豚肉を柔らかくする簡単な方法は?時短のやり方と焼く時のコツ!
お買い得の豚肉を焼くと、「固い…」ということがあります。でも、ちょっとしたコツで、時短で簡単に、高級肉のように豚肉を柔らかくする方法があります。そんな豚肉を柔らかくする簡単・時短で焼くことができるコツや方法をお伝えします。
目次
豚肉を柔らかく食べるには
固い肉とは、どんな肉でしょうか?固いお肉とは、筋繊維がしっかりしているお肉のことです。つまり、人間で言うと「筋肉質」のイメージです。一方、脂肪が多く含まれたお肉は柔らかくジューシーなお肉です。固い肉を柔らかくするには筋繊維の状態を変化させなくてはいけません。方法は簡単なものが多いので、気軽に固いお肉を柔らかいお肉にする方法を見ていきましょう。
道具を使って豚肉を柔らかくする方法
豚肉を柔らかくする方法の一つ目は、道具を使って「筋繊維を切ったりほぐしたりする」方法です。まず、包丁で脂肪と赤身の堺目にあるすじを数か所切っておきます。厚さのある肉なら焼いたときに反り返ってしまう事がありますが、すじを切ることで反り返りも防ぎ形よく仕上げられます。次にお肉をたたいてほぐしていきます。専用の調理器具もありますが、身近なもので代用も出来ます。
焼く前にしておくことと簡単なコツ
筋繊維をほぐすための専用の道具を「ミートハンマー」と言います。ハンマーについた突起でお肉を叩くことで繊維がほぐれて簡単に柔らかいお肉になります。「ミートハンマーは家にはない」という人も大丈夫。めん棒やビールやジュースの瓶、包丁の背の部分でも代用できます。コツは、軽くたたくことです。あまり強くたたきすぎると肉が柔らかくなりすぎてしまいます。
豚肉を柔らかくする方法が動画で見ることができます。簡単に出来るので試してみてください。
果物で豚肉を柔らかくする方法
酢豚にパイナップルが入っていたり、ポークステーキにパイナップルの輪切りが乗っていたりと、パイナップルは豚肉とよく組み合わされる食材です。豚肉にパイナップルの酸味が相性の良い味の組み合わせであるのはもちろんですが、ブロメリンという酵素は消化も助けてくれるので体にもやさしい組み合わせでもあるのです。こんな豚肉と相性の良いパイナップルは豚肉を柔らかくする働きがあります。
豚肉を柔らかくするパイナップルに含まれるタンパク質分解酵素をプロテアーゼと言います。このプロテアーゼを含む果物には他にいちじくやキウイ、りんごなどがあります。
果物で豚肉を柔らかくする方法と時短で簡単に焼くコツ
果物の酵素を使ってお肉を美味しく焼くコツは、時短で調理することです。漬け時間は15分から30分くらいの間にします。あまり長くつけ過ぎると柔らかくなりすぎてしまいます。煮込み料理の場合は、2,3時間くらいでトロトロの煮込み料理に仕上がります。もう一つのコツは果物はフレッシュのものを使いましょう。加熱すると酵素が壊れてしまいます。
果物以外の酵素で豚肉を柔らかくする方法
タンパク質分解酵素プロテアーゼは、果物以外の食品にも含まれています。麹、納豆といった発酵食品にもプロテアーゼは含まれています。塩麹がブームになりましたが、豚肉を柔らかくする働きがあるという、お肉と相性の良い食品なのです。
塩麹で豚肉を柔らかくする方法と簡単・時短に焼くコツ
塩麹で豚肉を柔らかくする場合、塩麹は豚肉の1割程度で漬け込みます。漬ける時間は豚肉の暑さに寄りますが、薄いお肉なら時短で1時間程度から3時間くらい、分厚いお肉なら半日から1日くらい漬けこみます。焼く時のコツは、塩麹はこげやすいので、ここも時短でさっと焼きましょう。
豚肉を柔らかくするキノコ
果物、発酵食品と知らず知らず使っている食材が実はお肉を柔らかくする働きがあったことが分かったきましたが、キノコもまた日ごろからお肉の付け合わせによく使う食材です。キノコの中でもマイタケは、タンパク質分解酵素のプロテアーゼを多くふくむ食品です。付け合わせとして使うときも焼く前にちょっとしたコツでさらに豚肉を柔らかくすることができます。
付け合わせのマイタケの豚肉を柔らかくする働きをさらにアップさせるコツは、お肉を焼く前に一口大にしたマイタケをお肉の上に広げておき、冷蔵庫に寝かせておくことです。時間は1時間程度でも良いのですが、2,3時間前に置いておくとさらに効果がでます。後は、お肉と焼いて付け合わせにしましょう。お肉にキノコの香りが付くのが気になる場合はニンニクを加えます。
マイタケで豚肉を柔らかくする方法と簡単・時短に焼くコツ
