すき焼き肉の部位や量のおすすめは?柔らかくするコツと選び方を伝授
冬の家庭での高級料理といえばすき焼きです。すき焼きを料理店のようにおいしくする方法は肉の選び方と肉を柔らかくする工夫です。すき焼きに適した肉の部位と選び方のポイント、さらにリーズナブルな肉を上級肉のような柔らかさに近づける方法を紹介します。
目次
とろける肉の食感と体温まる鍋!すき焼きの極意を紹介
冬の風物詩のである鍋料理のすき焼き
人気の鍋料理の一つでもあるすき焼きは冬になると食卓に登場する回数も多くなる人気の料理です。家庭毎に味付けが異なるのも特徴です。主役となる肉は牛肉を使用するため、とても高級な鍋です。そのため、他の種類の鍋のように頻繁に作られることはなく、家族が集まるときなど何かイベントがあるときに作ることが多くなっています。
江戸時代には肉を使わないすき焼きがあった?
すき焼きは江戸時代の終わりに登場しています。すき焼きには牛肉を使用することが現代では当たり前になっていますが、当時は牛は農作業に大事な存在であるため、食べることを禁じられていました。そのため肉の代わりに魚を主役としてすき焼きを作っていた歴史があります。すき焼きの語源は、農作業に使用する鋤を使って魚や豆腐や野菜を焼いていたことから始まっています。
明治時代に入り、今と同じように牛肉を入れて食べるようになりました。発祥は関西の京都です。関東では当時牛鍋と呼ばれていたそうです。関西から始まったすき焼きは全国各地に広まると同時に各地の味付けや食材などを入れるようになったため、全国各地で味付けが異なっているのです。牛肉と卵は高級食材であるため、昔も今も庶民では高級料理としての位置づけになっています。
すき焼きの主役は牛肉です。牛肉はスーパーでも多種多様な商品があります。そして生ものですので、同じ商品でも微妙に異なります。すき焼きにおすすめの牛肉は何か、部位によって異なる味や特徴の違い、おいしい肉を選ぶ方法、そして肉を柔らかくする秘訣などすき焼きのイロハを紹介します。
すき焼きに使うおすすめの肉は?
すき焼きに適した部位の肉がある
すき焼きに使用する肉は庶民であれば、スーパーや商店街の肉屋で調達することが一般的です。すき焼きに適している牛肉の部位のおすすめは、バラ肉、リブロース、肩ロース、もも肉です。リブロースは、牛肉の中でも高級商材です。料亭などで提供されるすき焼きに使用されるような肉であるため、一般家庭ですき焼きに利用する量を買うには、財布と相談しなければなりません。
ばら肉の特徴は、一般家庭でよく利用される比較的価格が安い肉です。手軽に手に入れることができる点が最大のメリットです。繊維質や筋膜が多いため肉のキメが荒いというデメリットがあります。すき焼きに利用する場合、脂肪を含んだ独特のうまみを出すことができますが、煮込みすぎると硬くなってしまいます。
最高級の肉であるリブロースは、霜降りが特徴的な部位です。すき焼きにすると良質な肉の脂が溶け出し、肉の柔らかさも最高級の品質です。高級料亭などで提供されることが多く、価格も最高級です。肩ロースは、ばら肉と比較してキメの細かさが特徴の肉です。ほどよい脂の量もすき焼きにはちょうど良いバランスです。一般的にすき焼き用の肉として販売されているのは肩ロースです。商店街の肉屋でもおすすめされる肉です。
最後にもも肉です。ばら肉同様にキメは荒くなっています。しかし脂肪が少ないことが特徴です。牛肉の脂が苦手な人にとっては、食べやすくおすすめです。半面脂肪が少ないと硬くなりやすいため、煮込みすぎに注意が必要です。
すき焼きで使用する肉の量は決して少なくありません。量と価格を考えると使用する部位はばら肉やもも肉を利用するとリーズナブルですが、少し値が張りますが、肩ロースを使えば、ワンランクアップさせることができます。年に一度くらいはリブロースも使ってみたいものです。
おいしい肉を選ぶ方法とは?
