お酒の賞味期限はいつまで?日本酒/リキュールなど種類別に【未開封/開封後】
酒には日本酒やワイン、ウイスキー、リキュールなどがあると思いますが、賞味期限がいつまでか分かりますか?お酒をあまり飲まない家庭では、一度開封しても飲み切らずにそのまま保存している場合も多いのではないでしょうか。そのまま保存しているとお酒も腐るのか、その見分け方などについても紹介します。お酒の種類によって、また未開封や開封後での賞味期限の違いなどについてまとめました。
目次
お酒の賞味期限はいつまで?腐る?
お酒と言えば日本酒が一番に思い浮かびますが、最近ではワインやウイスキー、リキュールなど多くの種類ののお酒が飲まれています。家庭で保存しているお酒の賞味期限がいつまでか、知っていますか。また一度開封したお酒の賞味期限がどれくらいか、またそのお酒が腐るのか、腐った状態の見分け方などについても紹介します。
お酒の賞味期限【日本酒】
まず、日本酒の場合の賞味期限についてまとめました。日本酒の特徴と製造方法を知ることで、日本酒の賞味期限を未開封の場合と、開封後の場合について紹介します。
日本酒の特徴と製造方法
日本酒(清酒)は日本古来のお酒で、米と米麹と水で作られています。純米酒、吟醸酒、純米吟醸酒などの種類があります。また、灘の蔵元で醸造した純米酒の「灘の生一本(きいっぽん)」は、有名です。また、もろみを絞って水を加えていない原酒は、市販のお酒よりもアルコール度数度数が高い特徴があります。
他にも秋に一夏熟成させた新酒を貯蔵桶から火入れせずに樽詰めしたものを生詰め、冷却(ひやおろし)と言い、期間限定で冷酒として楽しめます。
日本酒の製造工程は、精米した米を洗い、蒸した米に麹菌を加え酵母を造ります。酵母を増やしてできた「酒母」を使って、「もろみ」を造ります。発酵したもろみを絞って生酒にする(「上槽」)や、上槽の後そのまま置いておく「滓引(おりびき)」ろ過したものを、殺菌するための「火入れ」をして完成します。
未開封の賞味期限
米、米麹、水を発酵させて造られた日本酒のアルコール度数は22%未満と決められています。日本酒の賞味期限は、未開封であれば製造日から約1年です。火入れしていない日本酒の賞味期限は、短い場合がありますので、購入する場合は製造日を確認して下さい。
賞味期限に関わらず、日本酒は製造したてのものを選ぶことをおすすめします。日本酒の製造方法上、瓶詰した製造日を確認して購入し、早めに飲むことをすすめます。
開封後の賞味期限
今日は地元のお店で、常連?さんたちとの日本酒を飲む会!今回もいろいろなお酒が揃っております!
— chibanba (@_chibanba_) November 16, 2019
毎回楽しく飲ませていただいております! pic.twitter.com/KeOg8GwCBV
開封後の日本酒は注ぎ口を清潔に保ち、蓋をきっちり締め必ず冷蔵保存しましょう。開封後の日本酒の賞味期限は、保存状態が良ければ数か月単位で飲むこともできます。しかし、より美味しく飲むには、開封後は製造日に関わらず1日も早く飲んでしまうことをおすすめします。
つまり、開封後の賞味期限は、自分の判断で決めることになります。保存状態によっても味の変化が変わってきます。色やにおいなど五感をフルに働かせてみてください。見分け方は飲んで美味しくないと思ったら賞味期限切れと言えます。いつまで使えるかきちんとは決まっていませんが、自分で確かめてください。
また、開封後だいぶ日にちが経ってしまい味が落ちた日本酒は、料理酒として使えます。賞味期限が決まっていないので、自分で判断することになりますが、料理の調味料として使えますので、見分け方を気をつけてください。
お酒の賞味期限【リキュール】
次に、リキュールの場合の賞味期限についてまとめました。リキュールの特徴と製造方法を知ることで、リキュールの賞味期限を未開封の場合と、開封後の場合について紹介します。
リキュールの特徴と製造方法
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日本の梅酒は代表的なリキュールですが、リキュールとはどんな特徴の酒でしょうか。一般的には、スピリッツ(蒸溜酒)に果実や花、薬草などの香りを移した酒です。またそれに甘味料を加え、飲みやすく仕上げた酒です。日本の酒税法では、リキュールには果実や花や薬草などのエキス分が2%以上のものと定義されています。
リキュールの製造方法は、香味抽出(原酒製造)・ブレンド・熟成・ろ過仕上げの4段階があります。まず最初の香味抽出には、蒸留法・浸漬法・果汁法・エッセンス法の4つの方法があります。抽出した香味に、スピッツ、糖類や水を加えて、数か月から3年ほど置いておくことで熟成させます。最後にフィルターでろ過し、ビン詰めして完成です。
未開封の賞味期限
