かぶせ茶とは?緑茶・玉露との違いや美味しい入れ方!
かぶせ茶というお茶を知っていますか?関西地方では人気の有名なかぶせ茶は数ある緑茶の種類の中で、玉露と煎茶の中間に位置する日本茶です。伊勢地方で栽培が盛んなかぶせ茶は、濃厚な甘みと渋めのバランスが良いお茶です。玉露と同じく日光を遮る覆いを使用する栽培方法でありながらその時期が異なるなどの違いがあります。そんなかぶせ茶の美味しい入れ方を紹介します。熱湯を使用せずに80度程度の適温にすることや最後の一滴まで絞り出すなどのポイントを紹介します。
かぶせ茶とはどんな日本茶?
栽培方法と採れる期間
日本茶と言えば緑茶です。一言で緑茶と言ってもその種類はたくさんあります。日本茶の最高峰の緑茶が玉露です。一般的に家庭で飲むのが煎茶です。その中間にあるのがかぶせ茶です。同じ茶葉で作りますが、栽培方法や製造方法に違いがあるのが特徴です。お茶の最高峰の玉露は茶葉を摘む約20日前から日光が当たらないように覆いをします。お茶のうまみ成分であるテアニンを出すためです。テアニンは日光により壊されてしまいます。
高級なお茶ほどこのテアニンを出すために日光を遮る手間がかかります。手間がかかる反面美味しいお茶ができます。かぶせ茶も玉露と同じように茶葉を摘む前に覆いをしますが、玉露とはその期間が異なります。かぶせ茶は約一週間覆いをします。玉露より短い期間であるのが特徴です。茶葉の新芽の季節に機械で摘み取るのがかぶせ茶です。
味や香りの特徴
かぶせ茶は煎茶と比較して濃厚で甘い味が特徴です。お茶の最高峰の玉露はテアニンが豊富であるため、お茶に甘みがあります。玉露ほどではありませんが、渋めが少なく美味しいお茶として人気なのがかぶせ茶です。新芽で摘み取るため春先が最も美味しいのですが、ある程度寝かせることでさらに味を良くすることができます。蔵出し新茶と呼ばれるもので10月頃に出るかぶせ茶はもっと美味しい味を堪能できます。
かぶせ茶は関西で人気の緑茶で関東ではあまり見かけません。かぶせ茶の産地として三重県の伊勢地方が全国の3割を占めています。伊勢茶や伊勢かぶせ茶という名称で販売されています。そのため関東よりも関西地方で出回っています。
かぶせ茶の栄養成分と効果効能
テアニン
かぶせ茶は日本茶である緑茶の一つで多くの栄養成分が含まれています。まずテアニンです。テアニンはお茶の旨味成分でもあり、茶葉を摘む前に日光を遮ることで多く茶葉に含まれる栄養素です。テアニンには心を落ち着かせるか効果があります。また緊張をほぐす効果も持っています。リラックス効果が高いため、休憩時間や疲れたときにかぶせ茶を飲むと効果的です。
カテキン
カテキンは日本茶の渋み成分です。テアニンが少ない煎茶はカテキンが目立ち、お茶の渋みを感じるようになります。もちろんかぶせ茶にもカテキンは含まれています。カテキンには多くの効果があります。抗菌作用、抗酸化作用、体脂肪を燃やす作用、さらには血糖値上昇を抑える作用、がん抑制にも効果があります。風邪やインフルエンザの予防、生活習慣病の予防や糖尿病の予防にも高い効果があります。
カフェイン
日本茶である緑茶にはカフェインも含まれています。カフェインは睡眠を妨げるため、寝る前に飲まないほうが良いとされていることで有名ですが、日中に飲むことでその高い効果を利用することができます。血流のめぐりを活性化して大脳の中枢神経を良くします。そのため判断力や記憶力をアップさせます。頭脳や運動能力を向上させることで疲労回復や仕事の効率化に高い効果を持っています。
ストレスの解消にも高い効果があります。カフェインは寝起きの朝に摂取すると効果を発揮できます。眠気をすっきりとし、頭を働かせることができます。低血圧を改善する効果もあります。利尿効果も高くむくみの解消や腎臓の働きを活性化させます。
かぶせ茶と緑茶・玉露との違いとは?