肉は脂肪分がおいしさを左右する
牛肉は同じ部位であればどれも同じという訳ではありません。スーパーでも一つ一つパッケージされているものでもそれぞれに微妙な違いがあります。おいしい肉の選び方は、肉を見抜く力が必要になります。でもそんなに難しいものではありません。選び方のポイントは脂肪です。白くなっている部分が脂肪ですが、すき焼きにはある程度の脂肪分が必要です。脂肪が少ないと肉を煮込んだ時に硬くなってしまうからです。
また適度な脂肪は旨味を溶け出させます。そのため味が一段と濃くなるのです。同じ脂肪でも量だけ見るのではなく状態も見極めます。脂肪が乾いた状態ではおいしさや溶け方が不十分になります。そのため、適度に湿っている状態の品を選ぶことが大事なポイントです。同じ価格で購入するのであれば、量ではなく質での選び方がポイントです。
商店街の肉屋で買うときには、自分で見極めて選ぶことができないことが多い為、店員にすき焼き用と告げると脂肪分が適度に入った新鮮な肉を準備してくれます。肉の部位を言わないと基本は肩ロースを用意してくれるため、ばら肉やもも肉、リブロースを使用するときには部位も告げると良いでしょう。スーパーでの選び方はすき焼き用と書かれているもの以外でも利用できますので、牛肉コーナーを一通り見渡すのがおすすめです。
すき焼きで肉を柔らかくする方法
しらたきが肉を硬くするという話は誤解
しらたきはすき焼きに欠かせない具材の一つです。しかしそのしらたきが牛肉を硬くしてしまうという噂が広まっていました。しかしこれは誤解であることが証明されています。牛肉を硬くする要因は脂肪の状態と煮込み時間によるものであり、それ以外の要素で硬くなることはありません。すき焼きにはしっかりとしらたきを入れても問題はないのです。
肉を柔らかくするテクニック
肩ロースでもリブロースのように柔らかくすることができればと思うことがあります。もちろん肉の部位を現実的に変えることはできませんが、柔らかく上級肉に近づけることは可能です。その方法を二つ紹介します。
一つは重曹と玉ねぎを使用する方法です。水に重曹を溶かし、約30分牛肉をつけ込んでおきます。玉ねぎを薄くスライスしてしんなりとするまで炒めます。水気を切った牛肉を玉ねぎと一緒に軽く炒めます。軽く焼き色がつけば完成です。あとは普通にすき焼きに使用するだけです。たんぱく質を分解し肉を柔らかくすることと玉ねぎの甘味成分が肉のうまみをアップさせています。
もう一つの方法はココナッツミルクを利用する方法です。無糖練乳とココナッツミルクを肉にはさみ、冷蔵庫で約30分寝かせます。ココナッツミルクが肉にしみこみ、保水性がアップするため、柔らかさを保つことができるのです。ココナッツミルクの代わりに生クリームを利用する事もできます。一工夫加えるだけで肉のうまみや柔らかさをプラスすることができ、すき焼きの味をグレードアップさせられるのです。
すき焼きを引き立てる肉以外の食材
すき焼きは牛肉が主役ですが、野菜や他の食材があってこそすき焼きの味を引き立てます。具材としておすすめなのは、焼き豆腐、しらたき、長ネギ、春菊、シイタケ、玉ねぎ、エノキです。それぞれお好みですので選び方などは自由です。食べやすい大きさにカットしておきます。しらたきは湯通ししておくとおいしくなります。また、牛肉の脂や割り下を準備して置くのを忘れてはなりません。
すき焼きのおいしい作り方
すき焼きの具材が揃ったら鍋で一つにします。入れ方にも順序があります。まず。中火の鍋に牛肉の脂を入れて溶かします。そして肉を一枚ずつ入れます。まとめて入れるとくっつく原因になりますので、面倒でも一枚ずつ入れるのがポイントです。野菜を入れますので肉の量は控えめにします。次に割り下を入れます。鍋の半分程度まで入るくらいがおすすめです。野菜で蓋をするようにまんべんなく載せ、出来上がるのを待つだけです。
すき焼きづくりは順序さえ守れば、特に難しいルールなどはありません。地域によって異なる味は主に割り下の味付けです。最近ではいろいろな割り下がスーパーで売られていますので、試してみると様々な味を楽しむことができます。食べる時にはお好みで卵をといて肉に絡ませて食べます。卵の選び方は生卵で食べますので、できる限り新鮮なものを選ぶのがポイントです。
おいしい好き焼きは家庭でも作れる
料理店などですき焼きを食べたときに家庭で作るすき焼きの味と差がある事に気づき、愕然としたことはないでしょうか?高級な牛肉を利用していたり、独自の秘伝の割り下を使っているなどの理由もありますが、一番のポイントは牛肉の選び方です。適度な脂肪分がついていることに加えて少しでも柔らかくする工夫をしているからこそ、対価を払う価値があるのです。
今回紹介したポイントを掴めば家庭でも料理店に近いすき焼きを作ることも可能です。しかも難しいことはなく、ちょっとした工夫で実現できます。これを守れば、おいしいすき焼きを家庭でも味わうことができます。今までよりもワンランクアップしたすき焼きを作ってみませんか?