じゃがいもの冷蔵庫保存は危険?日持ちや黒く変色する理由を調査!
野菜で美味しいものの中に、新じゃがいもが挙げられると思います。しかし、気温の変動が激しく、保存の仕方に困惑していらっしゃる方も多いでしょう。「暑いから冷蔵庫に入れないと…」実はその行為、実は間違っている可能性が?今回は何故、冷蔵庫にじゃがいもを保存してはいけないのか?じゃがいもが黒く変色する理由とは?そしてじゃがいもが日持ちする良い方法は?様々な観点からじゃがいもの保存の仕方について、日持ちする保存方法を教えます!
目次
野菜の人気者のじゃがいもは冷蔵庫とは相性が良くない?
3月から5月にかけて美味しくなる野菜、新じゃがいも。皆様も一度は口にした事があると思います。主婦の方ならよく知っていることとは思いますが、じゃがいもはすぐ、変色したり芽が出たりして、保存方法に困惑されている方も多いはずです。じゃがいもは結構デリケートな野菜です。だからこそ、正しい保存方法を知っておくのが大事なのです。今回は様々な観点から保存方法や変色の原因をまとめました。
じゃがいもを冷蔵庫で保存するのはあり?なし?
最初は冷蔵庫保存についての疑問です。ここ数年季節の変動が激しい日本。腐らせないために、と冷蔵庫に入れる方も多いでしょう。しかし「野菜は育った環境に近い状態で保存するのが良い」と言われるように、実はじゃがいもを冷蔵庫に保存するのは、不向きなのです。その原因はなんと、じゃがいもに起きる化学変化にあったのです。
1.冷蔵庫の保存はじゃがいもが危険な物質を生んでしまう?
英国食品基準庁FASによると、生のじゃがいもは冷蔵庫で保存すると危険だと記しています。その原因に生のじゃがいもは冷蔵庫で保存すると、でんぷん質が糖質に変化し、焼いたり揚げたりする時に糖質がアスパラギンと結合し、身体に危険なアクリルアミドという、化学物質を生み出してしまうからです。聞いた事ない言葉ばかりでしょうが、実はこれがすごく人に危険な事を次で説明します。
2.冷蔵庫のじゃがいもが発がん性物質?アクリルアミドとは?
アクリルアミドは紙・染料・プラスチック類に含まれている化学物質です。しかし研究の結果、高温で焼いたり揚げたりした調理の際に含まれる事が判明しています。アクリルアミドは毒物及び劇物に指定されるぐらい危険な物で、発がん性が含まれています。PRTR法の第一種指定物質にもなっており、ネズミを使った研究では、アクリルアミドのせいで幾つかのがんに侵された、という研究結果もあります。
3.しかしアクリルアミドについては研究が進んでいない
アクリルアミドが危険だと警鐘を鳴らされている反面、アクリルアミドにはまだ不明瞭な点も多いです。アクリルアミドは製造過程や使用原料により、大きな個体差が生まれるため、現段階では危険とは言い切れません。また、世界保健機関(WHO)・国連の食品農業機関(FAO)などでは、もっと調査の必要があるといわれており、人体への危険性も不明瞭なのです。だから左程杞憂する事はまだありません。
しかし一般的に市販家庭関係なく、揚げたじゃがいも料理・焼いたじゃがいも料理にはアクリルアミドが多いようなので、あまりにも過度な食べ過ぎには気を付けましょう。基本的にこれらの料理は、カロリーも高い上に、糖質の摂り過ぎになるため、美容にも健康にも良いとは言えなくなってしまいます。
4.結局のところは冷蔵庫に入れたら駄目なの?
結論から申し上げると、夏場以外はできるだけ避けた方が良いです。倉庫や地下などの光が当たらなくて、風通しの良い所に置くと良いです。とはいえ、どうしても置く場所がない時は、冷蔵庫よりも実はもっと身近に良い場所があるのです。
5.じゃがいもを入れるなら冷蔵庫よりも野菜室がおすすめ
冷蔵庫に入れるよりも比較的おすすめなのが、野菜室。しかし注意点もあります。まず野菜室は8℃以上が保たれる空間である事。それから入れる際には、できるだけ通気性の良い段ボールや、紙袋で緩く密閉する事です。温度は勿論通気性が良くないと、あんまり日持ちしなくなるので注意が必要です。
じゃがいもが黒や緑に変色!実はそれぞれ原因が全く違う?
次はじゃがいもの変色に関する話題です。黒や緑に変色したじゃがいもは、何となく健康面を心配しがちです。しかし黒と緑の変色の原因は理由も対策方法も全く違うのです。違いについて改めて知ってみましょう。
じゃがいもが黒く変色!実は女性の肌のように敏感だった
まずは黒色に変色する理由について。購入した時は何ともなかったじゃがいもが、黒色に変色する理由は、簡単に言うと、じゃがいもが酸化して色素を生成してしまうからなのです。これは褐色反応と言い、他の野菜や果物でも同様の現象が見られます。じゃがいもの場合は少し生成のされ方が違うのです。
黒くなるのは酸化のせい!じゃがいもが黒くなってしまう仕組み
一般的な褐色反応は酵素が関係していますが、じゃがいもの場合はチロシンが関係しています。チロシンが空気中に触れると、酸化されてしまい、その結果黒くなるのです。この黒いのはメラニンという色素で、実は女性の肌にシミができるように、じゃがいももメラニンで、シミが沈着してしまったような状態なのです。尚、メラニンには毒性がないため、食べる事は可能です。風味を損ないたくない人は剥がすと良いでしょう。
黒く変色するのを予め防ぐ事はできるの?
