2018年12月22日公開
2024年08月25日更新
ニベとイシモチの違いは?美味しい食べ方・旬の時期も紹介!
ニベとイシモチの違いを知っていますか?塩焼きや鍋、高級蒲鉾の材料にすると美味しいニベとイシモチは、同じスズキ目ニベ科に属しており、その特徴が似ていることと、地方によって名前が違いがあることから、非常に混同しやすい魚の一つです。本記事ではニベとイシモチの違いについて、それぞれの異なる特徴を挙げながら解説しています。また、ニベとイシモチの旬の時期や、煮つけや鍋など美味しい食べ方についても紹介しています。
ニベもイシモチも同じ仲間の魚
ニベとイシモチの違いについて正確に知っていますか?淡白な白身に、タイの代用魚としても用いられる旨味と柔らかさが特徴のニベとイシモチは、外見が似ており、名前も地方によって違うことから大変混同されやすい魚です。実はニベもイシモチも同じ仲間の魚で、どちらもスズキ目ニベ科に属しています。本項ではニベの特徴について、またニベがイシモチと呼ばれるようになった理由や、ニベとイシモチの違いを紹介します。
ニベの特徴について
スズキ目ニベ科ニベ属のニベは、宮城県松島湾以南、日本海側では新潟県以南から東シナ海に掛けて外洋に面した沿岸部に広く分布している海水魚です。比較的水深の浅い砂泥底の底層に生息しています。ニベは漢字で書くと魚へんに兎と書くのですが、イシモチなど、同じニベ科で異属の魚が日本各地で「ニベ」と呼ばれることがあります。
ニベはその身の特徴が淡白で上品な美味しい白身であることとともに、皮が厚くて硬く加工がしやすい特徴から、古くから高級蒲鉾など練り製品の材料としてよく使われてきました。ニベはまとまって数が多くとれないことから関東の市場ではあまり見かける魚ではありませんが、鮮度が良ければ真鯛に負けないほど美味しいと言われています。
ニベが「イシモチ」と呼ばれる理由
ニベは地方によって「イシモチ」と呼ばれることがあります。イシモチもニベと同じくスズキ目ニベ科の魚で、どちらも頭部に「耳石(石)を持つ」特徴があることからイシモチと呼ばれているのです。ニベの頭をさばくと出てくる比較的大きな白い耳石は炭酸カルシウムの結晶です。
一般にイシモチと呼ばれる魚は同じニベ科シログチ属の「シログチ」を指すことが多いです。ニベもシログチも「ニベ」と呼ばれ、外見上の特徴が大変似ているので混同されがちです。ニベは外洋に面した浅瀬で生息していますが、イシモチ(シログチ)は内湾にいることが多いと言われています。ニベとイシモチ(シログチ)では生息地域についても違いがある点はぜひ覚えておきたい知識でしょう。
ニベとイシモチの違いの見分け方
ニベとイシモチ(シログチ)の違いについて、その特徴の見分け方を紹介します。どちらもパッと見た外見はよく似ていますが、その違いを判別するのは比較的簡単です。ニベのほうは全体的に黒い斑紋があり、イシモチ(シログチ)のほうは黒斑の特徴がなく全体的に白銀の姿をしています。黒っぽいのがニベ、光沢があって白っぽいのがイシモチと覚えておくといいでしょう。
また、もう一つニベとイシモチ(シログチ)を見分ける特徴としては、尾びれの形に違いがあることも知られています。ニベの尾びれはダイヤマークを半分に切ったような形、イシモチ(シログチ)の尾びれはうちわを広げたような形が特徴です。尾びれの形が違うこと、斑点の有り無しで見分ける他には、顏の表情が異なるという釣り人もいますが、これはよほどニベに詳しくない人でないと難しいかもしれません。
ニベの美味しい食べ方と旬の時期
本項ではニベの美味しい食べ方と、ニベの旬の時期について紹介しています。高級蒲鉾の材料にされ、新鮮なニベはタイの代用魚として用いられるほど上品な味わいのニベは、塩焼きや鍋などにすると絶品です。ニベの淡白な白身は火を通すとふわっと柔らかくなり、癖のない旨味が特徴的です。ぜひニベの美味しい食べ方と、もっともニベが美味しくなる旬の時期を逃さず食べてみてください。
ニベの旬の時期
ニベは比較的一年を通して獲れる魚ですが、もっとも旬な時期というと初夏から夏にかけてと言えるでしょう。5月から8月にかけてニベは産卵期に入るため、産卵の体力をつけるため荒食いをします。その結果、この季節のニベは脂が乗って旨味が増して美味しくなるのです。機会があれば旬の時期の脂の乗ったニベの刺身を食べてみてください。旬のニベの刺身はタイをも凌ぐ旨さでで、最高の食べ方を堪能できるでしょう。
ニベは塩焼きや煮付けにして柔らかい身を楽しむ
