2019年09月26日公開
2024年09月28日更新
なまこの美味しい食べ方!さばき方の手順・下処理方法も詳しく解説!
なまこの美味しい食べ方や柔らかくなるコツ等を紹介します。なまこのさばき方は難しいと思って敬遠する方もいるかもしれませんが、簡単な下処理方法やさばき方の手順を分かり易く解説していきましょう。おすすめの食べ方の料理レシピも満載なので必見です!
なまこの美味しい食べ方と基礎知識
なまこは見た目がグロテスクで敬遠しがちな食べ物ですが、実際に食べてみると見かけによらずとても美味しい海の幸です。コリッとした弾力のある食感とほのかに感じる磯の香りが魅力でクセになってしまう程です。
さばき方や下処理方法によって柔らかさや美味しさがかなり違ってくると言われています。そこで今回はなまこの下処理方法とさばき方を、分かり易く手順を追って解説していきます。また、なまこ料理と言えば酢の物がメジャーですが、他にも様々な食べ方と料理レシピがあるので併せて紹介していきましょう。
美味しい旬の時期
なまこは1年を通して収穫できますが、一番身が締まって美味しい旬の時期は寒さが厳しい12~2月になります。産卵期は初夏から初秋にかけてが多く、この時期のなまこは卵の成長に栄養を取られて身が細いそうです。そのような点から産卵が終わり落ち着いた冬辺りが旬と考えられています。
旬の時期に選ぶ時は太くて短めで身が固く、イボがはっきりとしているものが美味しいです。ちなみになまこは俳句においても冬の季語になっているので、昔から冬に美味しく食べれる食材であったとされています。
種類で味が違う?
日本ではなんと180種類のなまこが生息しており、その中で食用できるのはたった1種類のマナマコだけになります。冬になると鮮魚店でこのマナマコが並んでいるのをよく見かけますが、さらに種類は大きく分けて3つあり赤なまこ・青なまこ・黒なまこです。色がはっきりしている訳ではないので見た目だけでは分かりにくいです。
種類を見分ける方法は、裏返したお腹側の色を見るとはっきり区別することが出来ます。価格は青、赤、黒の順に高くなり市場によく出回っているのは赤です。なぜ同じ種類で色が違うのかというと、赤は岩場付近、青は砂泥底、黒は泥底と生息場所によって色が変化するのだそうです。
生も加熱も美味しい
なまこは生の状態でポン酢やおろし和えにして食べる食べ方が良く知られていますが、加熱しても美味しく頂けます。火を通すことによって生とは違う独特の風味を楽しむ事が出来ておすすめです。加熱をする食べ方の場合は赤なまこでも良いのですが、身が縮みにくい青や黒の方がより適していると言われています。
体の90%が水分でできていることから加熱し過ぎると水分が出て身が縮んでしまうので、その点を考慮して水加減や味付けをして下さい。
珍味のこのわたとくちこ
日本の三大珍味と言われているこのわたとくちこですが、なまこのどの部分だか知っていますか?このわたは腸を塩漬けにして熟成させたものです。旨みがあって塩辛くコリコリとした食感で、ビタミン類やミネラル等の栄養素もたっぷり含まれています。
くちこは寒い時期のメスのなまこの卵巣を干して作ったもので、細かく切ってご飯にかけたり、お吸い物の具にしたり、軽く火に炙る食べ方が人気です。このわたやくちこは白ご飯やお酒のつまみとしても相性が良く、イカの塩辛が好きな方はこのわたやくちこも口に合うでしょう。
干しなまこは高級食材
干しなまこはマナマコの内臓を取り出して、海水また海水濃度の水で煮て天日干しをして乾燥させたものです。そのままでは硬くて食べる事が出来ないので、一晩水に浸してゆっくり戻し水分を吸収させます。その後鍋に水を入れなまこを煮て、沸騰したらすぐに火を止めて冷めるまで置いておきます。
1週間程、毎日干しなまこを煮る作業を繰り返しますが、ポイントは煮込まないことです。じわじわと日数をかけて戻していくことが大切で、日に日に身が大きくなっていくのが分かります。結構手間がかかりますが、中華料理には欠かせない高級食材なので、機会があれば試してみてはいかがでしょうか?