黒く変色する原因となるチロシンは、水に溶ける性質を持っています。なので皮を剥いたら素早く水の張ったボウルにさらすをおすすめします。水はじゃがいもが水に隠れるぐらい入れて、5分から10分が目安です。すると変色を防ぐだけでなく、炒め物や揚げ物の仕上がりも良くなるので、じゃがいもは水にさらした方が無難です。
もしかしたら病気や不調のせい?初めからじゃがいもが黒い場合
上記の画像のように初めから黒くなっていたり、黒い傷のようなものができている時があります。上記の場合は発育条件が悪くて黒くなっただけなので、品質的にはあまり問題はありません。しかし下記のような黒い傷だったり、明らかに不気味な物は病気の可能性があり、風味や舌触りに影響があるため、料理にはあまり向きません。健康上の心配についても不明瞭なため、諦めましょう。
尚、あまり事例は見受けられないため、普段は気に掛けなくても心配ありません。実際は業者さんの方が厳密に判別しているため、このようなじゃがいもがある事はあまりありません。しかしあくまでも人の手の作業の場合、限界もありますし、切断してからでないと分からない場合だってあります。なのでまずはその程度で怒りを露にせず、冷静に生ごみの処理をしましょう。
危険!じゃがいもが緑色に変色したのは絶対に食べてはダメ
次に緑色の変色についてです。芽の出たじゃがいもは芽を取るように言われているように、緑色に変色したじゃがいもの方が危険です。この緑色は芽と同じ毒素「ソラニン」と言い、食べてしまうと頭痛や腹痛・嘔吐・下痢などの原因になってしまいます。変色する原因は光によるもので、微弱な光でも長時間浴び続けると、こうなる場合があるのです。
緑色に変色させたくないならとにかく保存期間中に光を遮る事
じゃがいもを緑色に変色させないためには、とにかく光を遮る事が大事です。冷暗所に置くのは当然として、光を遮るには段ボールがおすすめです。通気性が比較的良く、ガムテープで密閉しなくても、上に何かふたの重しになるものを乗せれば、これで大分光は遮る事ができます。また予め土の付いているじゃがいもは、緑色かどうか確認しづらいので、慎重に見極める事が大事です。
緑色に変色したじゃがいもは危険なのであまり食べないように
基本的にどんなに剥いても、薄緑が残るじゃがいもは食べない方が安全です。剥いてみて緑色が残らなくても、あまり食べるのはおすすめしません。何故なら、緑色に変色した毒素は加熱しても解毒されないからです。どんなに長時間煮込んでも、やはり解毒は不可能ですので、もし不安だという方は念のために避けましょう。
それぞれベストな保存方法は?保存期間や日持ちする方法は?
今まで、保存方法は冷蔵庫を避けて常温の方が良いと、記載してきました。しかし家庭事情で野菜室がなかったり、冷暗所がなかったりする人も居るはずです。そこで、今度はそれぞれのベストな保存方法について記載してきたいと思います。
おすすめ保存方法:常温編
まずは常温の保存について。まず冷暗な所に保存するのは基本です。そしてなるべく、1つずつ丁寧に新聞紙で包むと良いです。もし1つずつやるのが面倒な方は、新聞紙を敷き詰めた箱に保存しましょう。新聞紙は湿気を含んだら新しいものにしましょう。土がついていると湿気を吸うため、土を払うのもポイントです。箱に入れる場合は新聞紙を被せたり、黒のビニール袋に小さな穴を開けて入れ、保存しましょう。
またじゃがいもは麻袋や紙袋に入れても効果的です。上記の注意点を考慮して入れれば、問題ありません。常温で保存すると、大体保存期間は品種にもよりますが、2から4ヶ月です。適切な温度を保てれば、もっと期間は伸びるそうです。とにかく湿気と暑さが大敵なので、夏場はなるべく野菜室をおすすめします。
おすすめ保存方法:冷蔵庫編
じゃがいもの保存適正温度は8℃前後。野菜室があるなら勿論それに越した事はないのですが、適温に満たさなかったり、中には冷蔵庫に野菜室がない方も居るでしょう。そんな人のために、冷蔵庫で保存する方法と、野菜室で保存する方法についてそれぞれ記載しました。
おすすめ保存方法-冷蔵庫編ー(冷蔵庫に野菜室がない場合)
温度の低すぎは傷んでしまう原因にはなりますが、温度が低いとデンプンが糖分に変わり甘みが増します。揚げ物料理や焼き物料理には危険ですが、ポテトサラダや肉じゃがなどにはおすすめです。一般的な冷蔵庫は0から5℃。野菜室は5から10℃と言われています。もし冷蔵庫に野菜室がない場合は下記のリンクを参考にしてみると良いでしょう。
