2020年04月25日公開
2024年10月17日更新
ガランティーヌの本格簡単レシピ!しっとりプロの味!おすすめソースも
ガランティーヌについて詳しく解説します。簡単に本格的な仕上がりになる作り方のほか、バロティーヌとの違いも説明します。さらに、調理のポイントやおすすめのソース、和風や中華のアレンジレシピなど、多角的にガランティーヌを紹介します。
ガランティーヌとは?
フランス料理の一つ
ガランティーヌはフランス料理のひとつです。見た目の印象では「肉巻き」といったところですが、フランス料理では凝った料理のひとつです。それは本来のガランティーヌが非常に手間がかかる料理だったからです。
本来のガランティーヌは丸ごと一羽の鶏をさばき、内臓や骨を取り除き、そこに具材を詰め、ヒモで縫い合わせて形を整え、それを蒸したり、蒸し焼きにしました。丸ごと一羽の鶏に詰めるため、でき上がりのサイズは大きいものでした。
起源としては17世紀までさかのぼるともいわれます。また、当初は保存食の意味合いもあったようです。ガランティーヌはソーセージの仲間といわれることもありますが、確かに具材を詰めること、保存食である点で共通しています。
バロティーヌとの違い
昨夜の西荻窪「トラットリア29」。生ハムとピスタチオを詰めた鶏のガランティーヌに桃のマリネを添えたものがおいしすぎて悶絶…この組み合わせ、ストライクど真ん中! ワインー! https://t.co/sWlyiFTkne pic.twitter.com/1MmlTtUyCU
— ツレヅレハナコ (@turehana) June 22, 2017
ガランティーヌとバロティーヌの定義は実ははっきりとは定まっていません。ガランティーヌは冷製でソースと共に提供され、バロティーヌは温かい状態で提供されると言われることが多いですが、そのまったく反対の説明がされることもあります。
バロティーヌは鶏丸ごとではなく、もも肉に詰める場合もあります。またはラムや仔牛などの肉で具材を巻いて作る場合もあるようです。
鶏肉で具材を巻いたあとに、湯煎ではなく焼いて仕上げるものがバロティーヌとして紹介されることもあります。しかし、現在ではガランティーヌのレシピで焼いて作るものもあるので、やはりガランティーヌとバロティーヌははっきり区別されていないようです。
ガランティーヌの基本レシピ
材料
【材料】(6人前)
- ひき肉:200g(鶏、豚、仔牛など)
- 塩:2g
- コショウ:少々
- セージ:少々
- キャトルエピス(またはオールスパイス):少々
- 卵:1個
- ピスタチオ:40g
- 鶏もも肉:3本
- 塩コショウ:適量(鶏もも肉味付け用)
- バルサミコ酢:200cc
- 塩:適量(ソース用、お好みで)
鶏もも肉の代わりに、むね肉やささみ肉でも作れます。または豚ヒレ肉で包む場合もあります。豚肉を使うと食べ応えが増します。このレシピの具材はひき肉とピスタチオなどでシンプルですが、この他にもお好みで野菜やナッツ類を加えることも可能です。エビなどを入れる場合もあります。
作り方
今日のロア君料理はフランス料理、ガランティーヌとチーズ揚げです(๑•́‧̫•̀๑) pic.twitter.com/dvYs8wsX0C
— 小南優乃 (@yuunovocaloid) August 24, 2018
【手順】
- 鶏もも肉3本は骨を外して筋を切り、平らになるように形を整える。
- 詰め物を作る。ひき肉に塩(2g)とコショウを入れ、練り込むようにして混ぜる。
- セージ、キャトルエピス、卵を加え、粘りが出るまでしっかり混ぜる。
- ピスタチオを加える。
- アルミホイルの上に鶏もも肉を広げ、塩コショウする。
- 詰め物を3等分し、手順1の鶏もも肉(3本分)でそれぞれ巻く。
- アルミホイルで包む。筒型に整形し、両端をしっかりねじり止める。
- さらに補強のために、上からもう一度アルミホイルで包む。
