パクチーとはセリ科の香味野菜!コリアンダーとの違いは?見分け方・使い方は?
パクチーとはコリアンダーとの違いがあるのか疑問に感じる方も多いです。今回はそんな方のためにパクチーとは何なのか、コリアンダーとの違いや見分け方、使い方や料理、匂いや味などについて紹介します。食べたことがないという方も参考にしてください。
目次
パクチーとは?
パクチーとはセリ科の一年草で、セロリ・パセリ・ミツ葉・フェンネルなどと同じ野菜の仲間です。その中でもパクチーは茎や葉に強い香りのある香味野菜の一つです。香味野菜とは料理の香りづけや風味づけに使われ味を引き立てるために用いられる野菜です。
近年、日本ではパクチー女子・パクチストといわれる人がいるほど人気上昇中でパクチー料理専門店ができるほど流行しています。ここではパクチーとはコリアンダーとどういう違いがあり、どういう見分け方や使い方をするのか、どんな栄養や効能があるのかなどについて紹介していきます。
コリアンダーやパクチーとは何語?
日本ではコリアンダーやパクチーとは馴染みのある名前です。もしかしたら、同じ香味野菜であることを知らない人は多いのではないでしょうか?コリアンダーは英語ですが国によって呼び方が違い、パクチーとはタイ語です。日本では1990年代頃からエスニック料理店が増えるとともにコリアンダーだけではなくパクチーという呼び名も定着してきたようです。
日本語ではコンエドロですが、現在ではこの呼び方はほとんど使われていません。コリアンダーやパクチーとは原産地は地中海沿岸で紀元前から使われていて、日本では平安時代の書物に記載があります。その頃には定着しなかったようですが、江戸時代に再び伝えられたそうです。
ちなみに他にも呼び名があり、中国では香菜(シャンツァイ、コウサイ)、ベトナムではザウムイ、インドではダニヤー、ポルトガルではコエントロ、中南米ではシラントロ、アメリカではメキシコからの移民が多いためコリアンダーよりシラントロと呼ばれています。
コリアンダーやパクチーとはどんな匂いがするの?
コリアンダーやパクチーとは葉や茎に強い香りのある香味野菜なので、香りにクセがあり苦手意識をもつ人が多いのではないでしょうか。でも、香りの好みは人それぞれなので、「臭くて食べる気にならない」という方から「すっきりしていい香り」という方までさまざまです。
そんなコリアンダーやパクチーとはどんな匂いがするのでしょうか?それはなんとカメムシに似ているといわれています。パクチーとカメムシには匂い成分の組成や比率は違いますが、似た成分が含まれているそうなのでカメムシに匂いが似ているというのも頷けます。
コリアンダーやパクチーとはどんな見分け方をするの?
コリアンダーやパクチーとは呼び名の違いがありますが、どの呼び名をされていてもコリアンダー属のセリ科の香味野菜に違いはありません。では日本で馴染みのあるコリアンダーとパクチーとは呼び名の違いによりどんな見分け方があるのでしょうか?
コリアンダーは主に種や葉を乾燥させてスパイスとして使うのに対して、パクチーとは主に生の葉を香味野菜として使うという違いがあり、見分け方のポイントになります。コリアンダーはコリアンダーシードやコリアンダーパウダーのようにスパイスとして店頭に置かれています。日本では香味野菜の使い方や状態により見分け方を変えているということになります。
コリアンダーやパクチーとはどんな使い方をするの?
コリアンダーやパクチーとはスパイスや香味野菜としてだけではなくて、ハーブティーやアロマ精油としての使い方もあります。コリアンダーのハーブティーは乾燥させた種子を使うので独特の香りは薄くなり、さわやかで飲みやすいのが特徴です。
アロマ精油は種子から抽出されていてスパイス系の香りでありながらウッディーさや柑橘系のような甘さの香りなので、芳香浴としても楽しめますし化粧品や石鹸などの原料としての使い方もされています。
コリアンダーやパクチーとはどんな味がするの?