おすすめ保存方法ー冷蔵庫編ー(冷蔵庫に野菜室がある場合)
冷蔵庫に野菜室がある場合は冷蔵庫の時とほぼ同様の方法で保存します。しかし野菜室の方が断然日持ちはよく、冷蔵保存だと一般的には3日、4日が美味しい品質を保つ限界ですが、野菜室での保存なら適正温度であれば、2ヶ月ほど品質を保つ事ができるので、夏場はできる限り野菜室に入れるのが良いでしょう。
おすすめ保存方法-冷凍庫編ー
冷凍庫で生のじゃいもを保存する必要性はありません。元々常温管理可能な野菜ですし、常温で長期間管理可能なので、冷凍保存は基本的に必要ありません。もしどうしても冷凍保存したい、という方はマッシュポテトにするのがおすすめです。生のまま保存してしまうと、中身から水分が逃げ出してしまい、舌触りがざらざらになるだけではなく、食感もスポンジを食べているような感じになってしまいます。ご注意ください。
まとめー冷蔵庫・常温での一般的な保存期間はどれくらい?ー
常温だと冬場なら2ヶ月から3ヶ月ぐらいです。暑い夏場は野菜室に移すと良いでしょう。冷蔵庫での保存なら、1から2週間ぐらいの保存が可能です。なるべく早めに食べるように心掛けましょう。しかし上記に記載したように、冷蔵庫での保存はなるべく避け、野菜室で保存してください。上手くすると1ヶ月ぐらいは保存できます。
じゃがいもを日持ちさせるにはリンゴと一緒がおすすめ
実はリンゴとじゃがいもを一緒にすると、発芽を抑制する事ができるのです。その理由はリンゴなどから放たれる甘い匂いの物質「エチレン」です。エチレンは果物の成熟を早めたり、葉物野菜を腐らせやすい効果がある一方、発芽を抑制する効果もあるのです。なので、じゃがいもと一緒に保存するのはとても良い事なのです。バナナやメロンなども同じ事が言えますが、注意点があります。
ただ無造作に一緒にするのでは他の野菜が腐る原因に
先程も記述した通り、ただ野菜室に一緒に放り込むだけでは、野菜を腐らせたり、果物の成熟を早めすぎてしまいます。そのため、じゃがいもと一緒にする時はビニール袋、特に黒のビニール袋に小さな穴を開けて、一緒に入れるのをおすすめします。しかし、絶対にやっておくべきと強制するわけではないので、じゃがいもの発芽を抑えるコツとして覚えておくと良いでしょう。
じゃがいもだけじゃなく他のいも類も冷蔵庫はダメ?
実はじゃがいもだけではなく、他のいも類も冷蔵庫に向かないのです。よく皆様も使いきれずに冷蔵庫に入れてしまうと思いますが、実はさつまいもや里芋も、冷蔵庫に入れてはいけない、いも類なのです。今回の話とは少々話題がずれてしまいますが、同じいも類ということで、簡単にご紹介したいと思います。もし入れている方が居たら、今すぐ見直す事をおすすめします。
サツマイモはじゃがいもと違って寒さに弱いので要注意
サツマイモを冷蔵庫に入れてしまうと、寒さに弱いため、低温障害を起こして腐りやすくなってしまいます。じゃがいもに比べると適正保存温度が高く、12℃から13℃です。そのため、冷蔵庫・冷凍庫は基本的に受け付けられないのです。保存したい時は1つずつ新聞紙に包んで、じゃがいもと同じく暗い所に常温で保存すると良いです。あんまり寒すぎる場所は避けましょう。
里芋はじゃがいもよりデリケートなので扱いもより一層慎重に
里芋も同じく寒い場所が苦手で、5℃以下の場所に置いてしまうと腐りやすくなってしまいます。なので冷蔵庫・冷凍庫は基本的に無理です。同じく新聞紙で優しく包んで風通しの良い場所に置きましょう。尚、泥付きで販売されているものがありますが、保存する時に泥は落としてはいけません。泥は逆に乾燥から守ってくれ、無理に堕とそうとすると傷付いてしまい、傷んでしまうからです。
じゃがいもの冷蔵庫保存についてのまとめ
じゃがいもまだ掘るには早いけど、少しだけ先に収穫ー!
— 🌈すきっぱきょんさん (@kyontaro730) June 7, 2016
いっぱい取れた(*^o^*)♡ pic.twitter.com/6sKbhjGUXb
果たして皆様はどれくらいじゃがいもの知識について深く知る事ができたでしょうか?これを機会に美味しいじゃがいも料理を楽しむためにも、是非頭の片隅に覚えておいて、デリケートにじゃがいもを扱ってあげましょう。知識が1つでも違うだけで、料理の味に大きな違いがでるものですから、これからも皆様も大切に食材を扱ってあげましょう。