肉じゃがの肉の種類・部位別レシピ!豚肉か牛肉かは地域で違う?
肉じゃがと言えば、日本のソウルフードです。どうしてもキライという人はいないのではないでしょうか?そんな肉じゃがにもいろいろな種類があって、地域によってあるいは家庭によって千差万別ともいえる状態です。肉の種類で大きく分けても、牛や豚、鶏と分けられます。さらにそれらを部位別に分けたら、薄切り肉や角切り肉、合い挽き肉、こま切れ肉などの他、霜降り肉やばら肉まで広がります。そして、味付けにまで及んだら収拾はつきません。日本の肉じゃがを詳しく探ってレシピを紹介します。
目次
肉じゃがは肉の種類や部位別作り方を紹介
「肉じゃがは美味しいよね?」と、同意を求められた場合にあなたはなんと答えますか?日本人の多くは、特に男性はアルコールを飲む人、飲まない人いずれもが「美味しい」と答えるのじゃないかと思います。ところが、訊いた方も訊かれた方もお互いに浮べる肉じゃがは、たぶん別物じゃないかと想像されます。育った地域あるいは住んでる地域と言った方が適切かもしれませんが、同じ日本でも異なる肉じゃがが思い浮かぶのです。
それほどに地域が違うと肉じゃがは材料や味付けが異なってきます。大きく違うのは関東と関西で、使用する肉が関東は豚、関西は牛というふうに異なります。それぞれの家庭となると、ますます細かく違いが出てくるはずです。肉じゃがを牛肉でつくるか、豚肉で作るかあるいは鶏肉で作るか、から始まって、その肉は薄切り肉か角切り肉かはたまた挽き肉なのか、という具合に異なってきます。
そればかりではありません。各種類の肉のどの部位を使用するかでも違ってきます。霜降りの牛ロース肉か豚ばら肉か、豚小間切れ肉、鶏もも肉から合い挽きや鶏の挽き肉までと、肉の種類や部位は限りがありません。それに加えて、合わせる野菜や調味の仕方まで考え合わせると、まさに千差万別というほかありません。つまり、日本人の誰にもなじみの肉じゃがは、それぞれがまったく別の肉じゃがかもしれません。
そんな肉じゃがを探って、いろいろな肉じゃがのレシピや、関東関西の東西食文化の違いに至るまでを詳しく紹介していきます。たかが肉じゃが、されど肉じゃがの世界を堪能ください。
肉じゃがに牛霜降り肉を使った作り方レシピ
牛霜降り肉で作る肉じゃがの材料
和牛の霜降り薄切り肉を使って、「和牛霜降り肉と新じゃがや新玉ねぎで作る肉じゃが」を作ります。少し上等な牛肉ということもあって、合わせる野菜はすべて新物を使います。新じゃがや新玉ねぎです。味つけも素材の旨味を活かすために、ごく薄味に仕上げます。春の香りいっぱいの野菜を、高級和牛霜降り肉の旨味で包み込んでいただく肉じゃがになります。
- 新じゃが(一口大の小さめで皮付きの物)300g
- 新玉ねぎ3個
- 和牛霜降り肉(薄切り)100g
- 結びしらたき(6個入り)1パック
- きぬさや少々
- ☆水150cc・酒150cc
- ★薄口醤油大さじ4・砂糖大さじ3・酒大さじ2・ミリン大さじ1
材料の下ごしらえをしよう
新じゃがは水で洗って汚れを落としたら、皮付きのままザルに上げて水気を切っておきます。新玉ねぎは頭と尻の部分を切り落としたら、二等分して一番外側の皮だけを剥いておきます。煮込んでいる際に新玉ねぎがバラバラにならないように、二等分した玉ねぎに爪楊枝などを指して留めておきます。結びしらたきは水洗いした後、新じゃがと同じザルに入れて水切りしておきます。
きぬさやは筋を取り除いてから、塩少々(分量外)を加えた熱湯にサッと湯通ししておきます。以上で、肉じゃがの材料の、下ごしらえは完了です。
牛霜降り肉の肉じゃがの作り方
