甘酒の効果効能とは!飲む点滴と言われる理由とおすすめの飲み方や時間を紹介!
甘酒は飲む点滴と呼ばれ、健康だけでなく美容にダイエット、疲労回復にも効果的と注目を集めています。そんな甘酒を普段の生活に取り入れてみませんか?甘酒の健康効果を引き出すおすすめの飲み方や、どの時間に飲んだら効果的かも紹介します。
目次
甘酒ってどんな飲み物?
正月の初詣や冬の行事でも特に室外で行われるイベントなどで、お寺や神社、イベント会場内で甘酒が振る舞われる飲み方がよくされるようになりました。ひな祭りでも甘酒を出すのは定番の飲み方ですが、近頃は甘酒の持つ健康効果やその効能に注目が集まり、スーパーでもおすすめの飲み物として1年中売られて広く飲まれています。
甘酒は日本の伝統的な甘味飲料の1つです。別名甘粥(あまがゆ)とも呼ばれます。主に米麹と米かもち米を原料にしますが、酒粕も原料になります。名前には酒とつきますが、実際のアルコール含有量は、酒粕を原料にした場合でもごくわずかなため、ソフトドリンクとして売られています。
甘酒の歴史
実は甘酒の歴史はかなり古く、その起源は古墳時代にまでさかのぼります。『日本書紀』に甘酒の原型と言われる天甜酒(あまのたむざけ)として登場し、奈良時代には「糟湯酒」と書かれた和歌も残っていることから、このころには酒粕甘酒の原型もあったといえます。
今では甘酒といえば寒い時期の飲み物、というイメージですが、元々は江戸時代に夏の体力回復効果を目的とした飲み方が一般的だったため、俳句では夏の季語です。甘酒と聞いてひな祭りも連想されますが、ひな祭り用はもともと『白酒』という製法も違う別物です。アルコールも約9%含むリキュール類に分類されるため、今では代用として甘酒が定着しています。
甘酒にも種類がある
甘酒には米麹に水やもち米や米を足して作る米麹甘酒と、日本酒を作った後に残った酒粕に砂糖などで甘味を足して作る酒粕甘酒の二種類があります。近頃飲む点滴と呼ばれ、健康効果やその効能に注目が集まっているのは、米麹甘酒のほうです。米麹甘酒と酒粕甘酒のそれぞれ何が違うのかをまとめてみました。
米麹で作った米麹甘酒
米麹甘酒は米麹に水を足して作ります。他にも米やもち米を足して作ることも多いです。米麹甘酒の甘味は麹の力で米のでんぷんを分解したものです。米麹甘酒は甘いためカロリーは高そうに感じますが、米麹甘酒の100mlのカロリーは81kcalなので、一般的なエナジードリンクの200kcalよりも低く、発酵食品でもあるため健康効果や効能の面でもおすすめの飲み物です。
酒粕で作った酒粕甘酒
酒粕甘酒は、日本酒を作ったときに出る酒粕に砂糖などで甘味を足して作ったものです。酒粕自体は日本酒の発酵段階でブドウ糖が消費されて少なくなり甘味がないので、甘酒にするときには主に砂糖を足して甘味を補います。そのため足した砂糖の分だけカロリーが高くなってしまいます。甘酒としての効能はありますが、糖尿病の人は飲む量や飲み方に気をつける必要があります。
酒粕が日本酒の搾りかすである点も要注意です。そのため酒粕にはアルコールが約8%含まれています。そのため子供や酒に弱い人は大量に飲むと酔うこともあるので、飲み方や飲む量に注意する必要があります。作る際にはアルコール分をきちんと飛ばすか、飲むなら米麹甘酒にすることをおすすめします。
甘酒が飲む点滴と呼ばれる理由
甘酒は米麹甘酒も酒粕甘酒も元々は発酵食品のため、さまざまな栄養素を持っています。発酵の力によって生み出されたこれらの栄養バランスが、点滴の成分と似ていることから『飲む点滴』と呼ばれるようになりました。甘酒は簡単に効果的な栄養補給ができるおすすめの飲み物である理由です。
