冷暗所保存の冷暗所とは?冷蔵庫との違いや最適な温度について調査!

みなさんは冷暗所について、明確な定義を考えたことがありますか?普段何気なく見聞きしている冷暗所とは、いったいどういう条件を指すのでしょうか?冷暗所とはどのくらいの温度で、どのくらい暗ければいいのでしょうか?薄暗い程度、もしくは完全に光が入らない真っ暗でなければいけないのか?冷暗所の定義について、野菜や果物、発酵食品に調味料など、冷暗所で保存が必要な食品などを調べることで、明確な冷暗所について調べてみたいと思います。

冷暗所保存の冷暗所とは?冷蔵庫との違いや最適な温度について調査!のイメージ

目次

  1. 1冷暗所とは
  2. 2冷暗所の定義
  3. 3ワインや生姜の貯蔵などから冷暗所の温度を想定してみる
  4. 4昔の貯蔵方法から冷暗所とは何か考えてみる
  5. 5冷暗所の温度
  6. 6冷暗所の場所
  7. 7冷暗所と冷蔵庫の違い
  8. 8冷暗所に保存するべきもの
  9. 9マヨネーズにとっての冷暗所とは?
  10. 10食品にとっての冷暗所とは?
  11. 11米や小麦粉は冷暗所で保存する
  12. 12根菜類の多くは冷暗所での保存が望ましい
  13. 13発酵食品にとっての冷暗所とは?
  14. 14調味料にとっての冷暗所とは?
  15. 15果実酒を冷暗所に保存する理由
  16. 16日本酒やブランデー・ウイスキーなどアルコールにとっての冷暗所とは?
  17. 17オイルに適した冷暗所とは
  18. 18常温保存できる食品が腐敗しない条件が揃った場所が冷暗所
  19. 19大腸がん検査で言う冷暗所とは?
  20. 20薬事法の視点での冷暗所とは?
  21. 21タイヤなどゴム製品にとっての冷暗所とは?
  22. 22冷暗所を作ろう!
  23. 23正しい冷暗所とは何処かを理解して安全に保存・保管しよう!

冷暗所とは

自家製の果実酒や果実酢などを作る時に、冷暗所で保存しましょう、という説明を良く目にします。また、食品なども冷蔵保存や冷凍保存ではなくて、冷暗所で保存してください、などと記載されている商品も良く目にします。私たちは、冷暗所と聞くとひんやりとしていて、暗い場所というぼやっとしたイメージで冷暗所を判断しています。

では冷暗所の明確な定義はあるのでしょうか?温度は何度から何度なのか?冷蔵庫は冷暗所にあたるのか?など、質問されると明確に答えられる人はおそらく殆どいないのではないでしょうか?そんな冷暗所について、冷暗所に保存しなければいけない食品とは何か?また、他に冷暗所に保存・保管するべきものはあるのか?など、冷暗所について調べてみました。

冷暗所の定義

常温の温度の定義は各業界ではっきり記載されている

まず冷暗所に保存するものとして、一般的に一番身近なものと言えば食品です。食品衛生法では常温保存だと、15℃~20℃くらいを指すそうです。薬事法では15℃~25℃を指します。日本工業規格(JIS規格)では、5℃~35℃を指します。業界によってこれだけの差が、常温ではあります。では、冷暗所の規格はあるのでしょうか?

薬事法においては、冷暗所という表現ではありませんが、冷所という表現を用いて、1~15℃という規定がされています。薬品によっては冷所保管に何度~何度という温度が明記されているものもあります。薬品の場合は成分によって融点や、化学反応の起きる温度が明確なので、はっきりと温度が表記しやすいのでしょう。

冷暗所とは定義が曖昧

冷暗所についての定義は、前述した通りで明確に何度から何度というものはありませんでした。しかし、食品の種類などによってはそれぞれに適した温度の定義があるようです。また、定義にはどの様な場所が適しているかや、湿度も関係してきます。その他に定義として言われるのが日光を遮ることです。

冷暗所に保存をする食品やモノからそれぞれの条件を調べて、冷暗所の定義とは何かを探っていきたいと思います。

ワインや生姜の貯蔵などから冷暗所の温度を想定してみる

ワインに適した冷暗所とは?

