話題の「パクチー」とはどんなもの?パクチーが苦手でも食べられるレシピは?
パクチー料理を食べたことはあるでしょうか?独特の香りが特徴的なパクチーは、タイ料理をはじめ世界中で親しまれているハーブです。ここでは、パクチーを使ったおすすめの食べ方やレシピを紹介しています。日本でも一大ブームとなったパクチーですが、実は健康や美容に良い効果がたくさんあるようです。コリアンダーや香菜との気になる関係も調査したので、ぜひチェックしてみてください。
目次
独特な香りを持つパクチーを知ろう!
出典: https://tenki.jp
タイ料理などに使われるパクチーは、日本でも大人気の香味野菜です。香菜やコリアンダーという名前でも知られており、スパイスのきいた料理にはパクチーを欠かすことができません。
ここでは、パクチーの栄養成分やおすすめレシピを詳しく紹介しています。健康や美容に良いとされるパクチーについて、効果効能を余すところなくお伝えします。パクチー好きの方は、ぜひ参考にしてください。
パクチーとはどんな食材?
まずは、パクチーの食材としての魅力を紹介しましょう。パクチーの香りは好きな人にはたまらないと表現される通り、パクチーを加えた料理は独特の香りが漂い、どれもが魅惑の美味しさに仕上がります。
タイをはじめ世界中で食べられているパクチーは、一体どのような植物なのでしょうか?パクチーの歴史についても触れているので、ぜひ知識を深めてみてください。
パクチーはハーブの一種
パクチーは、地中海原産のセリ科の一年草でハーブの一種に分類されます。パクチーを乾燥させたものを「コリアンダー」、中華料理に使うパクチーを「香菜」と呼び、さまざまな料理に使用されています。
パクチーは葉の部分だけが食されるのではなく、茎や根も料理に活用されるなど食べられない部分はないと言われています。またパクチーの種子は、スパイスとしても使われているようです。
パクチーは世界中で使われてる
パクチー料理はタイやラオスだけのものではありません。中国やベトナム、メキシコ、ポルトガルなど、世界中の料理にパクチーが使われています。
一般的にパクチーをメインに使う料理は少なく、どの国も風味をプラスする薬味として使用することがほとんどのようです。
ベトナムでは、卓上にもやしなどと一緒にフレッシュハーブを盛った皿が置かれています。そこにパクチーが入っており、自分の好みに合わせてちぎって料理に加えるという使い方が一般的です。
パクチーの歴史は古く、古代エジプトで調理や医療目的でコリアンダーが使用されていたという記録があります。また古代ローマでも薬草としてパクチーを使用しており、かの有名な医者ヒポクラテスも推奨していたと言われています。
好き嫌いが分かれるパクチー
パクチーの最大の魅力は、なんといってもあの独特の香りにあります。葉の部分は薬味として使用されるだけあって香りが強いのが特徴で、苦手な人からはカメムシのようだと敬遠されています。
パクチーが「カメムシソウ」とも呼ばれる理由は、この独特の香りから来ています。好き嫌いのわかれるパクチーですが、一度ハマるとやみつきになって抜け出せなくなるほど魅力の強いハーブです。
日本でパクチーブームが起きている
ここ数年、日本ではパクチーブームが続いています。「パクチニスト」と呼ばれるパクチーが大好きな人が急増しており、パクチー専門店も次々登場しているようです。
海外では薬味として使われるパクチーですが、日本ではパクチーをメインにした料理が多くあります。パクチニストには女性が多く、最近ではパクチーのスナック菓子やドリンク、お酒まで販売されおり、その人気はとどまることを知りません。
パクチーは健康と美容効果がたくさん!