コリアンダーやパクチーとは香りの強い香味野菜というだけではなくて、味にも独特のクセがあります。その味を表現するのは難しいのですが、しいていうならセロリのようなインパクトのある味で薬草のような苦みのある青臭い葉っぱといった感じでしょうか?これは実際に食べて実感してもらうのが一番です。
日本ではコリアンダーはスパイスとしての使い方をされるので味で好き嫌いが分かれることはあまりないですが、パクチーとは生の葉を香味野菜としての使い方をするので好き嫌いがはっきり分かれる場合が多いです。生では無理だけど火を通せば大丈夫という人もいるし、最初はダメだったけど食べているうちにやみつきになってしまったという人もいます。苦手だという人は食べなれないものだからかもしれないですね。
コリアンダーやパクチーとはどんな料理があるの?
コリアンダーシードやコリアンダーパウダーでスパイスとしての使い方をする料理といえば、やはり一番に思いつくのはカレーです。カレースパイスにはターメリック・クミンシード・ガラムマサラなどがあり、コリアンダーもブレンドされて苦みや甘みを引き出します。
パクチーのように生の葉を香味野菜としての使い方をする料理といえばタイ料理ではトムヤンクン、ベトナム料理ではフォーや生春巻き、中華料理では火鍋などです。日本のパクチーブームはパクチー山盛り・パクチージュース・パクチーアイス・パクチー丼など、おそらく他の国ではありえない使い方をされています。
そもそもパクチーはメインの野菜としてではなく、香り付けや彩りをよくするために入れたりする脇役で料理を引きたてるのが本来の使い方です。日本で小口ねぎ・三つ葉・パセリなどはそのような使い方をされています。なので、パクチーメインのお店があるのは日本のオリジナルではないでしょうか?
日本の食材ブームとしてのパクチーとはあまり長く続かないのかもしれませんが、パクチーのトリコにはまってしまった方にとっては嬉しい現状ですね。今は家庭でも作りやすいパクチー料理レシピがたくさん発信されています。
一番簡単なのは生のままモリモリ食べられるサラダです。パクチーのみでもいいし、玉ねぎやトマトなど他の野菜と混ぜてもおいしいですがドレッシングをどうするかが味の決め手になります。レモン・ナンプラー・オリーブオイル・塩コショウで作るドレッシングが人気ですね。熱を加える使い方より生の方がパクチーの栄養をしっかり摂ることができます。
コリアンダーやパクチーとはどんな栄養や効能があるの?
コリアンダーやパクチーとは香り付けや調味料としての使い方がメインですが、日本でこれだけ流行っているのは栄養や効能に注目している人が多いからです。パクチーの栄養素にはビタミンC、B1、B2、βカロテンやリン、鉄、カリウム、カルシウムなどを含みます。
パクチーは健胃や整腸作用があり胃腸の働きを助けてくれるし、近年の研究では重金属を体外に排出するというデータが出ています。デットックス効果が高く抗酸化作用もあるので美容面や健康面でも期待が集まっています。ただ、どんなに良い栄養や効能があるとしても食べ過ぎると毒にもなりえるので注意しましょう。
コリアンダーのアロマ精油は消化不良や食欲不振にも役立ちますが、d-リナロールという芳香成分がたくさん含まれているので、気持ちを落ち着けて精神を安定させる効能があります。不安やストレスが強いときに芳香浴やアロマバスなどでリラックスときにも役立ちます。
コリアンダーやパクチーとは家庭栽培できるの?
コリアンダーやパクチーとは日本でも栽培されています。以前は店頭で手に入れるのは困難でしたが、現在はブームもあり店頭でも見かけることが多くなってきました。好きな人はご自分で家庭栽培してみるのも楽しいですね。
コリアンダーやパクチーとはプランターでも栽培することができ、春か秋に種まきをして1~2ヶ月で葉が成長してきたら料理に使うときに収穫できます。生育適温は18~25℃くらいで日当たりを好み比較的育てやすいです。パクチーは害虫を防いでくれるコンパニオンプランツなので、他の野菜と育てるのも重宝します。コンパニオンプランツとは共生植物を意味していて、農薬を使わなくても相性のいい野菜などであれば上手く育ちます。
コリアンダーとパクチーの違いのまとめ
コリアンダーやパクチーとは同じセリ科の香味野菜であり、国によって呼び方に違いがあります。日本では種や葉を乾燥させてスパイスとしての使い方をしているのがコリアンダーで、生の葉を香味野菜としての使い方をしているのがパクチーと呼ばれていて、見分け方には香味野菜の状態や使い方の違いがあるということです。
パクチー女子やパクチストにとって好きなときに好きなだけコリアンダーやパクチーが手に入り料理に使える生活は嬉しいですね。家庭菜園でも手軽に育てることができるのでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?