冷暗所を辞書で調べてみると、温度が低く風通しのよい、直射日光があたらない場所、薬などを保管する場所。という曖昧な表現です。では、ワインやウイスキーなどを樽熟成する場所をイメージしてみて下さい。まさに冷暗所のイメージにぴったりだと思いませんか?ワインの熟成に適した条件に、温度、湿度、光があります。

保存温度は10℃~15℃が最適で、湿度は70~80%がいいそうで、これ以上湿度が高くなると、カビが生えるそうです。食品にも同じことが言えるでしょう。光については、太陽の紫外線が問題であり、長時間太陽光が当たると化学反応を起こして、変色や匂いにも影響があるそうです。

生姜に適した冷暗所とは?

次に一年中スーパーに出回っている生姜ですが、他の野菜などの様に一年中栽培されていると思っていませんか?実は生姜は4月~5月に植え付けをされて、霜が降りる前の11月が収穫期です。収穫したての生姜が新ショウガと言って白っぽい生姜が店頭に並びます。そして、一度に出荷せずに、大きな横穴などで保存されます。

業者によっては、地下に貯蔵庫を作って徹底管理をし、安定供給されています。その地下貯蔵庫の温度は一年を通して11℃~13℃だそうです。みなさんも行かれたことがある人は、経験があると思いますが、鍾乳洞のような洞窟の中は真夏でもしばらく入っていると寒く感じます。また冬に入ると外気温によっては洞窟内の方が温かく感じる日もあります。

以上のことから、ワインに適した冷暗所の定義は10℃~15℃で、湿度は70~80%でした。生姜に適した冷暗所の定義は11℃~13℃でした。多少の差はありますが、近い温度という結果でした。

昔の貯蔵方法から冷暗所とは何か考えてみる

先人の知恵から探る冷暗所とは?

冷蔵庫のなかった時代の人たちが、春から秋に収穫した食料を翌年の春まで足りなくならないように、様々な知恵により貯蔵をしていました。そんな先人の知恵の中に、様々な食料を入れた樽やカメなどを蔵や母屋の納戸に、工夫して貯蔵していたそうですが、原料のまま保存するもの、乾燥して保存するもの、塩蔵して保存するものなどを所謂冷暗所で保存していました。

その貯蔵場所はというと、穀物を収納するのは厚板で長方形に木枠を作ったせいろに穀物を入れ、何段かに重ねて一番上に蓋をしていたそうです。そのせいろを置く場所は、蔵の中でした。蔵のない家は、納戸や土間に板を敷き置いていました。また、囲炉裏の上の火棚には、きのこや串刺しの小魚など、乾燥保存するものが保存されていたそうです。

昔に多く建てられた土蔵ですが、壁は塗っては乾かし、塗っては乾かしと何度も塗ることで、厚くて耐火性、保湿性、調質性などに優れているようです。これは壁に漆喰を使用していることも大きく影響しています。漆喰はアルカリ性で、カビか発生しにくく涼しいという利点もあります。

醸造をする酒や味噌、醤油などを作るの蔵が貯蔵庫として使われるのもこう言った利点があるからです。酒蔵で仕込みが終わたらもろみを熟成させますが、この時の温度は20℃を超えないように保たれます。食品が腐らないギリギリの温度です。逆にカビが繁殖しやすい温度は、20℃から30℃で湿度が65%以上です。

先人の知恵から考察できる冷暗所の定義は、人が触れて冷たく感じる温度で、湿度の必要な食品と乾燥が必要な食品とで、保存場所を変えていたということが分かります。近年は温暖化により、昔の環境とは変わってしまいましたので、自然の状態での冷暗所の確保は、真夏は特に厳しいように思われます。

冷暗所の温度

冷暗所とは食品の腐敗しない温度

以上のことから、発酵食品は20℃を保つことで発酵が進みます。発酵と腐敗は違う現象ですから、腐る手前ギリギリの温度が20℃ということになります。そのことから考えると、食品が腐りにくい温度は20℃までですし、0℃以下になると凍ってしまいますので、1℃~20℃あたりが冷暗所として考えられる温度ではないでしょうか?

