2019年02月22日公開
2024年09月05日更新
ドライアイスの処理・処分方法!排水溝に流す捨て方は危険?
ドライアイスは保冷効果が高く、食品を冷たく保ってくれるので重宝するものです。そんなドライアイスですが自宅に戻った時、処分方法に迷ったことはありませんか?正しく処理しないと危険というけれど、具体的にどのような捨て方が正しいのかわからず排水溝に捨てたり、お湯をかけたりしていませんか?今回は生活に身近なドライアイスの疑問について詳しく調べてみました。正しい処理方法と、意外な使い方や活用方法も紹介します。
ドライアイスを正しい処理方法で捨てよう
ドライアイスの正しい処理方法を知っていますか?今まではなんとなく処理していたドライアイス、実は正しく処理しないと危険を伴うのです。ドライアイスの性質を知って、正しく処理していきましょう!
ドライアイスとは?
食品を買い物した時に冷たさをキープしてくれるのがドライアイスです。冷凍食品やアイスクリームを持ち帰る時に商品と一緒に入れて持ち帰るといった使い方をします。通販で冷凍品を購入すると大量に付いてきて、処分に困ることもあるでしょう。そんな私たちの生活の身近にあるドライアイスの正体を知っていますか?
ドライアイスの正体は「二酸化炭素」です。二酸化炭素といえば、空気中に存在する気体です。氷に見た目はそっくりですが、ドライアイスと氷は全く別物です。なぜ、気体が冷たく凍っているのか?なぜ、気体が固まるのか?とても不思議に思うでしょう。
ここからは理科の授業のような話になってしまいますが、とても興味深い話なので聞いてください。二酸化炭素は通常、気体として存在しています。そこに圧力をかけることでなんと液体に変化するのです。その液体を急速に大気に放出すると気化熱で一瞬にして固体化します。その固体化したものを固めたのがドライアイスです。
二酸化炭素はどこから調達しているのかというと、製油所やビール工場の発酵の際に出る二酸化炭素を利用して作られているそうです。しかし、日本ではドライアイスを精製する工場が減ってきているそうです。近年はお隣の国、韓国から輸入しています。
ドライアイスの白い煙は何?
ドライアイスから出る白い煙は、子供の興味をとてもそそるものです。もくもくと溢れ出てくる白い煙で、子供の頃、遊んだ人も多いことでしょう。その雰囲気を活用して、結婚式の演出や料理の演出に使われています。歌番組の演出に活用された時代もありました。なんとも神秘的な雰囲気のこの白い煙の正体は、なんでしょうか?
ドライアイスから出る白い煙は、ドライアイス周辺の空気中の水蒸気が冷やされ「氷の粒」となったものです。周りの空気を凍らせるほど、ドライアイスの温度は低いのです。周りの空気が凍っただけなので危険ではないといわれています。白い煙自体は危険ではありませんが、大量の二酸化炭素が出ているのでその点は注意が必要です。
ドライアイスの温度
周りの空気をも凍らせてしまう、ドライアイスの温度は一体何度か知っていますか?その温度はなんと「マイナス79℃」といわれています。その強力な冷たさのおかげで、食品の鮮度を保つことができるのです。便利な使い方ができる一方で、捨て方や処理方法には注意が必要です。
白い煙は子供心をくすぐるものです。処理の際には絶対に子供の手の届かないところで処理するようにしましょう。間違って素手で触ると凍傷の危険があります。
ドライアイスの正しい処理や処分方法
ドライアイスは溶けたら気体になる
ドライアイスは氷のように溶けても水が出ません。氷は溶けると液体になり、それから気体に変化します。しかし、ドライアイスは溶けると液体にならずに気体になります。それを「昇華」といいます。その性質を利用して、披露宴の演出などさまざまな使い方がされているのです。
ドライアイスは溶けると気体になって下へ下へと降りていきます。気体になった二酸化炭素は下にたまりますから、小さいお子さんに注意して換気をするようにしましょう。
無くなるまで放置する
ドライアイスは液体にならないので、処分するときは放置しておけばいつの間にかなくなってしまいます。一番手軽な処分方法が、ベランダなどに放置しておくことです。ドライアイスは1キロで2〜3時間ほどで昇華してしまう、といわれています。自宅のドライアイスだと少量の場合がほとんどなので、もっと早く処分できるでしょう。処理する場所もお風呂場など密閉空間ではなく、風通しの良いベランダなどで処分すれば安全です。
水の中に入れておくと早く処理できる
処理するときに放置する場所がない、処理するときに子供が触りそうで怖いという場合、水に入れると早く処理できます。ボウルや洗面器に水を張り、中にドライアイスを入れて処理すれば白い煙がたくさん出てきます。下へ下へと煙は流れていくので大量のドライアイスを処理する場合は二酸化炭素中毒に注意しましょう。少量のドライアイスの場合は、それほど危険ではないといわれています。