米麹甘酒に含まれる栄養素
米麹甘酒は発酵の過程でできたさまざまな栄養素を含んでいます。ビタミンB1・ビタミンB2・ビタミンB6・葉酸・食物繊維・オリゴ糖をはじめ、システイン・アルギニン・グルタミン・GABAなど多種類のアミノ酸、さらに発酵食品ならではの酵素も多く含まれています。そのため体調が悪いときの簡単な栄養補給飲料としての飲み方もおすすめです。
酒粕甘酒に含まれる栄養素
最近美容や健康効果で注目を浴びているのは米麹甘酒のほうです。ですが酒粕甘酒にはすでに一度、先に発酵させたからこその栄養食品としての価値があります。共通の栄養素を含むだけでなく、ビタミンB群やたんぱく質に不溶性食物繊維も米麹甘酒より多く含まれます。
さらにレジスタントプロテインというたんぱく質も多く含んでいます。このたんぱく質は消化されにくく、腸内で油が吸収される前に捕まえて排出を促す効果があります。そのため悪玉コレステロール値を下げる効能があるたんぱく質です。酒粕の中に濃縮されて含まれているため、コレステロールが気になる人には酒粕甘酒がおすすめです。
米麹甘酒の健康効果
さまざまな栄養素を含むことから、特にその健康への効能に注目を集めるようになったのが、米麹を使って作った米麹甘酒です。たんぱく質・脂質・炭水化物と三大栄養素の全てを含み、そのほかの栄養バランスもすばらしいことから『飲む点滴』と呼ばれるようになりました。今ではおすすめの健康飲料としてだけでなく、さまざまなオリジナルレシピも登場し、時間はかかっても手間はかからない作り方も多く紹介されています。
近頃は酒造会社の蔵元でも米麹甘酒を作るようになり、スーパーでもさまざまなメーカーの米麹甘酒が売られているので、作る時間が待ちきれないという人でも手軽に飲むことができます。そんな大人気の米麹甘酒の健康効果と効能をまとめました。
米麹甘酒の整腸効果
女性の悩みの中でも、常に上位に来るのが便秘です。しかも妊娠中はお腹の子供が大きくなるにつれて腸が圧迫されるため、ますます便秘になりやすい時期です。逆にお腹がゆるくて悩んでいる人もいるでしょう。米麹甘酒はそのどちらの悩みにも効果のある、おすすめの健康飲料です。
米麹甘酒に含まれるブドウ糖は、麹菌によって分解された状態で入っています。このため胃腸の負担も少なく、短時間で効率的に体内に吸収できます。また米麹甘酒は食物繊維やオリゴ糖も多く含んでいます。オリゴ糖だけでなく死んだ米麹自体も善玉菌の餌となって腸内環境を整え、免疫機能を高める効能があります。そのため体調不良やアレルギーの改善など、栄養補給と免疫機能の両方に効能があるのでおすすめです。
米麹甘酒の美肌効果
米麹甘酒には米麹由来のコウジ酸という成分が多量に含まれています。このコウジ酸には、シミの原因となるメラニン色素の過剰な生成を抑える効果があります。また、皮膚や粘膜を保護してくれるビタミンB2も豊富に含まれているため、飲むだけで皮膚の代謝を活発にして目の下のくまを消してくれたりハリや弾力も取り戻してくれるだけでなく、髪のコシを増して美しくする効果もあります。
米麹甘酒の疲労回復効果
米麹甘酒には消化を助ける酵素や、エネルギー代謝を促進するビタミンB群が豊富に含まれているため、優れた疲労回復効果があります。さらに多量に含まれるブドウ糖が短い時間で吸収されることにより、効率の良いエネルギー源として代謝を促すだけでなく、GABAやパントテン酸などのたんぱく質によるストレス軽減効果もあるおすすめの飲み物です。
米麹甘酒のダイエット効果