マイタケを使ってお肉を柔らかくする方法で、もっと時短する方法があります。マイタケを細かく刻み、ジップロックなどの袋に入れます。これに、大さじ3倍ほどの水を入れ綿棒などで叩きます。この中にお肉を入れておくと、30分ほどで柔らかいお肉が食べることができます。フードプロセッサーやミキサーでもかまいません。お肉を焼いた後に醤油やステーキソースを加えてキノコソースとして食べることも出来ます。
乳酸菌で豚肉を柔らかくする方法
乳酸菌食品と言えばヨーグルト。このヨーグルトにも豚肉を柔らかくする働きがあります。ここでもタンパク質分解酵素プロテアーゼが関わっているのですが、実はヨーグルトにはこのプロテアーゼはふくまれていないのです。でも、ヨーグルトに含まれる乳酸菌はプロテアーゼを生成することができます。
ヨーグルトで豚肉を柔らかくする方法と簡単・時短に焼くコツ
ヨーグルトには酵素の力と、脂肪も含まれるのでお肉を柔らかくするのに適した食品なのですが、注意しないといけないのは、無脂肪のヨーグルトでは、脂肪の効果が得られないので、全脂肪ヨーグルトを選びましょう。また、ジューシーなお肉を焼くコツですが、厚みのあるお肉の場合、ヨーグルトにお肉を漬ける前にフォークなどで穴をあけヨーグルトがしみこみやすいようにしておきましょう。
ヨーグルトに1時間から2時間程度漬けたお肉をフライパンで焼いた後は、お肉を柔らかくするするために使ったヨーグルトを肉汁と合わせて好みの味付けをして、時短ソースの出来あがりです。熱を入れたヨーグルトはその時点で乳酸菌の働きはなくなってしまいます。でも、乳酸菌の菌体成分は焼く前と同様にまだ働き続けます。
菌体成分は、免疫力をあげて、アレルギーの炎症を抑える働きをします。また、大腸に届いた菌体成分は、大腸に棲む善玉菌の代表である、ビフィズス菌の増殖に利用されるのです。生でも焼くこともできるヨーグルトは扱いの簡単な食品ですので試してみてはどうでしょうか。
炭酸で豚肉を柔らかくする方法
コーラ、炭酸水、ビールなどの炭酸飲料は、炭酸水素ナトリウムが含まれています。この炭酸水素ナトリウムには、肉のたんぱく質を溶かして、豚肉を柔らかくする効果があります。
炭酸で豚肉を柔らかくする方法と簡単・時短に焼くコツ
炭酸で豚肉を柔らかくするには、まず、焼く場合は15分から30分ほど漬けておきます。そして軽く水で流してから焼きます。煮る場合は、煮汁と一緒に炭酸飲料を一緒にいれて煮込みます。炭酸飲料は、開けたてでなくても大丈夫です。ビールやコーラの香りはそれほど残らないのですが、気になる人は炭酸で試してみてください。コツは炭酸飲料に漬けこむ前に分厚い肉はスプーンなどで穴を開けておいた方が浸透しやすくなります。
ビールを使ってお肉を柔らかくする方法を実践している動画です。準備はジップロックにお肉を入れてビールを注ぐだけの簡単な方法です。動画では大きなお肉が使われているので時短とはいきませんが、ビールでお肉が柔らかくなるのが良くわかる動画です。
玉ねぎで豚肉を柔らかくする
玉ねぎは肉料理の中ではもっともなじみのある食材だと思います。ステーキや焼肉の付け合わせに添えられていたり、焼肉のたれの中にすりおろしたものが入っていたりします。この玉ねぎにもタンパク質分解酵素のプロテアーゼが含まれています。パイナップルやマイタケにも含まれていた成分です。
玉ねぎでお肉を柔らかくする方法と時短・簡単に焼くコツ
玉ねぎでお肉を柔らかくする方法で効果的なのは、玉ねぎをすりおろして使う方法です。すりおろした玉ねぎの中にお肉を漬けておくことで、玉ねぎのお肉を柔らかくする酵素が活発に働き、成分が浸透しやすくなります。時間は15分から30分ですが、1日ほど漬けておくと、さらに柔らかく食べることができます。
お肉を焼く時には、玉ねぎのすりおろしはソースに使います。お肉を焼いたらその肉汁と醤油などの調味料に玉ねぎのすりおろしを加えてサッと火を通したらソースの出来あがりです。玉ねぎの甘みがソースのコクを出すとともにお肉の臭みもとれ、お肉に良く合うソースに仕上がります。
重曹で豚肉を柔らかくする
重曹は、白い粉で別名炭酸水素ナトリウムといいます。膨らし粉としてお菓子に使ったり野菜のあく抜きやまめを煮たりする時にも使います。スーパーでも手軽に買うことができます。50グラムで100円弱と安価です。重曹はアルカリ性で、筋繊維の結合を緩める働きがあります。筋繊維が緩むことで空気が入りその事によりお肉が柔らかくなるのです。