- 沸騰した湯に入れ、20分程度火を入れる。
- 茹で上がったら湯から取り出して、そのまま常温まで冷ます。
- アルミホイルから取り出す。その際に出る肉汁はソース用に取っておく。
- バルサミコソースを作る。手順11の肉汁にバルサミコ酢を加え、塩コショウし、半量まで煮詰める。
- 切り分けて盛り付け、ソースをかければ完成。
開いた鶏もも肉の肉の厚い部分はそいで薄い部分に移し、全体が平らになるように調整します。鶏もも肉の代わりに鶏むね肉、ささみ肉でも作れます。平らにする際には、肉たたきで叩いて伸ばすと均一の厚さにできます。鶏肉をマリネすると、より本格的な味になります。
具材のひき肉を混ぜる際は、しっかりこねます。そうすることで、もっちりした食感になります。アルミホイルで包む際は空気が入らないようにします。空気が入ると、出来上がりの形が悪くなってしまいます。アルミホイルで二度包むのは、茹でる際に湯が入り込むのを防ぐ意味もあります。
時間的に余裕がある場合は、アルミホイルで包んだあと寝かせます。短い場合は冷蔵庫で30分程度、さらに余裕がある場合は冷蔵庫で一晩寝かせます。寝かせると鶏肉に味、香りがしっかりつき、よりプロの味に近づきます。
包んだあとは湯煎するだけの簡単調理ですが、火加減には注意しましょう。湯が軽く沸騰した状態(60〜65度)を保つようにします。また、湯煎ではなく、蒸して調理することも可能です。その場合は、フライパンに2cmほどの湯で、蓋をして弱火で中に火が入るまで蒸します。途中で一度裏返します。
出来上がったものは冷製のままでも良いですし、温めたり、表面を焼いても美味しく食べられます。一晩冷蔵庫で寝かせると、きれいに切り分けることができます。
ガランティーヌを作る時のポイント
丁寧な下処理をする
今日は、お友達とでなく、一人で料理教室へ(^ ^)
— 北条麻妃 (@makihojyo) February 1, 2018
バーmaki東京や大阪で、お通しに料理を出しているので、勉強してます。
鶏肉に挽肉とクルミ、黒オリーブ、野菜を巻いて、トマトソースもデザートもオーブン調理で習いました。
鶏のガランティーヌとガトーショコラは、フランス料理だそうです。 pic.twitter.com/oeDwoLwbIW
具材を包む鶏もも肉はスジもしっかり取り除くなど、丁寧に掃除することが大切です。きれいに平らに広げるには肉たたきを利用すると簡単にできます。
時間に余裕がある場合は、鶏もも肉をマリネします。フォークで皮に穴を開け、マリネ液に3時間程度漬け込みます。マリネ液はオリーブオイルに塩、コショウ、ニンニク、レモンの皮、パセリの茎を加えて作ります。
火加減に注意する
12月4日やばきゅーぶSPフードは…
— げった亭 (@getta_TEI) November 29, 2016
〜鶏のガランティーヌ風・3種のソースで〜#やばきゅ #げった亭 pic.twitter.com/VoXzzSOmpL
ポイントは低温調理です。60〜65度の湯でじっくりと火を入れていきます。高い温度で急激に加熱すると肉が固くなってしまいます(肉は68度で固くなるといわれます)。低温調理によって、肉はパサつかずしっとりと、またもっちりに仕上がります。
但し、温度が低すぎると食中毒細菌が活発に活動するので注意が必要です。おおまかな目安としては、肉が10度〜50度の範囲内になっている時間をなるべく短くすることです。湯から取り出したあとは、常温に戻るまでホイルに包んだまま置いておきます。そうすることで肉汁が安定します。
ソースや具材の組み合わせは自由
#7月限りの品 「青梅のガランティーヌ」
— 家事係【名古屋の仮住まい】 (@bh_ktn) June 17, 2018
鶏肉をガランティーヌにいたしました。これに青梅を加えたピストゥーソースをかけて、爽やかな酸味を楽しみながらお召し上がりいただけます。食べ応えもあり、私のお気に入りでございます。