冷暗所の場所

冷暗所とは家の中にあるのか?

また冷暗所の場所とは、昔で言うと蔵の中であったり、台所が土間にあった時代では地面のひんやりとした温度が伝わる土間に板を敷いて食品を保存していたことから、家の隅の日光が入らない土間の上となります。しかし、現代の家には土間というものがほぼありません。強いて言うならば、床下収納ではないでしょうか?

舗装されていない土が見える土地が多く残っている田舎などでは、家の下の方にある通気口あたりに行くとひんやりとした空気が流れ出てくるのを感じることができます。しかし、都会では舗装の照り返しや、土が見えている場所も少なくひんやりとした空気の流れを感じられる場所が少なくなっています。

逆の発想で考えると、現代の家は気密性が高い造りとなっているので、夏はエアコンが付けられ、冬は暖房がされていますので、ある意味では家の中ので人が一番長くいる場所が、一年を通して温度差がない場所と言えます。ですからリビングであったり、キッチンなどの太陽光が入らない場所が、冷暗所に最も違い場所と言えるでしょう。

家庭によっては地下に部屋がある家もあるようですので、地下室がある家庭ではそこが冷暗所となります。因みに、暗い場所の確保がしずらい家の造りの場合は、紙袋などの通気性のあるもので瓶を覆ったりすることで、冷暗所を作ることもできます。マンションなどでは、玄関が一番冷暗所に近い条件が揃っているそうです。

また、シンク下の収納スペースですが、排水溝を流れるお湯の温度の影響や湿気が多いことから、食品を保存するには適していません。ガスコンロ下の収納スペースであれば比較的冷暗所として向いているでしょう。

冷暗所と冷蔵庫の違い

一般的に冷蔵庫とは、JIS規格で定められている規格が、室温が15℃~30℃の場合に、冷蔵室内を0℃~10℃の範囲で調整ができることとなっています。また冷蔵庫内の湿度は約60%だそうです。扉の開閉によって温度も湿度も変化しますが、それ以外の時は温度も湿度も一定の幅の範囲で保たれているのが冷蔵庫です。

冷暗所の場合は、冷蔵庫のように意図的に温度を下げたりできませんので、季節やその日の天気により、温度と湿度の変化が冷蔵庫よりも大きいと考えられます。ただ、熟成や発酵などに適した温度として考えると、冷蔵庫は温度が低すぎます。

冷暗所に保存するべきもの

冷暗所で保存すべきモノの中で、野菜やフルーツがあります。冷蔵庫に野菜室があるから、野菜は全て冷蔵庫に入れるものと思っていませんか?実は、南国育ちのバナナ、マンゴー、グレープフルーツ、アボカドなどは低温障害が起きてしまいます。夏野菜の代表であるトマトやナス、きゅうりなども冷やしすぎると水っぽくなってしまうのです。

そういった目線でスーパーに行ってみて下さい。確かに前述した果物や野菜は、常温で店内に陳列されています。しかし、夏はエアコンを使用していなければ室温が30℃を超えることもあります。20℃を超える日には野菜室に入れるのがおすすめです。芋類は正に冷暗所に保存するのが適しており、光に弱いので新聞などで光を遮ってあげる必要もあります。

また、調味料も基本的に冷暗所に保存するのが適しています。みりんは冷蔵庫に入れると糖分が固まってしまいます。しかし、みりん風の調味料はみりんとは違うものですから、開封したら冷蔵庫で保存しなくてはいけません。酢や油は光と高温と極端に低い温度に弱いので、冷暗所保存が適しています。

その他に冷暗所に保存した方がいいモノは、発酵食品、マヨネーズ、アルコール類、医薬品、タイヤ製品、検査用に採取した大便と意外と多いのです。それぞれのモノによって、冷暗所の定義を調べてみました。

マヨネーズにとっての冷暗所とは?