- ☆の水と酒を鍋に入れて火にかけます。新じゃがを加えて弱火で八割がた火を通します。
- 鍋に★の調味料を加えたら、結びしらたきと新玉ねぎも加えて落し蓋をします。
- 新玉ねぎがクタクタにならないように注意をしながら、クタクタになる手前で和牛霜降り肉を大きいままか1/2に切り分けて加えます。牛肉の旨味が他の材料の全体に回るように、牛肉は新じゃがや新玉ねぎを覆うように並べます。落し蓋はしたままです。
- 牛肉のフチに火が入って色変わりしたら、鍋の火をとめます。牛肉の中心は薄いピンクの色が残っていますが、余熱で火が入るようにします。こうすることで、和牛霜降り肉のもつ柔らかみや旨味も保ったまま、味わうことができます。
- 器に新じゃがや新玉ねぎ、結びしらたきを盛って、上に牛肉を載せます。天にきぬさやを飾ったら完成です。
肉じゃがに豚ばら薄切り肉を使った作り方レシピ
豚ばら薄切り肉でつくる肉じゃがの材料
肉じゃがを作る際に大事なことは、小間切れ肉やひき肉の場合は別にして、牛肉でも豚肉でも大きめの肉はそのままか、せいぜい二等分して使用することです。その方が、肉じゃがが仕上がった時に見映えがします。大きな肉をわざわざ小さく切り分けないことが、美味しい肉じゃがを作るための基本的なコツになります。前章の牛霜降り肉の肉じゃがも、ここで紹介する「豚ばら薄切り肉で作る肉じゃが」でも、同じことが言えます。
- 豚ばら薄切り肉150g
- じゃがいも5個
- 玉ねぎ1個半
- きぬさや10枚
- ☆出汁1カップ・砂糖大さじ1.5・醤油大さじ2強
材料の下ごしらえ
じゃがいもは4~6個に切り分けて水にさらしてから、ザルにあげて水気を切っておきます。玉ねぎは1cm巾のくし形に切ります。きぬさやは筋を除いた後、斜めに二等分して塩少々を加えた熱湯でサッと湯がいておきます。豚ばら肉は長い状態から大きめの2~3等分にします。
豚ばら肉でつくる肉じゃがの作り方
- 鍋に豚ばら肉とじゃがいも、玉ねぎを入れて、☆の出汁・砂糖・醤油大さじ2強の半分を加えたら軽く混ぜ合わせます。豚ばら肉をほぐしながら、強火にかけて、煮立ったら中火に変えて落し蓋をします。食材を炒めずにいきなり煮込むことで、豚ばら肉の旨味がじゃがいもや玉ねぎにしみ込みやすくなります。
- 鍋をゆすって時々材料の上下をひっくり返します。12分ほど煮てじゃがいもに火が入ったら、醤油の残り半分を加えて、さらに5分煮ます。
- 肉じゃがを器に盛って、きぬさやを飾ったら完成です。
肉じゃがに豚角切り肉を使った作り方レシピ
豚角切り肉でつくる肉じゃがの材料
豚ばらのブロック肉を使って「ごろごろ角煮肉じゃが」を作ります。豚の角煮と肉じゃがが合体したような肉じゃがになります。一般的に牛肉は火を通さないほうが、豚肉は火を通すほうが肉の旨味は増します。種類は豚肉で、部位はばら肉を使うことによって、赤身と脂身の旨味を同時に堪能できる肉じゃがと言えます。下ごしらえに多少時間を要しますが、その分美味しい仕上がりが期待できます。
- 豚ばら肉ブロック500g
- 長ねぎ(青い部分)1本分
- 生姜(薄切り)5枚
- じゃがいも2個
- 玉ねぎ1/2個
- 長ねぎ(白い部分)5cm
- 煮汁「酒・醤油各大さじ4」「砂糖大さじ3」「水4カップ」
材料の下ごしらえをしよう
ごろごろ角煮肉じゃがの下ごしらえは、豚ばら肉のブロックを下茹でするところから始めます。鍋にたっぷりの水を入れて、豚ばら肉、長ねぎの青い部分、生姜を加えたら強火にかけます。煮立ったら弱めの中火にして、アクを除きながら約30分茹で上げます。このひと手間で肉じゃががしっととり柔らかく仕上がります。鍋から豚ばら肉を取り出して、4~5cm角くらいに切り分けます。茹で汁1カップは取り置きます。