リキュールも基本的には未開封の場合、賞味期限が決まっていません。アルコール度数や糖分量が高いほど日持ちがするため、何十年保存が可能な種類もあります。しかし、保存環境によっては傷んでいる場合もありますので、直射日光や高温多湿の場所を避けて保存してください。
一方、「ベイリーズ」などのクリーム系リキュールや「カシス」などのフルーツ系リキュールは未開封でも、アルコール度数や糖分をあまり多く含んでいないので、他のリキュールと比べると早く傷みやすくなり、未開封でも賞味期限が短くなりますので注意してください。見分け方が難しいですが、味や香りを基準に判断してください。
開封後の賞味期限
リキュールの開封後の賞味期限は、開封後空気に触れているので、酸化して傷みやすいので、1日も早く飲むようにこころがけてください。特にアルコール度数や糖分が少ないリキュールの場合は、短期間に傷む可能性がありますので十分気をつけてください。
リキュールは他のお酒と違い、原料の糖分や果実そのものが傷みやすく酸化が早いので、開封後はなるべく早く飲むようにしてください。保存方法も常温保存では酸化が進みやすくなってしまう原因になります。開封後のリキュールの賞味期限は決まっていませんが、匂いや濁りなどを確認し、少しでもおかしいと思ったら飲むのをやめてください。
お酒の賞味期限【ウイスキー】
次に、ウイスキーの場合の賞味期限についてまとめました。ウイスキーの特徴と製造方法を知ることで、ウイスキーの賞味期限を未開封の場合と、開封後の場合について紹介します。
ウイスキーの特徴と製造方法
ウイスキーは、穀物を原料として蒸溜した酒を樽で熟成させた酒です。原料は、モルト(大麦麦芽)、大麦・小麦、トウモロコシ、ライ麦などですが、熟成年数や蒸溜回数など国ごとに細かに定められているのが特徴です。
原料のモルトなどを発酵させ、アルコール度数7~9%の発酵液(もろみ)を作ります。ビールもここまでは同じですが、ウイスキーの場合は、この後にアルコール度数を高めるために、何回か蒸留します。最後に整合工程で一番長い時間を費やすのが、樽熟成です。樽のサイズや素材、熟成環境などによって、原酒の味や香りが大きく違ってきます。
未開封の賞味期限
ウイスキーやブランデーは、蒸留酒のためアルコール濃度が高いお酒です。そのため、未開封で保存方法がきちんとしていれば、長期間安定した品質を保つことができるので、いつまで美味しく飲めるという賞味期限はありません。法律でも製造日や賞味期限の表示を省略できることになっています。
ただし、コルク栓の場合は注意が必要です。コルク栓は柔らかいため注ぎ口にフィットし密封しやすい利点があります。しかし、天然素材のためコルクが劣化するして、知らないうちにお酒に空気が触れ、ウイスキーの品質が劣化している場合もあります。定期的にコルクの状態をチェックし、高温や光が当たるところは避けて保存してくだい。
ウイスキーは未開封の場合、いつまで美味しく飲めるかという賞味期限はありませんが、賞味期限がなくてもちんとした保存管理が大切です。賞味期限がないので安心してそのまま放置することがないように気をつけてください。
開封後の賞味期限
サントリーウイスキー『山崎』魅力の源泉とジャパニーズウイスキーの起源を辿るhttps://t.co/qTypyfVs5d pic.twitter.com/2epBTTvwmH
— サケペディア (@osake_pedia) November 25, 2019
ウイスキーの開封後の賞味期限は一概には言えませんが、できるだけお早めに飲むことをおすすめします。未開封の賞味期限はアルコール度数が高いので、長期保存できますが、一度空気に触れると、ウイスキーの酸化がすすみます。保管場所や保管方法、栓の開け閉めの頻度やウイスキーの残量によっても、香りや味の変化が変わります。
開封後は度数が高くてもアルコール分が少しずつ飛び、ウイスキー本来の味と香りが失われますので、いつまで美味しく飲めるかという賞味期限は決まっていませんが、なるべく早く飲むようにしてください。ウイスキー本来の味や香りの見分け方は、自分で確かめることが大切です。
お酒の賞味期限【ワイン】
最後に、ワインの場合の賞味期限についてまとめました。ワインの特徴と製造方法を知ることで、ワインの賞味期限を未開封の場合と、開封後の場合について紹介します。
ワインの特徴と製造方法
ワインには、赤ワインと白ワインがあります。これは、原料の「黒ブドウ」と「白ブドウ」の違いがありますが、製造方法の違いもあります。白ワインは、白ブドウを圧縮したブドウ果汁を発酵させますが、赤ワインは黒ブドウの皮や種も全体を発酵させて、最後に圧縮します。そのため、ブドウの皮や種に含まれる「タンニン」という渋みが特徴です。
また、中間のロゼは、赤ワインの製造方法の途中で、早めに黒ブドウを取り出す方法や、白ワインの製造方法で、原料を黒ブドウにする方法、発酵前に黒ブドウと白ブドウを混ぜる方法もあります。そのため、赤ワインと白ワインの中間の色をしています。
未開封の賞味期限