お茶の種類の違い
日本茶の種類と違いについて紹介します。一般的に日本茶と呼ばれるお茶は緑茶です。日本茶以外には紅茶や烏龍茶、中国茶などがあります。種類がたくさんある緑茶は同じ茶葉を使用しますが栽培方法が異なります。手間暇をかけて育てた日本茶は高級なお茶となります。最高峰は玉露です。二重にした日光を遮る覆いをし、さらにはすべて手摘みするなど工数がかかります。そのぶん値段も高く人気なのが特徴です。
一般的な日本茶は煎茶として庶民に愛されています。煎茶は、日光を遮る覆いをせず、機械摘みするため大量生産が可能です。市場に出回る価格も玉露に比べて安いのが特徴です。玉露と煎茶の間にあるのがかぶせ茶です。日本茶には他にも種類があります。抹茶、てん茶、茎茶、玄米茶、ほうじ茶、番茶などです。また、お茶の入れ方によっても呼び名が変わります。一番茶、二番茶、新茶などです。
栽培方法の違い
日本茶としての茶葉は同じでも、その栽培方法によって最終的に違う緑茶になります。茶葉が新芽となった段階で日光を遮るようにして育てた茶葉がかぶせ茶の栽培方法です。茶葉の緑色の色が濃く、テアニンからカテキンへの生成が抑えられます。そのためお茶の旨味を活かすことができ、渋みを少なくできます。日光を遮る期間は玉露の約20日間よりも短く一週間程度です。また玉露の覆いは二重にされますが、かぶせ茶は一重です。
栄養成分の含有量
日本茶は同じ茶葉で栽培するため、栄養成分の含有量による違いはほとんどありません。カフェインやテアニン、カテキンが含まれています。日光を遮断する期間があるため、テアニンの量とカテキンの量は緑茶の種類によって違いがあります。玉露やかぶせ茶はテアニンが多くカテキンが少ないのが特徴で、逆に煎茶などはカテキンが多くテアニンが少ない違いがあります。
緑茶には他にもビタミンCやビタミンE、ポリフェノール、タンニン、カリウム、食物繊維も多く含まれています。抗酸化作用や、血流改善、生活習慣病の予防、高血圧解消、むくみ予防、腸内環境の改善などの効果があります。
味の違い
日本茶のうまみ成分はテアニンです。テアニンが多ければ、濃いうまみ成分が前面に出ます。一方カテキンが多い場合には、渋みが前面に出ます。テアニンが多い玉露やかぶせ茶はうまみ成分が多く濃厚で甘い味が特徴です。一方煎茶は、カテキンが多いため渋めの味になっています。
かぶせ茶の美味しい入れ方
熱湯をそのまま急須に入れない
かぶせ茶は玉露と煎茶のそれぞれ良いところのバランスが取れた人気の日本茶です。甘味成分と渋み成分の両方を楽しめます。しかしかぶせ茶の入れ方を間違うと美味しいお茶にはなりません。かぶせ茶の美味しい入れ方を紹介します。お茶の入れ方は急須に茶葉を入れてお湯を注ぐだけの簡単な方法ですが、お湯の温度や茶葉を入れるタイミング、蒸らし方などによって味に違いが生じてしまうのが特徴です。
かぶせ茶の入れ方で注意しなければならないのは、熱湯をそのまま急須に注がないことです。かぶせ茶の茶葉に熱湯は禁物です。お茶の美味しい温度は70度から80度程度です。沸騰しているお湯は100度近くなので高温すぎます。熱湯を利用すると美味しさよりも苦みが主張してしまいます。その為沸騰しているお湯をそのまま使用せずに熱湯を急須や湯飲みを温めることに利用するのが効率的な方法です。
適温までの冷まし方
沸騰している熱湯したお湯を適温まで冷ます方法は、常温の急須や湯飲みを温めるのが効率的です。まず、熱湯を常温の急須に注ぎます。さらに急須のお湯を常温の湯飲みに注ぎます。湯飲みの8分目まで入れてのこりのお湯は捨てます。これで急須と湯飲みの両方を温めるとともに、湯冷ましもでき効率的です。ちょうど湯飲みに入っているお湯の温度が80度程度になっています。
急須に茶葉を入れて抽出
常温から温められた急須に茶葉を入れます。茶葉の量は3g程度です。ティースプーン1杯ちょっとが適量です。茶葉を入れすぎると美味しいお茶を入れることができなくなります。急須に入れる茶葉の量はほんの少しで問題ありません。少ないかなと感じる程度が適量です。そして湯飲みのお湯を急須に入れます。そして1分程度蒸らしてかぶせ茶を抽出させます。蒸らしができると茶葉が開きます。この頃が注ぎ時です。
最後の一滴まで
茶葉が開いたことを確認したのちに、かぶせ茶を湯飲みに注ぎます。湯飲みも温められているため、美味しい温度を維持することができます。急須からはゆっくりと湯飲みに注ぎます。ポイントは最後の一滴まで絞り出すことです。最後の一滴には美味しさが凝縮されています。美味しいかぶせ茶を飲むためには、最後の一滴まで絞って注ぐのが大事なことです。2杯以上に分けて入れる場合には、うまみ成分を均等に注ぐのがポイントです。
2杯目からの入れ方
二番茶と言われる2杯目以降の入れ方を紹介します。1杯目の抽出が終了した段階で急須の出口付近に固まった茶葉はほぐしておくのがベストです。そして2杯目以降も1杯目同様にお湯の温度は80度程度を使用します。これ以上の温度のお湯を注ぐと苦みが強くなってしまいお茶の味を損なう結果になってしまいます。2杯目の蒸らし時間は30秒以内にします。これは1杯目ですでに茶葉が開いているため、蒸らす時間は短くなるためです。
人気のかぶせ茶を美味しく入れよう!
関西地方で人気の有名なお茶がかぶせ茶です。日本茶である緑茶の最高峰の玉露と一般的な煎茶の中間に位置するお茶がかぶせ茶です。玉露の甘みと煎茶の渋みのバランスが取れた美味しいお茶で人気があります。数ある緑茶の種類の中でもテアニンが多く健康にも良いお茶です。他の日本茶同様に熱湯を注いではならないなどの注意点があります。正しい入れ方で美味しいかぶせ茶を飲んでみませんか?