2019年05月16日公開
2024年09月14日更新
アメリケーヌソースは海老の旨味たっぷり!作り方や活用レシピと市販商品も
アメリケーヌソースは日本ではメジャーなソースではありませんが、世界三大料理の一つ、フランス料理のソースです。アメリケーヌソースの名前からアメリカ生まれのソースのようですが、フランス語でアメリケーヌはアメリカ風を意味し、フランス料理ではポピュラーなソースです。作り方は海老の頭や殻・香味野菜を使う旨味たっぷりソースで、パスタ・グラタン・ドリアなど色んな使い方ができる万能ソースです。家で作る簡単アメリケーヌの作り方レシピ・簡単活用レシピや簡単に使える市販のアメリケーヌソースの紹介です。
アメリケーヌソースとは?
アメリケーヌソースはソースアメリケーヌ・アメリカンソースと呼び名があるフランス生まれのソースです。フランス料理=ソースの観念があり、フランス料理はソースで食べると言われます。
ソースの多くは、フォン(フュメ)と呼ばれるだし汁をベースに作られます。アメリケーヌソースは海老の殻を炒めて香味野菜などと煮る作り方で、海老の旨みと風味が広がる濃厚なソースで鮮やかなオレンジ色のソースです。
アメリケーヌソースの由来
アメリケーヌソースの名前の由来は諸説あり、一つの逸話は18世紀パリで料理人ピエール・フレスが営むレストランに以前住んでいたアメリカのレストランで働いていた時代の友人達がフレスを訪れ料理をオーダーしました。
あり合わせの材料で作って提供したオマール海老料理が好評で料理名を聞かれ、とっさに答えた料理の名前がオマール海老のアメリカ風・料理のソースがアメリケーヌソースから名前が付けられた由来があります。
アメリケーヌソースの特徴
日本料理店・寿司屋などで提供される甲殻類の殻を煮込んで作った出汁の味噌汁は濃厚な旨みが楽しめます。アメリケーヌソースの作り方はオマールエビの殻を炒めてトマト・香味野菜・ワインなどを加えて煮込み濾したもので、独特の潮の香りとコク、濃厚なエビの旨みが凝縮されているのが特徴です。
作り方で必ずトマトが入り、マイルドなトマトの酸味と海鮮特有の塩味が特徴的です。生クリーム・バターも加わり、バターや香辛料の香りが口の中に広がるクリームソースです。
アメリケーヌソースとビスクの違い
フランス料理の「ビスク」と「アメリケーヌソース」はエビカニ類の甲殻類を使って作り方もほぼ同じ料理です。ビスクは煮込んだ殻ごと全てペースト状にしたスープ。名の通りアメリケーヌソースは煮込んだものを濾して作ったソースです。
濃度(トロミ)のつけ方にも違いがあります。アメリケーヌは煮上がった後にブールマニエなどで濃度をつけますが、ビスクは煮ている途中で米(炊いたご飯OK)で濃度をつけます。
アメリケーヌソースの作り方
フランス料理でのソースの役割は大きく、手間隙かけて作ったダシでソースをつくります。素材をソースとうまく組み合わせて奥行きのある料理を生み出しています。
アメリケーヌソースはオマール海老の殻を香ばしく炒め、香味野菜を加え、旨味を移したダシを濃縮させることでの濃厚なコクと深い味わいのソースに仕上がります。
家庭でのアメリケーヌソースの作り方はオマールエビの代用に有頭エビ・ブラックタイガー・甘エビの殻などの簡単レシピがあります。甘エビの殻は薄くソフトなので炒めるのが簡単です。
材料
アメリケーヌソースに必要な材料はエビの殻です。オマール海老・フラックタイガー・甘エビなど手に入るエビの殻を使いますが、有頭エビの頭と殻を使うとコクが出ます。
エビの頭と殻を炒める時はオリーブオイルとニンニクにブランデー(白ワイン)に香味野菜の玉ねぎ・人参・セロリを加え、煮込みに必要な材料は水(ブイヨン)・トマト缶・ローリエです。
下ごしらえ
洗った海老は頭を取り、身からは殻も外します。アメリケーヌソースは殻と頭を使います。身は他の料理のレシピで活用して下さい。頭の旨味の強いミソは炒める時にフライパンの中で潰すので、まな板の上などで潰さないで下さい。
