2019年08月29日公開
2024年09月26日更新
唐揚げに卵は使う?卵を衣に使った時の効果は?衣のタイプ別に材料を紹介
唐揚げに卵を使うべきか、調理の際に悩むことはありませんか?今回は卵を使った時の効果や作り方を公開し、唐揚げの衣をタイプ別に区分してそれぞれに違う食感を楽しみながら、揚げ方の注意点やポイントを押さえました。自分好みの衣を見つけていきましょう。
唐揚げに卵は使うべき?
唐揚げは子供から大人まで人気でお弁当の定番おかずです。唐揚げを作る時に小麦粉や片栗粉で衣を作るのが一般的ですが、唐揚げの衣に卵を使ってよいのか、卵を衣に使った時の効果などが気になります。そこで、衣のタイプ別材料を紹介し揚げ方のポイントも解説します。
唐揚げの意味
唐揚げとはそもそも食材に何も付けないか、あるいは小麦粉や片栗粉などの粉をまぶした後に油で揚げた料理のことを言います。唐揚げと聞くと思い浮かべるのが鶏肉ですが、本来唐揚げとは揚げ粉を付けた揚げ物の総称を言うので、唐揚げにする食材の決まりはありません。
日本では油で揚げるという調理法ができたのは鎌倉時代以降になり、一般に広く普及したのは江戸時代になってからだと言われています。江戸時代には素揚げや唐揚げという用語は使われていませんが、調理法として普及していきました。
竜田揚げとの違い
竜田揚げには醤油・みりん・酒などの決まった調味料で下味を付けるという、唐揚げにはない決まりがあります。下味を付けた後で衣になる粉を付けて揚げます。そのため、竜田揚げには下味がしっかり付いているのが特徴です。
竜田揚げは鶏肉の他に豚肉・さば・かつお・クジラなどの食材でもよく使われています。竜田揚げの名前の由来は諸説あり、1つ目は奈良県の紅葉が名所の付近に竜田川があり、竜田揚げと赤褐色の紅葉の色が似ていることや衣の片栗粉が白くなっているのが竜田川の白い波に似ていたからと言われています。
2つ目は旧日本海軍の艦船龍田の料理長が、船内で片栗粉を使った唐揚げを作ったことから、その美味しさが評判になり竜田揚げという名前が広がったという説もあります。
卵は使っても使わなくてもOK
唐揚げのように小麦粉や片栗粉などの粉のみで衣を作ると、揚げたてはカリカリ・サクサクとした食感が楽しめるだけでなく美味しいので、揚げてすぐに食べる場合は卵を使った衣にしなくても大丈夫です。
お弁当のおかずとして冷めた状態で食べると、鶏肉から出た水分でカリッとした食感がなくなり逆にべちゃっとした食感になるので、時間を置くのはおすすめできないでしょう。
卵を唐揚げの衣に使った時の効果
粉だけで作る唐揚げは時間が経つとベタついた食感になることが分かりましたが、では卵を唐揚げの衣に使った時はどうでしょうか?衣卵を使うことで卵が果たす役割などを詳しく紹介します。
衣がふんわりする
衣に卵を加えることで、卵が油や空気を含みふんわりします。多少衣が重くなるので、サクサクっと軽い感じに仕上げたい方は卵を使わずに粉だけの方が良いでしょう。衣の食感がふんわりするため、食べ応えのある唐揚げが好みの方はぜひ卵を入れた衣をおすすめします。
鶏肉の水分を閉じ込める
粉類をまぶす前に卵をくぐらせます。卵が肉と衣の接着剤のような役目をして肉の水分を閉じ込めてくれるため、ジューシーな仕上がりになります。翌日のお弁当に入れてもベタッとしないのでおすすめです。
卵を使った唐揚げの作り方
ここからは卵を使った美味しい作り方を紹介します。難しいことは何もなく手順通り進めていけば、柔らかくてジューシーな唐揚げが完成します。気になる揚げ方のポイントも公開していますので、ぜひ参考にして下さい。
材料
唐揚げの材料に欠かせない食材は何と言っても鶏肉です。鶏肉と言っても部位はたくさんあり、それぞれに特徴を持っているので同じ唐揚げでも違う味や食感になります。1番人気の部位はもも肉で、他の部位よりも脂が程よくのっているので、作る際には赤身のしまった部分と脂身のジューシーさなど複数の味わいが楽しめます。
次に人気のある部位はヘルシーブームで注目のむね肉です。この部位の特徴はタンパク質が多く、鶏は胸をよく動かしているため無駄な脂が落ちてとても締まっています。そのため、むね肉を揚げるとカラッと揚がった衣とよく締まった鶏肉の2つの食感による対比が楽しめます。パサつきがちなむね肉は調理法で工夫しましょう。
次に人気のある部位は手羽です。手羽とは手羽先・手羽中・手羽元と呼ばれる翼の部位になります。手羽の肉は柔らかく皮が付いているため肉の量は少ないですが、適度な脂肪やコラーゲンの旨みを味わうことができます。このように色々な部位がありますので、好きな部位の肉で唐揚げを作ってみましょう。