冷蔵庫のドアポケットに必ず入っているマヨネーズに見覚えのある人いますか?ほとんどの人がマヨネーズの保管場所に冷蔵庫のドアポケットを使っていると思います。実はマヨネーズは低温にも高温にも弱いのです。マヨネーズの原料は油、卵黄、酢が主となっていますが、どれも高温に弱い食材なのです。逆に冷温にも弱く、温度が低すぎると分離してしまいます。

10℃以下の冷蔵庫では、マヨネーズの乳化の状態が安定しにくそうです。ですからマヨネーズは冷蔵庫よりも冷暗所に保存するのが適しており、10℃~30℃未満の温度で日光の当たらない場所がベストな環境です。しかし、真夏の30℃を超える室温になる環境では野菜室に保存することをおすすめします。

食品にとっての冷暗所とは?

食品の中で冷暗所保存が推奨されているのは、米・小麦粉・片栗粉・ごぼう・人参・じゃがいも・玉ねぎ・大根などの根菜類、芋類などです。それぞれに適した保存方法を見てみましょう。まずは、米ですが温度は10~15℃くらいの場所が理想で、直射日光が当たらない場所であり、急激な温度差がなく、湿気のないところで、酸素に触れないように密閉容器に入れましょう。

米や小麦粉は冷暗所で保存する

お米につく代表的な害虫は、コクゾウムシですが、ヌカや高温、多湿がこの虫の孵化にとって好条件となりますので、15℃以下ではほとんど活動出来ないようです。米に鷹の爪、ローリエ、ニンニクなどを入れておくと防虫効果が得られます。また湿気もカビが生えるので大敵です。

次に、小麦粉や片栗粉などの粉ものの保存ですが、小麦粉などで注意が必要なのがコナダニの発生です。コナダニそのものが人間に害を及ぼすことはありませんが、知らない間に大量に小麦粉内で発生しているコナダニを食べてしまった時に、アレルギー反応を起こす原因となります。

小麦粉のメーカーが推奨する保存方法は、直射日光の当たらない、極端に高温にならず湿気が少ない場所で、常温での保存が可能だそうです。逆に、冷蔵庫で保存すると結露により固まったり、カビの発生や冷蔵庫の匂い移りなどがあるので、おすすできません。開封後は、しっかりと密閉できる容器で保存しできるだけ早く使い切ることです。

片栗粉も小麦粉とほぼ同じ条件での保存が推奨されています。しかし、てんぷら粉・お好み焼き粉・唐揚げ粉・たこ焼き粉などは、開封後は害虫による健康被害を防ぐために、きっちり封をして冷蔵庫で保存し、早めに使うこととなっています。小麦粉以外の調味料や成分が入っているので、冷暗所では害虫が増えやすいようです。

根菜類の多くは冷暗所での保存が望ましい

次は野菜の保存です。ジャガイモは紙袋やポリ袋に入れて、3~5℃の冷暗所が理想だそうです。ごぼうは、乾燥しないようポリ袋に入れて、0℃が理想の保存温度で湿度が上がらないよう、ポリ袋は密封しないことです。里芋は蒸れに弱いので、通気性のある紙袋や新聞で包んで、10℃前後の冷暗所で保存しましょう。

さつまいもは、高温と湿度を避け、通気性のある紙袋等で包み、13~14℃の冷暗所で保存しましょう。大根やカブ、人参などはポリ袋に入れて軽く口をとじて冷蔵庫で保存するのが良いそうです。野菜の種類だけでも適した冷暗所の温度にばらつきがありましたが、根菜類から見て冷暗所の定義は1℃~15℃の範囲でしょう。

発酵食品にとっての冷暗所とは?

冷暗所とは発酵を進めるのにも良い環境

発酵食品には、ヨーグルト、キムチ、納豆、チーズなどの他に、酢、醤油、味噌、みりんなどの調味料も殆どが、発酵食品です。また、日本酒やビールにワインも植物を発酵させてアルコールを発生させるので、発酵食品なのです。発酵食品でも自宅を見回すと冷蔵庫で保存しているものと、冷暗所で保存しているものがあります。

本来、発酵食品の定義とは、食材を微生物などの作用を利用して発酵させたもので、日本では醤油、味噌、漬物、鰹節などのように、保存食として利用されてきたものが多くあります。しかし、近年の研究によって微生物以外の酵素の作用や、生物の自己消化の作用による変化も発酵という分類に入れられています。

