じゃがいもが緑色に変色したのは食べれるか調査!緑の皮や部分の処理は?
じゃがいもの芽に毒素があることは多く人が知ってますが、緑色に変色した皮の部分にも同様に毒素があることを知っていますか?知らないで処理せずに調理をし、食中毒症状を訴える事例はいくつか報告されています。じゃがいもの皮が緑色に変色した場合に含まれている毒素の危険性や処理方法などを知ることで食中毒を防ぐことができます。そのじゃがいもの緑色の皮に含まれる毒素について、調理方法やや起こりえる中毒症状、調理方法や保存方法などを解説をします。
目次
じゃがいもの皮が緑に変色!食べれるの?
カレーやシチューなど様々な料理に使われているじゃがいもは、どんな味付けでも合わせることができる万能な野菜です。使い勝手がいい為、まとめて買って自宅で保存していることも多いのではないでしょうか?しかし、保存してしばらくすると芽が出ていることがあり慌ててしまうこともあると思います。じゃがいもの芽には毒があるという事は昔から言われており、食べない方が良いという事は広く知られています。
また、じゃがいもの皮が緑に変色しているのも見るととがあります。変色すると一瞬は驚きますが、芽が出ているわけではないのでとそのまま使ってしまう人もいるかもしれません。しかし、じゃがいもの緑の皮の部分にも毒素が含まれており、知らないで食べると食中毒を起こす危険性があると農林水産省でも呼びかけがされています。じゃがいもの緑の皮の部分にある毒については知らない人も多いのではないでしょうか?
じゃがいもの緑の皮に含まれる毒素について解説
じゃがいもの芽が出た時に毒があることが広く知られており、正しく処理することで食中毒をよぼうすることができます。しかし緑の皮に部分にも毒があることを知らないと場合によっては重篤な中毒症状を起すこともあり得るのです。じゃがいもの毒性はフグなどに比べると低いものではありますが、毎日食べることもある食材で食中毒をおこすこ可能性があると考えると、しっかりと知っておくことは不可欠です。
じゃがいもの緑の皮の部分に含まれる毒について、その症状や安全に食べるための処理方法、保存方法などを解説していきます。余り知られていないかもしれませんがじゃがいもによる食中毒は毎年報告されるなど、実は身近で起こっています。正しい知識を身に付けるために、ぜひ、参考にしてください。
じゃがいもについて
平成17年度の農林水産省の調査によると、日本国内で収穫されるじゃがいもは270万トンにも上り、そのうち80%は北海道で収穫をされています。じゃがいものが日本に伝わったのは江戸時代で、インドからもたらされたのが始まります。インドの「ジャワ」という呼び名から「じゃわいも」「じゃわたらいも」と呼ばれ、やがて、今の「じゃがいも」という名前になったとされています。
じゃがいもの原産は南米アンデス山脈の高地であるとされています。16世紀ごろにスペインよりヨーロッパにもたらされることになりますが、この時に船で運搬された際、芽の出たじゃがいもを食べて食中毒を起したため「悪魔の植物」と呼ばれていました。しかし、その栄養価は高く、用とも広いことから主食としても有用であったため、世界各国で盛んに栽培されるようになりました。
日本でも煮物などの料理に幅広く使われることから盛んに栽培をされています。いもというとでんぷんが主成分の為太るイメージですが、じゃがいも100gあたりのカロリーは84kcalとなっており、ご飯100gの168kcal と比べてもさほど高くないことが分かります。腹持ちがよく、少量でも満足感があるので、実はダイエットにも安心して食べれる食材なのです。
じゃがいもの緑の皮に含まれる毒素とは?
