2021年10月27日公開
2024年11月17日更新
「炊いたん」とはどのような料理?炊く・煮る調理法と何が違う?
炊いたんとはどのような料理なのかまとめました。炊く、煮るとの違いや、京都のおばんざいとの違いについても解説。すぐ真似できる炊いたんの人気レシピも紹介するので、毎日の献立に炊いたんを取り入れてみてください。
炊いたんの特徴や人気レシピを紹介!
もう冬の気候だけど。。。
— ミリル✮* (@hrmirilu) October 20, 2021
秋の炊いたん。
鶏手羽、南瓜、さつまいも、水菜。
…と。
エリンギ小松菜にんじんのお味噌汁。
野菜たっぷり目にしてみました。
いただきます。 pic.twitter.com/WxillpBbG2
京都や関西地方でよく聞く「炊いたん」とは、どのような料理なのでしょうか?本記事では、炊いたんの意味や語源、「炊く」「煮る」との違いや、おばんざいとの違いについて解説します。また、炊いたんの人気レシピも紹介するので、毎日の献立にぜひ取り入れてみてください。
炊いたんの特徴と炊く・煮る調理法との違い
京都を含めた関西で使われる料理名
今日の夕飯は
— まーたろー@料理好き兼業主夫 (@icosuke1515) January 4, 2019
お正月盛り合わせプレート
子持ちししゃもの焼いたん
水菜と人参と油揚げの炊いたん
京風雑煮
でした。
お雑煮は京都らしく白味噌で。野崎洋光さんが白味噌に出汁不要と言ってたので水で。美味しい。
数の子・鱈の子・子持ちししゃもで卵ばっかり。#なんちゃって割烹まーたろー pic.twitter.com/gxbJkMXwfm
関西以外ではあまり馴染みがない「炊いたん」とは、一体どのような料理なのでしょう。炊いたんとは京都や関西で使われる言葉で、簡単にいうと煮物のような料理です。
炊いたんの語源は関西の方言で、「炊いたの」という意味になります。炊いたのの「の」が「ん」変化して「炊いたん」と呼ばれるようになりました。関西では焼きものは焼きもん、揚げものは揚げもんというように、「ん」がつく料理が他にも存在しています。
「炊く」「煮る」との違い
副菜も素晴らしかったよ。万願寺唐辛子としらすの炊いたん(京料理だよ)。とにかく、しらすの出汁がうっとりするような美味しさ。おつゆも全部飲んじゃう。まあ、万願寺唐辛子はこの食べ方を試さないことには始まらないでしょう。 pic.twitter.com/IFp37aqztV
— 再びまかないおじさんかなぴん (@kanapin00) July 16, 2020
東日本では「米を炊く」と言いますが、米以外の食材に炊くという言葉はあまり使いません。しかし関西方面では、米以外の食材も炊くと表現します。炊くも煮るもどちらも、調味料やだし、水、を加えて食材を加熱することですので、区別するのは難しいでしょう。
しかし、汁物などは煮ると表現することはあっても、炊くと表現することはありません。ただし、「煮炊きする」という表現があるように、水分を加えて加熱するという点では炊くも煮るも同じと捉えていいでしょう。水分を加えて加熱するのは炊くも煮るも同じですので、仕上がりや味に違いはないといえます。
おばんざいとの違い
空間デザイン、家具、料理…6人のプロによる京料理屋「居様」、夏の新おばんざいが登場:http://t.co/a6eCAjH5n5 #グルメ #京都 #旬 #夏休み #おばんざい pic.twitter.com/0KM9NOc24g
— FASHION HEADLINE (@FASHIONHL) August 12, 2015
京都では、おかずやお惣菜をおばんざいと言います。焼き物や和え物、漬物などおかず全般を指し、炊いたんもおばんざいの中のひとつです。炊いたん=おばんざいというわけではなく、調理法にかかわらずおかずはおばんざいと呼ばれます。
最近は京都でおかずをおばんざいという人は少ないようですが、観光客などに向けて、あえておばんざいという言葉を使用しているお店も多くあります。
炊いたんの人気レシピ
とうがらしとじゃこの炊いたん
【材料】
- とうがらし…200g
- ちりめんじゃこ…20g
- 太白ごま油…大さじ2
- だし…50cc
- みりん…大さじ1
- 濃口醤油…大さじ1
- 薄口醤油…大さじ1
- 砂糖…大さじ1
【作り方】
- とうがらしのヘタを取り、包丁で切り込みを入れます。
- 切り込みからとうがらしの種を取り、水洗いします。
- 鍋にごま油を入れて火にかけ、とうがらしを炒めます。
- とうがらしがしんなりしたら、じゃこを加えてさらに炒めます。
- 2〜3分炒めたら、砂糖とだしを加え馴染ませます。
- 残りの調味料を加え、汁気を飛ばしながら混ぜ合わせます。
- 少し汁気を残して火を止め、器に盛り付けて完成です。
京都の夏の風物詩である、とうがらしを使った定番料理です。とうがらしの他に、ししとうや万願寺とうがらしで代用可能です。作り置きできるので多めに作っておけば、お弁当やもう一品という時にも大活躍します。
サバ缶となすの炊いたん
【材料】
- サバ水煮缶…1缶
- なす…2本
- だし…1000cc
- 濃口醤油…100cc
- みりん…100cc
- 酒…100cc
- 塩…5g
- 砂糖…20g
- 新生姜…10g
【作り方】
- なすは縦半分に切って、皮に斜めに切り込みを入れます。
- 生姜は厚めの輪切りにします。
- なすは160度の油で、ひっくり返しながら揚げます。
- 1分ほど揚げたら取り出します。
- 鍋にAの材料を入れて沸騰させ、サバを入れます。
- 中火で10分炊き、なすを加えてさらに1分炊いたら完成です。
保存食であるサバ缶を使った、簡単に作れるレシピです。なすは一度揚げることで、彩りよく仕上がります。さっと炊くだけで出来上がるので、時間がない時にもぜひ作ってみてください。
小松菜と薄揚げの炊いたん
小松菜と油揚げの炊いたんは、京都定番のおばんざいです。あっという間にできるので、献立に野菜が欲しい時にもぴったりです。冷蔵庫でしっかり冷やしても、美味しく食べられます。
炊いたんで調理してみよう!
京都の祖母がよく作ってくれる春のおかず《たけのことふきと鶏肉の炊いたん》大原千鶴さんの京料理レシピに全く同じものがあり嬉しくなった pic.twitter.com/HNLQEH2ESB
— mhos (@littleMihamy) May 5, 2020
炊くと煮るには明確な違いはありませんが、たっぷりの水分で作る汁物は、炊くではなく煮るという言葉が使われています。炊いたんはおばんざいのひとつで、京料理の基本ともいえます。本記事で紹介したレシピを参考に、献立に炊いたんを取り入れてみてください。