パクチーの栄養・効能が凄い!美容と健康にいい食べ方とは?
独特の香りで人気が広がっている「パクチー」という食材ですが、調べていると多くの人が勘違いしているかもしれない意外な事実も発覚しました。パクチーのもつ栄養や、それがもたらす効能は興味をそそります。健康と美容に感心がある人たちに向けて、パクチーの栄養素を最大限に引き出せる料理法をお伝えします。流行に乗りつつ自分の自分の魅力も高めてくれる、パクチーの効能の秘密を見ていきます。
目次
パクチーは栄養・効能が豊富!ブームの理由は?
独特の香りで病みつきになる人が多いパクチーは、セリ科の一年草です。セリ科の仲間にはセロリやニンジンなどがあり、特にセロリの香りはパクチーに通ずるものがあります。パクチーの香りは人を選び、人によってはカメムシの臭いに感じる人もいます。セリ科には子どもの嫌いな野菜が多いことから、好き嫌いが分かれる科なのかもしれません。
パクチーは香味野菜として使われることから、清涼感を求めるキャンディには確かに合いそうです。パクチーにハマる人のことを「パクチスト」と呼ぶ文化もあるようです。いろいろな商品とのコラボが出るほどの人気ですが、中にはびっくりするようなコラボもありました。
甘い味が主流のチョコレートに香味野菜が合うとはにわかに信じがたい人も多いでしょう。様々な会社がパクチーの風味を自社の商品に生かそうとしていることを考えると、パクチーにはやはり人を虜にする魅力があるのでしょう。
そんな流行しているパクチーですが、粘膜の健康に関与したり美しい肌を保つ働きもあり、我々の健康管理と美容にも役立ってくれる栄養豊富な食材でもあります。日常の食事に気軽に取り入れられて、かつ栄養も損なわないレシピを紹介します。その前に、パクチーの豆知識を紹介します。
パクチーはタイ料理にあまり使われない
パクチーは地中海原産の野菜で、中東や南アジアなどの香りが特徴的な国々の料理によく使われます。インドでは乾燥させたパクチーをスパイスとして使うこともあるようです。エスニック料理には欠かせない野菜ということになります。
出典: https://dlift.jp
言わばパクチー文化の先達であり、日本のブームの発祥の地とも言うべきタイですが、意外なことに日本ほどパクチーばかりを大量に食べることはないようです。パクチーはあくまで料理に彩りを添える存在であり、タイ人の中には嫌いな人もいるそうです。そもそもタイにおけるパクチーはより広義の香草を指すらしく、日本のパクチーとは違いがあるようです。
そんなタイの代表的な料理が、エビを入れたスープのトムヤムクンです。「トム」は「煮る」、「ヤム」は「混ぜる」、「クン」は「エビ」を表しており、酸味のある味が特徴です。パクチーはあくまで盛り付けられているものに過ぎないのがわかります。熱を通さず盛り付けに使うだけなので、ビタミンCを損なわず食べることができます。
パクチーの栄養はコリアンダーとどう違う
パクチーと検索するとコリアンダーのページが出てきますが、実質的には両者は同じ野菜を指します。しかし、コリアンダーは果実や葉を乾燥させたもの、パクチーは生で食べるものを指すそうです。日本で流行っているのは生食なので、やはり「パクチー」がこの文脈では正しいことになります。
ちなみにパクチーの「果実」は一般的には「種」と呼ばれる箇所のことです。また、パクチーの栄養素のなかには茎の方に多く含まれるものもあり、茎も食用にできるほか、タイやインドでは根も出汁や調味料として使われることがあるようです。
いわゆる日本で流行っているパクチーと聞くと葉の部分を生で食べる風景を思い浮かべ、独特の香りからパクチーを思い出して拒絶する人もおおいかもしれませんが、実はパクチーの根は色々な料理にすり潰されるなどして使われているようです。グリーンカレーもその一つで、嫌いな人にはカメムシの臭いとも言われてしまう独特な香りがなく、あのパクチーが入っていることを知らなかった人も多いでしょう。
生の葉の独特の香りは、乾燥させると風味が落ちてしまいます。香りを楽しみたい場合や、後で述べる香り成文の効能を生かしたい場合はコリアンダーではなくパクチーを使った方がいいでしょう。
パクチーが日本に伝わったのはいつ?
