2019年02月10日公開
2024年09月03日更新
ジンの種類・銘柄を解説!定義やそれぞれの味の特徴も紹介!
ジンはカクテルや水割りで人気のお酒です。一口にジンといっても、銘柄の種類はさまざまで特徴や味わいが違います。ジンの種類は「ゴードン」「タンカレー」「ビーフィーター」などが有名です。カクテルには欠かせない、ジンの定義や歴史、種類を詳しく見ていきましょう。普段何気なく飲んでいたジンですが、実は奥深く、知れば知るほど魅力的なお酒です。ジンの魅力とはなんなのか、その世界を見ていきましょう!
目次
ジンの定義とおすすめの選び方!
バーや居酒屋で人気のカクテルといえば、ジンを使ったカクテルです。「ジントニック」をはじめ、「マティーニ」「ギムレット」「ジンフィズ」「オレンジブロッサム」などが有名です。ジンを使ったカクテルは、爽やかな味と香りが好まれています。
ジンはバーでは欠かすことのできないスピリッツ(蒸留酒)で、ウォッカ、テキーラ、ラムと並んで「世界4大スピリッツ」と言われています。普段何気なく飲んでいるジンの定義について詳しく知っていきましょう。
ジンの定義
ジンとは一体どんなお酒なのか、ジンの定義から見ていきましょう。ジンは大麦、ライ麦、じゃがいも、とうもろこしなどの穀物を原材料とし、ボタニカル(ハーブや果物の皮、草根木皮)で風味付けされたお酒のことです。
ジンにはさまざまな製造スタイルがありそれぞれ定義が異なっています。しかし必ず共通した定義が2つあります。それは「ジュニパーベリーを使うこと」「最終アルコール度数が37.5度以上」という定義です。この2つの定義を必ず満たしていないとジンとはいえないということになります。上の画像はジュニパーベリーです。ジンの爽やかな香りの正体はジェニパーベリーで、ジンの名前の由来になった針葉樹の実です。
製造方法
ジンの詳しい定義がわかったところで、製造方法を見ていきましょう。ジンは、ベーススピリッツにジュニパーベリーをはじめとしたさまざまなボタニカルで風味付けされています。麦や、じゃがいも、とうもろこしなどの穀物を発酵させたものがベーススピリッツです。
そのベーススピリッツに、先ほどの定義でも紹介したジュニパーベリー、数種類のボタニカルを加え、もう一度蒸留することでジンが出来上がります。
主な生産地
ジンはとても歴史があるお酒です。11世紀頃には、ジュニパーベリーを使ったスピリッツをイタリアの修道士が作っていたと言われています。ジンの主な生産地は、イギリスとオランダです。有名なドライ・ジンの多くはイギリスで作られていて「ロンドン・ドライ・ジン」とも呼ばれています。
オランダのジンは歴史が深く「ジュネヴァ」「オランダ・ジン」と呼ばれ、ドライジンより風味が濃厚でコクがあります。そのほか、クラフトジンといって、少量生産で個性的なそれぞれ特徴あるジンが出回っています。日本でもジンは作られていて、日本ならではのボタニカルを加えたジンは「ジャパニーズクラフトジン」と呼ばれ、海外で人気です。
選び方
ジンはジュニパーベリーを使用さえすれば、ボタニカルは何を使ってもいいということになります。そのため銘柄によって特徴があり、選ぶ楽しさがあります。ですが種類が多く、逆にお酒に詳しくない人は迷ってしまうかもしれません。
ジンには製造方法によって4つの種類があります。「ドライジン」「ジュネヴァ」「シュタインヘーガー」「オールド・トム・ジン」の4種類です。一般的なジンといえばドライジンが主流です。カクテルなどで飲む場合は、ドライジンがおすすめです。
最初は「ジュネヴァ」より「ドライジン」、飲み慣れてきたら「ジュネヴァ」に挑戦するのもいいでしょう。ジンの種類はさまざまあります。次に、ジンの定番の種類を紹介していくので選び方の参考にしてください。
ジンの定番種類:タンカレー
ジンのロールスロイス
「タンカレー」は、非常に歴史が深く高品質なドライジンです。ドライジンとは現在主流のジンで、純度が高く、カクテルのベースとして使われているジンのことです。そんな、ドライジンの種類の中でも高品質で豊かな香りから「ジンのロールスロイス」とも言われています。
アルコール度数は47.3%と高めになっています。ジン好きの人にもファンは多く、初心者からツウまで満足させてくれるジンです。ライムのすっきりした味わいとボタニカルの風味が強く、非常にすっきりとしていながら飲みやすいジンです。特に人気の銘柄「タンカレーNO10」は手摘みのボタニカルを使用するなど、厳選された素材を使用しエレガントな香りが特徴です。
