人参は皮ごとむかないで食べられる?皮の栄養や皮ごとレシピも!
人参は学校給食では、必ず使われる野菜のひとつです。いろどりもきれいで栄養価も高いので、どんなメニューにも使われています。最近のじんじんは甘みが強く、人参臭さを感じなくなりましたが、今でも人参が苦手な方が多いのも事実です。料理番組で人参の皮をピーラーでむく場面がありますが、人参の皮はむかないで食べられるのでしょうか?人参の皮の栄養や、皮を丸ごと使う人参のレシピについて、まとめました。生で食べる人参の残留農薬や、皮の黒い部分が心配な方もぜひ、参考にしてみてください。
目次
人参の皮はむく?むかない?
料理のいろどりに欠かせない人参は、食卓にあがる機会が多くあります。スーパーで売られているきれいな人参の皮は、そのまま使っていいのか、むいた方が良いのか?結構、迷っている方も多いのではありませんか。料理番組で人参の皮をむく様子を見ると、やっぱり、人参の皮をむかないといけないのかと不安になりますが、本当はどうなのでしょうか?
人参の汚れの気になる部分だけスプーンで削り、あとはそのまま料理に使うのが良さそうです。皮をむかないで料理すると、なんとなく手抜きと思われそうですが、人参の皮は栄養が豊富で、効率よく摂取できるので、むかない方が良いようです。
それでも、やっぱりピーラーで人参の皮をむいてしまう方もいるようです。特にあまりにきれいすぎる人参には農薬が心配と思っている人もいます。そこで、人参の皮の栄養や皮をむかないで丸ごと使うレシピや、残留農薬や皮の黒い部分が気になる方のための対策などについてまとめました。
皮をむく野菜とむかない野菜
根菜類の野菜でも、玉ねぎ、ジャガイモなどは皮をむいて使いますが、大根や人参はきれいに洗えば、皮ごと使うことができます。料理の種類によっては、大根や人参の皮をむいて使う場合もありますが、野菜をそのまま長く保存していると、色が黒く変わることがあります。黒い部分は見栄えが悪いので、その部分だけ皮をむいて使えば大丈夫です。決して黒い部分以外まで、皮をむかないように気をつけてください。
人参の皮の栄養は?
人参の栄養の種類は、カロテン、食物繊維、ポリフェノール、グルタミン酸、カリウムなどなど、たくさんあります。なかでも、人参の英名「キャロット」の語源と言われている「カロテイン」が豊富な栄養素です。このカロテンが人参をオレンジ色にしていて、人参の皮に多く含まれています。
人参の皮の表面がでこぼこしていて、溝の部分に少し黒い部分がでるときがあります。その時は、そこだけとっておけば、他の所は皮をむかなくても使えます。全部の皮をむかないようにしましょう。人参の皮に含まれる栄養を捨ててしまうことになるので、大変もったいないことです。ところで、皮をむかないで、生のままでも丸ごと食べられる人参ですが、どんな種類があるのでしょうか?
人参の種類は?
人参には、大きく分けると2種類あります。一般的な五寸人参やミニキャロットの「西洋系人参」と正月料理に欠かせない金時人参(京人参)や沖縄料理に欠かせない島人参などを「東洋系人参」です。以下に、人参の種類を具体的にまとめてみました。
五寸人参
一番一般的な人参がこの「五寸人参」です。15~20センチの五寸程度の大きさになることから、この名前がつきました。オレンジ色で、カロテンの主成分であるビタミンAの他、ビタミンB、ビタミンC、鉄分、カリウムも多く含まれています。昔の人参は、人参特有の匂いがあり、人参臭く、苦手な人も多くいましたが、最近は品種改良され匂いも少なくなり、子どもでも食べやすくなっています。
ミニキャロット
「ミニキャロット」は小型の人参の総称で、「ベビーにんじん」や「姫にんじんと」も呼ばれます。長さは7~10cm程度で「五寸人参」の半分くらいの大きさです。果肉はやわらかくて甘味があり、人参特有の香りは少なく、皮ごとサラダなどに利用できます。サイズが小さいので、一人暮らしや少量を使い切りたいときにも便利です。五寸人参が大きくなる前に、出荷する場合もあります。
金時人参(京人参)
京人参とも呼ばれる濃赤色の長細いにんじんは、東洋系人参の代表品種です。正月料理に欠かせない縁起のいい食材のひとつです。長さは30cm程度で、果肉がやわらかくて甘味があり、一般的な五寸人参とは少し違った風味があります。生産量は少なく、おもに西日本で栽培されています。金時人参の根が赤っぽいのはリコピンも含まれているからですが、金時人参もβーカロチンや食物繊維は皮の部分に多く入っています。
人参の旬は?