なまこのさばき方・下処理の手順
タワシで洗い両端を包丁で切る
なまこはツルンとしていてさばき方が難しそうですが、実は意外と簡単で普段料理をしている方なら誰にでも出来ます。大切な事はさばく時は生きたなまこを使用する事で、見分け方は生きたなまこは触ると変色します。それでは、手順良くさばく方法を解説していきましょう。
手順① なまこの滑りを取る
イボがありツヤツヤしている方が上部で、全体をタワシで優しく洗って滑りを取ります。包丁で両端の硬い箇所を切り落とします。なまこを切る時のコツは、包丁でパチンと身を叩くと固くなり切り易くなります。
手順② なまこを裏返す
なまこを裏返し、お腹の部分から縦に包丁を入れて身を切り開きます。開いたらなまこの両端に堅い部分が残っていないか確認して、あれば綺麗に削ぎ落とします。
手順③ なまこのワタを取りだす
ワタを手で取りだしますが、このワタの塩辛が先述したこのわたになるので、このわたを作りたい方は捨てずに取っておきましょう。切り開いた時に白い粘膜上の筋があれば、骨抜きピンセットなどで取り除いておくと食感が良く食べ易くなります。
塩をふる
内臓を全て取りだしたら、塩をたっぷり目にふってしっかり揉みます。簡単な塩ずりの仕方で、まな板の上に置いたなまこにザルまたはボウルを上から被せてぐるぐる回す方法があるので是非試してみて下さい。
流水で汚れを落とす
ボウルに入れたなまこを流水でさっと汚れが落ちる程度に3回程水を替えて洗う作業を繰り返しザルに上げます。流水で洗うと色が澄んでとても綺麗ななまこになります。
スライスの仕方
普通のサイズなら縦2等分に大き目のサイズなら縦3等分に切り分けて、身を横にして端の方から2~3mm幅にスライスしていきます。スライスする時の身の位置は、裏表関係なく切りやすい安定した状態で行ってください。なまこの身は弾力があり堅めなので薄くした方が食べやすいです。
柔らかくなる下処理の方法
下処理のちょっとした工夫で劇的に柔らかくなりますので、その方法をいくつか紹介しましょう。なまこをほうじ茶で湯がくとほうじ茶の成分で身が柔らかくなります。また一度冷凍をすると、身の繊維が壊れて柔らかくなるそうなので是非お試しください。
なまこを使った料理レシピ
なまこを上手にさばいたら次はいよいよ料理ですが、どんな食べ方があるのでしょうか?ここではなまこを美味しく食べることが出来る定番料理レシピからアレンジ料理レシピまでおすすめの食べ方を紹介しましょう。
なまこ酢
- なまこ 500g
- 柚子の皮 少々
- 大根おろし 適量
- 柚子ぽん 大匙1
- 寿司酢 大匙3
- 砂糖 小匙1
- 塩 ひとつまみ
- ボウルに調味料を全て入れ混ぜます。
- 1になまこを入れて味が全体に馴染むように混ぜて、仕上げに柚子の皮を和えて出来上がりです。
なまこ料理と言えばなまこ酢と言うくらい定番の食べ方ですが、調味料はお好みで加減して構いません。大根おろしを加えることによって酸味が和らいで食べ易くなるのがポイントです。柚子の皮の彩りや香りがアクセントになって食欲が増すおすすめレシピです。
なまこと卵のピリ辛炒め
- なまこ 一匹
- 塩 片栗粉 適量
- 溶き卵 2個分
- おろしニンニクと生姜 小匙1
- 刻み長ネギ 1/2本
- 豆板醤 小匙1
- 酒 50cc
- 中華スープ 200cc
- 塩 旨味調味料 小匙1弱
- 砂糖 小匙2
- 醤油 小匙2
- 水溶き片栗粉 適量
- 仕上げ用胡麻油 小匙2
- 中華鍋を熱して油を馴染ませ溶き卵を入れて、卵の表面がふわりと固まるまで炒め皿に取り出します。
- 同じ中華鍋を使用してニンニク、生姜、ネギ、豆板醤を炒め続いてスープ、酒、塩、旨味調味料、砂糖、醤油を加えてグツグツしてきたら、スライスしたなまこを入れます。
- スープがやや緩めになるように水溶き片栗粉を入れて1の溶き卵を加え全体に味が馴染むように炒めます。
- 仕上げに胡麻油を回し入れて出来上がりです。
いつもとちょっと違った食べ方をしたい時におすすめのレシピです。ピリッとした辛さが白ご飯にもピッタリです。火を通すと貝のような味と食感になりクセになりそうな美味しさです。
なまこ甘辛煮込み
- なまこ 500g
- 塩 大匙2
- 醤油 大匙1.5
- 酒 大匙1
- 柚子の皮 少々
- 七味唐辛子 適量
- ぶつ切りにしたなまこをさっと熱湯に潜らせてザルに上げ水を切っておきます。
- 鍋に塩、醤油、酒を入れ火にかけ煮立ったらなまこを入れさっと煮ます。
- 七味唐辛子を2にふり全体を混ぜて味を馴染ませ器に盛り、仕上げに柚子の皮を天盛りしたら出来上がりです。
美味しく仕上げるポイントは、身が堅くなってしまうので煮込み過ぎないようにして下さい。味が絡まる程度に煮るだけで充分美味しく頂けます。
なまこの食べ方まとめ
なまこの食べ方や下処理の手順やさばき方、おすすめの料理レシピを紹介しました。初めて食べる時は見た目からはちょっとドキドキしますが、想像以上に美味しく味付けで幅広く楽しめる奥の深い食材です。一度食べるとヤミつきになる方も多いので、まだ食べたことのない方は是非なまこの美味しさを味わってみて下さい。