日本酒用の冷蔵庫のおすすめは?家庭用小型や一升瓶を保存できるのも!
日本人にとって夜のお供に欠かせない日本酒ですが、品質を保つためには冷暗所に保存しなければなりません。かといって他の食材や飲み物が入っている家庭の冷蔵庫に保管しようとすると、容量を圧迫してしまいがち。そこで、日本酒専用の冷蔵庫を用意するのが、日本酒ファンの第一歩です。一般に日本酒を保管するには大型冷蔵庫でなければいけないと思われがちですが、実は小型の冷蔵庫でも大丈夫です。そこで今回は、家庭用の小型冷蔵庫から、一升瓶を保管するのに最適なショーケース型まで幅広く紹介します!
目次
日本酒の保存にオススメな冷蔵庫を紹介!
お酒が好きで、お店だけでなく自宅でも飲むという人の中には、日本酒のファンも多いのではないでしょうか?味や飲み方だけでなく、凝ったデザインのラベルや瓶、銘柄に心惹かれ、家に飾って置くだけでも楽しいという人も。また、あまりお酒を飲まないという人でも、年末行事やお祝い事の際には、お神酒や甘酒といった日本酒を口にしたことがあるはずです。
そんな日本酒をもっと美味しく、楽しく飲むコツを知っていますか?コツといっても難しいことではありません。冷蔵庫など、気温が低く、日の当たらない冷暗所に保管することだけです。しかし、そうは言っても「自宅の冷蔵庫に一升瓶は大きすぎてしまえない」という人もいるでしょう。今回は、日本酒用にオススメの家庭用冷蔵庫の、小型サイズからお店のショーケースのように並べられる物まで、様々なタイプを紹介していきます。
日本酒はお米からできているお酒
そもそも、日本酒はどんなお酒なのか知っていますか?ワインは葡萄や様々な果実から醸造されていますが、日本酒はお米から作られています。純粋にお米と米麹だけで作られているものを「純米酒」、そこに醸造アルコールを加えたものを「醸造酒」と言い、このお米と醸造アルコールの割合によって、「本醸造酒」「吟醸酒」「大吟醸酒」など、酒種の呼び方が変わっていきます。
さらに、香りの高さ・味の濃さなどで日本酒を分類することもあります。「ちょっと知ると、もっと好きになる 日本酒超入門 飲みたい酒の見つけ方」(石田洋司著)によれば、「塾酒」「醇酒」「薫酒」「爽酒」といった4種類に分けられるそうです。日本酒はどれも同じ米を原料としているのに、こんなにも様々な違いがあるのです。
日本酒は必ず冷蔵庫で冷やして飲むもの?
さて、そんな日本酒ですが、元々は冷やして飲むものなのでしょうか?実はそうとも限りません。日本酒を飲むのに適していると言われる温度は5~60度と言われ、これはワインに比べてとても幅広い数字になっています。また、日本酒の種類や品質によって、冷やしすぎはかえって味を悪くする物もあります。まずは、日本酒の温度帯をチェックしていきましょう。
冷酒
「冷酒」とは、7~10℃くらいに冷やした日本酒のこと。ちなみに、「冷酒」で飲むことが多い日本酒といえば「生酒」「吟醸酒」がよく挙げられますが、こちらは物によっては、もう少し高めの10〜15℃くらいが適していると言われています。冷酒に向いていると一言で言っても、日本酒の品質ごとに、それぞれ向き不向きがあるのです。困った時にはお店の人に聞いてみたり、日本酒通の友人に聞いてみましょう。
燗酒
冷酒に対して、加熱した日本酒を総称して「燗酒」と呼び、さらに、その加熱度合いによって細かく分類されます。50℃前後の物は熱燗、40℃前後、つまりお風呂と同じくらいに温められた物は「ぬる燗」と言います。そしてその中間、45℃前後の物は「適燗」または「上燗」と呼ばれます。
ひや
こちらは冷酒ではなく「ひや」です。常温で飲む日本酒を指します。常温といってもその時々で変わるわけではなく、15~20℃くらいの温度が適切だと言われていて、冷蔵庫がなかった頃にはこのひやと燗酒しかありませんでした。今では冷酒、燗酒に比べるとちょっと通好みの用語で、このひやだと日本酒本来の味がわかるのだそうです。
ちなみに、今回挙げた日本酒の種類は大まかなもので、もっと細かい温度によっても呼び方が変わっていきます。「花冷え」「日向燗」「飛び切り燗」など、どれも日本語らしい風情のある名前ばかりですので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
品質を落とさないために日本酒は冷蔵庫に保管すべき!