調味料はおろしにんにく・おろししょうが・酒・しょうゆが基本になり、これらは肉の下味に使います。その他、ふんわり衣を作る溶き卵や片栗粉なども必要になります。
下味をつける
鶏肉に浸しておく下味として醤油・酒・砂糖・塩・こしょうが一般的になります。密閉袋に鶏肉と下味の調味料全てを入れて手で揉み込みます。卵を加える時は、粉をまぶす前の下味をつける段階で一緒に揉み込んでおき、3時間ほど浸しておくと味が染み込み美味しくなるポイントになりますので、事前準備をしましょう。
衣をつける
ここでは、作る時に大切な工程やポイントがあるので紹介します。まず、1つ目のポイントは下味を付けた鶏肉に衣の粉を混ぜる前に、余分に出ている水分をキッチンペーパーで拭き取ることが大切です。唐揚げは余分な水分が大敵になるので丁寧に拭き取りましょう。
2つ目のポイントは小麦粉や片栗粉の衣の粉は薄く付けますが、大切なのは衣の粉の量になります。衣になる粉が多すぎるとカリッとした食感が失われてしまいます。そのため、粉を付ける時は余分な粉をボウルやポリ袋などで一度はたいてから揚げるのがコツです。
1つ目の余分な水分を拭き取る作業は、余分な衣の粉を付けない対策にもなりますので、紹介した2つのポイントを参考にしてぜひ実践してみて下さい。
揚げ方
鶏唐揚げを作る時に大切なのが揚げ時間になります。目安として、一口大の唐揚げを作っている場合の揚げ時間は約5~6分くらいがベストで、一口大よりも大きい場合は揚げながら時間を調節しましょう。次に大切なのが揚げ油の温度です。唐揚げを揚げる時は、揚げ油が180℃になっているかを確認してから揚げ始めて下さい。
揚げ油が低温なのに鶏肉を入れてしまうと、鶏肉に付けた衣が固まらずベチャついてしまいます。そのため、鶏肉の旨みなどをしっかり閉じ込めるためにも、揚げ始めは高温の油で揚げて衣をしっかり固めるのがポイントです。揚げ油に入れてしばらく経つと、鶏肉が自然に浮いてきます。
鶏肉が浮いたら火力を落として鶏肉にじっくり火を通しましょう。高温のまま揚げ続けてしまうと、唐揚げが焦げたり生焼けになったりするので注意して作業を進めましょう。
二度揚げの方法
唐揚げを美味しく揚げる方法としてもう1つ知っていただきたいのが、二度揚げをする方法です。まず、揚げ油を高温にしてから鶏肉を入れます。1分半ほど鶏肉に触らずに強火で揚げていきます。この時にお箸などで鶏肉を触ってしまうと衣が剥がれてしまう原因になるので気を付けましょう。
油を入れてから1分半くらい経過したら鶏肉をひっくり返します。順番よく全部ひっくり返したら、返した順に取り上げていきます。取り上げた唐揚げは余熱で火が通るようにピラミッド状に積み上げます。小さいサイズなら3分、一口大より大きいサイズは4分くらい放置します。
時間が経ったら再び揚げますが、この時の油の温度も180℃にします。2度目の時は30~40秒と揚げる時間を短くするのがコツです。これで火の通ったカラッとした唐揚げが作れるのでぜひ実践してみて下さい。
揚げ方のポイント
揚げる際の注意点は揚げる時の油の温度です。前述のとおり揚げ油の温度は180℃と高温で揚げます。そして、油で入れた鶏肉が浮いてきたのを確認したら弱火にします。高温で入れる理由は唐揚げが生焼けだったり焦げる原因になるからです。次のポイントは油に入れる唐揚げの量になります。
1度にたくさんの鶏肉を揚げ油に入れると揚げ油の温度が一気に下がってしまいます。そのため、鶏肉から余分な水分が出てしまい唐揚げがベチャベチャになります。よって、1度に揚げる量は鍋のサイズによっても異なりますが少なめの量で揚げることが失敗しないコツです。
さらに風味付けのアレンジとして、唐揚げを揚げる油にごま油を少し加えてあげると風味が変わります。ごまの香ばしさが決め手の美味しい唐揚げを作ることができますので、ぜひ試してみて下さい。
唐揚げの衣のタイプ別材料
鶏唐揚げの美味しい作り方や揚げ方のポイントが分かったところで、次に唐揚げに付ける粉のタイプを紹介します。衣が違うだけで食感が変わるのをぜひ実感して下さい。
柔らかくジューシーな衣
カリカリした食感の唐揚げも美味しいですが、毎回同じ食感だと飽きてしまいます。たまには柔らかくてジューシーな唐揚げが食べたいと思う時もあるでしょう。カリカリの衣でも説明していますが、カリッと揚がるのは片栗粉に含まれているでん粉によるものでした。では柔らかくジューシーに揚げるにはどうしたら良いでしょうか?
