2022年05月30日公開
2024年06月01日更新
じゃがいもに黒い部分があっても食べられる?変色の原因や防止方法も
じゃがいもに黒い部分があっても食べられるかについて解説します。じゃがいもに黒い斑点があったりカビが生えていたときに、食べられるケースと食べられないケースを詳しく説明!変色を防止する方法も紹介します。じゃがいもに黒い部分があったときの参考にしてください。
目次
じゃがいもに黒い部分があっても食べられるかを解説
じゃがいもは、ほくほくとした食感とくせの少ない味で、老若男女問わず人気があります。日持ちするため、常備することの多い野菜です。
この記事では、じゃがいもに黒い部分があっても食べられるかを解説します。黒い斑点やカビがある場合でも、原因によっては食べることが可能です。さまざまなケースで、食べられるかどうかを検証していきます。
また、変色を防ぐ方法や正しい保存方法も紹介するため、安心してじゃがいもを食べる参考にしてください。
じゃがいもに黒い部分があっても食べられるケース
食べられるケース①黒い斑点や茶色の輪っかがある
じゃがいもの皮を剥くと、黒い斑点や茶色の輪っかが現れる場合があります。これは、生育期間中の高温と乾燥による、褐色心腐れ病の症状です。褐色心腐れ病は、皮の内部に症状が現れるため、皮を剥いたり切ったりすることで判明します。
黒い斑点や茶色の輪っかは、褐色心腐れ病によって死滅した細胞です。毒性はないため食べても大丈夫ですが、枯死して風味が落ちています。黒い斑点や茶色の輪っかの部分は、取り除いてから調理すると良いでしょう。
食べられるケース②中に黒い空洞がある
じゃがいもを切ると、中心が黒い空洞になっていることがあります。これは、高温と換気不足によって起こる、黒色心腐れ病の症状です。
じゃがいもは、高温の場所に保存した場合、呼吸をするための酸素を大量に必要とします。黒色腐れ病は、酸素が不足した中心部分の細胞が、窒息して死滅してしまう病気です。
じゃがいもに含まれるアミノ酸のチロシンは、細胞の死滅により黒色色素のメラニンに変化します。メラニンに毒性はないため、食べても大丈夫です。ただし、風味を損なうため、黒い部分は取り除いてから調理すると良いでしょう。
じゃがいもの内部に黒い部分があり、そこが空洞になっているときは黒色心腐れ病という病気の可能性が高いです。黒色心腐れ病は、じゃがいもの栽培中に大雨などの影響で酸素不足になったときや、保存中の換気不足で酸素が不足したときに起こる病気です。
食べられるケース③冷蔵保存をした後に黒くなった
じゃがいもを冷蔵庫に入れると、低温障害を起こして黒く変色することがあります。低温障害も生理症状のため、食べても害はないです。
また、切って冷蔵庫に入れると、黒い部分が現れます。これは、空気に触れることで酸化して起こる現象です。
じゃがいもに含まれるチロシンとよばれる非必須アミノ酸は、酸化によって黒い色素のメラニンに変化します。そのため、黒色に変色しますが、メラニンは体に害はなく食べても大丈夫です。
チロシンは水に溶けやすいため、切ってから水にさらすと変色が防げます。変色が気になる場合は、水にさらすと良いでしょう。
食べられるケース④皮の表面に黒カビが生えている
保存場所や保存の仕方が適切でない場合、皮の表面に黒カビが生えることもあります。じゃがいもを保存するときは、高温多湿の場所は避け、ポリ袋から出して新聞紙か紙に包みましょう。
皮を厚めに剥き中身がきれいな場合は、良く洗えば食べることが可能です。しかし、中身にもカビが生えていれば、食中毒の原因になる可能性があるため、丸ごと破棄しましょう。
食べられるケース⑤茹でたら黒い点や黒ずみが出た
じゃがいもを茹でると、黒い斑点や黒ずみが出てくることもあります。これは、じゃがいもに含まれる成分が、化学反応を起こしたことが原因です。
じゃがいもには、クロロゲン酸とよばれるポリフェノールの一種が含まれています。これが、お湯の鉄分と化学反応を起こして黒くなります。
化学反応のため、体に害はありません。見た目が気になる場合は、酢水に10分くらいつけてから茹でるようにすると、変色を防げます。