【家事係/浄心】 pic.twitter.com/NW1X1Fxg6k
ガランティーヌの良さのひとつは様々なソースが合うことです。上記のバルサミコソースの他にも、トマトソース、アメリケーヌソース、ジェノベーゼソース(バジルのソース。フランス料理ではピストゥ)、パプリカソースなども合います。また、ハンガリーの家庭の味「フーゼレーク(ほうれん草のソース)」なども合わせることができます。
中身の具材も自由です。お好みの野菜類の他に、クルミやナッツなどを入れると食感に変化が生まれ楽しいです。パプリカを入れると、切り口に彩りがつき、見た目にも美しく仕上がります。エビを入れると、さらに複雑な味のミックスを楽しめます。
野菜類はしいたけ、ごぼう、さつまいもなど和の食材でも合います。根菜類はあらかじめ火を入れ、しいたけも下味を付けておくと、味、見た目ともにまとまります。
ガランティーヌの簡単アレンジレシピ
ベーコンとチキンのガランティーヌ
【材料】
- 鶏むね肉:1kg(およそ8枚)
- 卵:1個
- コーンスターチ:大さじ2杯
- Aニンジン:小1本
- Aピーマン:1/2個
- A玉ねぎ:小1個
- Aニンニク:4片
- Aピクルス:(刻んだ状態で)大さじ2杯
- Aセロリ:2茎
- Aレーズン:1/2カップ
- 豚ひき肉:500g
- 塩、コショウ:適量
- レバーペースト:大さじ2杯
- ベーコン:500g
【手順】
- 鶏むね肉は切り開いて平らにし、肉たたきで伸ばす。
- Aはすべてみじん切りにする。
- 豚ひき肉に、みじん切りにしたAとコーンスターチ、卵を加え、塩コショウする。
- 手順3にさらにレバーペーストを加え、しっかりこねる。
- 手順4の具材を手順1の鶏むね肉で巻く。
- 鶏むね肉で巻いたら、さらにその上にベーコンを巻く。
- 手順6を深めの耐熱皿に入れ、上からアルミホイルをかぶせる。
- 180度に温めたオーブンで15分間焼く。
- アルミホイルを外し、さらに30〜45分間焼く。
- オーブンから取り出し、常温まで冷ませば完成。
鶏肉で包んだ上から、さらにベーコンで巻く、ボリューム満点のガランティーヌです。さらにボリューミーにがっつりと肉を食べたい時には、鶏むね肉の代わりに豚ヒレ肉を使うことも可能です。ヒレ肉とベーコンで食べ応え満点です。
オーブンで焼くと、耐熱皿に肉汁が残ります。その肉汁でグレイビーソースを作れば、このガランティーヌにベストマッチのソースになります。ぜひ残った肉汁も活用してください。
梅紫蘇風味の和風ガランティーヌ
ささみ肉をつかったヘルシーなガランティーヌです。低温のレンジで加熱することで、とても柔らかく仕上がります。レンジを使うので、巻く際にはアルミホイルではなく、ラップを使います。梅紫蘇の塩みと風味が、ささみ肉と良くあいます。
中華風ガランティーヌ
具材にたけのこや、紹興酒、オイスターソースを使った中華風のガランティーヌです。具材に味がしっかり付いているので、ソースなしでも美味しく食べられます。冷凍保存もできます。
ガランティーヌのレシピまとめ
できた! ハンガリー料理 フーゼレーク(ほうれん草) ヨーロッパ料理 ガランティーヌのフーゼレークソース♪ #ガクトゥーン http://t.co/Er9gLzzQLm http://t.co/hfIGBmOZ2u http://t.co/WYWz2BvhIT
— みな兄 (@minamisinzya) August 6, 2013
ガランティーヌはフランス料理にしては比較的簡単に作れます。火入れの加減に注意すれば、しっとりと美味しく仕上がります。包む鶏肉をマリネするなどの一手間をかければ、よりプロの味に近づけるでしょう。
具材を選ばず、お好みのをものを入れられるので、出来上がりの切り口を想像しながら、楽しく調理してください。ソースも様々なソースが合うので、一つのガランティーヌに対して、ソースを数種類用意して食べ比べてみるのも楽しいでしょう。