では、発酵食品は腐敗とは違う現象ということは理解できますが、いずれ腐敗するものなのでしょうか?世間では発酵食品は元々腐ったようなものだから、賞味期限はあってないようなものだと、勝手な解釈を耳にすることが良くあります。しかし、発酵食品は発酵菌が増殖した食品であり、腐敗の元となる腐敗菌が入り込むのは理論上難しいようです。

基本的に発酵食品は腐らないのですが、食品流通上において衛生の問題から殺菌処理をされて、発酵が止められてしまうそうです。ですから市場に流通している発酵食品は、傷みやすいそうです。ワインで例を挙げると、何十年も熟成させたビンテージもののワインがあることから、保存状態さえ守られていれば、腐ることはないのです。

ワインの保存条件は前述した通りですが、他の発酵食品に適した冷暗所の定義はどうでしょうか?まずヨーグルトは乳酸菌によって発酵しますが、好熱性乳酸菌と中温性乳酸菌とがあるそうです。好熱性乳酸菌の好む温度の定義は曖昧ですが、35~60℃だそうです。中温性乳酸菌に適した温度も定義は曖昧ですが、20~30℃だそうです。

しかし、ある程度発酵が進み、乳酸菌が適度に増えて固まったヨーグルトは、0~10℃で保存する必要があります。冷暗所でずっと置いておくと、どんどん発酵が進み酸っぱくなり、最終的には乳酸菌が死滅してしまい腐敗します。キムチは購入後も発酵が続いています。冷蔵庫の中でもチルド室のように低温のところで保存する方が適しているそうです。

そして売られている納豆も発酵が少しずつ進んでいるようです。賞味期限を2ヵ月過ぎた納豆を食べても健康被害がなかったという報告もあります。私たち日本人の感覚では、納豆は少々賞味期限がきれても腐らないという根拠のない情報がありますが、実際はどうなのでしょうか?

ある納豆メーカーの意見によると、賞味期限を過ぎると白いアミノ酸の結晶が現れたり、味や香りが悪くなったりしますが、健康に害があるとは考えられませんということです。ただし、美味しく食べるためには、賞味期限内に食べることが推奨されています。そしてチーズですが、これも比較的賞味期限をあまり気にしないで食べている人が多い食品ではないでしょうか?

チーズは乳酸菌によりカビ菌の繁殖を抑制しますので、カビの部分だけ取り除けば、食べても問題ないとされていますが、臭いや見た目に変化がある場合は、食べないでおきましょう。また、チーズの種類によって、醗酵が続いているものと、発酵が止まっているものとがあります。加熱により発酵を止めたのがプロセスチーズで、保存期間も長くなります。

ナチュラルチーズは、発酵が続いているので、時間が経過すると風味が変化していきます。またチーズの保存に適した温度は5~10℃で湿度は80~85%ですので、野菜室が適しています。また、直射日光にさらさないよう気をつけましょう。

発酵食品の保存条件の定義は、食品によって異なりますが、麹や酵母で発酵して作られる調味料やアルコールなどは、1~20℃の間の冷暗所で、乳酸菌などの菌から発酵されたヨーグルト、チーズ、漬物類などは、冷蔵庫での保存が望ましいようです。

調味料にとっての冷暗所とは?

調味料の保存の条件ですが、まず塩は湿度が大敵ではありますが、条件がいいと数年単位で保存が可能です。湿気を含みにくい密閉容器に入れて常温で保存が可能です。また砂糖も常温で数年間保存が可能な調味料です。それから意外と常温で保存しがちの醤油は、冷蔵保存が適しています。酸化により、風味が落ちるのを防ぐために冷蔵保存をおすすめします。

味噌は開封後は、空気に触れて酸化が進みやすいので、冷蔵保存がおすすめです。味噌の表面にラップを密着させるなどして、空気に触れる面を少なくして保存しましょう。そして、酢ですが、酢は強力な防腐作用がありますので、冷暗所の保存で大丈夫です。

