2018年09月26日公開
2024年08月06日更新
だし巻き卵をふわふわにするコツ!レシピと簡単な方法を紹介!
子どもから大人までみんなが大好きなふわふわの「だし巻き卵」は、お店で食べるものだと思っていませんか?なんとなく作るのが難しそうなイメージがありますが、コツをつかめば簡単にふわふわにすることが出来ます。さらに、コツの必要な味付けも、めんつゆを使えばすぐに解決します。ここでは、本格的なレシピから手軽にできるアレンジレシピまで紹介していきます。たまご本来の美味しさが味わえるだし巻き卵を、ぜひ家庭で手作りしてみましょう。
目次
だし巻き卵をふわふわに焼きたい!
卵料理のなかでも、「だし巻き卵」は特に人気のメニューです。旅館の和食の朝食にはかかせない献立として出てきますし、居酒屋などでは数百円でふわふわの食感が楽しめるので、どの店にも置いてある人気メニューです。だし巻き卵はお店で食べることが多く、家庭で作る卵焼きとは食感も味も異なるので、自分で作るのは難しいというイメージがあるのではないでしょうか?
家庭で作る卵料理の定番といえば、「卵焼き」です。お弁当の具になることも多く、遠足などで友達と交換しあって食べた思い出のある方も多いのではないでしょうか?家庭によって味付けが違い、甘めだったり塩気が強かったりという個性があるのも面白いです。そんな卵焼きですが、だし巻き卵とはどこがちがうのでしょうか?ふわふわのだし巻き卵の作り方を紹介する前に、その違いをはっきりさせておきましょう。
簡単に言うと、砂糖の入っているものが「卵焼き」、砂糖の入っていないものが「だし巻き卵」だということです。しかし、地域によってその区分は微妙に違います。関東では料理の味付けが濃い傾向があり、卵焼きにも砂糖をたっぷり入れて、しょうゆやみりん、酒でしっかりと味付けをします。その卵焼きは「厚焼きたまご」と呼ばれ、お寿司のネタにもなっています。
一方で、関西地方の料理には「だし」の文化が根強くあります。京料理は薄味なのが特徴で、だしの味風味で素材の味を引き立たせるような調理法が用いられています。関西料理でよく使われるだしの原料は昆布だしが多く、さっぱりした風味なのが特徴です。さらに、関西の水は関東に比べてミネラルの少ない軟水のため、より昆布のうまみ成分が溶け出しやすくなっています。反対に、関東で使われるだしは「かつおだし」がほとんどです。
そもそも、古くから関西では昆布だし、関東ではかつおだしが使われていましたが、この違いはどこからきているのでしょうか?この違いは、江戸時代の運搬事情が要因として考えられます。当時の運搬は、昆布の主な産地である北海道から関西へは日本海を通って行くルートがありました。しかし、関東へ運搬するために太平洋を航行していくのは難しく、直送ルートの方法が確立していませんでした。
そのため、関東地方へは昆布だしがあまり普及せず、かつおだしが広く使われていたと考えられます。かつおだしは、だしを取った後に醤油で味付けをすることが不可欠です。そのことから、関東の料理はしょうゆの色が付いて味も濃い目になっているという由来があります。その流れは今でも続いていて、現代のうどんのだしを取ってみても、関西は透き通っているのに対して、関東のものは茶色いです。
そして、関西の昆布だしは、余計な調味料を加えなくても昆布のうまみ成分である「グルタミン酸」が溶け出しやすいので、薄味の料理になったという説が有力のようです。そのため、だし巻き卵にも砂糖は入っておらず、素材のうまみが存分に引き出されています。もし、本場関西のだし巻き卵を再現してみようとお考えの方は、「昆布だし」からだしを取るところから始めてみてもいいかもしれません。
だし巻き卵をふわふわに作るためのコツと基本の作り方
子どもから大人まで、みんなが大好きなだし巻き卵ですが、ふわふわにするコツは難しいイメージがあります。どうしても、家庭で作るだし巻き卵と、お店で食べるのとではふわふわの感じが違うのはしょうがないと諦めていませんか?しかし、だし巻き卵をふわふわにするコツは、意外と簡単です。ここで、だし巻き卵を作る基本の手順を紹介しておきます。しばらく作っていなかったという人や、初めて挑戦するという人はチェックしてください。
