マグロのカマはどこの部位?煮付け・塩焼き・刺身の下ごしらえも解説!
あなたはマグロのカマを知っていますか?マグロの赤身に比べて口にする機会があまりないため、知らない方も多いと思います。今回はそんなマグロの部位の一つである「カマ」について調べてみました。マグロのカマは一体どこの部位なのか?ということから、お家でもできるカマの下ごしらえ方法や、刺し身や塩焼き、煮付けなど、マグロのカマの美味しい食べかたも詳しく紹介していきますので、興味のある方は要チェックです!
マグロはカマも美味しい!
お刺身や寿司ネタの定番で一般的に人気のあるマグロは、低脂肪でヘルシーな赤身に、脂が乗ってとろりとした食感の大トロと中トロ、ネギトロとして人気の中落ちなど、美味しい部位が沢山あります。あなたはその他にもマグロの食べられる部位を知っていますか?マグロは捨てる部分がほとんどないと言っても過言ではないほど食べられる部分が多いんです。
マグロのほっぺの部分であるホホ肉や、カマにカマトロ、顎肉や尻尾の部分に、脳天と呼ばれる頭のお肉も煮付けや塩焼き、刺し身として食べられます。極めつけにはなんと心臓や目玉も食べられるんです。その中でも今回は知る人ぞ知るマグロの「カマ」という部位について紹介していきます。
マグロのカマはどこの部位?
マグロのカマ焼きやカマの煮付けなど料理名として名前は聞いたことはあるけど、実際マグロのどの部位なのかはわからないという方も多いのではないでしょうか?マグロのカマの部位の場所や、どんな味がして価格はどれくらいなのか?などを見ていきましょう。
マグロのカマの部位
マグロは最初にお話したように、沢山の部位が存在しています。大トロと呼ばれる部位は腹かみと呼ばれるお腹の部分で一番頭に近い場所です。中トロは背かみに背中と背しもと、マグロの背の部分と、腹なか・腹しもと呼ばれるお腹の部分からとれます。赤身はマグロの体の中心部分からとれて、ネギトロなどに使われる中落ちは骨の周りの部位です。では、マグロのカマは一体どの部位なのでしょうか?
マグロのカマとは、マグロのエラの後ろにある固い部分を半円状に切り落とした部位のことをさします。草刈りなどに使われる道具の鎌の形に似ていることから「かま」と呼ばれるようになりました。大きく太い骨が入り組んでいて、骨ばかりで食べられないように見えますが、じつは身がたっぷりと詰まっています。マグロ一匹から二つしか取れないとても希少な部位です。
マグロのカマの味
マグロのカマはマグロの中でも一番脂が乗っていて旨味が強く、刺し身に限らず煮付けでも塩焼きでもマグロ好きにはたまらない味です。あまり知られていませんが、カマにもカマトロというトロの部分があり、この部位には特に脂が乗っていて、刺し身にして食べると他の部位から取れたトロに匹敵するほどのとろけ具合と美味しさです。その味は通の中では大トロよりも人気があるほどです。
マグロのカマは栄養豊富
脂が乗っていると聞くと、カロリーが高くてあまり体によくないと思われるかもしれませんが、食べ過ぎなければ問題ありませんし、マグロのカマには栄養がたっぷり詰まっています。マグロは部位によって含まれる栄養が違っていて、赤身にはタンパク質・セレン・タウリン・ビタミンEなどが多く含まれているのに対し、カマにはEPA・DHA・ビタミンA・ビタミンD・ビタミンEなどが多く含まれています。
DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)には血管の柔軟性を高める作用や、血液中のコレステロールを掃除して血流をサラサラにしてくれる作用があるので、高血圧や動脈硬化など血管に関するトラブル予防に効果があります。他にも免疫機能を調節する効果もあり、免疫力を向上させるビタミンDに、鼻や喉の粘膜を守る働きを持っているビタミンAと合わせて感染症予防などに高い効果を得ることができるでしょう。
