2018年02月18日公開
2024年06月26日更新
土瓶蒸しの食べ方は?中身の具材・楽しむ順番など正しいマナーを紹介
懐石料理でよく提供される『土瓶蒸し』。少し食べ方が難しそうな見た目なため、いざ提供されて「どうやって食べるの…?」と焦る方も多い様ですが、土瓶蒸しの正しい食べ方って一体どうすれば良いのでしょうか?そこで今回は、土瓶蒸しの食べ方やマナーについて調査してみました!
目次
懐石料理でよく出てくる、土瓶蒸し!
接待や改まった会食の席などでは懐石料理を利用するという方が多いでしょう。上品で素材の美味しさを感じられる食事といえば懐石料理というほど、幅広い年代の方たちに愛されています。そんな懐石料理でよく出てくる一品であるのが『土瓶蒸し』です。
土瓶蒸しって一体どんな食べ物?
普段の食卓ではなかなかお目にかかれないメニューですし、「懐石料理を食べたことない…」という方にとっては土瓶蒸しが一体どんな食べ物なのか想像がつきにくいでしょう。そこでまずは、『土瓶蒸し』とは一体どんな食べ物かについて学んでみましょう!
『土瓶蒸し』って、こんな食べ物!
『土瓶蒸し』は、その名の通り、土瓶を使って作る蒸し物です。土瓶の中に種々の具を入れてだし汁を張って蒸す料理である『土瓶蒸し』は吸い物がわりに、とくに小さい土瓶を器として用い、土瓶蒸しが一つの料理として用いるようになったのは明治以後です。懐石料理では、椀物・汁物という扱いになり、素材から出る上質なお出汁を楽しむ料理とされています。
土瓶の中身は一体どんな具材が入っているのかというと、まつたけの土瓶蒸しが代表的とされているようです。まつたけの他の具材として、えび・白身魚・鶏肉・みつば・銀杏などの具材とだし汁を土瓶に入れて軽く蒸します。
『土瓶蒸し』といえば、まつたけの風味・香味を存分に引き出す料理として知られていますが、最近では土瓶蒸しの中身具材をシメジやエノキタケ・舞茸などを代用しているものも多いです。すだちやゆずの果汁を猪口にしぼり入れ、土瓶から汁を注いで吸い物風に味わいながら、具も味わうことができる料理です。
「土瓶蒸しの食べ方がわからない…」という方が意外と多い!
元来、土瓶蒸しの中身具材はまつたけであることが代表的でした。そのため、土瓶蒸しはまつたけ料理の定番といっても過言ではありませんが、最近ではまつたけ以外にも様々な具材を土瓶の中身具材として使用しています。
そんな土瓶蒸しは懐石料理では登場率が高い品ですが、懐石料理は高級であることもあってしょっちゅう行く料理店でもないため、いざ懐石料理店で土瓶蒸しを提供されても「土瓶蒸しの食べ方がわからない…」という方が意外と多いようです。
土瓶蒸しの食べ方や順番、マナーについて学んでみよう!
せっかく美味しい土瓶蒸しが食べられるのに食べ方を分かっていないと、「これってどうやって食べるんだろう…」ということにばかり意識が向けられてしまい、「イマイチ味がわからなかった…」という事態になってしまう恐れも。そんな悲しい結末にならないように、土瓶蒸しの食べ方や順番・マナーについて学んでおきましょう!
土瓶蒸しの食べ方は3ステップ。
土瓶蒸しの食べ方は大きく分けて3ステップです。土瓶蒸しは、土瓶から汁を注いで吸い物風に味わうという料理として認識されていることが多いため、土瓶の中身の具材を食べないまま…という方が多いのですが、これは間違っています。土瓶蒸しの食べ方3ステップはまず、香りを味わい、汁を味わい、具を味わうというステップです。
つまり、土瓶の中身の具材を食べずにいると、香りと汁の味わいのみしか堪能できていません。汁物という類で考えると、場合によっては中身の具材まで食べるのはマナー違反になってしまう恐れもありますが、土瓶蒸しはあくまで『蒸し料理』です。
特に、高級料亭などで提供された場合は、素材そのものも上質なものですから、味わって頂くべきともいえます。せっかくの土瓶蒸しを汁と香りだけで満足してしまうのはもったいないので中身の具材もしっかり食べましょう!
土瓶蒸しの食べ方って順番も決まってるの?
香り・汁・具材の3つを楽しむことができる土瓶蒸し。具材の旨みがギュッと詰まっただし汁を味わうのはもちろんのこと、土瓶の中に入っている具材も食べられるとのことですが、土瓶蒸しの食べ方って順番も決まってるのでしょうか…?お次は、土瓶蒸しの食べ方・順番についてしっかり学んでみましょう!