それはタンパク質を含んでいる小麦粉で衣を作ることです。普段食べているカリッとした食感とは違い、肉の旨みが感じられるジューシーな食感を楽しむことができます。小麦粉のみで作る唐揚げは、小麦粉が鶏肉に付きやすいために鶏肉の旨みを逃がさずしっとりと柔らかい唐揚げを作る効果が期待できます。
サクサクの衣
カリッとした唐揚げやジューシーな唐揚げも美味しいですが、両者のちょうど中間にあたるサクサクした食感が好みの方も多いのではないでしょうか?そんなサクサクした衣の唐揚げを作るのに必要な粉は、片栗粉と小麦粉の2種類を使います。小麦粉と片栗粉を混ぜることで1種類だけでは物足らないと感じる食感を補うことができます。
2種類の粉を合わせる時は小麦粉から片栗粉の順で付けていきます。できるだけ同じ粉の薄さで付けましょう。小麦粉が先に付くことで鶏肉の旨みを逃がさず、上から重ねづけした片栗粉がカリッとした食感を与えてくれます。二度手間が大変な場合は、袋に1:1で混ぜた粉に直接鶏肉を付けても良いでしょう。
カリカリの衣
鶏の唐揚げと言えば皮がカリッとして中がジューシーな衣がよく好まれています。そんなカリカリ食感な唐揚げの衣を作れるのは片栗粉です。同じ衣として小麦粉がありますが、何故カリカリにならないのでしょうか?それは、それぞれの素材の違いにあります。
小麦粉は小麦を挽いた粉ですが片栗粉はじゃがいもを挽いてできた粉になります。素材は違いますが2つにはでん粉が含まれているという共通点があります。このでん粉が唐揚げをカリッとした食感に仕上げるためには必要で、でん粉がどれだけ多く含んでいるかが大切です。
片栗粉はじゃがいものでん粉のみでできていますが、小麦粉はでん粉以外にグルテンなどのタンパク質が含まれているため、でん粉の含有量だけで見ると片栗粉の方がでん粉の量は多くなります。このことから、カリカリ食感の唐揚げが作りたい場合は片栗粉をまぶして揚げましょう。色は小麦粉の時とは違って唐揚げ全体が白っぽいのが特徴です。
ザクザクの衣
ザクザクした食感の衣で唐揚げが作りたい場合は片栗粉のみを使用します。片栗粉は粒子が白いので衣につけて揚げると白い色そのままに仕上がります。たっぷりまぶせばザクザクしたワイルドな食感になり食べ応え抜群なので、食欲旺盛な方におすすめです。
ただし、冷めると衣が脂っぽくなるのが難点です。片栗粉の原料は説明の通りジャガイモのでん粉なので、殆ど味はありません。ザクザク食感が楽しみたい方は揚げたてをぜひ賞味下さい。
カラッと軽い衣
脂っこい唐揚げが苦手な方や軽い食感が好みの方におすすめの衣が米粉です。うるち米を粉砕している米粉はとてもきめが細かくて衣が他の粉よりも1番薄く付きます。油を吸いにくく軽い揚がり具合なので、いくらでも食べられそうです。
慣れ親しんだ米の風味もほんのり感じられます。米粉に卵を加えた衣で揚げるとふわふわのもちっとしたハワイアンな唐揚げの食感になるので、ぜひ試してみて下さい。
卵を使って美味しい唐揚げを作ろう!
美味しい唐揚げを作る際に卵を使った唐揚げや粉だけを使った唐揚げなど、両者の違いや揚げる際の注意点などを紹介してきました。ちょっとのコツで劇的に美味しくなる唐揚げは老若男女問わず大好きなメニューですので、衣がベタついて生焼けにならないよう、ポイントをしっかり押さえて下さい。
粉を色々変えてみるだけで、食感の違った唐揚げがバリエーションよく作れることも分かりましたので、ご自身で好みの唐揚げを研究してみてはいかがでしょうか?