じゃがいもは半分に切る。玉ねぎは2cm巾のくし形に切り分ける。長ねぎの白い部分は、芯を除いて繊切りにしてから冷水に晒して水気を切り、白髪ネギにしておきます。
豚角切り肉でつくる肉じゃがの作り方
- 鍋をきれいにして、豚ばら肉と取り置いた茹で汁、煮汁を加えます。強火にかけて、煮立ったら落し蓋をして弱めの中火に変えて40分煮ます。豚ばら肉の茹で汁も加えることで、豚肉の旨味も加わってコクのある肉じゃがになります。
- 鍋にじゃがいもとたまねぎを加えます。落し蓋でさらに15分煮ます。
- 落し蓋を取って、煮汁がわずかにトロっとするくらいまで煮詰めます。
- 器に肉じゃがを盛り、白髪ネギを添えて完成です。
肉じゃがの肉の種類や部位別に作るおすすめレシピ
鶏もも肉でつくる肉じゃがのレシピ
肉の種類は鶏肉です。部位はもも肉を使った「鶏の塩肉じゃが」のレシピを紹介します。調味方法が塩味ですので、あっさりとした仕上がりの肉じゃがになっています。冷めても美味しいために、弁当にも向く肉じゃがです。鶏もも肉で作る簡単かつヘルシーな肉じゃがと言えます。
- 鶏もも肉(1枚)250g
- じゃがいも2個
- 玉ねぎ1個
- きぬさや14枚
- 水3/4カップ
- 合わせ調味料「酒大さじ2・ミリン大さじ11/3・塩小さじ1」
- サラダ油大さじ1
- じゃがいもは一口大に切り分けておく。玉ねぎは1cm巾のくし形に切る。鶏もも肉も一口大に切っておく。
- フライパンにサラダ油を熱して、中火でじゃがいもを1分炒めます。玉ねぎも加えてサッと炒めたら、鶏肉も加えて肉の色が変わるくらいまで炒めます。
- 水3/4カップを加えて、煮立ったら合わせ調味料も加えて落し蓋をして弱めの中火で約10分煮ます。
- じゃがいもが柔らかくなったら、きぬさやも加えて1分煮たら完成です。
合い挽き肉でつくる「そぼろ肉じゃが」
牛と豚の合い挽き肉という種類の肉で作る「そぼろ肉じゃが」のレシピです。合い挽き肉を使うことで、肉が前面に出てこない、じゃがいもが主役の優しい味の肉じゃがになります。挽き肉を使う肉じゃがで気をつけたいのは、煮込む前に挽き肉を先に油で炒め上げておくことです。挽き肉の臭みをじゃがいもや玉ねぎなどの他の野菜に、移さないようにするためです。
- 合い挽き肉150g
- じゃがいも2個
- 玉ねぎ2個
- 人参1本
- 出汁3カップ
- 淡口醤油大さじ3
- 酒大さじ3
- 砂糖大さじ2
- ミリン大さじ1
- サラダ油大さじ1
- 塩少々
- じゃがいもは一口大に切って水に晒し、ザルに上げておく。人参は乱切りにしてます。玉ねぎは1cm巾のくし形に切ります。
- 鍋に油をひいて、合い挽き肉を炒めます。合い挽き肉の色が変わったらじゃがいもも加えて炒め合わせます。一通りじゃがいもを炒め終えたら、玉ねぎと人参も加えてさらに炒め合わせます。
- 合い挽き肉と野菜を炒めたら、鍋に出汁を加えます。強火でアクを取りながら、沸騰したら弱めの中火に変えます。
- 砂糖、酒、ミリンを加えたら、落し蓋をしてしばらく煮ます。
- 10分ほど煮たら、淡口醤油も加えてさらに5分ほど煮て完成です。
牛こま切れ肉を使った肉じゃがレシピ
肉の種類は牛肉、部位はこま切れ肉で作る基本的な「肉じゃが」です。肉じゃが初心者はこのレシピから入っていただいて、自分好みの肉じゃがを目指していくのがおすすめになります。ほっこり美味しい、肉じゃがらしい肉じゃがを楽しむことができます。こま切れ肉ですから、肉のサイズはバラバラかもしれませんが、よほど大きな肉以外は、小さく切らずにそのまま使うことをおすすめします。