ニベの美味しい食べ方としては、塩焼きや煮付けで柔らかい身を楽しむという方法もおすすめです。新鮮なニベは生のままだと白身が締まっておりこりこりした食感が味わえますが、熱を通すとほっこりと柔らかい食感に変化します。シンプルな塩焼きは皮目にも風味があってほぐしやすく、老若男女問わず好まれる食べ方と言えるでしょう。包丁の背で鱗をはがし、内臓を取ってから塩焼きにします。
ニベは煮付けにしても美味しくいただけます。醤油で煮つけても身はかたくならずほぐしやすいです。味がよくしみるように包丁で切れ込みを入れて、一尾丸ごと煮つけると見た目もタイの煮つけのように豪華な仕上がりになるのでおすすめです。
ニベは刺身するともっちり美味しい
先にも述べましたが、ニベは刺身にすると大変美味しい魚です。ニベは足が早く、新鮮なニベは市場では出回りにくい魚の一種です。ですから、一般的には活け締めでなければ食べられないのがニベの刺身であり、ニベの造りはとてもぜいたくな食べ方と言えるでしょう。ニベを食べられる貴重な機会があればぜひ、もっちりと美味しいニベのお刺身を食べてみてください。タイに勝るとも劣らない絶品の味を堪能できるでしょう。
ニベは鍋にして野菜と一緒に美味しい
ニベは鍋の具材にするのもおすすめの魚です。鍋にするときは昆布と共にニベのアラを利用して出汁にするのがおすすめです。旨味たっぷりのニベの出汁がスープでて、いっそう美味しい鍋になること間違いなしです。ニベ自身も火を通してふわふわになった白身の食感が絶品です。鍋に入れる具材の魚として有名なのは、高級魚クエがありますが、ニベ鍋はクエ鍋にも負けない美味しさと口コミでも評判です。
ただ、ニベを鍋の具材として入れるときは、火の通し過ぎには十分注意しましょう。鍋のなかでニベに火を通し過ぎると身が少し硬くなってしまいます。身が硬くなる前に鍋からひきあげ、ふわふわのうちにニベを味わうのがおすすめです。またニベは白身とともに、浮き袋や肝をいれて食べるのもおすすめです。ニベの上品な味わいと旨味が野菜に移って、どちらも美味しく食べられます。
ニベやイシモチで美味しい料理を作ろう
ニベやイシモチの身は白身で淡白な味わいが特徴です。淡白で上品な旨みがあるニベ、イシモチはさまざまな料理に活用することができます。癖のない味わいは調理しやすい魚と言えるでしょう。本項ではニベやイシモチを使った美味しい料理レシピを紹介しています。熱を通すとふんわりと柔らかくなるニベやイシモチを、絶品料理で堪能してみてください!
洋風味付けも絶妙「イシモチのムニエル」
ニベやイシモチで作る美味しい料理レシピ、最初に紹介するのは「イシモチのムニエル」です。淡白なニベやイシモチの白身は洋風の味付けにも良く合います。さっぱりした風味にバターのコクがぴったりと合うおしゃれな一皿になります。ニンジンやブロッコリー、ズッキーニなど、カラフルな野菜をいっしょにソテーすれば見映えがとても良くなり、おもてなし料理にもおすすめです。
- ニベ(2切れ)
- 塩コショウ(適量)
- 小麦粉(適量)
- バター(20g)
- クレイジーソルト(適量)
- 白ワイン(4分の1カップ)
- レモン
- ニベの皮目に切れ目を入れ、両面塩コショウをしてなじませ全体に軽く粉をまぶす
- フライパンに半量(10g)のバターを入れて熱したらニベを皮目から焼く
- 中火で良い焼き色になるまで焼き、裏返して火を少し弱め火が通るまで焼く
- 焼けたらニベを皿に取り、フライパンの汚れをさっとぬぐって残りのバターを溶かす
- ワインを入れレモンを絞ってクレイジーソルトで調味しソースもできあがり
ふっくら身が柔らか「ニベの煮付け」
イシモチやニベで作る美味しい料理レシピ、続いて紹介するのは、ふっくらと柔らかい身を楽しめる「ニベの煮付け」のレシピを紹介します。和食の魚料理では定番煮つけですが、手間いらずで簡単に美味しく作ることができます。調味料の分量、配合もとても分かりやすいので是非覚えてしまいましょう。ニベの煮つけはじっくり煮つけても身が硬くならず美味しく食べられます。
- ニベ(4尾)
- 生姜(1かけ)
- 水(1カップ)
- 醤油、みりん、酒、砂糖(各大さじ1)
- ニベは鱗と内臓を取り、よく水洗いしてキッチンペーパーで水気をとっておく
- 生姜は皮をむき、スライスして調味料と共に鍋でひと煮たちする
- 鍋が沸騰したらニベを並べ、落し蓋をして煮る。火が通って味がなじんだら完成
ニベは淡白で美味しい料理にして食べられる!
ニベは高級魚タイにも負けない淡白で上品な味わいが特徴の海水魚です。今回はニベの基本的な知識から、イシモチとの特徴的な違い、味わい方、食べ方の紹介まで特集しました。市場にはなかなか出回らないニベを幸い手にすることができたら、ぜひ美味しい料理にして食べてみましょう!