2019年03月30日公開
2024年09月10日更新
ブレゼとはどんな調理法?ブレゼを使う料理・レシピも紹介
ブレゼという調理法を知っていますか?ブレゼはフランス料理の調理法のひとつで、日本語では「蒸し煮」を意味するとされていますが、実際には肉や野菜をオーブンで半分煮てから残り半分を蒸すという、とても特徴のある調理法なのです。そんなブレゼは、自宅でも作ることのできるフランス料理でもあります。ブレゼがどんな特徴を持った調理法なのかから、自宅で楽しむ作り方までまとめて紹介していきます。
目次
ブレゼとはどんな調理法?
ブレゼという調理法を知っていますか?ブレゼはフランス料理のオーブンを使った調理法で、独特な特徴があるといいます。ブレゼがどんなフランス料理の調理法なのか、早速見ていってみましょう。
ブレゼの意味と特徴
ブレゼという調理法は、どんな意味でどんな特徴があるのでしょうか?馴染みの無いブレゼという言葉の意味と特徴をまとめてみました。
ブレゼの意味
ブレゼという調理法の意味は、肉や野菜をブレゼ専用の容器に隙間なく入れてから、食材が半分浸かる程度の水などの水分を入れ、蓋をしてからオーブンで半分ほど火が入る程度に煮て、残りの半分を蒸して火を入れるという特徴のある調理法なのです。
何語?
ブレゼという言葉は、フランス料理の調理法を意味することからもわかるように、フランス語になります。フランス料理の厄介なところは、基本的に食材から調理法までフランス語のまま表現する特徴があるため、相応の知識量が必要になる点です。そのためブレゼもフランス語になるのです。
日本語にすると「蒸し煮」
ブレゼは日本では「蒸し煮」と表現することが多いですが、先ほどブレゼの意味で紹介した調理法を見てもわかるように、正しいブレゼは全く異なる料理と言うことができます。日本流の蒸し煮は、フランス語では「エトゥファ」と言うのです。正しいブレゼの意味を理解しておきましょう。
ブレゼはフランス料理でオーブンを使う調理法
ブレゼは先ほど意味と特徴で紹介したように、オーブンを使うフランス料理の調理法です。肉や野菜を煮たり蒸したりするのは、本来は仕上げの加熱は全てオーブンで行う調理法なのです。そんなブレゼについてもう少し掘り下げてみましょう。
材料
ブレゼの材料は、一般的には肉と野菜を使います。ただしその使い方は作り手によってさまざまで、肉がメインのブレゼもあれば、野菜だけで作るブレゼもあります。魚を使うことももちろんありますが、通常は肉と野菜のエキスと出汁の交換から生まれる、素材の風味を楽しむ料理です。
基本の調理法
ブレゼの基本的な調理法は、意味のところで紹介したとおりですが、ブレゼの意味にあった水分には、ブイヨンやワイン、トマトソースやコニャックなどを使うこともあります。
そんなブレゼの調理法で最大の特徴が、最初に肉の表面は炒めて火を通しておくことと、風味付けした少ない水分でオーブンで加熱し仕上げる点です。煮込んだだけの肉と違って、より深い味わいで柔らかくなるのが特徴です。
ブレゼは「難しい調理法」とも言われますが、その理由は蓋は常に閉じた状態で調理をするため、途中で中の様子を確認できない点にあります。そのため多くのレシピでは、途中水分量や肉の火の通りを確認するのが一般的です。
ブレゼに適した料理
ブレゼの良さを引き出すには、コラーゲンや脂肪分が比較的多いしっとり感を出せる肉を選ぶことです。鶏ささみやヒレ肉といったあっさりした肉を選ぶと、長時間に込むブレゼではパサパサになってしまうため、ブレゼの魅力を楽しむことができません。
そのためあっさりした肉を使うローストビーフ風の料理よりも、鶏の皮付き肉やばら肉を使ったこってりめの煮込み料理のほうが良く合います。肉の臭みを消したり風味付けをしたいときには、香味野菜やハーブ類のほか、ワインやコニャックなど使うお酒を変えるだけでも変化を楽しむことができます。
ブレゼを使ったフランス料理の作り方【肉】
ブレゼがどんなフランス料理かわかったら、次は肉を使ったブレゼの作り方を試してみましょう。おすすめのブレゼの作り方を紹介します。
豚肩ロースのブレゼ
- 豚肩ロースブロック400g
- 塩5g(小さじ1程度)
- 人参2本
- 玉ねぎ1個
- にんにく1片
- ローリエの葉1枚~2枚
- タイム1パック(7本~8本)
- 水200ml
- 白ワイン200ml
- 豚肉全体に全ての塩を振って、30分ほどそのまま放置します。豚肉を放置している間に玉ねぎは細切りに、にんにくは潰しておきます。
