すき焼きの由来・語源・歴史は?割下・卵の意味もご紹介

日本の代表的な鍋料理であるすき焼きの語源由来や歴史、割下の意味などを知っていますか?寒い日にグツグツ煮込まれた牛肉などをとろっと卵と絡めて食べると体が暖まり、幸せ気分になれます。今ではご馳走料理でもあるすき焼きですが、その歴史は江戸時代から始まり、語源由来は様々あり農具の鋤からついたという説も!そんな農民から始まったかもしれないすき焼きについて卵を使う意味などを紹介していきます。さらに割下を使ってお肉などを煮込む関東風の食べ方とは違う関西風の食べ方についても見ていきます!

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目次

  1. 1すき焼きの由来語源と卵に絡める意味を知っている?
  2. 2すき焼きの語源由来は農具の鋤から?
  3. 3すき焼きの歴史は江戸時代から
  4. 4すき焼きの卵の意味と牛肉の意味
  5. 5すき焼きは関西から広まった料理
  6. 6すき焼きの割下とは?
  7. 7すき焼きの由来語源と卵の意味には諸説あった

すき焼きの由来語源と卵に絡める意味を知っている?

ぐつぐつと甘辛い割下で煮られた味の染みた牛肉や野菜を卵に絡めていただく料理であるすき焼き。寒い冬に家族で鍋を囲んで食べる鍋料理の中でも少しリッチな気分が味わえて、ご馳走の部類に入る料理だと思います。

すき焼きの由来や語源、歴史について知っていますか?昔からある日本料理の1つですが、いつから始まった料理なのか、なぜ卵を絡める意味があるのか、少し豪華な料理の印象があるのはなぜなのかふと疑問に思ったこともあるのではないでしょうか。

その疑問を解決できるようすき焼きの由来や語源、歴史についてから卵を絡める意味などを紹介していきます!さらに、割下で牛肉などを煮ていく関東風とは違った関西風の食べ方も紹介します。

すき焼きの語源由来は農具の鋤から?

農具の鋤が由来という説

すき焼きの始まりはなんと江戸時代と言われており、かなり歴史が長い料理となっています。江戸時代に、農夫たちが農作業の合間に農具であるを使って肉や野菜、魚を焼いていたことがすき焼きの始まりだという語源由来の説の1つです。

現代の割下で具材を煮込んで作るすき焼きとは違って、畑の農具である鋤の鉄の部分を熱して具材を焼いて食べるとまさにすき焼きという名前の語源そのものだったのです。

ではなぜ調理器具などではなく農具の鋤を使っていたのか。それは、江戸時代の日本は肉を食べることが禁止されていたからです。禁止された肉を食べるために納屋に隠れて鋤を使って短時間でさっと焼いて食べていたとされています。

薄く切った牛肉を「削身(すきみ)」と呼んだ説

江戸時代に農具の鋤からすき焼きという名がついたという説以外にもすき焼きの語源由来には様々な説があります。そのうちの1つがすき焼きに使う肉を薄く切るためというのが語源由来のだという説です。

すき焼きに使う牛肉など肉は薄く切ってあるものが多いと思います。薄く切った肉を削身(すきみ)と呼び、その削身を使っていたことからすき焼きという名の料理になったのが語源由来というものです。
 

「杉焼き」から来ている説

もう1つのすき焼きの語源由来となったとされているのが、すき焼きよりも古くからある日本料理の杉焼きからついたというのが語源由来だという説です。

杉焼きとは杉の箱の底に塩をのりで厚く塗りつけて魚肉や貝、野菜を詰めて火にかけ、味噌を溶かして煮込んだ後、箱のまま提供するといった杉の香りを具材に移した料理です。

この料理は江戸時代前半の1640年代の文献に見られているそうです。どの語源由来の説にせよ、すき焼きは今から約400年も前から存在していた歴史の長い料理となります。

すき焼きの歴史は江戸時代から

すき焼きの原点

昔の日本は動物の肉を食べることは公的に禁止されていました。それが変わったのが明治時代です。明治時代文明開化の象徴として牛肉を食べ始めすき焼きが流行したとされています。