ビタミンAには発育の促進や、健康な肌を維持すること、目の角膜や網膜を正常に保つ働き、皮膚の粘膜を守る働きがあります。ビタミンAは目の効果が高く、暗い場所でも光を感じることができるようになり「トリ目」を防いだり、疲れ目や視力低下を防ぐのにも役立ちます。EPAにはドライアイを防ぐ作用があるので、どちらも摂ることのできるマグロのカマは、目にとって嬉しい食材といえます。
ビタミンDの効果は骨に関するもので、吸収されにくいカルシウムを体に吸収しやすくする働きや、健康で頑丈な骨や歯を作るのに効果がある栄養素です。子供の身長を伸ばす働きや骨粗しょう症、骨の老化の予防などに効果的です。このように、マグロのカマには、健康を維持するのに必要な栄養が豊富なので、カロリーが高いからと避ける必要はないでしょう。しかし、食べ過ぎはやはり良くないので、適度な量を食べるようにしましょう。
マグロのカマはお得
マグロは頭に近い部位ほど脂が乗っていて、尻尾の方にいくほど脂の乗りが弱くなります。そのことから頭や腹寄りの部位が高く、尻尾寄りになるほど安くなります。部位を価格が高い順に並べると、大トロ・中トロ・赤身・カマトロ・ほほ肉・中落ち・カマの順になります。マグロのカマは希少で頭寄りの部位なのに、なぜマグロの赤身や中トロ、中落ちなどの刺し身やサクよりも安く扱われてるのか気になります。
その理由は、希少部位は安定して供給できないという理由と、マグロは赤身やトロなどのお刺身として食べるサクがメインとなるため、刺し身のサクとして出すことのないマグロのカマはサブ扱いになります。そのためマグロのカマは自然と安価になります。
マグロを刺し身でたっぷりと食べたいけど、高価でちょっと手が出ない…という時には、マグロのカマを買うのがおすすめです。骨を取り除くという少しの手間だけで、マグロをサクで買うよりもずっとお買い得で沢山の量をいただくことができます。先程紹介したように、カマは脂の乗っている部位なので、カマトロではない部分でもトロの刺し身に近い味わいが楽しめます。ですので、トロを沢山食べたいという方には大変おすすめです。
マグロのカマを入手するには?
マグロのカマがスーパーの鮮魚コーナーに並んでいるということは、なかなかありません。だからといって市場までわざわざ行くというのも大変です。しかし、スーパーでもマグロのカマを手に入れる機会があるんです。時折スーパーのイベントとして行われているのを見たことがある方もいると思います。それは、マグロの解体ショーです!
マグロの解体ショーなら、希少部位であるカマを手に入れられるチャンスがあるんです。ただ、マグロのカマは2つしかとれないので、欲しい方が他にもいるとじゃんけんということにもあります。通な方はカマの美味しさを知っているので、激戦になる可能性もありますが、市場まで出向く時間が無い方にはぜひ解体ショーに参加してマグロのカマをゲットしていただきたいです。
マグロの解体ショーなんてやっているのを見たことがない、競争率が高いのは嫌という方は、インターネットの通販でも手に入れることができるのでそちらを活用しましょう。ネット通販なら競争する必要もありませんし、容量たっぷりなのにお買い得で購入できたりするのでとてもおすすめです。また、キハダマグロ・本マグロ・メバチマグロなどマグロの種類も選べるので、味にこだわりたい方はネットでの購入をおすすめします。
マグロのカマの下ごしらえ
マグロのカマがとても美味しく、お買い得な値段で手に入るとわかれば、一度ぐらい食べてみたいと思いませんか?しかし、冷凍で売られていることの多いカマは、どうやって解凍すれば美味しく食べられるのかわからないとつまずく方も多いはず。ですので、ここからはマグロのカマの解凍方法や、家庭でもできる簡単なマグロのカマの下ごしらえの方法を煮付け・焼き・刺し身の調理別に詳しく紹介します。
マグロのカマの解凍方法
冷凍されたマグロは-2度ぐらいから溶け始めます。この時、解凍するために温度を上げすぎてしまうとマグロの細胞を傷つけ、急速に解凍するとドリップと共に旨味が流れ出てしまい、味や色が悪くなってしまいます。また、マグロ本来の旨味を味わうのには、じっくりと時間をかけて解凍するのがポイントとなるので、0度に近い温度帯でじっくりと氷水を使って解凍する「氷水解凍」がおすすめです。