基本的なふわふわのだし巻き卵を作るための材料を紹介します。2人分の材料として、卵3個、だし汁大さじ3杯、しょうゆ小さじ1杯(あれば薄口しょうゆ)、砂糖小さじ1杯、塩適量です。一度にたくさん作る場合や、お弁当に入れる分も作りたい場合は、この分量を等倍にして作るようにしましょう。基本的に、作りたい人数よりも卵の数を多めにしておくのが、上手にだし巻き卵をふわふわにするコツです。
それでは、ふわふわのだし巻き卵を作る手順を紹介します。まず、初めに卵を溶きます。だしと調味料をすべて加えて、菜箸でさっと混ぜます。菜箸の先をボウルの下の方に付けながら混ぜると、シャカシャカと力を加えずに混ぜることが出来ます。卵液が空気を含んで、ふわっとした感じになったら完了です。だし汁をたくさん入れた方がふわふわのだし巻き卵を作ることが出来ますが、まとめるのが難しいので、卵1個につき大さじ1杯にします。
それでは、卵液が十分に混ざったら焼く作業に入ります。卵焼き用の四角いフライパンを強火で熱し、白い煙が出るくらいになったら焼き頃です。煙が立ったとき、フライパンの表面温度は約180度になっているので、卵液を流し込むと「ジュワッ」と音をたてて細かい気泡がたくさんできます。この気泡がたくさんできることが、だし巻き卵をふわふわにするコツです。
気泡は空気を含むため、だし巻き卵の食感がふわふわに柔らかくなる作用をもたらすほか、だし巻き卵が冷めた時に、だし汁が外に出てべちゃっとするのを防ぐという効果もあります。そのため、だし巻き卵を焼く時にはフライパンをしっかりと加熱するようにしましょう。
卵液をフライパンに流し入れる時は、ボウル半分くらいの量を入れるのが、だし巻き卵をふわふわにするコツです。このくらいたっぷりと入れることで、だし汁の水分が卵液全体の温度を下げることにつながり、だし巻き卵が焦げ付くことを防ぐことが出来ます。卵液から細かい気泡がたくさん出てきたら、だし巻き卵がふわふわになっている目安です。
卵液が焼きあがりはじめたら、大きい泡が出来てきます。その泡は菜箸でつぶすようにしましょう。表面がどろどろと固まってきたら、奥から手前に向かってだし巻き卵をパタンとたたんでいきます。このときにだし巻き卵をふわふわにするコツは、卵液が半熟のうちに一気にたたむようにすることです。だし巻き卵の形は少々不格好でも、後から成形することができるので気にしないのがポイントです。
だし巻き卵をたたむ時に、きれいにたたむことにこだわって時間が掛かると、だし巻き卵が固まってふわふわ感がなくなり食感が固くなるので、手早く行なうことがふわふわにするコツです。パパっとたたんだ時、だし巻き卵の形が不格好であれば、ラップにくるんでしばらく置いておく方法があります。そうすれば、冷めた時にきれいに固まります。
だし巻き卵をふわふわにするコツは、タンパク質の特性を知っておくことが重要なポイントです。タンパク質は、熱を加えることで構造に変化が起こり、固まるという性質を持っています。だし巻き卵の場合は、熱で固まるのを遅くすることでふわふわの食感を生み出します。だし汁をまとまった量加えるという方法で、温度の急激な上昇を防ぎます。このポイントを押さえて、ふわふわのだし巻き卵を作ってみましょう。
だし巻き卵をふわふわにする簡単レシピでプロの技!
先ほどは基本的なふわふわのだし巻き卵をつくる方法について紹介しましたが、さらにワンランク上の簡単レシピを紹介します。ふわふわにするコツは、ある材料を加えることです。少し手間をかけることによって、簡単にふわふわのだし巻き卵を作ることが出来るので、料理初心者の方には特におすすめの方法です。
ふわふわのだし巻き卵を作るコツは、「片栗粉」を加えることです。こうすることで、お出汁をだし巻き卵の中に閉じ込めることができて、ふわふわの食感を生み出すことが出来ます。2人分のだし巻き卵の材料は、卵4個、水120cc、だしの素小さじ1杯、片栗粉小さじ1杯、薄口しょうゆ小さじ1/4~1/2杯、みりん小さじ1/2杯、塩ひとつまみです。もっと少ない分量でも出来ますが、ある程度まとまった量で作るのがふわふわにするコツです。
作り方の方法は、まず、ボウルに水、だしの素、片栗粉を入れて混ぜ合わせます。そこに卵を割り入れ、白身の部分を切るようにさっくりと混ぜ合わせます。よく混ざったら、薄口しょうゆ、みりん、塩で味付けをします。この時、菜箸で混ぜてもいいですが、小さい泡立て器があれば、よりふわふわにきれいに仕上がります。また、薄口しょうゆは少しずつ加え、お好みの塩加減に調整するとよいでしょう。