日本酒に賞味期限はありません。未開封の状態であれば何年経っても飲めますし、むしろ、時間が経てば経つほど味わいが深くなるとも言われています。例えば「長期熟成酒」と呼ばれる品種は、3年、長ければ20年以上も蔵などで保存された物を指します。そうして熟成された日本酒は、色味が濃くなったり、甘みやトロミが増したり、様々な変化が現れます。
そしてもちろん、熟成した日本酒が好きな人ばかりではありません。買ったばかりの新鮮な状態が好きだという人もいることでしょう。人によってその味わい方・楽しみ方が全く違うところが日本酒の魅力のうちでもあります。
だから、「『燗酒』や『ひや』が飲みたいだけなら、冷蔵庫に保管しなくても良いのでは?」「長期に渡って熟成させるのではなく、何日かちょっと放っておくだけなら問題ないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、日本酒は冷暗所で保管しないと、紫外線を浴びて品質がどんどん劣化していき、味がくどくなったり、風味が落ちたりしてしまいます。
特に「生酒」と呼ばれる品種は冷蔵保存が欠かせません!日本酒は製造過程において「火入れ」と呼ばれる加熱を行うのですが、生酒はその加熱作業を行わない、新鮮な物を指します。新鮮な生魚を冷蔵保存することと同じに考えるとイメージしやすいでしょう。また、透明瓶に入ったものも、紫外線を通しやすいので注意が必要です。
どうしても今すぐには冷蔵スペースが確保できない場合、新聞紙によるラッピングをオススメします。これは『義侠』という日本酒銘柄の蔵元が今から30年ほど前に始めた保存法ですが、今でも酒屋や飲食店で見かけることがあるのではないでしょうか?この方法は、まだ日本酒への正しい理解や知識が十分でなかった頃に生まれた、蔵元の知恵だったのです。
家庭用冷蔵庫には日本酒の一升瓶は大きすぎる?
一般に、日本酒は「一升瓶」「4合瓶」のサイズで販売されていることが多いです。しかし、一升瓶の容量は1800ml。普段使いの家庭用冷蔵庫に保管するには、ずいぶんスペースを圧迫してしまいます。
そこで、日本酒ファンなら用意しておきたいのが、日本酒専用の冷蔵庫。と言っても、必ずしもお店でよく見かけるような、立派な業務用冷蔵庫ばかりではありません。今では家庭用の小型冷蔵庫も多く販売されているので、好みに合った冷蔵庫を選ぶことができるはずです。ここからは、日本酒保管にオススメな家庭用冷蔵庫を紹介します。
日本酒用冷蔵庫の定番!レマコムの冷凍ストッカー
日本酒通には定番と言われている、レマコムの冷凍ストッカー。全100L。-20℃〜8℃までの温度調節ができます。また、些細なことですが扉を上下に開閉できるのもポイント。縦置きにした日本酒を出し入れしやすく、親切な設計になっています。欠点は、見栄えがあまりよくない点と、100Lという大容量で一升瓶を16〜18本ほど保管できます。デメリットはスペースを取る点。日本酒をたくさん貯蔵したい、という人にはオススメです。
ベッドサイドにオススメ!シンプルな小型冷蔵庫「冷庫さん」
「いきなり大型冷蔵庫はちょっと……」という人にオススメしたいのがこちら。サンルックの小型冷蔵庫冷庫さんです。小型というだけあって内容量は48Lと、レマコムの半分以下ですが、一升瓶を2本、縦置きで保管することができます。シンプルなデザインがおしゃれ。そして、何と言っても静かなので、寝室に置くならこれがベスト。ベッドサイドに置いて、いつでも冷たい日本酒を飲めるようにしたい人にはかなりオススメです。
日本酒はやっぱり見せたい!一升瓶を並べるならショーケース型
「やっぱり見た目にこだわりたい」という人にオススメなのがこちら。レマコムの「冷蔵ショーケース」。冷凍ストッカーと同じく100Lの大容量。ストッカーに比べると外からでもラベルが確認できるので、目当てのものがすぐ見つけられます。欠点は、家庭用ではないため相当な大きさになることと、ガラスの表面にかなりの量の結露が見られること。こまめに手入れをする必要がありますが、日本酒ファンなら憧れの一品です。
日本酒を冷蔵庫に収納するときに気をつけたいこと
日本酒は基本的に横倒しではなく縦置きで保存しましょう。横倒しだと、容器内で酒が空気に接する面積が増えてしまうためです。特に一升瓶は栓の性質上酸化しやすいので、縦置きができる冷蔵庫を選びましょう。また、どうしても一升瓶では収納できない場合、4号瓶に移し替えるという手段もあります。
日本酒と冷蔵庫の切っても切れない関係
今では常識になりつつある、日本酒の冷蔵保存。日本酒は、高い温度や紫外線から守ってあげることで、「冷酒」「燗酒」といったいろんな表情を見せてくれます。だからこそ、お店だけでなく自宅でも、適切に管理した美味しい日本酒を飲みたいもの。ぜひ、あなたの日本酒スタイルに合った家庭用冷蔵庫を見つけてみてください。