砥石の面直しとは?おすすめのダイヤモンド砥石でメンテナンス!
砥石の面直しとは?普段愛用している包丁も使っているうちに切れ味が悪くなってくるのが悩みどころ。そこで砥石を使っている方もいると思いますが、その砥石もだんだん削れて使いづらくなります。そこでおすすめなのが「ダイヤモンド砥石」です。砥石を平らに保つためには必須アイテムとも言える「ダイヤモンド砥石」を使い砥石を研ぎやすい状態に保ちましょう。ここでは面直しに必須な「ダイヤモンド砥石」の重要性と簡単なメンテナンス方法などを紹介していきます。
目次
砥石の面直し(つらなおし)とは?
調理器具のお手入れの中で普段包丁を研ぐ時に砥石を使う方も多いと思いますが、研いでいると段々と真ん中や角が削れて研ぎづらくなってきます。そこで必要なのが「面直し」という作業です。「面直し」とはその言葉の通り、修正砥石を使って砥石の面を平らに直し常に研ぎやすい状態にすることです。ではまず「面直し」の簡単な方法の前になぜ砥石が必要なのかを考えて行きましょう。
そもそも砥石とは?なぜ必要?
「砥石」と書いて「といし」と読みますが、「とぎいし」「ていせき」と読まれることもあるようです。よくある簡易シャープナーでも一時的に切れるようにはなりますが、数回使うとすぐに切れなくなってしまうのが難点です。愛用の包丁があればやはり砥石を使うのがおすすめです。
砥石の選び方
砥石を選ぶ方法としてはまずは包丁の種類によって最適な砥石があるので手持ちの包丁の材質を見てみましょう。多くの包丁は鋼やステンレスで出来ているので砥石で砥ぐことが出来ます。しかし最近ちょっとオシャレな?ホームセンターや雑貨屋などでみる「セラミック包丁」の場合、硬い材質で出来ているのでダイヤモンドの粒子で作られたダイヤモンド砥石が必要になります。
粒度とは?
砥石を選ぶ方法で目安になるのが「粒度(りゅうど)」です。簡単に言うとヤスリの粗さのようなもので、砥石の表面のザラザラ具合が違います。主に「荒砥石」120から600、「中砥石」800から1200、「仕上げ砥石」3000以上の3つに別れ、通常の包丁であれば「中砥石」で良いでしょう。
吸水性と非吸水性がある
包丁を砥ぐ時に水が不可欠となりますが、実は砥石には吸水性のものとそうでない非吸水性があります。吸水性の砥石は水が浸透するので砥ぐ時にあまり水をかけなくても大丈夫です。
しかし使用前に数分間は水に浸けておく必要があり、逆に使ったあとは乾くまで時間がかかります。非吸水性の砥石は水をかけながら砥ぐ必要がありますが、使いたい時にすぐ使える点と乾くのが早いので使用前後が楽です。好みによって使いやすい方法を選ぶと良いでしょう。
砥石には天然砥石と人造砥石がある
天然砥石は地質の硬い層から採掘された岩石を平らに加工し使っていたものが天然砥石とされています。それとは違い、人造砥石は硬い粒子を砥石型に加工したものです。今では人造砥石が主流になり天然砥石は少なくなってきています。その理由としては、採掘場が年々減ってきており良質な天然砥石は高値で取引されるようになったことが考えられます。
砥石を使いこなそう!
自分にあった砥石を選んだところで、次は実際に包丁を砥いでみましょう。砥石で砥ぐと言われると板前さんや料理人が何年も修行して砥げるようになるイメージがあるかもしれませんが、ちょっとしたやり方と方法を知るだけで誰でも出来ます。また洋包丁から和包丁など包丁の種類はもちろん、刃物であれば様々なものに応用も出来ます。ここからは包丁の研ぎ方を紹介していきます。
砥石の使い方:洋包丁や両刃包丁
まず用意するのは砥石を水に漬けるためのバットなどの容器です。あらかじめ水を張っておき気泡が出なくなるまで浸けておきます。砥石はへそくらいの位置に専用の砥ぎ台か、無ければ濡れた布巾の上に置くとズレずに出来ます。利き手でしっかりと握り人差し指で包丁の背の部分を押さえ、親指で刃のあごのような根元を押さえます。
刃こぼれしづらいやり方を意識するには、刃の角度を15度程度(小指が入るくらい)で力を入れずに腕の重さで砥石の長さをいっぱいに使うように砥いでみましょう。砥ぎ続けていると包丁と砥石の削った粉末が混ざり黒い砥ぎ汁が出てきます。流したくなりますが滑らかに砥ぐにはそのまま続けましょう。
砥げてくると刃の反対側に触ってわかるくらいのバリ(引っかかり)が出来てきます。砥げていない部分には出来ないので刃の全体に出来るようにまんべんなく砥ぎましょう。次に刃を逆さにして今度は反対の刃を砥ぎます。やり方は先程と同じです。次に新聞紙を広げ両面を擦りバリを落とします。その際せっかく砥いだ刃を潰さないように注意しましょう。
