ジントニックはどんな味?その特徴や作り方から歴史まで解説!

ジントニックは好きですか?と聞かれて、嫌いと答える人をあまり見たことがありません。個性的な風味のカクテルでありながら、ほんのりとした甘味を持つジントニックは、女性やお酒を飲み慣れない人にもおすすめのカクテルです。単純なようで奥深いジントニックの味を決めるのは作り手次第です。中にはお手製のビターズを加え、そのバーでしか飲めないジントニックを提供する店もあります。今回は、ジントニックの魅力や来歴、簡単な作り方までを解説していきます。

ジントニックはどんな味?その特徴や作り方から歴史まで解説!のイメージ

目次

  1. 1ジントニックは定番カクテル
  2. 2ジントニックはどんな味?
  3. 3ジントニックの特徴とは?
  4. 4ジントニックの歴史を知ろう
  5. 5自宅で簡単ジントニック
  6. 6ジントニックの爽快な味にみんな夢中

ジントニックは定番カクテル

どんなカクテルなの?

居酒屋で席に着いた瞬間「とりあえずビール!」と言ってしまうのはよくあることですが、それと同じようにバーに行くと「とりあえずジントニック」とオーダーする習慣がついている人もいるのではないでしょうか?シンプルですっきりとした仄かに甘い味わいは渇いた喉を潤すのにピッタリですし、きりっとした喉越しは気分の切替にもおすすめです。

ジントニックはそのくらいカクテルの中でも定番中の定番となっています。ジンをトニックウォーターで割ってライムをプラスする、ただそれだけでできるジントニックなのですが、だからこそバーテンダーのセンスと腕がものをいう奥深いカクテルなのです。

ジントニックのアルコール度数

まずジントニックに用いられるドライジンの度数ですが、これは低いもので40度弱、そして度数の高いものだと50度弱くらいになります。大体平均で40度ほどと認識していれば大丈夫です。この40度のジンを使って、ジンとトニックウォーターの比率が1:3のジントニックを作るとすると、単純計算でできあがったジントニックの度数は約10度となります。

この比率が1:4だと、同じような計算でジントニックの度数は8度です。絶対的な分量というのは決まっていませんので、アルコールの強さや味のさじ加減はバーテンダー次第です。ビールの度数が大体5度くらいですから、それを基準にしてみて下さい。あまりお酒に強くない人や、酔いたくない場面では、「軽めに作って下さい」とオーダーすることをおすすめします。

甘いジントニックのカロリー

ジンは、大麦やライ麦、そしてジャガイモといった穀物から作られた蒸留酒ですので、糖質は0ですがカロリーはしっかりとあります。ずばり、ジンのカロリーは100mlあたり267kcalです。意外にもこの数字は、ウォッカ・テキーラ・ラム・ジンの、世界4大スピリッツの中で最も高いのです。そして、トニックウォーターのカロリーは100mlで35kcalとされています。

ただ、この数字は平均的なものであって、もっと甘いトニックウォーターだと100mlで50kcalするものもあります。では、以上を踏まえて計算してみましょう。ジン30ml(1オンス)とトニックウォーター90mlでジントニックを作った場合、1杯のカロリーは約111.6kcalということになります。これをジン25ml、トニックウォーター100mlで作ると、ジントニックのカロリーは約102kcalです。

ジントニックはどんな味?

女性におすすめほんのり甘いカクテル

ジントニックを飲んだ時、ほのかに甘さを感じませんか?ジントニックが甘い理由は、実はトニックウォーターの方にあります。トニックウォーターのことをよく知らずにその名前だけを聞くと、単なる炭酸水というイメージを持つかもしれません。

しかし、トニックウォーターというのは、炭酸水に、ボタニカルといわれる香草や柑橘類の皮のエキスと糖分を加えて作ります。要するに、ちょっと良い風味がするサイダーなのです。そういうわけで、ジントニックは、女性におすすめのほんのりと甘いカクテルに仕上がっているのです。

クリアですっきりした味わいのカクテル

ジントニックで使われるジンは、正式にはドライ・ジンといわれるものです。通常ジンといえば、このドライ・ジンを指します。ドライ・ジンは、原料の風味が残りやすい単式蒸留という製法で造られるジュネヴァという種類のジンと違い、連続式蒸留で造られます。これにより、原料の風味を残すことなくアルコール度数を高め、すっきりとしたクリアな味わいのスピリッツができあがるのです。

また、ジンの風味付けに必ず使われるジュニパーベリーも、ジンの個性を作り出す役割を担っています。そしてジントニックの爽やかな味わいを演出する極め付けがライムです。最後に絞って加えるライム果汁のフレッシュな風味と酸味が、あのすっきり感を作り出しているのです。