香りや美味しさから人気のあるパクチーですが、健康や美容効果も注目されています。ここからは、パクチーの嬉しい効果効能について紹介していきます。パクチーの効果を知ると、パクチーが食べられない人でも口にしたくなること間違いなしです。
パクチーにはデトックス効果がある
パクチーを食べるとデトックス効果があると言われる理由に、パクチーが持つ硫黄化合物の「キレート作用」が大きく関係しています。キレート作用とは、体内に溜まった水銀や鉛などの有害物質を排出してくれる働きのことです。
有害物質だけでなく蓄積した老廃物を体外に排出する作用もあるため、健康や美容への高い効果が期待できるというのです。
美肌効果があるビタミンが豊富
またパクチーには、美容効果のあるビタミンB群やC、E、β(ベータ)カロテンが含まれています。これらのビタミンには、免疫力を高めて紫外線などから肌を守り、皮膚を健康な状態を保つ働きがあります。
そのため、パクチーは食べるだけで美容効果が期待できるハーブと言えるます。ただしビタミンCは熱に弱いため、美容のためにパクチーを食べるのであれば加熱よりも生のサラダなどがおすすめです。ビタミンB1には疲労回復効果もあるので、疲れが取れないという方にもパクチー料理は最適です。
アンチエイジング効果に期待できる
βカロテン、ビタミンC、Eには抗酸化作用があり、アンチエイジング効果も期待できます。抗酸化作用とは体内のサビや老化を抑制する働きのことで、ストレスや運動不足などで増えた活性酸素から体を守ってくれる作用があります。
紫外線を浴びて弱った肌にもパクチーの栄養成分は効果的です。抗酸化作用のおかげで、シミやそばかすなど肌のダメージが最小限に抑えられるでしょう。
ビタミンEは脂溶性なので、油を使った料理にパクチーを使うことをおすすめします。生のパクチーサラダにオイルドレッシングをかけるなど、ひと工夫するだけで効果的に栄養を摂取することができるでしょう。
女性ホルモンのバランスを整える
パクチーの香りには、リナロールやゲラニオールという成分が含まれています。実はこの香りには、女性ホルモンのバランスを整える働きがあると言われており、パクチーの香りをかぐと気持ちが落ち着いたり鎮静効果が働きます。パクチー好きに女性が多いのは、もしかすると香り成分が関係しているのかもしれません。
パクチーが苦手な人でも食べられるレシピ
ここからは、パクチーを使ったレシピを5つ紹介します。お店で食べることの多いパクチーですが、意外と簡単に自宅で調理できます。加熱すると香りが和らぐので、パクチーが苦手な方もぜひ挑戦してみてください。
パクチーの天ぷら
- パクチー適量
- 干しエビひとつまみ
- 天ぷら粉適量
- 水適量
- 揚げ油適量
- 耐熱容器に干しエビと水を入れ、電子レンジに軽くかけて戻します。パクチーは4cm幅にカットしましょう。
- 天ぷら粉を水で溶き、1の食材にまぶします。熱した揚げ油でカリッとするまで揚げたら1人分のレシピの完成です。
パクチーとザーサイの炒め物
- パクチー1束
- ザーサイ30g
- 白いりゴマ適量
- A塩小さじ1/4
- A砂糖小さじ1/4
- A黒こしょう少々
- A醤油小さじ1
- Aゴマ油大さじ1
- Aニンニクのすりおろし小さじ1/2
- ネギ20g
- パクチーは茎ごとざっくり切ります。ザーサイとネギも食べやすいよう刻んでおきましょう。
- フライパンにゴマ油を熱し、パクチーとザーサイを炒めます。ネギを加えてさっと混ぜてから火を止め、Aの調味料を加えて全体に味を行き渡らせます。器に盛り、白いりゴマを振ったら2人分のレシピの完成です。
鶏肉とパクチーのトマト煮込み
- 鶏もも肉400g
- トマト水煮缶(カット)1缶
- ニンニクのみじん切り5片分
- 生姜のすりおろし小さじ1
- パクチー1株
- Aクミンパウダー小さじ1
- Aターメリック小さじ1/2
- Aチリペッパー小さじ1/4
- A塩小さじ1
- サラダ油大さじ2
- 鶏肉はひと口大にカットします。フライパンにサラダ油とニンニク、生姜を入れて火にかけ、香りが立つまで炒めます。
- 鶏肉を加えてAの材料を入れ、火が通るまで炒め合わせます。トマト缶を加えてひと煮立ちさせ、味を調えたら皿に盛りつけます。仕上げに刻んだパクチーをのせたら4人分のレシピの完成です。
鶏ひき肉とパクチーの中華炒め
- 鶏ひき肉100g
- パクチー3~4把
- キャベツ1/8個
- ニンニク1片
- ゴマ油大さじ1
- Aオイスターソース大さじ1
- A黒酢大さじ1
- A醤油小さじ1
- パクチーは粗く刻み、トッピング用に葉を少しだけ取り分けておきます。キャベツも同様に刻みましょう。
- フライパンにゴマ油を熱し、みじん切りにしたニンニクを炒めます。香りが出たら鶏ひき肉、キャベツ、パクチーの茎を加えて炒め合わせます。
- Aの調味料を加え、パクチーの葉を入れてひと混ぜしたらレシピの完成です。
もやしとパクチーのタイ風サラダ
- もやし1袋
- パクチー適量
- レタス1枚
- ボイルエビ10尾
- Aナンプラー大さじ2と1/2
- Aレモン汁小さじ2
- A砂糖小さじ1
- A生姜のすりおろし小さじ1/2
- Aニンニクのすりおろし小さじ1/2
- A鷹の爪(輪切り)ひとつまみ