パクチーは古代ギリシャや古代ローマで薬草として用いられていたほか、中世ヨーロッパでは媚薬としても使われていたようです。日本では平安時代に中国から伝わり同じく薬草として使われました。パクチーの和名のコエンドロは、オランダ語が由来の外来語だそうです。腹痛・めまいの改善に使われていたそうですが、腹痛の改善というのは恐らくあとで述べるパクチーの香りを構成する栄養の効能なのでしょう。
パクチーの豊富な栄養!美容にもいいビタミンCの効能
パクチーには以下のような栄養素が多く含まれています。まず、ビタミンCです。ビタミンCには抗酸化作用があり、いわゆる身体の錆びを予防してくれることで動脈硬化などの恐ろしい病気を予防する効能があります。一方美しい肌に欠かせないコラーゲンの生成にも関わっており、健康管理にも美容にもいい栄養素です。
出典: https://horti.jp
サラダによく使われるベビーリーフと比較すると、ビタミンCは約3倍あります。同じ葉物の野菜をサラダにして食べるなら、パクチーを少し入れるとしっかりビタミンCをとることができます。同じ種類の野菜だけのサラダに比べてアクセントがつくので、飽きが来ず食べられます。
パクチーの栄養ビタミンCの効能を生かすために
しかし残念なことに、ビタミンCは加熱で壊れ水に溶けてしまいます。生で食べることで効率的にパクチーのビタミンCが補えます。健康管理と美容を気にする方はぜひ生で食べたい食品です。
パクチーの豊富な栄養!βカロテンの効能
次に、βカロテンも多く含まれています。βカロテンは体内に吸収されると必要に応じてビタミンAに変わり、人間の健康維持に活躍してくれます。ただ必ずしもビタミンAになるわけではなく、ビタミンAが欠乏しているときに変化することでその不足を補ってくれます。
ビタミンAは皮膚や粘膜を健康に保つ働きをする栄養素なので、βカロテンの不足によりビタミンAも不足すると、皮膚や粘膜に異常がでます。代表的な疾患に夜盲症があり、暗いところでの視力が悪くなる病気です。健康管理のためはもちろん、肌荒れにも繋がりますので美容のためにもぜひ摂りたい栄養素です。
ちなみにβカロテンは濃い色の野菜に多く含まれる傾向があるので、パクチーが苦手な方は濃い色の野菜を食べるといいでしょう。βカロテンが多く含まれる濃い色の野菜は緑黄色野菜と呼ばれ、カボチャ、ニンジンなどがあります。
Wikipediaによると、緑黄色野菜は「原則として可食部100g当たりカロチン含量が600μg以上の野菜」という決まりがあるそうです。栄養素の含有量で定義されています。ただ、一回に食べる量や使用回数が多いと判断された野菜も緑黄色野菜に含まれるそうです。緑黄色野菜以外の野菜を淡色野菜と呼びますが、定義上は色で区別しているわけではなさそうです。
パクチーの栄養βカロテンの効能を生かすために
しかし、βカロテンは水には溶けないのですが脂に溶ける性質があります。脂で炒めたとしてその脂を拭き取ってしまうやり方だと、せっかく脂に溶けだした栄養を捨ててしまうことになります。よって少なくとも栄養を逃がさないという点では脂も一緒に食べる必要があります。健康のために脂を摂り過ぎないことは大切ですが、元々脂の少ない肉を使っていればさほど心配は必要ないです。
パクチーの豊富な栄養!ビタミンKの効能
パクチーには骨粗鬆症の予防もできるビタミンKという栄養素も含まれています。ビタミンKの主な効能は血液を凝固させることで怪我時の出血を抑える作用がありますが、骨の形成にも関わっています。
パクチーには骨の構成要素であるカルシウムも含まれていることで、相乗効果により骨を強くします。パクチーは骨粗しょう症のリスクが高まるお年寄りや普段あまり運動しない人の健康管理にちょうどいいということになります。
パクチーの栄養ビタミンKの効能を生かすために
ビタミンKは、ビタミンの中では珍しく熱に強い性質を持っています。よってビタミンK自体は加熱しても損なわれません。しかし、酸には弱いことから、お酢と一緒に使うのは避けた方がよさそうです。
パクチーの香りを支える栄養!香り成分たちの効能
パクチーの独特の香りの元である香り成分ですが、ただ香るだけではありません。ゲラニオール、リナロール、ボルネオールなどの香り成分は、胃腸の働きを助ける効能があるようです。ただ、食べ過ぎるとお腹を壊してしまうこともあるようなので、あまり大量に摂取し過ぎないようにした方がいいでしょう。