玉ねぎは火が入りやすいように繊維に垂直に薄くスライスとにんじんはソースを綺麗なオレンジ色に発色させるために、皮を剥かずに半割りにして薄くスライスします。セロリは筋を取り薄切り、にんにくはみじん切りにします。
オマール海老を使う時はキッチンハサミで大体3cm四方にカットします。頭は縦半分に切り、だしが出やすいようにします。
作り方
- オリーブオイルとにんにくを鍋に入れ、弱火でにんにくの香りを出します。
- 海老の殻と頭を加え強火で炒めます。エビの色が赤く変わり、香りが出て、水分がなくなったらブランデー(ワイン)を加えアルコールを飛ばします。
- 玉ねぎ・人参・セロリの香味野菜を加え炒めます。水(ブイヨン)・トマト缶・ローリエを加え、蓋をして強火で20~30分ほど水分が半分くらいの量になるまで煮込みます。途中で、灰汁をすくい、木ベラ等で海老の頭や殻を潰しながらかき混ぜます。
- ローリエを取り出しソースをザルで濾します。麺棒や木べらをザルにギュッと押し付けながら煮込んだものを濾します。
- 濾したソースを小鍋に移し、少し煮詰め、軽く塩・こしょうをしたらアメリケーヌソースの完成です。
アメリケーヌソースの簡単活用レシピ
パスタを食べに行くとメニューにあるアメリケーヌソース、エビの殻を使って作るソースと聞いただけで手間がかかると思い込んでいませんか?料理ですから多少やることはやりますが、案外簡単に出来、簡単レシピがたくさんあります。
どんな種類でもOKなので、エビやカニの殻たっぷりと用意して下さい。甘海老だと30~40尾、最近見かける赤エビは15~20尾くらいで200~300mlくらいのソースを作ることができます。冷凍して保存することができます。
アメリケーヌを活用するレシピと言えばパスタレシピですが、スープ(ビスクなど)レシピ、鶏肉・魚のソテーのソースレシピと活用できます。アメリケーヌソース活用簡単レシピの紹介です。
アメリケーヌソース・鯛のポワレ
- エビの頭・殻:16匹分
- 玉ねぎ:1個
- 人参:1本
- セロリ(葉つき):1本
- ニンニク:3片
- オリーブオイル:大さじ1強
- バター:20g
- 料理酒(白ワイン):50ml
- トマトピューレ:300g
- 鯛の切り身:4切れ
- 塩コショウ:適宜
- 強力粉:適宜
- ほうれん草:1把
- バター:20g
- オリーブオイル:適宜
- アメリケーヌソース:150ml
- 生クリーム:50ml
- オリーブオイルとバターを鍋に入れ熱して、エビの頭・殻を加えて炒めます。エビの色が変わったら、エビの頭を潰しながら炒めていきます。細かく切った野菜を加えゆっくり炒め、しんなりしたら料理酒とおたま3杯ぶんの水を加え煮込んでいきます。
- (1)の粗熱を取りフードプロセッサーで粉砕します。細かい目の網(シノワ)かネットで濾します。鍋に移し、軽く火を通してトマトピューレを加え10~15分煮込みます。アメリケーヌソース完成です。
- 鯛の切り身の皮目に少し切り込みを入れ塩こしょうして、薄く強力粉をまぶします。オリーブオイルとバター少量をライパンで熱し、鯛の皮目をフライ返しなどで軽くおさえ、弱めの中火で焼きます。鯛の周りが白くなり始めたら裏返し、弱火でサっと焼くだけで、余熱で火を通します
- 洗ったほうれん草を軽くゆで、一口大に切りバターで軽くソテーします。塩・コショウして器全体にバランスよく置き、上に鯛を盛り付け、小鍋で温めたアメリケーヌソースと生クリームの合わせたソースを鯛の周りに流して鯛のポワレ完成です。
カニクリームパスタ
- パスタ:200g
- カニ(カニ缶OK):60g
- 生クリーム:80ml
- アメリケーヌソース:120ml
- ほうれん草:20g
- 塩・コショウ:適量
- オリーブオイル:適量
- フライパンにオリーブオイル・カニ・アメリケーヌソース・生クリームを入れ熱し、かき混ぜながら煮詰めます。
- 煮詰めたら適当な大きさにカットした生のほうれん草を加え、塩・コショウで味を整えます。パスタの茹で汁を加えソースの濃度を調整します。