タンカレーは蒸留を4回行うことが特徴で、すっきりとした味わいになります。風味を損なわないよう丁寧に作られるタンカレーは、バーでカクテルを頼むときに「タンカレーで」と指定されることもあるといいます。
歴史や特徴
緑の瓶に赤い蝋の刻印が特徴的なタンカレー、その歴史は古く1830年にも遡ります。チャールズ・タンカレー氏がロンドン・ブルームズバリーに蒸留所を設立したのが始まりです。「タンカレー」はチャールズ・タンカレー氏の名前からきているのです。
タンカレーの製法やレシピを知っているのは、現在でも世界に6人だけと言われています。1830年から現在まで、その製法レシピは受け継がれ今も愛されているのです。ケネディ大統領やフランク・シナトラなど名だたる有名人にも愛されてきたジンです。
タンカレーにはさまざまな銘柄があり愛されてきました。特に有名な銘柄が先ほど紹介した「タンカレーNO10」、タンカレー氏が初めて生み出した銘柄「タンカレー・ロンドン・ドライジン」、「タンカレー・ラングプール」などがあります。タンカレーは、どのバーに行っても必ずある、初心者にもツウにもおすすめの種類です。
ジンの定番種類:ゴードン
味や風味の特徴
「ゴードン」はとても歴史が古く1769年に、アレクサンダー・ゴードン氏が蒸留所を設立しました。このとき作られたレシピは「1769レシピ」と言われ、製造方法は世界でも12人しか知らないと言われています1898年に本拠地をロンドンに移したとき、チャールズ・タンカレー氏に出会い「タンカレー・ゴードン社」を設立しました。
ゴードンでは銘柄の種類が「ゴードン・ロンドン・ドライジン」一つだけです。それは、伝統的な製法を守り続けるためだと言われています。「ゴードン・ロンドン・ドライジン」の特徴は、爽快感とすっきりとした飲み口です。ジュニパーベリーを多めに使うことで、爽快感ある辛口へと仕上がっています。
「ゴードン・ロンドン・ドライジン」は銘柄はひとつですが、度数によって種類があります。アルコール度数が37.5%、40%、43%の3種類あります。ゴードンは世界で初めて「ジントニック」を生んだと言われています。現在でも人気の高いカクテルが250年以上も昔に作られ、今も多くの人々に愛されているのです。ゴードンのジンは、180か国で飲まれている世界でもっとも売れているジン、と言われています。
コスパがいい
ゴードンのジンはコスパがいい、という特徴もあります。37.5%の「ゴードン・ロンドン・ドライジン」の場合、700mlで1000円ほど、43%でも1500円ほどで買うことができます。この安さも、ゴードンのジンの特徴です。ジンの種類によっては、5000円以上するものもあります。それらに比べると味は劣るかもしれませんが、値段の割には飲みやすく手が出しやすいと言えます。
粗悪なジン特有のアルコール臭い感じはなく、安い割には飲みやすいのでまず試してみたい人におすすめです。「G&T」(ゴードンズ・アンド・トニック」というゴードンのジンで作られるカクテルもあるくらいなので、その味と人気は確かです。安いから美味しくないだろうと思っていると損をするかもしれません。
ジンの定番種類:プリマス
薬草の香り
「プリマス」は、ロンドンから車で4時間以上かかる港町です。プリマスのジンのパッケージに描かれている船は、昔から海上交易が盛んだった名残です。プリマス蒸留所の歴史は1793年と言われ、とても古い歴史があります。プリマス・ジンはプリマスの旧城壁に囲まれた地域で作られるものだけが「プリマス・ジン」と呼ぶことを許されています。
「プリマス」の特徴は、まるで薬草かのような香りにあります。よもぎのような強い特徴ある香りがするので飲むのをためらうかもしれませんが、実際に飲んでみると爽やかですっきりと美味しく飲めます。ジンは元々は薬として飲まれていたという歴史があります。薬草のような匂いがするのも当然と言えば当然です。
ボタニカルは「ジュニパーベリー」「レモンとオレンジの果皮」「アンジェリカ」「オニスの根」「カルダモン」「コリアンダーシード」といった伝統の7種類です。プリマスの銘柄は「プリマス・オリジナル」度数41.2%、「プリマス・ネイビーストレングス」度数57%などがあります。
オススメの割り方
「ギブソン」というカクテルは、レシピにプリマスジンが指定されています。「ドライマティーニ」「ギムレット」の最初のレシピでも、プリマスジンを指定していました。このようにプリマスジンを指定したレシピは数多くあります。それだけたくさんの人に愛されてきたジンと言えます。