ですが、すき焼きの原点は明治時代ではなく、江戸時代の後半に誕生したとされています。すき焼きの由来語源で紹介した中でも最も有力な説が農具の鋤を使ったものだとされています。

現在のすき焼きは煮込むものが主流となっていてますが、江戸の後半に生まれた鋤を使って作ったという語源由来説からするとすき焼きからいったいどのようにして今のすき焼きの形となったのでしょうか。

江戸時代のすき焼き

江戸時代の農夫たちが鋤を使って作っていたとされている鋤焼きは、「料理早指南」「鯨肉調理方」という文献に鋤焼きに関する一説が記されています。

現在ではすき焼きの肉は牛肉が主ですが、江戸時代の後半に誕生した鋤焼きはの肉を使っていたと記述されているそうです。

また、肉を食べない昔の習慣からこっそりと捕まえた鹿の肉を焼いて食べていたという説もあります。それらの肉を鋤で焼き、焼き肉のように醤油や砂糖、場合によっては味噌を使って味つけしていたとされています。

江戸幕末にはこっそりと牛肉を食べるようになり、京都の三条河原に初めて「すき焼き屋が誕生しました。

明治天皇とすき焼き

明治時代に入ると、文明開化の象徴として明治天皇は和服を洋服に、和食をフランス食したり断髪するなど同じく今まで約1200年間禁止されていた肉食を破り、初めて牛肉を試食しました

このことから一般庶民も牛肉を食すようになり、肉食は欧文化に欠かせないものだということで積極的に牛肉などの肉を食べるようになったそうです。

そして、関西地方では江戸時代後半に誕生したすき焼きが、関東地方ではまたそれとは違った牛鍋というものが流行し始めたことが、現在のすき焼きの原点となります。

すき焼きの卵の意味と牛肉の意味

卵と牛肉は高級食材だった

今でもすき焼きはお祝いの席で食べたりと豪華な鍋料理として親しまれています。高級なイメージがある意味はすき焼きが誕生した江戸時代や流行し始めた明治時代では牛肉や卵が高級食材だったことがきっかけとなっています。

すき焼きに生卵を絡めて食べるのも牛肉を食べるようになった文明開化のころからだとされています。そんな高級食材である卵と牛肉を使ったすき焼きは一般庶民にとって高級料理の1つとなりました。

今でも牛肉は他のお肉よりも高く、すき焼きとなると奮発していい牛肉を使ったりと、今も昔も変わらずすき焼きは豪華な気分になれるご馳走料理だといえます。

軍鶏鍋に似せた食べ方

すき焼きに卵を絡めて食べるようになった食べ方の意味はいくつかあります。その中の1つが軍鶏鍋に似せた食べ方からだという意味だという説です。

軍鶏鍋とは今の関東風のすき焼きの鶏肉バージョンで、割下を使って軍鶏肉や野菜を煮込んでいき卵を絡めた料理です。軍鶏鍋はすき焼きよりも歴史が長く、江戸時代以前からあったとされています。

この軍鶏鍋の食べ方が応用されて、卵を絡めて食べていなかったすき焼きにも卵を絡めて食べるようになったといわれています。軍鶏鍋に卵を絡めていた意味は、脂の少ない軍鶏を食べるのに味に深みを出すためだそうです。
 

熱い具材を食べやすくするため

もう1つの玉子を絡める意味が熱い具材で火傷しないよう冷ますために卵を絡めていたという説です。牛鍋から派生したとされる鍋で煮込んだすき焼きにしても、鋤の上で焼いたことから生まれたすき焼きにせよ具材はとても熱くなっています。

それらの具材を食べようとするのには当然冷まさなければ火傷をしてしまいます。ですが、昔の人は美味しい牛肉が冷めるまで待つことができず、すき焼きを焦って食べようとする人が多くいたそうです。