砥石の使い方:和包丁
基本的には洋包丁とやり方は同じですが、一番の違いは和包丁は「片刃」という点です。簡単に言うと砥ぐのは片方だけです。人差し指で包丁の背を押さえながら親指で包丁のアゴの部分を押さえます。砥いでバリが出てきたら新聞紙に擦りバリを落とします。ちなみに和包丁の場合バリを落とす時に砥石に対して直角に包丁を滑らせてバリを取るとちょっと職人っぽいやり方です。
面直しにおすすめ!ダイヤモンド砥石
では面直しに使う砥石といっても何を使えばいいのか中々分からないかと思いますが、断然「ダイアモンド砥石」がおすすめです。通常#800や#1000くらいの比較的柔らかい「中砥石」が良く使われていますがそれに対し、#300のダイヤモンド砥石が良いでしょう。ホームセンターや通販サイトを覗いてみるとダイヤモンドと言っても比較的手頃な価格で売られています。
ダイヤモンド砥石はそれ自体でも包丁を砥げますが、硬すぎて逆に削れすぎてしまうのと鉱物同士を擦り合わせることで砥ぎながら錆びてしまうという欠点があります。
砥石の面直しのやり方
それでは意外に簡単にできる砥石の面直しの方法を紹介いたします。まずは直したい砥石に鉛筆で格子状に線を引きます。線を引くことでどこがどう凹んでいるかが分かりやすくなるので慣れるまでは有用なやり方です。次に水を流しながら前後にダイヤモンド砥石を擦り削っていきましょう。その際、削ったカスというか汁が出てきますので水で流しながら面直しをするとよいでしょう。
削っていくと鉛筆で書いた格子状の線が消えていき、真ん中の当たっていない線が残ってきます。引き続きダイヤモンド砥石を擦り鉛筆の線がすべて消えるまで削りましょう。ちなみに凹みが深ければ深いほどこの作業が大変になり時間がかかってしまいますので、包丁が砥ぎづらくなってきたらなるべく早めに面直しを行うのがおすすめです。
仕上げ砥石があればもちろん同様のやり方で面直しをしましょう。仕上げ砥石は中砥石より硬く減りにくくはなりますが、それでもやはり真ん中が凹んできます。砥ぎづらくなってきたら小まめに面直しをしましょう。
ちょっと裏技?面直し砥石がないときは
一昔前、板前さんや料理屋のマスターなどが地面やコンクリートなど硬い面で面直しをしていたという話を聞きます。もちろん平らにはなるでしょうが、表面がざらついたりして包丁が砥ぎづらくなってしまう可能性があります。面直しの応急処置くらいに考えるのが良いでしょう。
面直し用セラミック砥石もある
通販サイトなどで面直し用砥石を探していると「セラミック砥石」も見かけると思います。溝があるセラミック製の砥石がそれです。セラミックなので当然硬いですが、使っているうちにやはり摩耗して行きます。一度摩耗すると硬いだけに修正が効かなくなってしますリスクがあります。
毎回砥ぐのが大変という方におすすめ!
たしかに砥石で毎回砥げれば良いとは思っていても、時間が取れないという時もあると思います。あくまで補助的な役割ですが簡単に包丁を砥ぐ方法として便利なシャープナーを紹介したいと思います。
一台あると便利!電動砥石
砥石の動力を電動にしたものが電動砥石です。コツもいらず砥ぐのがもっとも楽で研磨力もあるので非常に便利です。電動なので早く確実に刃付けをしたい時に使うと良いでしょう。
安価で手軽!簡易砥石
安価で手軽な簡易砥石(簡易シャープナー)を持っているという方も多いと思いますが、こちらはあくまで補助的に使うのがおすすめです。もちろん一時的に切れ味を復活させるには便利ですが、なにより切れ味を持続させるのが難しいからです。溝に刃を差し込み手前に滑らせて引き抜くことで刃先を復活させます。
お肉屋さんなどで愛用している?砥ぎ棒
昔なつかしのお肉屋さんで使っているのを見たことがあるという方もいるかもしれません。表面にダイヤモンド加工がしてあるものやセラミック素材のものがあり、ハサミや鎌などにも使えます。刃についた脂を落とす効果が高いのでお肉屋さんなどで愛用されているようです。
まとめ:ダイヤモンド砥石はやっぱり便利
いかがでしたか?最近では通販などでも簡易シャープナーもお手頃で良いものがたくさんあります。しかしあくまで一時的に刃先を揃えただけなのですぐに切れなくなってしまうことも多いでしょう。包丁は料理をする方であればほぼ毎日使うものなので、切れ味をキープすることで料理の出来にも影響が出てしまう可能性もあります。砥石を使いこなし快適な料理生活を是非楽しんでください!