米麹甘酒はブドウ糖を多く含みます。このブドウ糖は麹によって分解されているために短い時間で体内に吸収されるため、血糖値の上がりが良く満腹中枢を刺激して空腹感を押さえる効能があります。またビタミンB類だけでなく100種類を超える酵素が多く含まれているため、脂肪の代謝を促し老廃物を体外に排出することにより、ダイエット効果が期待できます。
米麹甘酒の健康効果まとめ
米麹甘酒は栄養の宝庫です。オリゴ糖と食物繊維で腸内環境を整え、免疫機能の向上をもたらします。さらにビタミンB群や数々のアミノ酸で肌の調子を整えるだけでなく、豊富なブドウ糖や酵素とともに代謝を助け、疲労回復やダイエットを含む数々の美容効果も期待できる、おすすめの健康飲料です。
酒粕甘酒の健康効果
米麹甘酒と異なり酒粕甘酒はブドウ糖が少ないため、砂糖などで甘味を足すことでカロリーが上がるデメリットがあります。ですが酒粕甘酒には米麹甘酒よりも食物繊維やビタミンB群だけでなく、酵素やレジスタントプロテインと呼ばれるたんぱく質が豊富に含まれています。
このレジスタントプロテインはインスリンと似た働きをするため、糖尿病の予防になるだけでなく、脂質の吸収を阻害し体外に排出する効果もあるため、酒粕甘酒にもダイエット効果が期待できます。
さらに酒粕甘酒にはスフィンゴ脂質と呼ばれる成分が含まれています。このスフィンゴ脂質はセラミドの成分で、肌の角質層で細胞同士をつなぎ合わせることにより、肌の保湿に効果を発揮します。そのため酒粕甘酒は高い美肌効果を持っています。
酒粕にも酵素は含まれています。ですが酒粕で甘酒を作るときに40度以上まで加熱すると、肝心の酵素が壊れてしまいます。そのため酒粕甘酒を作るときは40度未満のぬるま湯を使いミキサーで作ると、酵素も壊さず健康効果も損なうことのない酒粕甘酒を作れるのでおすすめです。
より健康効果の高いおすすめの甘酒はどっち?
米麹甘酒も酒粕甘酒も、それぞれに長所を持っています。ですが一般に米麹甘酒のほうが評価が高いのにはちゃんと理由があります。それは『アルコールを含まないため誰でも飲めること』です。米麹甘酒は子供や妊婦、お酒に弱い人でも安心して飲める強みがあります。
酒粕甘酒もアルコール分を飛ばせば問題はありませんが、完全にアルコールを飛ばすために高温で煮る場合が多く、そのために酵素など熱に弱い栄養素を損なってしまうことも多いです。そういった点も踏まえ、米麹甘酒のほうが酒粕甘酒よりも間違いがないのでおすすめです。
米麹甘酒の簡単な作り方
米麹甘酒を一から作るとなると、時間だけでなく手間もかなりかかります。そのため時間は短縮できませんが、手間を減らして手軽に作る方法が考え出されています。炊飯器を使って作る方法が有名ですが、他にも手軽に作る方法をいくつか紹介します。
保温ボトルに米麹100gをばらして入れて60度のお湯を注いだ後、温度が下がらないようにタオルなどで巻いて保温しながら7時間おけばできあがりです。いっぺんにたくさん作りたいときには炊飯器がおすすめですが、出かける際に持っていきたい時などは、そのままボトルを持っていけば良いだけなので、準備に時間をとられることもありません。
米麹甘酒をいつでも気軽に作って飲みたい人には、ヨーグルトメーカーや発酵食品メーカーがおすすめです。温度管理から調理時間まで、セットすれば後は機械が勝手に作ってくれます。ご飯を足して作る場合でも、先に60度にセットしておかゆを作ってから米麹を足せば、いちいち冷ます手間も省けます。