- 牛こま切れ肉150g
- じゃがいも2個
- 人参1/2本
- 玉ねぎ1/2個
- しらたき100g
- インゲン4本
- 出汁3/4カップ
- 砂糖大さじ1/2
- 酒大さじ1
- ミリン大さじ2
- 醤油大さじ3
- サラダ油大さじ1
- じゃがいもはやや大きめの一口大に切って、水に晒しザルに上げておきます。じゃがいもの荷崩れが気になる方は面取りをほどこします。人参は乱切り、玉ねぎは1cm巾のくし形に切っておきます。しらたきはサッと湯通しして、適当な長さに切り分けます。インゲンは半分に切って、塩少々を加えた熱湯に通しておきます。
- 鍋にサラダ油を熱して、牛こま切れん肉を炒めます。肉の色が変わったら、じゃがいも、人参、玉ねぎの順に加えて炒め合わせておきます。
- 出汁を加えてアクを取りながら、沸騰したら弱めの中火に変えます。砂糖、酒、ミリンを加えて落し蓋をして10分煮ます。しらたきも加えてしばらく煮たら、醤油を加えます。
- 5分ほど煮たら、インゲンも加えて完成です。調味料の醤油を最後に加えるのがポイントになります。材料に甘味を先に付けるのと、醤油の風味をできるだけ活かすためです。
鶏むね肉のとろみ肉じゃが
肉の種類は鶏肉、部位はむね肉を使ったヘルシーな「鶏むね肉のとろみ肉じゃが」のレシピです。鶏むね肉という部位はヘルシーなのは間違いありませんが、加熱するとパサついたり硬くなったり、旨味成分に欠ける点があることに注意する必要があります。ここでは煮汁にとろみを付けることや、むね肉の加熱時間を抑える工夫で、その欠点を補うレシピとなっています。
- 鶏むね肉1枚250g
- じゃがいも2個
- 玉ねぎ1/2個
- 人参1本
- 糸こんにゃく200g
- きぬさや4枚
- 片栗粉大さじ2
- 煮汁「出汁3カップ」「醤油・酒各大さじ」「砂糖大さじ2」
- じゃがいもは一口大に切ってから水に晒し、水気を切っておく。玉ねぎは2cm巾のくし形に切ります。人参は乱切りにします。
- 糸こんにゃくは下茹でして、食べやすい長さに切り分けます。きぬさやは筋を取ってサッと茹でたら、半分に切っておきます。
- 鶏むね肉は5mm厚さの削ぎ切りにして、片栗粉をまぶしておきます。片栗粉をまぶすことで煮汁のからみが良くなり風味豊かに仕上がります。
- 鍋に煮汁を入れて強火にかけます。煮立ったらじゃがいも、玉ねぎ、人参、糸こんにゃくを加えて、弱めの中火に変えます。落し蓋をして15分煮ます。
- 鶏むね肉を加えて5分煮ます。むね肉を加えたら硬くなるのを防ぐために、煮すぎに注意します。
- 器に盛って。きぬさやを飾ったら完成です。
じゃがいもと猪肉の意外と良い相性
肉の種類は猪肉で、部位はロースを使った「猪の肉じゃが」のレシピになります。柔らかくした猪肉とじゃがいもは、予想外に相性が抜群です。猪肉の臭みをとるために、下茹ですることがポイントになります。
- 猪ロース肉180g
- じゃがいも4個
- 玉ねぎ1個
- 人参1本
- 結びしらたき8個
- 煮汁「出汁150cc」「醤油大さじ5」「砂糖大さじ4」「酒大さじ4」「ミリン大さじ3」
- 胡麻油大さじ1
- 猪肉は薄切りにし、酒少々を入れた熱湯で軽く茹でこぼします。ザルにとって流水で汚れを洗います。冷凍の猪肉を使う場合は、半解凍状態のほうが薄切りにしやすいです。
- じゃがいもは一口大に切って水にさらしたら、水気を切っておきます。人参は乱切りにします。玉ねぎは1cm巾のくし形に切ります。結びしらたきは熱湯に軽く通しておきます。
- 鍋に胡麻油を熱し、猪肉・じゃがいも・玉ねぎ・人参・結びしらたきを入れて、炒め合わせます。