そんな人たちが舌や口の中を火傷しないよう一旦卵を絡ませることで具材を冷まし、すき焼きが冷めるまで待たなくてもすぐに食べられるようにしたのが卵を使う意味だという1つの説です。

すき焼きは関西から広まった料理

発祥地は京都

すき焼きの歴史をたどってみるとその発祥地は京都だといわれています。京都の中にある「三嶋亭」というお店がすき焼き発祥のお店だそうです。

その歴史は明治6年から。すき焼きを生み出した1873年から続く老舗すき焼き専門店となっています。すき焼きが流行し始めた明治当初からすき焼き専門店として今も残る三嶋亭では古き良きすき焼きを味わうことができます。

関西のすき焼きの特徴

すき焼きでも関西と関東で食べ方に違いがあることを知っていましたか?先ほどからちらっと紹介していますがすき焼きの発祥である関西地方のすき焼きは、関東の割下を使ってグツグツ煮込んだすき焼きとは全く違います

関西風のすき焼きは鋤を使って焼くすき焼きの歴史を受け継ぎ、鍋で牛脂を使って焼いて作るということが特徴です。基本の調味料や具材はほぼ一緒で、調理法のみが違います

関西のすき焼きは、牛脂を使ってお肉を焼きそこに直接砂糖や醤油を入れた後、お肉に味をつけてから野菜などを投入していくのが特徴となります。

全国的に広まったすき焼きの特徴

何故同じすき焼きでも関西と関東で食べ方が違うのでしょうか?それは関東のすき焼きはもともとすき焼きではなく、牛鍋と呼ばれるものがベースとなっているからなのです。

明治時代に入り、関西ですき焼きが流行し始めたころ、関東では牛肉になねぎなどを加え、鍋で煮ながら食べる牛鍋が流行しました。当初の牛鍋は牛肉の固さと獣臭を和らげるため味噌での味付けが主流でした。

ですが、1923年の関東大震災で関東に550件以上もあった牛鍋屋は被害を受け、次々に閉店してしまいました。その後、関西のすき焼きが関東に伝わり牛鍋と関西のすき焼きを合わせ、割下を具材を煮込む関東のすき焼きが誕生したそうです。

すき焼きの割下とは?

「割下地」の略

甘辛いタレで煮込んだ具材とそれをマイルドにしてくれる溶き卵が相性抜群で人気な料理であるすき焼き。そんなすき焼きで使われる甘辛い味のタレのことを割下といいます。

割下とはみりん、醤油、砂糖、酒などの調味料を合わせたタレのことです。すき焼きだけでなく鍋料理や丼物など多くの日本料理で使われます。

割下はもともと割下地の略で、味付けの元となり基本的な味である下地の役割を果たす合わせ調味料となります。

下地を割るという意味

割下地の「下地」基本的な味付け味の基礎を意味しています。料理用語として「下地」は特に醤油のことを指すそうです。

昔は醤油が「下地と呼ばれていて、まさに味の基本の下地をなるので大切にされていました。

割下地の「割り」はそのまま割るという意味です。基本的な下地である醤油を砂糖やみりん、酒、だし汁などの調味料で割っていくため、「割下地」という名前が付きました。

すき焼きの由来語源と卵の意味には諸説あった

今回はすき焼きの由来語源や歴史、卵を使う意味などについて紹介しました。すき焼きはもともと江戸時代から始まった歴史の長い料理で発祥は農民が使う鋤からついたなど諸説あったなどと意外なことばかりではありませんでしたか?

さらに今の主流となる割下で具材を煮たものが元の形でなく、具材を焼いて作るのがすき焼きの原型であるということも知らなかった人も多いのではないでしょうか。

すき焼きの語源由来や歴史、すき焼きで使う甘辛いタレの割下の意味、すき焼きになぜ卵を使うのかすき焼きについて様々なことを知ったうえですき焼きを食べてみるとまた違った味わい方ができるかもしれせん。

お肉を焼いて作る関西風の食べ方、割下で煮込む関東風の食べ方を食べ比べてみてください!

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