果実酒を冷暗所に保存する理由

梅酒を始めとする果実酒を保存するのに、直射日光が当たらない場所というのは、絶対条件です。直射日光が当たると、果実酒が温まり美味しい果実酒に仕上がりません。冷暗所に保存するとは、温度変化が少ない場所に保存するという意味があるのです。ですから、温度に直接影響を与える日光を遮断することは必須条件です。

では、温度を一定に保てる冷蔵庫では何故いけなのか?ですが、冷蔵庫の場合は果実酒にとっては温度が低すぎて、熟成が進みません。熟成をすすめるには常温であることが必要なのです。つまり食品衛生法でも定められている常温である15~20℃が、果実酒の熟成に適した冷暗所の温度と言えるでしょう。

日本酒やブランデー・ウイスキーなどアルコールにとっての冷暗所とは?

まず日本酒の保存についてですが、吟醸酒は冷蔵庫で保存、純米酒は冷暗所というのが基本です。吟醸酒は長期間にわたって低温で発酵させ造ったお酒ですので、鮮度が重要となりますから、冷蔵保存が原則となります。5~6℃が適切な保存の温度と言えます。また、純米酒など常温でも冷暗所での保存を推奨するのは、日本酒は高温と光を嫌うからです。

日本酒の瓶が茶色なのは、遮光の為なのです。次にウイスキーですが、ウイスキーには賞味期限がありません。開封さえしていなければどんなウイスキーでも、アルコール度数が高いお酒ですので、品質を保つことが可能なのです。しかし、コルク栓のウイスキーの場合はコルクの劣化により、中身が蒸発してしまうので、注意が必要です。

ウイスキーなどのような蒸留酒は一般的に、繊細なものではありませんが、美味しく飲むためにはある程度、的確な保存をすることが必要です。まず、紫外線と空気に触れないようにしましょう。冷蔵庫よりも冷暗所での保存がおすすめです。また、ウイスキーの箱は、遮光できるように作られているので、箱に入れて保存するのもおすすめします。

ブランデーの保存に関しても、概ねウイスキーと同じで冷暗所で遮光するのがおすすめです。では、リキュールはどうでしょう?リキュールもアルコール度数が高く、糖分が多いので保存期間は長い方ですが、糖分の含有量や原料によって、違ってきます。しかし、あまり長く保存していると、リキュールの風味が無くなるので、美味しくなくなってしまいます。

リキュールは、できるだけ早く飲んでしまうのがいいのですが、保存するにはしっかりと蓋を閉めて酸化を防ぐことと、高温多湿と直射日光を避け冷暗所か冷蔵庫での保管がおすすめです。

オイルに適した冷暗所とは

オイルの種類によって適した冷暗所とは?

オイルにとっての冷暗所とは、まずオイルは日光が当たらない、温度が15~20℃くらいに保たれている場所が適しています。5℃以下になるとオイルは固まったり、結晶ができたりします。温度が上がれば結晶は元に戻りますが、これを繰り返すことにより、風味が落ちてしまいます。冷蔵庫での保存は避け、一定温度が保てる冷暗所を選びましょう。

殆どのオイルは温度が低くなると固まってしまいます。オリーブオイルなどは、種類によって10℃くらいで固まるものもあります。

常温保存できる食品が腐敗しない条件が揃った場所が冷暗所

様々な食品や調味料、アルコールなど冷暗所で保存が必要なものについて、一つ一つ調べてみたところ、冷暗所とは食品などが腐敗しない温度・湿度・遮光などの条件が揃っている場所だと言えるのではないでしょうか?食品によって、耐えうる環境は多少異なりますが、概ね1~20℃までの気温で、あまり湿度が高過ぎず、光が届かない場所が冷暗所です。

冷蔵庫では温度が低すぎるので、冷暗所で保存が必要なものが熟成させる必要のあるモノや、冷蔵庫で冷えすぎると品質が変わってしまうモノが冷暗所に保存すべきと言われますので、そのあたりを考慮すると、10℃~20℃の間が冷暗所の適正温度と言えるかもしれません。

大腸がん検査で言う冷暗所とは?