重曹で豚肉を柔らかくする方法と時短・簡単に焼くコツ
重曹は水に溶かして使います。そのまま重曹の粉をお肉にふる方法もありますが、偏りが出ないようにするために水にとかした重曹の方が扱いやすいです。小さじ1杯の重曹、小さじ杯の塩と400から500ccの水を混ぜてお肉を漬けこみます。漬けこむ時間は2時間程度で良いですが、さらに柔らかいお肉にするなら、1日漬けておくとさらに柔らかいお肉になります。
重曹水でお肉を柔らかく調理するコツは、焼いたり、煮たりする前に重曹水を拭き取ることです。拭き取らないまま調理すると、苦みが残ってしまうので、キッチンペーパーなどで拭き取りましょう。あとは、焼いても煮ても、揚げても柔らかいお肉に仕上がります。
お酒で豚肉を柔らかくする
お肉の調理には、日本酒、ワインなど和洋を問わずお酒はよく使われています。お酒には香り付けやお酒の風味でお肉の旨味を引き出したり、コクを出したりする効果があるのですが、他に、お肉を柔らかくする働きがあります。
お肉を柔らかくするには、水分がお肉に十分含まれていなくてはいけません。お酒に含まれているアルコールは、お肉の筋繊維に水分が浸透しやすくする働きがあります。お肉は焼くことによって水分がお肉から出て固くなってしまうのですが、アルコールには保水効果があり、火を入れてもお肉の中の水分が保つことができます。また、アルコールの酸の性質が筋繊維をほぐして水分が入りやすい状態に保ってくれるのです。
お酒で豚肉を柔らかくする方法と簡単・時短に焼くコツ
お酒を調理する前に漬けこむ場合、漬け込む時間は1時間から半日程度。それ以上漬けておくと固くなってしまう場合があるので注意しましょう。お酒の種類はその料理に合わせて、和食なら日本酒、洋食ならワインという風に合わせると失敗が少なくなります。また、料理用のお酒を使う場合に注意しなくてはいけないのは、料理酒によって塩分が含まれている場合があるので、調味料を入れる時に塩分を加減しましょう。
鉄板焼きなどでフランベを目にすることがありますが、アルコールは瞬時に飛ぶわけではないので、小さい子供さんなどアルコールが気になる人が食べるお肉を調理する場合は、長めに火を通しましょう。
豚肉を柔らかく焼くためのまとめ
これまで豚肉を柔らかく焼くための方法を紹介してきました。色々な方法があってどれで試してみようかと迷われた人も多いと思います。そこで、「何を重視するのか」という目的別にそれぞれに優れた方法をまとめてみます。
安さ重視でお肉を柔らかく焼くコツ
安さ重視でお肉を柔らかくする方法で1番は、道具を使う方法です。ミートハンマーが無くてもめん棒や瓶など家にあるもので代用できるのでコストは0です。次にコストがかからないのは重曹です。1回に使う量は数十円で、あとは水と塩なので食品では一番コストパフォーマンスは良い方法です。
安さ重視でお肉を柔らかく焼くコツ(2)
比較的安くお肉を柔らかくする方法は、玉ねぎを使う方法です。また、ヨーグルトも同じくらい安価で済みます。コツは、ジップロックなどでなるべく少量でもしっかりとお肉になじむようにすることです。
時短・簡単を重視してお肉を柔らかくするコツは道具を使う
お肉を柔らかくする方法の中で、もっとも時短で簡単な方法は、お肉を切り、叩く方法です。すじを包丁で切って叩くだけで5分もあれば出来てしまいます。
時短・簡単にお肉を柔らかくする食品
食品で漬ける時間が短くて済む食品は、パイナップルや炭酸飲料、玉ねぎのすりおろしです。いずれも15分から30分の漬け時間で柔らかくなります。この中で準備の時短・簡単さの順序を考えると、炭酸飲料、パイナップル、玉ねぎのすりおろしの順番になります。
ひと手間で時短に
マイタケはひと手間加えることで時短することができます。マイタケは房を分けてお肉に置けば1時間で柔らかくなるのですが、みじん切りをして水を加えてからお肉を漬けると時間を半分くらいに出来ます。
どんな食品も時短する方法
様々な食品でお肉が柔らかくなることは、お分かりいただけたと思います。これらの食品をさらに時短するには、フォークで穴をあけておくことです。柔らかくする成分を染み込みやすくすることで時短しましょう・
お肉を柔らかくするのは簡単
「お肉が固いのは安いから仕方がない」という考えが柔らかいお肉に変わる方法は、ほんとに身近なものばかりだったと思います。少しの手間で簡単に出来るものばかりですのでぜひ試してみてください。