- 茹でたパスタを加え、手早く絡めます。
手作りアメリケーヌソースのストック・市販のアメリケーヌソースがあると、作り方は簡単です。混ぜるだけで簡単に本格的なアメリケーヌソースパスタを堪能できます。簡単カニクリームパスタ材料2人分です。
アメリケーヌソースリゾット
- ホタテ(刺身用):4個
- 生米:1合
- ニンニク:1片
- 白ワイン:50ml
- ブイヨン:1/2個
- 水:350ml
- アメリケーヌソース:40g
- オリーブオイル:適量
- 塩:適量
- 粗挽き黒胡椒:適量
- ブイヨンを砕いて水350mlを加え温めておきます。ホタテの焼き加減はレアに軽く炒め、塩・コショウをふります。
- フライパンにオリーブオイルを熱し、ニンニクのみじん切りを入れ弱火で炒め香りをだして 生米を洗わずに加え中火で炒めます。
- 生米が透き通り始めたら、白ワインを加え、混ぜアルコールをとばします。
- 温めたスープを数回に分けて加え、米が十分にスープを吸い、水分がなくなりアルデンテになったらアメリケーヌソース30gを加え混ぜます。 塩・コショウで味を整えます。
- リゾットを皿に移し、ホタテをリゾットの上に盛り付けます。 残りのソースをフライパンで温め、上にかけます。簡単アメリケーヌソースリゾット1人分の材料です。
ビスクスープ
- エビ:10匹
- 玉ねぎ:200g
- にんじん:1本
- バター:15g
- 料理酒:50ml
- トマト(水煮):200ml
- コンソメ(顆粒):大さじ22
- 牛乳:500ml
- 塩・コショウ:少々
- パセリ:適量
- エビは殻を剥きます。エビの身は背ワタを取り除き他の料理に活用して下さい。
- バターを鍋に入れ溶かし、エビの殻を入れこんがりするまで中火で2炒めます。
- (2)に玉ねぎとにんじんのみじん切りを加え,しんなりするまで中火で3分炒め、料理酒を加えアルコールを飛ばします。トマトとコンソメを加え中火で5分煮詰めます。
- (3)の粗熱をとってミキサーで粉砕して、目の細かい網で濾します。
- (4)を鍋に移して牛乳を加え、弱火で煮立てないよう混ぜます。塩・コショウで味を調えます。
- 器にうつし、仕上げにパセリをふります。材料4人分です。
アメリケーヌパスタ
- スパゲティ:200g
- ニンニク:1+1片
- エビ剥き身(中):6尾
- こしょう:適量
- パセリ(飾り用):適量
- エビの頭と殻:10尾分
- 白ワイン:180ml
- 水:500ml
- 固形ストック(ベジタブル):1個
- トマトピューレ:大さじ3
- 牛乳:100ml
- オリーブオイル(分量外)をフライパンに入れて熱し、ニンニクのみじん切りを入れ香りが出たら、下処理した(水洗いしたエビの頭と殻を分け、エビの身は背わたを取ります)エビの頭と殻を入れて強火で炒めます。
- 頭、殻全体が赤くなり、よい香りが出て来たら、白ワインを注ぎます。2分ほどかき混ぜ、アルコール分を飛ばします。
- 水・固形ストック(今回はベジタブルを使用)・トマトピューレ・牛乳を加えて煮込みます。
- 煮込んでいる間、エビの頭をつぶし含まれる旨味がしっかり出るようにフライパンにおさえつけます。数回行って下さい。約20~30分煮詰め水分が約半分くらいになったら火を止めます
- (4)をざるでします。濾す際もしっかりエビの頭と殻をつぶし、できる限り旨味を絞りだします。アメリケーヌソースの完成です。
- オリーブオイル(分量外)をフライパンに入れて熱し、加えた薄切りにしたにんにくから香りがでたら、エビの身を加えて炒めます。
- (6)にアメリケーヌソースを注ぎ、煮立ったら好みの硬さに茹でたスパゲティを加えて絡めます。
アメリケーヌソースグラタン
- バター:50g
- 強力粉:50g
- 牛乳:500ml
- ローリエ:1枚
- マカロニ:180g
- バター:20g
- 玉ねぎ:1/2個
- マッシュルーム:6個