- もやしを耐熱ボウルに入れ、ラップをかけて600Wの電子レンジで3分加熱します。冷めたらしっかり水分を絞りましょう。
- パクチー、レタスは3~4cm幅にカットします。ボウルに入れ、エビ、もやし、Aの材料を混ぜたら2~3人分のレシピの完成です。
パクチーの食べ方と保存方法
次に、パクチーの食べ方や保存方法について紹介します。タイ料理だけでなくさまざまなレシピに活用できるパクチーですが、どのような食べ方が一番美味しいのでしょうか?パクチーのパーツごとにおすすめの食べ方を紹介しているので、ぜひレシピの参考にしてください。
葉の部分は薬味や和え物に
最もポピュラーな葉の部分は、薬味や和え物に利用するのがおすすめです。特に生のパクチーの葉はサラダやスープの香り付けにぴったりで、ちぎって加えるだけなので手間もかかりません。
例えばパクチーをサラダに入れると、清涼感のある香りが加わり一気にエスニックなタイ風サラダへと変化します。和え物にする場合も、生のパクチーをそのまま使うと良いでしょう。和えたばかりのパクチーはシャキッとした食感に、少し時間を置くとしんなりしてひと味違う歯応えが味わえます。
茎の部分は炒めものに
パクチーの茎は葉の部分と食感が異なるので、さっと加熱して炒め物にするのがおすすめです。もともと香り高いハーブなので、味付けはシンプルに塩こしょうなどでも十分美味しく仕上がります。
香菜として中華料理に使うのであれば、ニンニクとゴマ油、酒で炒めると香ばしい炒め物が作れます。また、細かく刻むと薬味として使うことも可能です。
パクチーの茎は甘みがあるので、葉と別にして食べると違いがよくわかります。香りも異なるため、パクチーが食べられないという人も、茎なら意外と食べられるかもしれません。
根の部分はスープやカレーの煮込み料理に
パクチーの根の部分は捨ててしまうという人も多いのではないでしょうか?パクチーというと葉っぱを食べるイメージが強いですが、根はスープの風味づけやカレー、ドレッシングの材料などに利用することができます。
パクチーの根は香りが控えめでシャキシャキした食感があるのが特徴です。タイでは根を料理に使うのが一般的で、細かく刻んでナンプラーやレモンと合わせるだけで、エスニックサラダに最適なドレッシングが完成します。
煮込み料理に使う場合は、ネギやレモングラスなどの香味野菜と一緒にパクチーの根を加えて煮込むと、香り高いスープが作れるでしょう。
パクチーの保存方法
パクチーの保存には冷凍と冷蔵、二つの保存方法があります。サラダやトッピングに使うのであれば冷蔵保存がおすすめです。パクチーを濡らしたキッチンペーパーで包み、ジッパー付き保存袋に入れて冷蔵庫の野菜室に入れれば、約2週間は保存が可能です。
すぐに使わない場合は、生のまま冷凍保存しましょう。まずパクチーを根と茎に切り分けます。葉っぱは刻んでジッパー付き保存袋に、根はラップに包んで冷凍室に入れたら約1カ月は保存が可能です。料理に使う時は凍ったまま使うことができます。
パクチーとコリアンダーと香菜の違い
最後に、パクチーとコリアンダー、香菜(シャンツァイ)の違いを見ていきましょう。いろんな呼び方がされるパクチーですが、コリアンダーと香菜で使い方や食べ方に大きな違いはあるのでしょうか?なかなか人には聞けないこれらの違いを詳しく紹介します。
三つとも同じ植物
パクチーとコリアンダーと香菜(シャンツァイ)、この三つは全く同じ植物を指しています。日本では、生で食べる葉っぱを「パクチー」、乾燥させたものを「コリアンダー」、中華料理に使うものを「香菜」と呼び分けています。
英語圏では「コリアンダー」
もう少し呼び方の違いについて見ていきましょう。コリアンダーという名前は、英語圏のパクチーの呼び名「coriander」が由来になっています。種子を乾燥させたコリアンダーは、カレーやピクルス、肉料理などさまざまな料理に使われています。
古い歴史を持つコリアンダーですが、英語圏へはローマ人がもたらしたと言われています。コリアンダーは葉のように香りが強くないため、ケーキやクッキーといったお菓子作りに利用されることも多々あります。
「パクチー」はタイ語
実はパクチーという呼び方はタイ語から来ています。タイのパクチー料理というと、葉の部分はサラダや生春巻き、茎は炒め物や鍋料理などが有名です。
日本で食べられているパクチーのほか、タイでは「パクチーファラン」という香りの強いパクチー、「パクチーラオ」というディルとしておなじみの香味野菜もポピュラーな存在です。
「香菜」は中国語
中国語ではパクチーの葉を香菜(シャンツァイ)と言い、スープや麺料理、お粥の風味づけなどに利用します。加熱して食べることも多いですが、地方によってはサラダなど生食する文化もあるようです。さまざまなスパイスを使う中華料理では、香菜も料理に欠かすことのできないハーブの一つと言えます。
気軽にパクチーを楽しんでみよう!
パクチーは、美味しいだけでなく健康や美容にも良い食材です。日本で市販されているパクチーは根がついていることが多いので、いつもは切って捨ててしまうという方も根っこの美味しさを味わってみると良いでしょう。
葉はサラダ、茎は加熱調理など食べ方を変えるといろんな味わいが楽しめます。パクチーが苦手な方でも天ぷらやカレーにすると香りが和らぐので、ぜひこの機会にパクチー料理を試してみてください。