- 人参はそのまま使いますが、皮が気になる人は剥いておきましょう。
- 豚肉の脂身が多い面を下にしてフライパンに置き、強火でフライパンに豚肉の油を溶け出させます。
- 豚肉の全面を茶色くなるまでしっかりと焼き色を付けます。焼いているときに出る焼け焦げは、全て取り除きます。
- フライパンから豚肉を出して皿に乗せ、焼け焦げが落ちないように気をつけながら油も皿に移します。残った焦げかすは、キッチンペーパーできれいに拭き取っておきます。
- 皿に移しておいた油だけをフライパンに戻したら、にんにくと玉ねぎを入れて、玉ねぎが茶色くなるまでじっくりと炒めます。
- 玉ねぎが茶色に変わったら、フライパンに豚肉を脂身が多いほうを下にして戻し、人参も一緒にフライパンに入れます。
- ローリエとタイムを入れます。このときタイムは飾り用に2本~3本残しておきます。
- 白ワインを全て注ぎ入れ、人参の1/4が浸かるように液量が足らないときは水を足します。
- 蓋をして沸騰させたらアクを取って再度蓋をし、ごくわずかに沸騰する程度の火加減で30分おきくらいに様子を見ながら、フライパンの水分が無くなるぎりぎりまで煮詰め、水を少量追加します。
- 細かい泡が見えなくなりかけたら少量の水分を足しつつ、2時間蒸し焼きの状態を維持します。
- 最後に液の味見をして、塩味が足らなければ塩を足し、コク不足なら固形コンソメを半分から入れます。
- 皿に盛り付けたら、飾り用に残しておいたタイムを飾って完成です。
豚肉と彩り野菜のブレゼ
- 豚もも肉240g
- 塩麹小さじ4
- キャベツ1/2個(400g)
- 玉ねぎ1/2個(100g)
- もやし60g
- 人参20g
- パプリカ40g
- ニラ20g
- 白ワイン大さじ2
- 水大さじ2
- A・減塩醤油小さじ4
- A・砂糖小さじ2
- A・ごま油大さじ1
- A・酢大さじ2
- A・一味唐辛子少々
- A・すりごま小さじ4
- A・おろしにんにく小さじ1/2
- 豚もも肉に塩麹をもみ込んでおきます。キャベツはざく切りに、玉ねぎは薄切りにします。人参・ニラ・パプリカは食べやすい大きさに切ります。
- 鍋に2、豚もも肉、白ワイン、水の順で入れて蒸し、さらにもやし、3を加えて蒸しあげます。
- Aを混ぜ合わせてタレを作ります。2を器に盛り付けたらタレを回しかけて完成です。
ブレゼを使ったフランス料理の作り方【野菜】
肉のブレゼの作り方を試してみたら、今度は野菜のブレゼの作り方に挑戦してみましょう。こちらもおすすめのブレゼの作り方を紹介します。
アサリとズッキーニのブレゼ
- アサリ(殻つき)60g
- ズッキーニ45g
- ミニトマト20g
- バジル1g
- ローズマリー1g
- にんにく2g
- アンチョビ3g
- オリーブオイル13g
- 白ワイン15g
- 水60g
- 塩0.3g
- コショウ0.05g
- アサリは前日から砂を吐かせておきます。
- ズッキーニを1cmの厚さに輪切りにしたら水にさらし、アクを抜いてからグリルします。
- フライパンにオリーブオイルをひいてから、みじん切りにしたにんにく、ローズマリー、アンチョビを入れて、弱火でじっくり炒めます。
- にんにくの香りが立ったところで火を強めて、アサリ、ミニトマトを入れて炒めます。
- アサリが開き始めたらズッキーニを加えて、白ワインを振り入れて煮詰めます。
- 水を少しずつ加えて塩、コショウで味を調えます。器に盛り付けたらバジルをちぎって散らして完成です。
鶏と人参のブレゼ
- 鶏もも肉2枚
- 人参3本
- ローリエ10枚程度
- オリーブオイル大さじ2
- 塩コショウ適量
- 人参を2cmほどの厚さの輪切りにし、鶏肉は1枚を6等分して塩コショウしておきます。
- 厚手の鍋を熱したらオリーブオイルを入れて、鶏肉の皮を下にしてしっかりと焼いていきます。
- 人参も入れてさらに炒めてから、ローリエを入れて塩コショウします。
- 鍋に蓋をしたら弱火にして、途中焦げないように中の様子を見てかき混ぜながら、30分~1時間ほど煮込んで完成です。
ブレゼという調理法を試してみよう!
ブレゼという調理法は、コツさえ掴めば時間はかかるものの、美味しく楽しめる煮込み料理です。一般家庭でオーブンを使った煮込み家庭は無理ですが、鍋だけで作るブレゼでも十分美味しく楽しめます。ちょっと長めに時間をとれるときには、あなたもブレゼを試してみませんか?