香り成分たちは女性ホルモンの一つであるエストロゲンの分泌を促進します。女性しか人生で経験しないような様々な生理現象や妊娠・出産に関わるホルモンです。女性ホルモンが減ることによって起こる更年期障害を緩和する効能もあるので、全ての世代の女性の健康管理にうってつけの栄養素です。
パクチーの栄養素の効能を損なわないための注意事項
ビタミンCを壊れさせないためにはできるだけ生で食べる、βカロテンを壊さないためには料理に使った脂も回収することなどがあげられます。ちなみにパクチーにはデトックス効果があるという議論もありますが、科学的に証明されたわけではなさそうです。さっそく次章からこれらのことを取り入れた、パクチーの栄養素を効率的に摂るための料理法をお伝えします。
パクチーの栄養「ビタミンC」の効能を生かすレシピ
まずはビタミンCを損なわない生食でパクチーを楽しむレシピを紹介します。その名も「酢キャベツで生春巻き」です。酢には血圧の上昇を抑制する効能や、糖の吸収を穏やかにする効能があるので、鮮やかな緑のパクチーがあることによる見栄えのよさと相まって沢山食べられるけど身体に優しいレシピです。
お酢の酸味があると食欲がなくても思ったより食べられることがありますので、夏の暑いときにおススメのレシピです。作り方は、まず生春巻きの皮2枚、酢キャベツを適量、ハム1枚、チーズ適量、パクチー適量、ラディッシュ適量を用意します。自分の好みに合わせて内容を変えられるので残り物でササッと作れます。ビタミンKは酢に弱いのでビタミンKも摂りたい方は酢キャベツ以外で調理します。
まずは巻く素材を切っておきます。
フライパンにぬるま湯くらいのお湯を入れ、生春巻きの皮を浸し、柔らかくなったらまな板の上に乗せます。
しっかりと具材を巻きつければ完成です。簡単なので誰かと一緒に作るのも楽しいでしょう。生食なのでビタミンCが壊れておらず、日ごろの健康管理や美容にもいいレシピです。
パクチーの栄養「βカロテン」の効能を生かすレシピ
βカロテンは脂に溶けやすく、肉に合わせたときに肉の脂を切ってしまうような調理法だとせっかくのパクチーの栄養が無駄になってしまいます。そんなときに、汁も全部食べられる鍋という選択はおススメです。次にご紹介するのはその名も「簡単パクチー鍋」です。
このレシピには一人前が1キューブというわかりやすい包装の仕方をしたことで一人鍋文化を広めた「鍋キューブ」という商品を使っています。味付けは済んでいるので、疲れたときでも簡単に料理が楽しめます。
作り方を説明します。まず鍋に水と鍋キューブを入れて火にかけます。冷凍餃子、豚肉、豆腐を鍋の中に入れ、火が通ったらもやしを入れます。最後に火を止めて、ポッカレモンとパクチーをかけます。
残った汁は雑炊などにして全部食べることができるので、パクチーを肉と加熱することでβカロテンが溶けだしてしまうことを心配する必要はありません。よって好みの食感になるようパクチーを具材と共に煮ても、栄養的にはβカロテンが損なわれることなく食すことができます。ただし、ビタミンCは熱に弱いので壊れてしまいます。
パクチーは身体への効能が期待できる栄養が豊富な食材だった!
本家のタイ人のびっくりするような流行の仕方をしているパクチーですが、健康管理にも美容にも一役買ってくれる栄養面で優秀な食材であることがわかりました。抗酸化作用のあるビタミンC、皮膚や粘膜を健康に保つ働きをする栄養素であるビタミンAに変化するβカロテン、骨の形成に関わるビタミンKなどがあるほか、香り成分の健康管理に寄与してくれます。
食べ過ぎてしまうとお腹を壊してしまうこともあるようなので注意が必要ですが、独特な香りの成分もお腹の働きを助け女性ホルモンの分泌を助ける有り難い効能があります。一時期の流行ではなく、継続的に毎日の食事に取り入れることができれば、きっと私たちの健康管理と美容の促進が上手くいってくれるでしょう。
とはいえ、パクチーの栄養をすべて損なわないように料理するのは難しいかもしれません。あちらが立てばこちらが立たずのように、ある栄養素をよく摂ろうと思えば他の栄養素が損なわれてしまうこともあります。自分に必要な栄養はなにか、積極的に摂りたい栄養はなにかを、自分の健康管理と美容の観点から考え、一番いい方法で摂取するといいでしょう。
上手く使えば健康管理と美容に役に立つパクチーですが、流行が去ったとしても継続的に日々の料理に取り入れられたらより望ましいです。そのために、気負いすぎずに手軽に取り入れられるレシピを研究してみるのもいいかもしれません。幸いパクチーブームの影響で様々なレシピがネット上で提案されています。今のうちに自分に合った方法を見つけてみるのもいいでしょう。