人参は時無し人参という品種もあるように、一年中出荷されています。人参などの根菜類の旬は、やはり冬です。冬の寒さに耐えた人参は、甘味も増して一層美味しくなります。冬場の根菜類を使った料理が、砂糖やみりんなどを入れなくても甘くなるのは、このためです。旬の人参を、皮をむかないで、丸ごと食べるようにしましょう。
人参の皮は本当は皮ではない?
人参の皮は、普通に人参の皮と呼んでいますが、調べてみると、実は皮ではなかったのです。人参の皮は、ものすごく薄いので、人参を農家から出荷する時、機械で洗浄され、その時に皮は取れてしまっています。洗浄されてない人参の表面に薄い皮が白く見えるのが、本当の皮です。しかし、一般的には、人参の一番外側を皮と言っていますので、ここでも一般的に「人参の皮」として記述しています。
人参の外側の白い皮の内側の部分を内鞘(ないしょう)といい、栄養分が外に逃げてしまわないためのコーティングです。人参の皮は洗浄のときに取れていて、皮ではない内鞘部分は「皮と実の間」ということで全く問題なく食べられるます。では、人参の栽培に使っている農薬などは、どれくらい皮に残っているのでしょうか?
人参の皮に残っている農薬は大丈夫?
無農薬栽培や有機栽培の人参は安心して食べれます。無農薬などと表示されていない一般のスーパーなどで売られているものは、皮への残留農薬が気になる方もいます。しかし、日本の残留農薬の基準は厳しく、その基準が守られているか野菜を抜き打ち検査します。基準を超えるものはほとんどありません。それでも心配な方は、スポンジなどで皮をしっかり洗う。酢水や重曹水につける。茹でこぼすなどしてください。
人参の皮がツヤツヤ過ぎるのは大丈夫?
人参をツヤツヤにして見栄えを良くするために、収穫後にワックスを付けている場合があります。皮の見た目がツヤツヤし過ぎているのは、買うのを避けた方がいいでしょう。最近は外国産の安い人参も出ています。輸入野菜は、残留農薬などの問題が気になります。なるべく信頼できる農家さんの野菜を取り扱っているお店から買うことをおすすめします。あまりきれい過ぎるよりも、少々黒い部分があった方が、安心できるようです。
土付きの人参の皮は大丈夫?
有機栽培や無農薬の野菜を取り扱っている自然食店や生協などでは、土付きの野菜が普通に売られています。採り立ての場合は、白いひげがたくさんついている人参もあります。土を乾かして軽く落としてから水洗いすると、シンクの泥汚れが減って、作業がし易くなります。
スポンジなどで丁寧に泥を落とせば、人参を皮ごとそのまま食べるとこができます。掘り立ての人参は、オレンジ色が鮮やかで、甘みも強く、栄養価も高いので、積極的に丸ごと食べたい食材です。万が一泥が残っていて、人参の溝が黒くなっている場合は、黒い部分だけ取れば、問題ありません。
人参の皮はむかないほうがいい!
人参の皮の栄養価を考えると、断然皮はむかない方がいいです。それでも、人参の皮をむいて調理する場合もあります。なぜ、野菜の皮をむいて調理するのか、どうしても皮をむいた方が良い場合などをまとめてみました。
どうして人参の皮をむくの?
人参の皮は少し固いため、むかずに調理を行うと、食べた時の食感が悪くなります。また、人参の皮はしわしわで、デコボコしています。また、ひげのような根っこが付いているものもあります。そのため料理の具材としてみたときの見た目は、皮をむいた方が良いでしょう。
飾りきりには皮をむく
飾りきりなどで、料理の見映えを気にする場合は、人参の皮むいて使う方が、仕上がりがきれいに見えます。この場合、皮に黒い部分があると、仕上がりが台なしになります。きちんと、人参の皮をむいて、飾り切りにしてください。
ペーストには皮をむく
病人食などで、人参の皮が口に残るという方のために、皮をむいて調理する場合もあります。また、人参ジャムやペーストを作る場合は、皮がない方がきれいに仕上がります。この場合も、皮に黒い部分があると、ジャムやペーストの価値が下がりますので、場合によって人参の皮をむくかむかないか、選んでみてください。
人参の保存方法は?
人参は湿気に弱いので、新聞紙でくるんで冷蔵庫の野菜室に保存するのがおすすめです。また一部だけ使う場合は、残りをラップでくるんでおきましょう。切り口からにんじんの水分が逃げて、スカスカ、パサパサなにんじんになってしまいます。
人参の冷凍保存もおすすめです。人参はただでさえ固いですが、冷凍するとさらに固くなります。凍ったままでは包丁で切れません。そのため、冷凍する前に使いやすい大きさに切っておきましょう。特に一口サイズに切った薄切りのにんじんは、凍ったまま味噌汁に入れれば、お手軽に解凍調理ができます。朝の忙しい時間に、時短料理としてとても重宝します。
皮の黒い部分を少なくする保存方法は?