苦味や渋みが大人味なカクテル

先述した、ジンを造る過程で必ず使われるジュニパーベリーは、セイヨウネズというヒノキ科の針葉樹の果実のことをいいます。ジンをジュニパーベリーの上に流して香りづけが行われるのですが、このジュニパーベリーの持つ風味が、ほろ苦い大人の味わいなのです。そして、ジンのメーカーそれぞれのレシピで、甘い風味や香辛料の風味のボタニカルを調合し、各社がジンに独自の味の個性を持たせています。

また、ジンに使われるライムを絞った後、皮つきのままジントニックに入れて完成させると、ジントニックを飲み進めるうちにライムの皮の渋みがジントニックに移って、より仄かな苦味が感じられるでしょう。更に、バーテンダーによっては、ジントニックの最後の仕上げとして市販や自家製のビターズを加えることがあります。

ビターズというのは、香草や薬草、果皮などのボタニカルをアルコールに漬け込んで作るアルコール飲料なのですが、これは別名「苦味酒」や「苦味剤」ともいわれており、カクテルにオリジナルの風味をプラスするために使います。ジントニックにビターズを加えることにより、ジントニックはより大人の味へと昇華するのです。

ジントニックの特徴とは?

きりっとした辛味

ジントニックと同じように、きりっとした辛味を持つジンリッキーというカクテルがあります。こちらもジントニックと同様ジンベースのカクテルなのですが、ジンリッキーはトニックウォーターではなく、炭酸でジンを割って作ります。トニックウォーターならではの甘い風味がない分、味はキリリと辛口なのですが、やはりジントニックの仄かな甘さがあるからこそ引き立つ辛味というのが、ジントニックの魅力のひとつでしょう。

ハーブやスパイスの香りが鮮烈

ジンは蒸留する際に様々なボタニカルを用いて香味をつけます。メーカーによって5~10種類のハーブやスパイスを使い分けるのですが、どれをどのくらい使ってどういった風味をつけるのかというのが、ジンの個性になってきます。例えば、先述したジンにとっての必須アイテム、ジュニパーベリーをはじめ、お菓子づくりによく使われるシナモンは甘い香りとスパイシーさを兼ね備えています。

また、日本ではお馴染みのジンジャーはピリッとした味をもたらしますし、コリアンダーもよく使われるスパイスです。コリアンダーは最近日本でも人気のパクチーのことです。ジンの風味づけに使われるのは、コリアンダーのシードといわれる種です。これらのハーブやスパイスのおかげで、ジントニックは華やかな風味をまとっているのです。

爽快な風味

ジンに爽快な風味をもたらしているハーブやスパイスも、先述したボタニカルに含まれています。例えば、リコリスです。これは日本名で彼岸花系の植物としてよく耳にする名前ですが、ジンに使われるのは別物で毒もありませんので安心して下さい。このリコリスは、甘い香りとウッド系の爽やかな風味が特徴です。また、良くブレンドされるのが、レモンピールやオレンジピールといった柑橘系の果皮です。

イメージの通り、これらは爽やかでフレッシュな香味をジンに与えてくれます。このフルーティーなフレーバーは、ジントニックになくてはならないものといえるでしょう。爽やか系のボタニカルは、ジントニックに加えられるライム果汁と相まって、ジントニックに特有の爽快な風味をプラスしてくれているのです。いつ飲んでも美味しいジントニックですが、特に夏におすすめのカクテルとして知られる所以となっています。

ジントニックの歴史を知ろう

ジントニックが生まれた国は?

元々は、トニックウォーターが、熱帯気候の植民地で働くイギリス人たちの間で健康飲料として飲まれていたことに始まります。炭酸水に様々なボタニカルを加えて作るトニックウォーターには、マラリアを防ぐ効果があるとされていたのです。この当時に使われていたボタニカルの成分にキニーネが含まれていたのが、その理由です。

キニーネは、マラリアの特効薬なだけでなく、独特の苦味がトニックウォーターに欠かせないとして添加されていたのでした。現在では、トニックウォーターへのキニーネの使用を制限している国も多くあります。日本では食品添加物として制限はされていませんが、香料を使った方が安くつくので、あまり使用されていません。

そんなトニックウォーターに、ジンを混ぜてみたところ評判となり、大好評を得たのです。常に汗ばむ熱帯の気候の中で飲むジントニックは、スペシャルな爽快感をもたらしてくれたことでしょう。そして第二次世界大戦の後、ジントニックは世界中に広まっていったのでした。