上記でも紹介しましたが、ヨーロッパに運搬される際に芽が出たじゃがいもを食べて食中毒を起こしたことがあることから、じゃがいもの芽には毒があるという事は古くから知られており、取り除いて食べるというのが当たり前になっています。しかし、実はそれ以外にもじゃがいもには毒となる部分があり、知らないで食べると中毒症状を起してしまうのです。
じゃがいもの芽に含まれる毒は「ソラニン」と「チャコニン」と呼ばれるものです。じゃがいもの緑の皮の部分に含まれているのも、芽と同じソラニンとチャコニンとなっており、じゃがいもの芽より毒性は低いものの全体に緑色に変色をした場合などは危険です。また、家庭菜園などで取れた未熟な小さなじゃがいものにもこのソラニンとチャコニンが含まれているので、収穫した時には注意が必要となります。
じゃがいもの緑に皮に含まれる毒「ソラニン・チャコニン」
じゃがいもの緑の皮の部分い含まれる天然毒素であるソラニンとチャコニンは、糖とアルカイドという成分からできている「グリコアルカイド」の一種です。光が当たったり、発芽する部分にはこのグリコアルカイドが多く含まれています。主に神経系に作用する毒素で、下痢や頭痛、吐き気といった症状を表すのが特徴です。また、このソラニンやチャコニンは苦みやえぐみといった味の特徴もあります。
じゃがいもの緑の皮の毒素には十分な注意が必要
日本では主食としてじゃがいもを食べるという事がないので、このソラニンとチャコニンによる食中毒の事例はあまりなじみがないかもしれませんが、じゃがいもを主食とする海外の国ではじゃがいもによる食中毒は時々起こる事例です。中毒性としてはあまり高いものではありませんが十分な注意が必要となります。
じゃがいもの緑の皮を食べてしまった場合
じゃがいもの芽以外にも含まれている毒のことはあまり知られていないのか、国内でも食中毒の事例はいくつか報告されています。事例の一つを参考に紹介します。
平成18年7月、都内の小学校で、理科の実習用に校内で栽培したジャガイモを、調理員が皮付きのまま茹で、それを食べた132人のうち児童75人と教師2人が、腹痛、吐き気、喉の痛み等の症状の食中毒を起こしました。
小学校に残っていた茹ジャガイモ2個と、参考品として同一の畑に残っていた生のジャガイモ2個を、東京都健康安全研究センター食品化学部食品成分研究科で検査したところ、ジャガイモの皮や芽に多く含まれるソラニン類が高濃度に検出され、これが原因であることが分かりました。
実はこれ以外にも小学校で栽培をし調理をした際に食中毒を起こしたという事例は、いくつか報告をされています。子供は大人より体制が低く、ソラニンやチャコニンといった毒も大人の1/10の量を摂取すると中毒となってしまうのです。ですのでじゃがいもの調理には十分な処理が必要となります。
じゃがいもの緑の皮を摂取した場合の中毒症状
じゃがいもの緑の皮の部分に含まれるソラニンやチャコニンを摂取し直中毒となる場合は、その症状は30分後から24時間以内にあらわれてきます。食後2時間ぐらい経つと、口の渇き、幻覚、痙攣、発熱などの症状が現れ、その後24時間以内に、頭痛、嘔吐、下痢、腹痛などの症状が現れます。じゃがいもの食中毒の場合は市販薬などはきかないので、すぐに受診をしましょう。
じゃがいもの緑の皮に含まれる毒素で死に至ることもある
幸いじゃがいも芽やの緑の皮の部分に含まれているソラニンやチャコニンは排出が早い為、快方に向かう場合が多いようですが、時に重篤な症状に陥ることもあります。農林水産省ホームページではじゃがいもの毒で死に至ることもあることを注意喚起しており、耐性があまりない小さな子供のなどには十分な注意が必要となります。もし、摂取した場合は様子をよく観察し、必要であれば病院に行って受診することが大切です。
芽や緑の皮だけでなく未熟な実にも注意
じゃがいもから芽が出ていたり、皮が緑に変色していた利した場合には異常に気が付きやすいですが、以外に見落としがちなのが、家庭菜園や学校で栽培したときに摂れる未熟なじゃがいもです。未熟な小さなじゃがいもは他のじゃがいもと比べても緑化するスピードが速く、危険な状態になりやすいとされています。食べるとえぐみや苦みがある場合には、無理せずに処分して食中毒を予防しましょう。
じゃがいもの緑の皮の毒素を消す調理方法
じゃがいもの皮の剥き方ですが、緑色に変色が無い場合は普通に剥いて調理します。芽がある場合は包丁で丁寧に取り除いてください。ピーラーを使用する場合も同様に芽を取るようにしましょう。芽を取る場合は、芽の周辺2、3mm程度、深さは3~5mm程度を目安にしっかりと取り除いてください。包丁の付け根の葉の部分を使ってえぐるように取り除きます。
じゃがいもの皮が緑に変色をしている場合にはその部分を厚さ1mm程度皮をむきます。もし、それでも緑の部分がある場合はもう少し厚めに剥いてしっかりと緑の部分を取り除いてください。もしまだ残るようであれば、切ってみて中まで緑の部分が無いかを確認し、もし中も緑色であるようであれば、そのじゃがいもに関しては食べない方が安全です。