米麹甘酒を作る時に注意したいのは、60度から65度の間で加熱することです。70度までいってしまうと、せっかくの酵素が壊れてしまいます。特に米麹甘酒の場合は糖化酵素が壊れてしまうため、温度管理はきちんと行うように気をつけましょう。
甘酒の効能を取り入れるおすすめの飲み方
豊富な栄養素を含み、女性の数々の悩みから普段の生活まで、さまざまな健康効果のある甘酒。折角ですからその効能をより効果的にとりいれられる飲み方をしたいものです。目的別に栄養成分や効能を生かす飲み方をいくつかまとめてみました。
甘酒の効果を高める飲み方
甘酒にビタミンB群は多く含まれていますが、そのほかのビタミン類も補った飲み方をしてみませんか?フルーツや野菜とともにミキサーにかけてスムージーにすると、より栄養バランスの取れた健康飲料ができ上がります。野菜の青臭さが苦手な人は、癖の少ない青汁の素を足すのもおすすめです。
甘酒にしょうがを足すのもおすすめです。しょうがに含まれる辛味成分のジンゲロールなどの血管拡張効果により、手足の先まで血流を良くして全身を暖めることができます。さらに甘酒に含まれるペプチドとの相乗効果で血圧を上げにくくしてくれるので、しょうが入り甘酒はおすすめの飲み方です。
甘酒の甘さが苦手という人は、プレーンヨーグルトと混ぜるのがおすすめです。ヨーグルトの酸味が甘酒の甘味を程よいものに変えてくれます。さらに甘酒とヨーグルト両方の乳酸菌で、腸の健康をサポートしてくれます。ただしお腹がゆるくなることもあるので、とりすぎには要注意です。また冷たいままだと腸に負担になるので、人肌くらいに暖めると良いでしょう。
夏バテ予防に効果的な飲み方
米麹甘酒は疲労回復に効果的なビタミンB群やブドウ糖を多く含んでいます。夏バテのときのように腸が弱っているときでも消化吸収しやすいかたちでブドウ糖を補給できるだけでなく、ビタミンB群で代謝を高めてくれるので、高い体調改善効果があります。1つ気をつけたいのは、弱った腸の負担を軽くするため暖めてから飲むようにしましょう。
甘酒っていつ飲むのが効果的?
甘酒が健康に良いのはわかりましたが、いつ飲むのが良いのでしょうか?体調を崩したときはそのときに飲むのが一番ですが、健康維持や美容効果にダイエットと甘酒にはそのほかにも取り入れたい健康効果がたくさんあります。そんな甘酒の健康効果ごとに飲むのに適した時間をまとめてみました。
効果に合わせた時間の選び方
米麹甘酒には多くのブドウ糖が含まれています。そのため朝起きたときに飲むと、頭をすっきりと起こしてくれるだけでなく基礎代謝もあげてくれます。また食前に米麹甘酒を飲んでおくと血糖値が上がりやすく、早く満腹感を得られるため過剰な食欲を抑えられるので、ダイエットに効果的です。
また甘酒にはGABAやパントテン酸といったたんぱく質も多く含まれているため、ストレスを軽減させる効果もあります。そのため寝る少し前に飲んでおくと副交感神経のスイッチが入りやすく、スムーズに深く質の良い睡眠を取れるようになるので、疲れを取りたいときには夜に飲むのがおすすめです。
健康効果の高い甘酒ですが、当然カロリーも決して低いわけではありません。1日の適量は200mlほどです。体調が悪くて思うように食事ができないときはともかく、普段は欲しい効果に合わせて飲む時間を決めたり、小分けにして少しずつ飲むようにするなど、くれぐれも飲みすぎには注意しましょう。
甘酒で健康ライフを
米麹甘酒にも酒粕甘酒にもそれぞれに優れた健康効果があります。健康維持に美容にダイエットと、欲しい効果ごとに合わせて生活に取り入れれば、それだけで毎日をより快適に過ごすことができます。あなたも今日から甘酒とともに健康ライフを始めてみませんか?