ジンと日本の関係

日本にもジン専門の蒸留所があるのを知っていますか?2016年に設立した京都蒸留所がそれです。近年注目を集めるクラフトジンを日本の京都で、と京都でしか造りえないジンとして登場したのが「季の美」です。これは伏見の名水を使い、京都産の玉露や柚子、そして笹や山椒というジャパニーズ・クラフトジンの名を体現したボタニカルを使っているのが特徴です。

風味は優しく、上品。イギリスの酒類専門誌「The Sprits Business」が「2016年最も革新的な商品」に選んだ逸品です。また、鹿児島の本坊酒造が造る「和美人」は、米焼酎をベースに精製した、鹿児島色溢れるクラフトジンになっています。鹿児島産の月桃や金柑など、地元のボタニカルにこだわり、爽やかながら甘い中にも力強い味わいのあるジンです。

その他、岡山の宮下酒造の「クラフトジン岡山」や、大手サントリーの「ROKU(ロク)」など、おすすめのジャパニーズ・クラフトジンが揃っていますので、是非試してみて下さい。

自宅で簡単ジントニック

ドライ・ジンの銘柄

バーでジントニックを頼むと、「ジンの銘柄はどうされますか?」と訊かれることが多々あります。余程強いこだわりがない限り、バーテンダーのおすすめのジンで作って貰うのがベストなのですが、違いはわからなくてもとりあえず知っている銘柄を伝える人も多いでしょう。ここでは、おすすめのジンをいくつか挙げて、簡単な特徴と共に紹介します。自宅でジントニックを作る際の参考にしてみてください。

まずはタンカレーです。ジョン・F・ケネディが愛飲したことでも知られるジンで、特徴は高級感のある濃厚な華やかさです。選び抜かれたボタニカルがもたらす風味は「ジンのロールスロイス」とも呼ばれています。次はビーフィーターです。独自のボタニカルのチョイスと製法で、力強い風味が感じられるジンに仕上げています。

「24」というビーフィーターのプレミアムジンは、日本の煎茶や中国緑茶がボタニカルの一部として24時間の浸漬の後蒸留され、スペシャルな味わいを醸し出しています。そしてゴードンは、最初にジントニックに使われたジンです。味と芳香とのバランスが良く、スタンダードなジンとされています。これにボンベイを加えた銘柄は、大抵のバーで常備している筈です。

美味しいジントニックを作るための準備

それでは、自宅でのジントニックの作り方を紹介します。その前に、ジントニックを美味しく作るための準備をしましょう。これは自宅で作る冷たい飲み物全般にいえることですが、グラスは事前によく冷やしておきましょう。冷凍庫や冷蔵庫にアレやコレやが入っていて臭い移りしそうな場合は、グラスに氷水を入れておけばいいでしょう。ジンは常温でも、冷凍庫で冷やしておいても、両方美味しく飲めます。

お手軽ジントニックの作り方

それでは、自宅でのジントニックの作り方を紹介します。まずは超簡単な方法からです。グラスを大き目の氷で満たし、ジンとトニックウォーターを1:3の割合で入れます。そして手ごろな柑橘系果汁をほんの少し加えてステアして下さい。恐らくレモン果汁を冷蔵庫に常備していることが多いでしょうから、それで大丈夫です。

沖縄のバーでは、ライムの代わりに地元のシークワーサーを使うこともあります。ジントニックの基本はライムや青いレモンですが、自宅で飲む分にはさほどこだわることなく、気軽に楽しんで下さい。もっと甘いジュース的なジントニックにしたい場合は、ガムシロップをほんの気持ち程度加えるのもおすすめです。

本格的なジントニックの作り方

本格的なジントニックの場合でも、ジンとトニックウォーターの割合は同じです。氷は、購入したロックアイスを使いましょう。大き目のロックアイスは溶けにくいので、ジントニックが薄まることを防ぎ、美味しいまま飲み続けることができるのです。グラスにロックアイスを入れてジンとトニックウォーターを注いだら、炭酸を逃がさないように軽くステアしましょう。

そして串切りにしたライムの果汁を絞り、残りをグラスに落とし入れます。ライムの皮がついたままだと苦味が出てきますので、苦手な人は除いておいくのをおすすめします。より本格的にオリジナルの味を極めたい場合は、ビターズを少量加えるなどの工夫を楽しみましょう。以上、ジントニックの作り方でした。

Thumbジントニックレシピと作り方のコツ!ジンや炭酸水の正しい分量は? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

ジントニックの爽快な味にみんな夢中

ジントニックの特徴やおすすめ銘柄、そして作り方をお伝えしました。1年を通して楽しめるジントニックですが、特に夏場には爽快感が嬉しいカクテルでしょう。自宅で簡単に作ることができますし、ジンの瓶にはカッコ良くてお洒落なものが揃っていますので、揃えて飲み比べるのもおすすめです。

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