また、ソラニンやチャコニンといったじゃがいもの毒素は水にさらすことで毒をが溶け出してしまうことが分かっています。じゃがいもの変色を防ぐために水にさらすことは、毒素を取り除くという意味でも有効ですので、皮をむいて芽や緑の部分の処理が終わったら、水にさらしておくと効果的に毒素を取り除けるので必ず実行しましょう。
じゃがいもに含まれるソラニンやチャコニンは蒸したり湯がいた入りしても分解はしません。ですので、芽が出ている場合は芽をしっかりと取り除き、皮が緑に変色している場合は皮を厚めに剥いて毒素の部分を取り除くのが一番効果的です。170度以上の高温の油で揚げると毒素が分解するという説もありますが、農林水産省によりますと、高温の油で揚げた場合でも毒素は減らすことはできないとされています。
じゃがいもを切ったら変色していた場合
じゃがいもの皮が緑に変色するのは見てすぐにわかりますが、切ってみて初めて変色に気が付く場合もあります。驚くと同時に、これも毒があるのかと心配になる人も多いかと思います。じゃがいもは様々な影響で変色がしやすい野菜です。切ってみて変色が分かった場合の原因などについて説明します。
切ったら中が茶褐色または黒色
じゃがいもが生育途中に何らかの影響を受けることににより、中心空洞、または黒色芯腐という症状を起すことがあります。どちらも見た目での変化は気が付きにくく、切ってみて変色に気が付きます。急激に肥大して中心部分にたんぱく質が不足したり、水分のストレスが原因で、どちらも毒性はなくその部分を取り除けば食べることが可能です。
切り口が黒く変色する
じゃがいもを切ってしばらく放置しておくと切り口が黒く変色することがあります。この変化はリンゴの切り口が黒く変色する場合と同じで、その原因はポリフェノールです。ポリフェノールは空気にさらされると黒くなるという性質があり、じゃがいもに含まれるポリフェノールが空気中に晒されたことによっておこった変化ですので、こっちらの場合も問題なく食べれます。水につけておくとこういった変色を防ぐことがでます。
じゃがいもを切ったら薄紫だった
じゃがいもを切ってみたら薄紫、また葉ぴんくだったということもあります。普段目にするじゃがいもの色は薄いベージュっぽい色ですので、ピンクだと毒かもしれないと考えるかもしれません。この変化はじゃがいもが生育途中で低温障害になったという印です。この色素はイチゴといったフルーツや野菜が赤くなる色素と同じものですので毒性はなく、普通に食べることができます。
切ってみて見慣れない色に変色がしていると食べれるか不安になりますが、ここで紹介したような変色であれば問題なく食べることができます。しかし、食べる時に、えぐみがある、苦みがあるといった味は毒素であるソラニンとチャコニンが含まれている証拠ですので、口入れて味の変化があった時は食さずに処分するほうが安心です。
じゃがいもが緑になるのを防ぐ保存方法
じゃがいもの芽や緑に変色した部分に含まれる毒素による食中毒を予防するのには、使う分だけ購入するというのが一番の方法です。しかし、家庭菜園などでたくさん採れたり、頂いたりした場合は保存する必要があり、適切に保存することで緑に変色したり芽が出るのを防ぐことができます。
じゃがいもは冷蔵庫での保存には適していません。冷蔵庫で保存をした場合はざらざらとした食感になり、風味も変わってしまいます。じゃがいもを保存する上で一番のポイントは光を遮ることです。こうすることでじゃがいもが光合成することを防ぐことができ、緑に変色すのを防ぐことができます。また、じゃがいもは湿気を嫌いますので、風通しの良い場所で保存するようにしてください。
まず、じゃがいもは出来れば一個ずつ新聞紙にくるみます。もし大量にある場合はダンボールなどの底に新聞紙を引き、じゃがいもを入れその上を新聞紙で覆うようにして保存します。新聞紙が湿気るようであれば交換するようにしてください。冬場ならこの状態で1か月程度は保存が可能となっています。
保存する際に、りんごを一緒に入れておくとじゃがいもの芽が出るのを効果的に防ぐことができるのでおすすめです。長期保存の際はりんごがしわしわになってしまいますので、時々取り換えるようにしてください。しわしわになったリンゴでは効果が無くなってしまい、またリンゴ自体が腐敗した場合はじゃがいもにも影響するので注意してください。
じゃがいもの緑の皮は処理して食べるようにしよう!
じゃがいもの皮が緑になった時に含まれている毒素や、中毒症状、処理の方法などを解説しました。じゃがいもの芽には毒素があることは広く知られていることですが、緑に変色した部分にも同じ毒素があることを知らない人は意外にいると思います。また、そのことが原因で実際に食中毒の事例も発生しています。じゃがいもを保存する際は光を遮り、緑になった皮の部分や芽はしっかりと取り除いて料理することが大切です。