- むきえび:300g
- 白ワイン:大さじ1
- 生クリーム:150ml
- アメリケーヌソース:100ml+20ml
- 塩・コショウ:少々
- パルメザンチーズ:適量
- ピザ用チーズ:適量
- 牛乳とローリエを鍋に入れ5分ほど、沸騰させないように煮て香りをうつし濾します。
- バターをフライパンに入れ弱火にかけ溶かし、小麦粉を加え木べらで混ぜながら焦がさないようにじっくりと炒めます。
- (1)の牛乳を3~4回に分けて加え、ダマにならないように勢いよくかき混ぜます。滑らかなソースになったら蓋をして時々かき混ぜながら弱火で20分煮込みます。火からおろし、濾し、ホワイトソース完成です。
- マカロニを表示時間より1分短めにゆで、バター(分量外)を絡めます。
- 鍋にバター・玉ねぎ・マッシュルームを入れて弱火で炒めます。玉ねぎが透き通ってきたら、エビを加え軽く炒め白ワインを加え、アルコールをとばします。
- ホワイトソース・アメリケーヌソース100ml・生クリームを加え混ぜ合わせます。 塩、こしょうで味を整え、マカロニも加えて混ぜ合わせます。
- グラタン皿に(6)を入れ、上にアメリケーヌ20mlをかけ、パルメザンチーズ・ピザ用チーズも上にのせ220℃のオーブンで10分焼きます。
市販のアメリケーヌソースのおすすめ市販商品
香味野菜と甲殻類の殻を煮込んで作る手間のかかるプロセスを省いてくれる市販のアメリケーヌソースは丹念に時間をかけて作られています。マイルドな味付けなのでアメリケーヌソースを使う定番のパスタ・グラタン・スープ・魚/鶏肉のソテーのソースなど料理全般に合います。
ディアーノ(Diano)濃厚アメリケーヌソース
フーヅフリッジはUCCグループのネット通販で、オリジナルブランドディアーノ(Diano)の濃厚アメリケーヌソース(冷凍パスタソース)135gが270円(税込)で購入できます。国産紅ずわいカニにアメリケーヌソース・生クリームのコク・トマトの旨味を加えた芳醇で濃厚な味わいでパスタ以外の料理に活用できる市販のパスタソースです。
ハインツ アメリカンソース 7号缶
トマトケチャップ逆さボトルで馴染みのあるハインツはデミグラスソース缶・ホワイトソース缶でも知られています。ハインツからアメリカンソース(アメリケーヌソース)が市販されています。新鮮な伊勢えびが原料でバターでコクのあるマイルドなソースです。
市販されているハインツアメリカンソース7号缶は290gで料理に使い切れる量が◎です。魚介類の料理の旨味付け・クリーム系のソースと合わせてアメリケーヌソースとして・ピザソースやブイヤベース・カレーにも活用出来ます。
キスコ アメリケーヌソース
クオリティの高い業務用のソースの取り扱い、プロの料理人御用達のようなキスコ食品のアメリケーヌソースは甲殻類特有の風味を活かしコクや旨味のある仕上がりになっている市販ソースです。
オーストラリア産のロブスターヘッドを使用のアメリケーヌソースとカナダ産オマール海老ヘッドを使用した海老の旨み豊かで、ほとんど手を加えずに使用できるソースアメリケーヌの市販製品があります。市販は1kgでの購入ですが、冷凍状態のなので保存には便利です。楽天市場・Amazonで購入できます。
アメリケーヌソースで海老の旨味を堪能しよう
甲殻類・香味野菜・トマト等を使うアメリカンソースの作り方一つ一つのプロセスを楽しめ、出来上がった濃厚でコクのあるソースはパスタ・グラタン・リゾット・鶏肉・魚料理全般にコクを添え、料理のグレードが上がります。
フランス料理はソースで食べるが特徴です。本来、アメリケーヌソースはエビの頭・殻などをオーブンで焼き、ブランデーで香りをつけ、香味野菜と炒めてバターやトマトペーストを足し煮込んで一日おき、再度煮たり冷ましたりして味を凝縮させ、最後に布で濾して完成の手間がかかる料理です。
フランス人にならなくても、美味しいところ取りの簡単アメリカンソースレシピで十分にアメリケーヌソースで海老の旨味を堪能出来ます。