2022年04月28日公開
2024年11月22日更新
もうかさめがまずいといわれるのはなぜ?下処理の方法やレシピを紹介
もうかさめがまずいといわれるのはなぜか解説します。もうかさめがまずいといわれる理由や、アンモニア臭はあるかなどの身の特徴、下処理の方法などもまとめています。塩漬けやムニエルなど美味しいレシピも紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。
目次
もうかさめはアンモニア臭がしてまずい?
もうかさめとは、東北や北海道でよく食べられており、ネズミザメとも呼ばれています。サメの身はアンモニア臭がして、まずいといわれることが多いです。しかし、もうかさめは、アンモニア臭が比較的少ない種類になります。
本記事では、もうかさめがまずいと思われている理由や特徴、下処理の方法について解説します。美味しいレシピも紹介しているため、購入した時の参考にしてください。
もうかさめの特徴とまずいと思われている理由
もうかさめは、東北や北海道で食されている食べ物です。ここでは、もうかさめの特徴や栄養成分、まずいと思われている理由について詳しく解説します。
特徴
もうかさめは別名ネズミザメといい、淡泊な味わいで白身魚のように柔らかく、少し弾力のある身が特徴です。サメはアンモニア臭がしてまずいため、あまり食用には向かないといわれています。
しかし、もうかさめは他のサメと違い、アンモニア臭が比較的少ないです。水揚げ量の多い気仙沼港に近い東北や、北海道でよく食されています。
旬の時期は特になく、年中食べることが可能です。冷たい海水を好むため、南下する冬に流通量が増える傾向にあります。
もうかさめに旬の時期は特になく、一年中流通しているのが特徴です。しかし、もうかさめは冷たい海水を好むため日本の春や夏の時期は北上しており、冬になると南下してくるという季節回遊を行うことが知られています。
栄養成分
もうかさめは、たんぱく質やビタミンB、DHAなどが豊富で、ヘルシーな食材です。体長は3mを超えるほど大きく、ホオジロザメに似た外見をしています。鉄分も豊富に含まれているため、貧血予防にも効果が期待できるでしょう。
他の魚より低カロリーであるため、ダイエット中の食事にも、役立てることができます。青魚に含まれるDHAは、体の中で作ることができない栄養成分です。血液をサラサラにする働きや脂肪燃焼、記憶力や集中力の維持など、さまざまな効果が期待できます。
もうかさめがまずいと思われている理由
もうかさめは、他のサメよりもアンモニア臭が少ない種類です。サメやエイは、体の中で生成したアンモニアを尿素に変え、排出せずに溜め込む性質を持っています。その性質が、海浸透圧の調整をするために、役立っているのです。
また、尿素を溜め込むメリットとして、体を浮きやすくする働きがあります。捕獲し時間が経過すると、尿素は微生物によって、アンモニアに分解されてしまうのです。アンモニア臭いといわれるのは、そのためです。
したがって、できるだけ新鮮なうちに、食べることをおすすめします。もうかさめがまずいと思われている理由は、捕獲から時間が経過し、アンモニア臭が出たためです。あるいは、単純に淡泊な味のためでしょう。
もうかさめの下処理方法とおすすめの食べ方
もうかさめは、身だけでなく心臓や皮まで食べることができます。ここでは、美味しく食べるための下処理方法や、おすすめの食べ方などを紹介します。
下処理方法
もうかさめはアンモニア臭が比較的少ないため、下処理をしない場合もあります。しかし、丁寧に下処理をすると、より美味しく食べることができるでしょう。
下処理方法は、切り身に塩やお酒を振ってから、約5分ほど時間を置きます。そして、キッチンペーパーで水分を、しっかりと拭き取ってください。また、湯通しすると、臭みを取ることができます。時間がない場合は、湯通しするだけでも良いでしょう。
おすすめの食べ方
おすすめの食べ方は、フライやムニエル、唐揚げなどです。もうかさめの切り身は、きれいな薄いピンク色をしています。切り身はしっかりした肉質をしているため、煮崩れしにくく煮付けにしても良いです。
白身魚や鶏肉のような食感があり、揚げ物にすると美味しく、人気の高い調理法です。味が淡泊なため、味気なくまずいと、いわれることもあります。そのため、濃いめの味付けにすると、美味しく食べられるでしょう。
もうかさめは身以外も食べられる
もうかさめは、身だけでなく皮や心臓、ヒレなどを食べることが可能です。新鮮なものであれば、心臓をお刺身にして食べることができます。丁寧に下処理をし、薄くスライスしたものを、にんにく醤油や生姜醤油などにつけて食べると絶品です。
お刺身に抵抗がある場合は、コリコリした食感の塩焼きに、調理することをおすすめします。もうかさめのヒレは、フカヒレの材料としても食べられています。
もうかさめの人気レシピ
他のサメと違ってアンモニア臭が比較的少ないため、さまざまな料理に活用することができます。ここでは、美味しいもうかさめの人気レシピを3つ紹介します。
もうかさめの塩漬け
もうかさめの塩漬けは、栃木県など海のない地域で、保存食として大変重宝されています。塩漬けは、簡単に作ることができるレシピです。1口大にカットした身をジップロックに入れて、好みにより塩とお酒を加えて揉み込みます。
そのあと、少なくとも半日~1日は冷蔵庫で放置しましょう。塩やお酒の量は、体調や好みに合わせて調節してください。
フライパンやオーブンなどで焼くと、ご飯のおかずやお酒のつまみに最適です。塩麴で揉み込むと、マイルドでやさしい味に仕上がるためおすすめです。
もうかさめのムニエル
ムニエルは、淡泊な味のもうかさめにおすすめの調理方法です。最適な大きさにカットして、切り身に塩コショウをまぶし、少しだけ時間を置きましょう。小麦粉もしくは片栗粉をまぶした後は両面焼き、料理酒を入れて蒸し焼きにしたら完成です。
お皿に移してバターとレモン汁を入れると、コクと柔らかい食感を堪能できます。小骨がほとんどないため、小さな子供でも食べやすいでしょう。
料理酒でなく、日本酒や白ワイン、ブランデーなどで蒸し焼きするのもおすすめです。もうかさめは安く手に入るため、ムニエルなどさまざまな料理に活用できる食材です。
もうかさめの唐揚げ
もうかさめの唐揚げは、お肉と間違えるほど美味しく仕上がります。鶏肉の唐揚げは冷めて硬くなると、まずいという人もいるでしょう。しかし、この唐揚げは冷めても柔らかく、ダイエット中のおかずとしても重宝します。
小骨がほとんどなく、子供にもおすすめの揚げ物料理です。にんにくや生姜、お酒、醤油に漬け込み、10~30分ほど時間を置きます。定番以外には、浅漬けの素や白だしで下味をつけてもよく合います。
焦げないようにするポイントは、170度で1度揚げてから、180度でサッと2度揚げすることです。焦げやすいため、揚げる時は注意してください。
もうかさめは鮮度が落ちるとまずいが新鮮だと美味しい
もうかさめがまずいと思われる理由は、アンモニア臭と淡泊な味のためです。しかし、もうかさめは、他のサメに比べるとアンモニア臭をあまり感じません。そのため、食用として重宝されています。
また、心臓は気仙沼で「もうかの星」と称され、幻の珍味といわれています。スーパーやネットなどで、新鮮なもうかさめを購入する機会があれば、ぜひ本記事を参考にして食べてみてください。