冷暗所とは何かを調べていると、大腸がん検査にも冷暗所が関係していたので、紹介しておきます。薬事法とは違いますが、医療関係という認識で読んでいただけたらと思います。大腸がん検査では、便中に含まれている血液の有無を調べる為の検便があります。目に見えない非常に少量の血液も感知できる検査のようです。

採便時の注意として、便を採った後は冷蔵庫か冷凍で保存すること、やむおえず室温で保存する場合は、日の当たらない10℃以下の冷暗所で保管してくださいとあります。これは、ヘモグロビンを免疫学的に検出する検査で、便の血液は温度が高いと短時間で変性してしまい、正しく検査ができないからのようです。

薬事法の視点での冷暗所とは?

薬事法による定義では、室温が1~30℃を指し、冷所は1~15℃を指し、常温は15~25℃を指します。そして、多くの薬品が紫外線により、分解されてしまうので、日光を遮断できる場所もしくは容器にて保管する必要があります。例えば、目薬などは遮光の必要があるので、付属の袋に入れて保管する必要があります。

温度に関しては、高温により薬が早く分解する恐れがあるので、冷蔵庫での保管の指示があるシロップ剤、座薬、目薬、インスリンなど、冷蔵庫での保管が必要です。ただし、0℃以下になると、凍結し薬に変化が起きてしまいますので、0℃以下にならないよう気を付けなければいけません。

そして、高湿度により変色する可能性のある薬もあります。特に粉薬や顆粒の薬は湿気により影響を受けやすく、固まることがありますので注意が必要です。薬は水回りの近くやキッチンには置かずに、乾燥剤を入れた密閉容器で保管することをおすすめします。

タイヤなどゴム製品にとっての冷暗所とは?

重たい車を支え、道路との摩擦や雨に日光と、過酷な条件で使用されている車のタイヤですが、保管する際に注意することが意外と多いのです。まず、タイヤの空気を抜いて直射日光を避けることが必要です。紫外線を浴びると劣化が進むのでゴムの表面がひび割れてしまうからです。空気の圧によって負担もかかるので、空気を抜いて冷暗所で保管しましょう。

また、雨水にあたるのも錆びる原因となりますので、雨があたらない場所を選びましょう。それから、油や熱、電気火花が発生する器具があるところも良くありません。

冷暗所を作ろう!

熱い夏に、冷暗所として機能できる場所が家の中にないなら、身近にあるもので冷暗所を作ってしまいましょう。蓋つきの大きめの発泡スチロール容器を用意し、底に2~3センチ四方の穴を二つほど開けます。保存したいものを入れて、保冷剤をいくつか入れれば数時間は涼しい状況が保てます。ただし、保冷剤を数時間おきに変える必要はあります。

穴を開けることで通気性が確保できますので、簡易の手作り冷暗所としては、十分機能すると思います。また、少し予算のある人や冷暗所に保存しなければいけないモノが多い家庭などなら、保冷庫を購入するのをおすすめします。容量や機能によって価格は様々なものがありますが、玄米保冷庫やワインセラーなどが温度管理ができて便利です。

正しい冷暗所とは何処かを理解して安全に保存・保管しよう!

今まで冷暗所とは具体的にどういう場所を指すのか、考えたことがなかった人も少なくないと思います。しかも、調べた結果明確な定義を表記してあったのは、JIS規格と薬事法で食品についての明確な定義は明記されていませんでした。しかし、食品一つ一つを調べていると、それぞれには、一定の適した保存環境というものがありました。

食品については、温暖化が進んだ現代では温度管理について、注意が必要なことも分かりました。お弁当を保冷剤の入った保冷バッグに入れることが当たり前になってきたのも、近年のことです。自宅で冷暗所として条件が整うように、工夫さえすれば出来ることもあります。正しい保存条件を認識して、安全に保存・保管をするよう心がけましょう。

Thumb海苔の保存方法は冷蔵庫・冷凍で分けるのがポイント!保存の注意点は? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumbカレーは常温・冷蔵庫では何日日持ちする?鍋のまま常温は良くない? | お食事ウェブマガジン「グルメノート」
Thumb醤油の保存方法!常温か冷蔵庫どっち?賞味期限は保存容器で異なる! | お食事ウェブマガジン「グルメノート」

関連するまとめ

新着一覧

最近公開されたまとめ