酸味と苦味のバランスが良く、多くのコーヒー豆に合う焙煎です。「フルシティロースト」は、中深煎りで酸味よりも苦味が強い味が特徴です。
「フレンチロースト」はエスプレッソ向けの深煎りローストです。酸味はほとんど無くなり苦味が強くなります。アイスコーヒーやカフェオレにもおすすめです。「イタリアンロースト」は最も深煎りの、炭になる一歩手前のローストです。豆の表面も油でテカテカとしています。強い苦味とこってりとした味が特徴で、エスプレッソやカフェオレによく合います。特にカフェオレはミルクを入れてもスモーキーな香りが感じられおすすめです。
生のコーヒー豆ってどこで買えるの?
生のコーヒー豆は見たことがありますか?生のコーヒー豆はうっすらと緑色をしていて、とても固く味も香りもありません。この生のコーヒー豆は、通信販売や、自家焙煎をしているコーヒーショップで購入することができます。特に通信販売では、産地や味、香りの傾向も詳しく掲載されているお店が多く、量り売りも出来るのでおすすめです。
生のコーヒー豆は焙煎後の豆と違い、直射日光や湿度、風通しに気をつけて保存すれば、なんと3年程度は保管することができるそうです。ちなみにコーヒーの生豆は、保管している期間で呼び方が変わります。その年に収穫された豆は「ニュークロップ」、1年前に収穫されたものは「パーストクロップ」、2年以上前に収穫されたものは「オールドクロップ」と呼ばれます。
コーヒー豆のフライパンでの焙煎方法:用意する道具
それでは、フライパン焙煎について説明していきます。まずは用意する道具から紹介します。生豆400グラム前後、フライパン(又は片手鍋など)、ふた、木べら、ザル、うちわ(又は扇風機)を用意しておきましょう。フライパンの代わりに鍋を使用するときは、深めの方が煎りやすいようです。
コーヒー豆のフライパンでの焙煎方法:下準備
まずは生のコーヒー豆をざるに入れて、お湯で洗います。洗うことで汚れやホコリが落ちるのと、チャフ(表皮)が落ちやすく、後々の作業が楽になります。虫食いやカビの発生している豆があったら取り除いて下さい。豆の洗い方は強めに豆同士が擦れるように洗い、チャフを取り除くようにします。洗い終わったらフキンで水気を拭き取りましょう。豆を洗うときは、台所用のゴミネットに豆を入れて洗うと、作業しやすくおすすめです。
コーヒー豆のフライパンでの焙煎方法
それでは焙煎していきましょう。フライパンに生豆を入れたら中火で加熱します。水分が残っているようなら蓋をして3分ほど焼きにしましょう。焦げないように何度かフライパンをゆすりながら、カラカラと軽い音がしてきたら蓋をとります。蓋をとったら、あとは木ベラやフライパンをゆすって、焼きムラにならないように煎り続けます。
しばらく煎っていると香りが変わってきて色も少しついてきます。途中でチャフが出てきたらザルにあけてふーっと息をかけ吹き飛ばしてしまいましょう。チャフが少なければフライパンのままでも大丈夫です。チャフを取り除いたらまたしばらく煎ります。色づき始めるとムラになりやすいのでひたすら良くまぜながら煎るのがポイントです。パチッパチッと豆がはぜる音が聞こえたら1ハゼのタイミングです。
1ハゼのあと、コーヒー豆を煎り続けていると、今度はピチピチっと1ハゼのときよりも早いリズムの音が起きます。これが2ハゼになります。2ハゼの後はとても焦げやすくなるので、弱火に変えて色を見ながら火を止めるタイミングを見極めましょう。
1ハゼのタイミングで、パチパチ音が終わった頃に火を止めると浅煎り、2ハゼ目が始まってから止めると深煎りになります。お好みのタイミングで火を止め、ザルにあけます。ザルにあけたら、残っているチャフを振りおとし、うちわや扇風機を使って豆を冷まします。焼けていない豆や、焦げてしまった豆があったらここで取り除きましょう。焙煎はこれで終わりです。
コーヒー豆のフライパン焙煎のポイント
フライパンでの焙煎方法は、焙煎機に比べると焼きムラや焼き不足が起きやすいそうです。コーヒー豆を煎るときは、よく木ベラで混ぜフライパンを振ったり動かして、豆が一箇所に固まらないように注意しましょう。また、浅煎りにするときは生焼けになりやすいので気持ち長めで焙煎するのがポイントです。短時間で焙煎してしまうと豆の内部まで火が通りにくいので、15分~20分かけてゆっくりと焙煎するようにしましょう。
焙煎が終わったらすぐに冷ますようにしましょう。そのままにしておくと、余熱で焙煎が進んでしまいます。あとは、焙煎をしていると煙がもくもくとたちます。自宅で焙煎するときは換気扇を回しながら作業するようにしましょう。
火を止めるタイミングとローストの目安は?