ドライアイスの捨て方の注意点と危険事項
排水溝への捨て方はシンクの素材に注意
出典: http://labaq.com
ドライアイスの捨て方で注意する点があります。処理する際、排水溝へ放置するときにシンクが破裂する場合があるということです。少量のドライアイスでは、排水溝やシンクに影響はないといわれています。それでもマイナス79℃というかなりの低温なので、排水溝への負担はあるはずです。
もしも大量のドライアイスを処理するときは捨て方にも注意しましょう。シンクや排水溝に捨てずに、安全な場所で放置するようにしましょう。
お湯で溶かすのは危険
排水溝やシンクで処理するときに、お湯をかければ早く処理できるのでは?と思う方もいるかもしれません。結論から言うと、ドライアイスにお湯をかけるのは危険なのでやめたほうがいいです。先ほど「水に入れると早く溶ける」と説明しましたが、水とお湯ではドライアイスとの温度差が違います。お湯が100℃だとすると、ドライアイスとの温度差は179℃にもなります。
お湯をかけると、急激な温度変化でドライアイスやお湯が飛び散る可能性があります。絶対にお湯をかけないようにしましょう。
密閉することで爆発事故になりかねない
もっと危険な処理方法が、ドライアイスを密閉することです。ドライアイスは昇華するときに体積は750倍にもなります。少量に見えるドライアイスでも気化するときに体積は増えるのです。そのため、ペットボトルに入れて遊んだり、密閉容器に入れるのは大変危険です。
スーパーで買い物をするときにドライアイスをもらいます。そのときビニール袋に入れると思いますが、その際も密閉すると破裂する場合があります。ドライアイスは便利な使い方がある一方で、危険なものでもあることを頭の片隅においておきましょう。
ドライアイスの処理時は換気を忘れずに行う
ドライアイスの捨て方や処理方法を紹介しましたが、必ず換気をするようにしましょう。少量では危険は少ないといわれてますが、処理する際小さな子供や赤ちゃんがいる家庭では特に注意しましょう。二酸化炭素は下にたまり、大人より小さい子供の方が危険だからです。
余ったドライアイスの再利用方法
ドライアイスを処理するのもいいですが、実は上手に活用すれば色々な使い方ができます。ドライアイスの楽しい活用方法を紹介します。使い方に注意して、活用してみてください。
フルーツと保存することでしゅわしゅわ食感が楽しめる
ドライアイスの面白い活用方法がフルーツと一緒に保存する、という方法です。クーラーボックスなどに、お好みのフルーツと一緒にドライアイスを入れておくだけで、二酸化炭素を吸収して炭酸のような食感になるのです。
スイカやメロンは、一口大にカットします。皮の厚いもの(みかんやグレープフルーツ)は上手く吸収されない場合がありますが、お好みのフルーツでできます。キャンプやアウトドアで、バーベキューの時など冷たく冷えて食感も楽しめる、一石二鳥な活用方法です。
ドライアイスを使ったアイスクリーム作り
アイスクリームを手作りしたことはありますか?アイスクリームの滑らかな食感を出すには意外と手間がかかるのです。そんなアイスクリームを簡単に作れるのが、ドライアイスを使った方法です。
材料は、牛乳、砂糖、バニラエッセンス、ドライアイス、以上です。ドライアイスは固形ではなく粉末状のものを使います。牛乳に砂糖、バニラエッセンスを入れてかき混ぜます。そこに、ドライアイスを入れて一気にかき混ぜるのです。
そうすると、あっという間にアイスクリームの出来上がりです。ドライアイスは気化してなくなってしまいますが、食べるときは万が一残っていないかよく確かめてください。簡単で、ダイナミックなのでお子さんも喜びそうですが、くれぐれもドライアイスの扱いには注意してください。
大人も楽しめるウイスキーシャーベット
子供だけでなく、大人も楽しめるドライアイスの使い方です。ドライアイスをビールジョッキなどに入れます。そこにウイスキーを注ぐだけで、冷たいハイボールの完成です。なんとも簡単な方法ですが、真っ白い煙が楽しい飲み方です。飲むときはドライアイスに気をつけて飲んでください。また、ドライアイスは清潔なものを使いましょう。
いかがですか?ドライアイスの使い方にはこんな方法があったのか?と意外でした。そのまま処理してしまいがちなドライアイスですが、上手に使えば楽しく活用できます。
ドライアイスの処理は注意点を守って行おう
ドライアイスは、とても便利ですが処理方法に注意しなければ危険なものでもあります。処理する際は、換気をして、小さなお子さんに注意して行いましょう。