土瓶蒸しの食べ方・順番
前述したステップに沿って土瓶蒸しの食べ方・順番を学んでみましょう!まず、一般的に土瓶蒸しは敷き皿の上に置かれた土瓶の中に具材とだし汁が入っています。蓋がない場合もありますが、蓋の上にお猪口が伏せられ、その上にすだちが乗せられていることが多いです。だし汁を注ぐ前、すだちは土瓶の横に移しておきます。
土瓶蒸しが提供されたら、まずは香りを楽しみます。土瓶の蓋は開けずに右手で土瓶を持ち、左手で蓋を抑えながらお猪口に出汁を注ぎ、土瓶蒸しの香りを楽しみます。香りを楽しんだら、すだちを絞らずに一口いただきます。最初からすだちを絞って頂くと失礼にあたりますので、まずは出汁本来の味を楽しみましょう。
二口目以降は、すだちを絞って味わいの変化を楽しむことができます。すだちを絞る際には、滴が垂れないよう気をつけて蓋を裏返して脇に置きます。土瓶を傷つけてしまわないように丁寧に扱ってくださいね。すだちを絞ったら蓋を閉め、5〜10秒ほど蒸らしてから、出汁を味わって変化を楽しみましょう。
また、お猪口に直接すだちを絞るという作法もあるようですが、土瓶の中で蒸らすことによってすだちの酸味がマイルドになるそうです。すだちが嫌いなら無理して使う必要もないですし、ここら辺はあまり神経質になって考えなくても良いでしょう。使用したすだちは敷き皿に戻しておきます。
香り・出汁を楽しんだら、お次は具材を楽しみます。土瓶蒸しから具を箸で取り、いただきます。土瓶蒸しから箸で具を取って食べてしまうのも良いですが、お猪口を取り皿にしながら食べると上品に見えるのでおすすめです。また、土瓶蒸しの具材の食べ方に順番マナーはあるのかどうかも気になるところですが、特にそのような決まりはないようなので、お好きな具材を食べて良いです。
土瓶蒸しの具材を少し食べて、また出汁を飲んで…といった行為を繰り返していきましょう。お猪口にのせた具材に直接すだちを搾って、味にアクセントをつけると飽きずに最後まで楽しめるのはもちろん、出汁本来の香りも最後まで楽しむことができますので土瓶蒸の器に直接すだちを絞るより、お猪口にのせた具材にすだちを絞るのがおすすめです。
土瓶蒸しを食べ終えたら、土瓶の器の蓋を戻してお猪口を重ねて置いておきましょう。使ったすだちを土瓶の蓋の上に乗せて、お猪口をかぶせておくと、見ためも美しくなるのでおすすめです。
土瓶蒸しの食べ方マナーとは?
土瓶蒸しの食べ方や順番について学べたところで、次に学んでおきたいことが土瓶蒸しの食べ方マナーです。どれだけ食べ方の順番を守れていたとしても、マナーがなっていなければ意味がありません。それほど難しい食べ方マナーというものはありませんが、最低限気をつけておきたい土瓶蒸しの食べ方マナーについてもしっかりと学んでみましょう!
土瓶蒸しの食べ方マナーは…
これまでご紹介してきた食べ方を行っておけば、マナー違反になることはないでしょう。注意しておきたい食べ方マナーを強いて言うならば、土瓶蒸しをいただく一口目はすだちを入れずに出汁本来を味わうという点と、土瓶の吸い口から直接口を付ける様なことがないという点です。
手間暇かけて作った自慢の出汁をそのまま味わってもらうこともなく、味を変えられてしまうのは料理を作った方にとって誰だって悲しい気持ちになるのは当然です。まずは、料理人さんへの感謝の気持ちを持ちながら出汁本来を楽しみましょう。
そして、土瓶の吸い口に直接口をつけるというのは見た目もお下品な印象であることは安易に想像つくでしょう。大人としての最低限のマナーを守っておけば、マナー違反になることもありませんからあまり難しく考えすぎないでくださいね。
《まとめ》土瓶蒸しの食べ方・順番・マナー調査
土瓶蒸しの食べ方・順番・マナー調査まとめのご紹介はどうでしたか?懐石料理の定番メニューである土瓶蒸しですが、初めて提供された際には「一体どんな食べ方をすればいいんだろう…」と戸惑ってしまうものです。しかし、土瓶蒸しの食べ方はそれほど難しいものではなく、香り・出汁・具材を3ステップで楽しめたら大抵のマナーはクリアされています。
日本人ですから、最低限の日本食の食べ方やマナーについてはきっちりと身につけておきたいもの。土瓶蒸しもそんな日本食マナーを身につけておきたい一つのメニューですが、一度覚えてしまえば簡単ですから是非、頭の中に入れておき、いざという時に焦らないようにしておきましょう!