人参は古くなると表面から黒ずんでしまいます。そのため、新聞紙に包んで冷蔵庫の野菜室で保管することをすすめます。黒くなった部分はスプーンでこそげ取ったり、包丁などで削ってしまえば問題なくおいしくいただけます。あまり長期間保存しておくと、冷蔵庫の中でも成長し続けて、白い根が出ることもあります。なるべく早めに、新鮮なうちに使い切りましょう。
人参の皮の黒い部分は食べられる?
保存中うっかり黒くなってしまったにんじんの皮は、食べるのをやめましょう。皮さえとってしまって中が綺麗なら、食べても大丈夫です。人参の皮が黒くなることで気をつけたいのが、「軟腐病」という病気の可能性もあります。この病気は、にんじんを買ってすぐに皮が黒くなってしまうので、すぐおかしいなと分かります。放っておくとカビが生えたりする病気です。黒くなったにんじんの皮は、ちゃんとむいてから食べましょう。
人参の皮ごとレシピ
人参ジュース
ジューサーで人参を丸ごとジュースにすると、手軽に人参の栄養を丸ごと摂ることができます。お好みで他の野菜や果物を加えて、自分の好みの味にしてもいいですね。カロチンを効果的に摂るには、オリーブオイルなどを少し加えることを、おすすめします。
ごぼうと人参のきんぴら
ゴボウと人参のきんぴらは、お惣菜の定番。おふくろの味として、人気のメニューです。人参は皮をむかず、そのまま千切りにして、ゴボウと一緒にゴマ油で炒めます。お好みで味付けして、ゴマをたっぷりかけていただきます。
人参のサラダ
人参と大根のサラダや人参だけのサラダなど、生野菜のサラダにも人参は欠かせません。塩でもむと、水分が出て柔らかくなり、甘みも増します。塩もみした後で、酢に漬けたり、オイルを混ぜてもOKです!簡単な野菜サラダとしてメニューの1品になります。
キャロットラぺ
人参の千切りにドレッシングをかけたキャロットラペは、フランスの家庭料理の定番です。白ワインにピッタリ!1週間ほど日持ちがするので、作り置きのお惣菜としても重宝します。クルミなど入れて和えてオリジナルのキャロットラぺをつくってみませんか?
カレー
カレーに欠かせない人参は、もちろん皮のまま使ってください。玉ねぎなどと一緒に油で炒めるので、カロチンの吸収も良くなります。人参のオレンジ色が入ることで、いろどりもよく、食欲をそそるカレーになります。人参が苦手な子どもも、カレーに入れてあれば大丈夫ではないでしょうか。
ミネストローネ
ミネストローネは、カレーの材料と同じ玉ねぎ、ジャガイモ、人参に加えて、ビーンズも一緒に煮込みます。トマトソースを加えるので、オレンジ色のきれいな具だくさんのスープになります。色々な種類の野菜を一度に拓さん食べることができます。人参は皮ごと切って入れますが、しっかりと煮込むので、外側の硬さも気になりません。
生でそのまま!人参スティック
生野菜をそのままスティックに切り、グラスにさしておきます。お好みのドレッシングや塩などをつけて、おつまみ感覚で食べられます。人参の甘みがクセになりそうです。
人参スムージー
人参とリンゴをスムージーにしていただくこともできます。出来上がりを考えると、人参の皮の黒い部分は取ることをおすすめします。
人参のホットスムージー
人参のポタージュスープのようなホットスムージーは、一度にたくさんの人参を取ることができます。温かく、パンにも合うので、冬の朝食メニューとしてしっかりと野菜を取ることができます。
切り干し大根と人参の煮もの
大根を切って天日干しした切り干し大根を水で戻して、人参や薄揚げと一緒にダシで煮込みます。おふくろの味の定番です。人参の皮も使って調理するので、人参の栄養をしっかり摂ることができます。
夏野菜のカレースープ
一般的なカレーはじゃがいもが入っているので、傷みやすく、夏にはなかなか作り置きできません。そこで、夏野菜を素揚げして、さっと煮込んだあっさり夏野菜のカレースープはいかがですか?人参も揚げるので、甘みが増して、カロチンの吸収も良くなります。
人参のヘタも有効利用!
野菜のヘタをそのままな生ゴミとして捨てていませんか?冷蔵庫に入れていたのを忘れて、思わず皮が黒くなってしまった人もいると思います。人参や大根のヘタの部分を、水につけておくと、緑のきれいな葉っぱが出てきます。料理に使うこともできますし、インテリアとしても素敵なアクセントになります。
人参を皮ごと食べて健康に!
無農薬の人参は生で食べても甘みがしっかりしています。煮たり焼いた、和え物、酢の物にも欠かせない万能野菜の人参。食材に赤色の人参があると、それだけでメニューも華やぎます。ビタミンやカロテンなど、栄養豊富な人参を皮までまるごとおいしく食べて、毎日の元気の源にしてください。