卵焼き用の四角いフライパンを熱し、油を敷きます。フライパンから白い煙が出てきたら、弱火にするのがポイントです。ここから何回かに分けて卵液を流し込みます。片栗粉はボウルの下の方に沈みやすいので、フライパンに流し入れる前に毎回よく混ぜるようにして下さい。卵液は、だし汁をたっぷり含んでいるので柔らかく、最初のうちはきれいに巻けませんが、最後にはまとまりますので気にせず焼きましょう。
だし巻き卵が巻きにくい場合は、フライ返しやコテなどを使う方法もあります。パタンと手前から奥の方に巻いて行きます。弱火で少しずつ卵液を加えていき、卵液が無くなったら形を整えます。表面や側面の部分にも火が通るように、よくひっくり返します。焼きあがったら、ふわふわでジューシーなだし巻き卵の完成です。
だし巻き卵をふわふわに焼く方法としては、弱火でゆっくり焼くのがポイントです。片栗粉を加えることによって、お出汁がしっかりと生地の中に留まってくれます。片栗粉の味や香りは全く気になりませんので、食べる時にはお出汁の風味を十分に楽しむことが出来ます。だし巻き卵にはいろいろな味付けがありますが、みりんと薄口しょうゆ、だしの素だけで上品な味わいにすることが出来ます。ぜひ一度試してみて下さい。
だし巻き卵に白だしを使った居酒屋風アレンジレシピ
居酒屋さんで食べるだし巻き卵は、だしの香りが豊かで卵の食感もふわふわなので、特に女性に人気の定番メニューとなっています。そんな居酒屋さんのだし巻き卵を家で作れたら、毎日の食卓が楽しみになりそうです。これから紹介する白だしを使ったレシピは、簡単なのに本格的なふわふわのだし巻き卵を作れるので、ぜひ挑戦してみて下さい。だし巻き卵をふわふわにするコツは、難しそうなイメージがありますが、じつは意外と簡単です。
ふわふわのだし巻き卵を作るのに使う材料は、卵6個、白だし小さじ4杯(20ml)、水大さじ4杯(60ml)、サラダ油適量です。また、甘い味付けが好みであれば砂糖を適量(大さじ2杯程度)加えても良いです。基本的に、白だし自体に味が付いているので、白だしを入れるだけで味付けが完了してしまいます。
作り方の方法は、まず、白だしを水で希釈して、卵を割り入れたボウルに加えます。砂糖を加えるのであれば、この時に一緒に入れてしまいましょう。先ほどもありましたが、白だしにはだしのうまみと塩気が付いているので、塩やしょうゆを加えなくてもふわふわで美味しいだし巻き卵を作ることが出来ます。
だし巻き卵をふわふわにするコツは、卵液をよく混ぜ合わせた後、こし器などで卵液をよくこすことです。この手間をかけることによって、口触りのなめらかなふわふわのだし巻き卵を作ることが出来るのです。こし器を持っていない場合は、茶漉しや目の細かいざるなどでも代用する方法があります。
そして、卵液をこし終わったら、卵焼き器にサラダ油を敷き、十分に温めます。サラダ油がパチパチと弾けてきたら、卵液を少量流し込みます。このとき、すべての卵液を一気に加えないようにするのが、だし巻き卵をふわふわにするコツです。箸で卵をさっと混ぜて、底面がある程度焼けてきたら、卵焼き器の奥側に寄せます。
そして、残った卵液を焼くために、卵焼き器に再度油を敷きます。きれいでふわふわのだし巻き卵にするには、先ほど焼いた卵焼きの部分を少しめくり上げ、卵液を下に流し込むのがコツです。この作業が終わったら、だし巻き卵を手前にひっくり返します。少々形が悪くても、何回かひっくり返していると形が整ってきます。
最後に、だし巻き卵が焼きあがったら火からおろし、お皿に移します。もしここでだし巻き卵の形が悪ければ、す巻きやラップにくるんで手で成形する方法があります。余熱でだし巻き卵の内部まで火が通るので、冷える前に形を整えておきましょう。しっかり形が固まったら完成です。適当な大きさに切り分けて、大根おろしなど添えていただきましょう。
だし巻き卵にめんつゆを使うふわふわ厚焼きレシピ
だし巻き卵は、だしを入れてふわふわに作る方法が美味しいですが、上手にふわふわにするコツは、意外と難しいものです。居酒屋さんで出されるだし巻き卵のような味付けは、プロでないと失敗しやすいので、何回も練習する必要があります。しかし、時間のない主婦の方や一人暮らしの方など、料理は簡単に手早く作りたいという方は多いです。そんな方におすすめの方法が、だし巻き卵にめんつゆを使う方法です。