そんなプリマスですがメーカーは、「ジントニック」をお勧めしています。トニックウォーターで割っても、「ジンソーダ」として炭酸で割ってもおすすめです。また、オレンジジュースで割っても美味しく飲めます。イギリス海軍御用達のプリマスは、昔は薬として、今はバーになくてはならないジンとして世界中のバーテンダーに支持されています。
ジンの定番種類:ビーフィーター
最も定番なジンの一つ
「ビーフィーター」もまた、ジンの定番と言える種類です。その歴史は1820年、薬剤師ジェームス・バロー氏のレシピを元に作られています。ラベルには名前の由来になった、ロンドン塔の近衛兵(ビーフィーター)が描かれています。
ビーフィーターの特徴は、豊かな香りとキレ味の良さです。ボタニカルには「アーモンド」「レモンの皮」「オレンジの皮」「オリスの根」「アンジェリカ」などが使われています。これらのボタニカルを蒸留する前に、24時間浸透させることで豊かな香りを生み出しています。一口飲むとレモンなどボタニカルの爽やかな香りと酸味が効いています。
ジェームス・バロー氏によって作られたレシピは、今現在は「マスター・ディステラー」と呼ばれる職人たちに受け継がれています。ビーフィーターの銘柄には「ビーフィーター」、「ビーフィーター24」があります。「ビーフィーター」はアルコール度数40%と47%の2種類あります。「ビーフィーター24」は45%で、煎茶や紅茶が使われている少しクセのある種類となっています。
癖が少なくカクテルベースにいい
ビーフィーターはクセが少なく、カクテルベースに向いています。そのため初心者がカクテルとして楽しむのに最適な種類といえます。さまざまなカクテルのベースとして使われる一方で「無難なジン」という評価も受けています。よくいえばクセが少なく万人受けするジンということですし、悪くいえば個性がないジンともいえます。
クセが少ないという点で、カクテルベースに向いていますがストレートで飲んでも飲みやすいともいえます。冷やして飲めば、爽やかな柑橘系の香りが引き立ち、とても飲みやすいでしょう。
ジンと合うトニックウォーターの種類と選び方
基本の3銘柄
トニックウォーターは砂糖や柑橘系のエキスを加えた、清涼飲料水です。そのまま飲むこともできますが、カクテルで使用する場合が多いでしょう。ジントニックには欠かせないトニックウォーターの種類は非常に多く、迷ってしまうほどです。トニックウォーターの種類や銘柄を見ていきましょう。
まず紹介したいのが「カナダドライ・トニックウォーター」です。コカ・コーラから発売され、トニックウォーターを知らなくても名前を聞いたことがある人も多いでしょう。甘さ控えめで炭酸も強めなので、ドライな飲み口が楽しめます。
次に紹介するトニックウォーターは「シュウェップス・トニックウォーター」です。英国で200年以上の歴史があり、王室御用達ブランドとしても知られています。クセがなく、酸味、甘味、苦味のバランスがいいので初心者にもおすすめの種類です。
最後に紹介するのが「ウィルキンソン・トニックウォーター」です。100年以上の歴史があるこのトニックウォーターは、苦味が少なくすっきりとした酸味が特徴です。炭酸も強すぎないので飲みやすいカクテルを作ることができます。
今回は3種類のトニックウォーターを紹介しましたが、他にもたくさんの種類が販売されています。今回紹介した3種類は定番の銘柄なので、まず3種類試してから他の銘柄を試すのもいいでしょう。自分好みのトニックウォーターでジンを割るのも美味しくカクテルを飲むポイントです。たくさんの種類から、好みのものを見つけてください。
ビンかペットボトルか
さまざまな種類があるトニックウォーターですが、容器の種類によっても違いがあります。瓶に入っているトニックウォーターは、炭酸が抜けにくく品質を保ち美味しさが持続します。ペットボトルは軽くて扱いが簡単な一方で、炭酸が抜けやすいというデメリットがあります。
出典: https://04510.jp
その他、缶タイプのトニックウォーターもあります。缶タイプは蓋ができず、飲みきるのが前提となります。このような特徴を踏まえ、たくさんの種類の中から自分にあった種類を選んでください。
おすすめのジンの種類を見つけ出そう!
一口にジンといっても、さまざまな種類、銘柄がありその世界は奥深いものです。美味しいカクテルを楽しむためにも、自分のお気に入りの種類のジンと、トニックウォーターを見つけて楽しんでください。