- 煮汁を加えて強火で煮て、沸騰したら弱めの中火に変え、落し蓋をして煮ます。
- じゃがいもに竹串がスッと入るくらいに煮たら火を止めてひと混ぜしたら完成です。
豚のこま切れでも美味しい肉じゃが
牛肉で美味しかったこま切れ肉の部位ですが、「豚のこま切れ肉で肉じゃが」のレシピも美味しい一品です。意識的に濃い目の味付けをすることで、ご飯のおかずとして箸のすすむ肉じゃがとなります。経済的に優しい肉じゃがで、家庭の味方となります。
- 豚こま切れ肉100g
- じゃがいも3個
- 玉ねぎ1/2個
- 人参1/2本
- きぬさや5枚
- サラダ油大さじ1
- 煮汁「出汁2カップ」「酒大さじ3」「砂糖大さじ2」
- ミリン大さじ2
- 醤油大さじ4
- 豚こま切れ肉は大きすぎるものだけを切り分けておきます。じゃがいもは一口大に切って水に晒し、水気を切っておく。玉ねぎは1cm巾のくし形に切ります。人参は乱切りにします。きぬさやは塩少々を入れた熱湯で、サッと茹でておきます。
- 鍋にサラダ油を熱し、豚肉を炒めます。豚肉の色が変わったらじゃがいも、玉ねぎ、人参も加えて炒め合わせます。
- 炒め終えたら煮汁を加えて、中火で3分煮ます。
- アクを取り除いて、醤油とミリンを加え落し蓋をしてさらに煮ます。
- 煮汁が少なくなったら、器に盛ってきぬさやを散らして完成です。
肉じゃがの肉の種類は地域で違う?
関東と関西では使う肉の種類が違う!
肉じゃがで使用する肉には牛肉と豚肉が圧倒的に多いようです。他には、鶏肉や馬肉、中には猪肉などを使う地方もあります。しかし、一般的な勢力図としては関東以北の東日本が豚肉で、関西以西の西日本が牛肉というのが妥当です。なにやら関ヶ原の合戦みたいな感じもします。肉じゃがばかりでなく、カレーライスやしゃぶしゃぶ料理での使用肉も関東が豚肉、関西が牛肉というのが主流と言ってよいでしょう。
地域勢力図でみても、豚肉と牛肉とを比較してみると豚肉派のほうが優勢なのですが、クックパッドのレシピ投稿数でみても圧倒的に豚肉派が多数派となります。牛肉の肉じゃがレシピが817件なのに対して、豚肉の肉じゃがレシピはなんと2,345件です。これは、もちろん食肉文化の違いも背景にあるでしょうが、豚肉よりも牛肉が明らかに価格が高いことも影響しているにちがいありません。
なぜ東西で違いがあるの?
関東と関西で使用する肉が、豚と牛に分かれた理由は諸説あります。一つには農耕用の家畜文化の違いが言われています。関東では農耕用に使役されていたのは馬が主流であったのに対し、関西では主に牛が使役されていました。これには気候温度が関係していたと言われています。そういう背景のもとに、明治に入り外国からの食肉文化が浸透し始めて、関西では牛が食用となるに至ったのです。
一方、関東ではと言うと、馬が食肉として組み込まれることにはならず、その頃始まった養豚ブームの流れにのって、豚が主に食肉に供されることになったわけです。豚と牛という食肉文化にとどまらず、関東と関西では食に関してだけでも、著しいのは同じ魚でも呼び名が異なったり、肉の部位に関しても呼び名は違ったりしています。肉じゃがに牛を使うか豚を使うかにとどまらず、関東と関西ではすべての文化が微妙に異なっています。
肉じゃがの肉を部位や種類別に違いを楽しもう!
牛肉や豚肉と、肉じゃがの材料は数多くありました。そして、牛や豚の部位にまで至れば、実に多くのレパートリーが存在することも分かりました。そんな肉じゃがの代表的なものを、ほとんどすべて紹介してきました。紹介したレシピを参考にしていただいて、肉の種類や部位の違いをじっくりと楽しんでください!