めんつゆを使ったふわふわだし巻き卵を作るための材料を紹介します。必要なのは、卵2個、めんつゆ小さじ3杯、みりん小さじ1杯、だし汁70ml、片栗粉小さじ1杯、ごま油適量です。砂糖やしょうゆなどの分量を量る必要が無く、最初からめんつゆの中にすべて配合されているので、コツを掴まなくても簡単にふわふわのだし巻き卵を作ることが出来ます。
作り方の手順は、まず、ボウルにすべての材料を入れて混ぜます。この時、ふわふわにするコツは、たまごの白身の部分が残らないようによくかき混ぜるようにすると、ふわふわのだし巻き卵ができます。もし時間に余裕がある場合は、卵の液をこし器でこすと、よりふわふわに仕上げることが出来ます。
卵液をかき混ぜ終わったら、卵焼き器で焼いていきます。ごま油をうすく敷き、固まってきたら端の方からくるくると巻きます。片方の端にすべて巻き、余っている卵液を追加してさらに焼きます。きれいに形を整えれば焼きあがりです。ふわふわにするコツを守って、だし巻き卵を上手に焼いてみましょう。
ふわふわで美味しいだし巻き卵を作るコツには、味付けの分量を間違えないことが欠かせませんが、めんつゆを使えば最初からしょうゆや砂糖が配合されているので、簡単にすることができます。料理の経験があまりない初心者の方や、料理に割ける時間があまりない方にもおすすめの方法なので、ぜひめんつゆを使ってふわふわのだし巻き卵をつくってみましょう。
また、基本のだし巻き卵の作り方をマスターしたら、アレンジレシピに挑戦してみることもおすすめします。例えば、青のりを加えて焼けば、青のりの香りがするだし巻き卵ができます。材料は、先ほど紹介した卵液の他、生青のり大さじ1杯を加えるだけです。生青のりは卵液の中で偏りやすいので、よく混ぜるようにしましょう。
また、別のだし巻き卵のアレンジレシピのおすすめは、韓国のりとキムチの入ったレシピです。先ほど紹介した卵液を基本にして、だし巻き卵を焼く段階でキムチと韓国海苔を乗せて焼きます。あまりたくさん入れ過ぎると、だし巻き卵を巻く時に形が崩れてしまいますので、適量を守るようにしましょう。通常のだし巻き卵を作る時と同じようにくるくると巻いて行けば、完成です。
さらに、野菜も入ったヘルシーなだし巻き卵のレシピもおすすめです。使用する材料は、卵3個、春菊50g、だし汁大さじ2杯、あら塩小さじ1/5杯、しょうゆ小さじ1/2杯、オリーブオイル小さじ1/2杯です。春菊は、新鮮なものだと風味が良く、普通のだし巻き卵を数倍美味しくしてくれます。旬の春菊が手に入ったら、ぜひだし巻き卵を作ってみましょう。
春菊の入っただし巻き卵を作る時に上手に作るポイントは、春菊を洗った後、しっかり水気を切ることです。春菊に水分が残っていると、だし巻き卵の卵液が薄まってしまいます。そのため、春菊を洗ってからキッチンペーパーなどで拭き取るのがおすすめです。また、使用する油はお好みのもので大丈夫です。洋風の料理の献立であれば、オリーブオイルの風味が良く合います。また、中華風ならごま油を使用するのが美味しいです。
お店で食べるだし巻き卵は、ふわふわでだしがたっぷり入っていて、自分で作るのはとうてい無理だと思ってしまいがちですが、実はそれほど難しくはありません。さらに、面倒な調味料の配合や計量をしなくても、めんつゆを使えば簡単につくることができます。そして、基本のだし巻き卵の作り方をマスターした後は、ぜひアレンジレシピにも挑戦してみましょう。
ふわふわだし巻き卵でごはんがすすむ!
ここまで、ふわふわのだし巻き卵の基本的な作り方から、簡単にめんつゆを使った方法、そして別の食材と組み合わせたアレンジレシピなどについて紹介してきました。お店で食べるふわふわの出汁巻き卵は、じつはそれほど難しくなく、家庭でも簡単に作れることが分かったかと思います。ぜひ、毎日の食卓に並べてみてはいかがでしょうか?
関西の「だし文化」がルーツにあるだし巻き卵は、素材のうまみを存分に引き出して楽しめる、日本独自のメニューです。いまでは、昆布やかつおを煮だして出汁を取らなくても、スーパーマーケットで簡単に出汁の素が手に入ります。そのため、時間のない時でも簡単においしいだし巻き卵を作ることが出来るようになりました。
さらに、めんつゆを使えばもっと手軽にだし巻き卵を作ることが出来ます。調味料の配合をしなくて済むので、ぜひレシピを参考にしてみて下さい。だし巻き卵を作る時は、しっかりとフライパンを温めて、卵液をよくかき混ぜることを守るようにしましょう。毎日の食卓に、ぜひ出来立てのふわふわだし巻き卵を加えてみて下さい。