ワインには賞味期限はありません。つまり、未開封の場合はきちんと保存していれば、ずっと保存でき、安全に飲むことができます。長期保存することで熟成が進み、味に深みが出るといわれています。しかし、いつまで同じ状態で保存できているか見分け方も大切です。つまり、空気を遮断し、コルク栓が古くなっていないか確認することが必要です。
しかし、通常のハウスワインは、熟成後1~2年で出荷させることが多いので、早めに飲んだほうが美味しく飲むことができるともいわれています。未開封の場合でも、保存状態によってはワインの状態を劣化させる場合がありますので、気をつけてください。
開封後の賞味期限
開封後のワインの賞味期限は、ワインの種類と、ワインのボトル残量によって違います。ワインは栓を開けると、ワインが空気に触れて、一気に酸化がすすみます。ワインの酸化がすすむと香りが変わり、酸っぱくなり味が変わります。ワイン本来の味や香りがいつま続くか、見分け方が大切です。
ワインの残量が半分の場合、ワインが美味しく飲める賞味期限は次の通りです。軽めの白ワインは1~2日、コクのある白ワイン2~3日、赤ワインは3~5日、高級赤ワインは1週間程度です。ワインの残量が少ないとボトル内の空気が増えて酸化が進みやすくなります。その場合、賞味期限はさらに短くなりますので、注意してください。
開封後味が落ちたワインは「サングリア」や料理に使うこともできます。赤ワインは煮込み料理やピクルス液に加えても美味しくなります。賞味期限がないワインですが、開封後は1日でも早く飲んだ方が、ワインの味と香りが楽しめます。開封後のワインの賞味期限は、1日でも早い方が良いので、なるべくボトルの飲み残しないようにしましょう。
お酒の賞味期限が近い?状態の見分け方
最後に、お酒の状態の見分け方と良い保存方法についてまとめました。お酒は腐るのかどうか、「お酒が腐る」状態の見分け方、お酒の腐るのを減らす良い保存方法についてまとめました。
お酒は腐るのか?
未開封のお酒の場合、日本酒以外は賞味期限はありません。日本酒の場合は1年以上過ぎると、どんどん味が落ちてきます。しかし、日本酒は腐るのかといえば基本的には腐ることはありません。アルコールの持つ殺菌作用で、雑菌が増えにくいとからです。
日本酒の本来の味は落ちますが、いつまでも腐ることはありません。やはり、日本酒を美味しく飲むためには、製造日から1年以内を賞味期限として飲むことをすすめます。
状態の見分け方
日本酒は腐ることはないといっても、長く保存していた日本酒が黄色くなっている場合、腐っているのかどうか心配する方も多いと思います。日本酒が黄色く見えるのは、元々本来日本酒の色が、薄い黄色の場合もあります。また、日本酒に日光が当たって「メイラード反応」を起こしているために、黄色くなることも多くあります。
一方、白濁したり変な香りがする場合は、飲むのはやめてください。お酒は細菌を増えにくくする作用がありますが、逆にアルコールに強い細菌もありますので、長期保存したお酒を飲むときは注意してください。また、腐ることはなくても飲んでみて味がおかしいと感じた場合は、健康に害がなくても飲まずに、料理などに使ってみてください。
腐ることがない日本酒ですが、最終的に飲める状態かどうかの見分け方は、自分の目と舌と鼻で、見た目と味や香りで判断してください。
お酒の賞味期限を伸ばす保存方法
お酒の上手な保存方法は、知っているようで知らない人が多いのではないでしょうか。お土産でいただいた洋酒を飲まないままいつまでも保存している家庭もあるかもしれません。開封前のお酒はなるべく高温にならない床下の冷暗所や北向きの部屋の押し入れ、冷蔵庫の野菜室などで保存することをおすすめします。
ワインの場合は、専用のワインセラーやワインチラーなどもありますので、適温で未開封で保存すれば、味も変わらずに反対に熟成され深みのあるワインになります。つまり、賞味期限のないワインは、きちんと保存していれば、いつまでも美味しさを保ち、楽しむことができます。
日本酒の場合も高温が苦手ですので、涼しいところに保管してください。また、日本酒は光が当たると、味が落ちますので、冷暗所で保存してください。開封後の保存は、ビンの口を清潔にし、しっかりふたを締め、冷蔵庫で保存することをすすめます。
リキュールやウイスキーの場合は、開封前は常温で直射日光の当たらない場所に保存してください。また、開封後は賞味期限に関わらず、瓶の口を清潔にし、リキュールの度数が低いものは冷蔵庫で保存することをすすめます。
お酒の賞味期限に限らず開封後は早めに飲み切ろう
お酒は百薬の長といわれるように、世界中で作られ飲み継がれています。日本古来の日本酒(清酒)が世界にも広がっている現在、美味しいお酒を美味しく飲むためにも、お酒の特徴や製造方法や正しい保存方法を知ることが大切です。お酒を美味しく飲むための賞味期限はあります。開封後はなるべく早めに飲んで、本来の味や香りを楽しんでください。