じゃがいもに黒い部分があったら食べられないケース
じゃがいもの黒い部分は、原因によって食べられるケースも多くあります。しかし、腐っている場合は、食べられません。食べることのできないケースを解説します。
食べられないケース①黒い汁が出ている
通常、じゃがいもは表面が乾燥している野菜です。しかし、黒や茶色の粘り気のある液体が、出てくることもあります。
このような汁がでてくるときは、軟腐病にかかっている可能性があります。軟腐病は、細菌の侵入によって野菜が腐敗する病気です。軟腐病にかかると、柔らかくなったり、すっぱい異臭がしたりもします。
軟腐病は、腐敗が原因で食中毒を起こす可能性があります。一部分だけを取り除くのではなく、全体を破棄するようにしましょう。
食べられないケース②腐って黒く変色している
先述のように、じゃがいもの一部分が黒い場合は、食べられるケースがあります。しかし、全体が黒くなっている場合は、腐っている可能性が高いです。
柔らかくなっていたり、腐敗臭がするときも腐っています。食べたときにえぐみがある場合や、刺激を感じるときも、腐っている可能性があるため飲み込まない方が良いです。
また、カビ臭い匂いがしたり、皮だけでなく中身に黒いカビが生えている場合も、腐っています。これらの現象が見られる場合は、破棄しましょう。
全体が緑に変色している場合も食べられない
じゃがいもが緑色に変色している場合は、注意が必要です。この変色は、じゃがいもに含まれる天然毒素が、収穫後に光を浴びて光合成をし、増加することで起こります。この天然毒素はソラニンやチャコニンと呼ばれ、過剰摂取には注意が必要です。
これらの天然毒素は一定量以上摂取すると、嘔吐や下痢、吐き気などの食中毒の症状が、現れることもあります。また、加熱によって減少することはないため、破棄するようにしましょう。
じゃがいもの変色を防ぐ方法
変色を防ぐ方法①水にさらす
じゃがいもには、非必須アミノ酸であるチロシンが含まれています。チロシンは、チロシナーゼという酵素の働きで、酸化すると黒色色素であるメラニンに変化する物質です。
水にさらすことで、チロシンの酸化を防ぐことができます。また、チロシンは水に溶けるため、水につけることでメラニンの増加を抑えることが可能です。
また、チロシナーゼは酢につけて酸性にすると、酵素の働きが弱まります。そのため、酢水にさらすとメラニンを生成する働きを抑えられ、変色を防げるでしょう。
変色を防ぐ方法②冷凍をする
じゃがいもは、冷凍することで変色を防ぐことが可能です。ただ、水分が抜けてしまうため、食感が悪くなってしまい、風味も損なわれます。生のまま冷凍したいときは、カットして水にさらし、水気を拭き取ってから保存袋に入れてください。
じゃがいもは加熱をしたあとに潰した状態で、冷凍するのがおすすめです。そのままコロッケやポテトサラダに使うと良いでしょう。
じゃがいもの正しい保存方法
じゃがいもは、常温保存が適している野菜です。土を落とし、1個ずつ新聞紙か紙に包んで保存します。
光が当たると光合成をして天然毒素が増えるため、冷暗所に置くと良いでしょう。高温多湿の場所に置くと、酸化して黒くなりやすいため、湿気の少ない涼しい場所が適しています。
夏場であれば、冷蔵庫の野菜室で保存するのがおすすめです。低温だと低温障害を起こすこともあるため、冷やし過ぎないように注意してください。常温や冷蔵庫で保存した場合の賞味期限は、購入後2週間から1ヶ月くらいです。
冷凍庫での保存も可能です。水分が抜けやすいため、食感や味は落ちます。潰して冷凍すると良いでしょう。
じゃがいもが黒い原因によっては食べられる
じゃがいもは正しく保存すると、常温でも1ヶ月くらい日持ちします。クセが少ないため、和洋中さまざまな料理に利用することができ、使い勝手の良い野菜です。
じゃがいもに、黒い部分が現れることがあります。原因によっては、黒い部分を食べることも可能です。この記事を参考にして、食べられるかどうかを見極めるようにしてください。