火を止めるタイミングは、色を見て決めるのが一番ですが、慣れるまでは難しいと思うので目安を簡単に説明します。「ライトロースト」は、1ハゼの始まりで火を止めます。「シナモンロースト」は、1ハゼのピークの頃に火を止めましょう。「ミディアムロースト」は、1ハゼの終わり頃に火を止めます。「ハイロースト」は、1ハゼの終わりから2ハゼの中間くらいで色を見て止めます。「シティロースト」は2ハゼの始まり頃です。
「フルシティロースト」は2ハゼのピークの頃火を止めましょう。「フレンチロースト」は2ハゼの終わり頃、「イタリアンロースト」は2ハゼの終わりから炭化する前あたりになります。いずれのローストも火力やフライパンの種類で変わってきます。何度か焙煎してみて、自分好みのベストタイミングを見つけるのも自宅焙煎の楽しみです。
コーヒー豆のフライパンでの焙煎方法:保存の仕方
好みの焙煎が済んだら、冷めた豆を一粒一粒チェックしましょう。焦げすぎている豆や、生焼けの豆があれば取り除きます。この作業はハンドピックといいます。ハンドピックが終わったら、保存ビンや、保存用のジップ袋などに入れて保存します。1週間程で飲みきる量であれば、夏場は冷蔵庫、涼しい季節であれば常温で保存します。飲みきれない量は冷凍保存するのがおすすめです。
保存ビンなどの密封容器で保存するときは、焙煎して1日ほどは蓋を開けておきます。焙煎したてのコーヒー豆からはしばらくの間ガスが放出されるからです。必ずガスを出してから密封するようにしましょう。
コーヒー豆を焙煎したらすぐ飲んでも良い?
焙煎したてのコーヒーの香りにつられ、すぐに飲んでしまいたくなりますが、実は焙煎したてよりも数日寝かせたほうがより香りやコクを感じられます。実際にフライパン焙煎をした人の感想ですと、2日から3日後に飲んだほうが美味しいそうです。焙煎したてを味わうときは、普段ドリップするときよりも1.5倍ほど多めにドリップしたほうが良さそうです。
古いコーヒー豆は再焙煎できる?
既に焙煎してあるコーヒー豆を再焙煎することを、ダブル焙煎といいます。フライパンで簡単に焙煎が出来ることが分かりましたが、自宅でダブル焙煎をすることは出来るのでしょうか?実はコーヒーに知識のある人の意見だと、あまりおすすめはされないようです。というのも、一度焙煎が済んだ豆を再焙煎すると焼きムラになりやすいそうです。もともとフライパンでの焙煎方法はムラになりやすいので、更に難易度が増すと思われます。
また、挽いたあとの豆をダブル焙煎するのは辞めた方が良いです。本来のコーヒーの味が全て飛んでしまい、後味の悪いコーヒーになってしまいます。以上のことをふまえると、自宅でダブル焙煎はおすすめできません。それでもダブル焙煎がしたいというときは、ダブル焙煎を売りにしているお店に依頼したほうが良さそうです。
コーヒー豆を焙煎して香りを楽しもう
今回紹介したように、コーヒー豆は自宅でフライパンを使って焙煎することができます。最初は難しいかもしれませんが、特別な道具も揃えず、気軽に自家焙煎を楽しむことができます。自分好みのコーヒー豆と焙煎の組み合わせを見つけるのも楽しそうです。生のコーヒー豆はコーヒーショップや通信販売でも手に入り、保管も長くできます。休日には自宅でフライパン焙煎を試してみませんか?