氷水解凍のやりかたは、まず1リットルの水に塩を40グラム程まぜた塩水を用意します。その塩水でマグロのカマについている、マグロをカットする時などについた切り粉や汚れを洗い流しましょう。洗い終わったらキッチンペーパーなどで水気を丁寧にしっかりと拭きとります。
そして、ジップロックなどの袋にカマを入れ、水が袋の中に入り込まないようにしたら、ボウルにはった氷水に45~60分程入れておくだけで解凍完了です。最初のマグロのカマを洗う時に真水を使うと水っぽくなってしまうので、なるべく塩水を用意して洗うのがおすすめです。
マグロのカマの解凍方法:温塩水解凍
短時間で解凍したい、氷水がすぐに用意できない、袋がない、大量に解凍したいというときには、昔らか使われている手法である塩を加えたお湯でマグロを解凍する「温塩水解凍」がおすすめです。まず40度のぬるま湯を1リットルに塩大さじ2杯を加えた温塩水を用意します。そこに汚れを落としたマグロのカマを1~2分ほどつけます。大きいものは3~4分ほどつけてください。時間が経ったらカマを温塩水から取り出します。
清潔なふきんやキッチンペーパーなどで丁寧に水気を十分に拭き取ります。しっかりと拭き取ったらキッチンペーパーなどでカマを包みお皿に乗せ、軽くラップをして冷蔵庫で20分程寝かせれば解凍完了です。大きいものは40分程寝かせてください。解凍は少ない時間で完了しますが、3~4時間ほど寝かせると身が熟成されて美味しくなります。それ以上に時間を置きすぎると酸化がすすんだり、黒ずんでしまうので気をつけましょう。
温塩水に入れている時にマグロの身が収縮したり変形することがあります。こういった現象は「ちぢれ」と呼びます。鮮度がよい証拠なので、この現象がおきることは問題ありませんが、もしちぢれがおきた場合は、時間が経っていなくてもマグロのカマを取り出して、表面の水気を拭き取り、キッチンペーパーなどで包んでゆっくりと時間をかけて冷蔵庫で解凍するようにしましょう。
解凍後の注意点
解凍したあとのマグロのカマは、解凍後刺し身で食べる場合はその日のうちに食べましょう。火を通して食べる場合は、遅くとも2日以内に食べるようにしてください。余ってしまったからといって再冷凍するのはやめましょう。身の色が変色したり、ドリップが出やすくなり味が悪くなる原因となります。
マグロのカマを煮付けにする場合
まずはマグロのカマを解凍します。カマが解凍できたら、90度ぐらいの熱湯をカマ全体にサッとかけ、そのあとすぐに冷水をかけて汚れなどを落とします。この作業は霜降りといい、生臭さを消してくれる効果があります。煮付け用の下処理はこれで完了です。霜降りをする際に注意することは、お湯の温度は高すぎると身が固まってしまうので、必ず高くても90度ぐらいの熱湯で行ってください。
マグロのカマを焼き料理にする場合
解凍したマグロのカマを臭み取りのために粗塩を多めに刷り込み、ラップをして冷蔵庫に入れて30分~1時間程寝かせます。流水で塩と汚れを落としながら洗います。ついでに血の塊や薄皮などもしっかり取り除いておくと臭みがなくなります。水気をキッチンペーパーで拭き取ったあと、バットにカマが少し浸るぐらいの量の日本酒をそそぎカマを並べ、ラップをしたら冷蔵庫に入れて30分ほど寝かせれば下処理完了です。
マグロのカマを刺身で食べる場合
骨の無い大きな肉の部分は包丁で切り落として、サクを刺し身にするようにカットするだけで刺し身としていただけます。骨についている部分は包丁では切り取れないので、スプーンなどでこそげ落としましょう。スプーンで取り出した身の部分は、ネギトロなどにしていただくととても美味しいです。
筋が多い部分は刺し身として食べると筋が気になるので刺し身にはせず、煮付けや塩焼きにして食べるほうがおすすめです。取り出しにくい部分もそのまま残しておき、あとで塩焼きにしていただきましょう。
マグロのカマの美味しい食べ方とレシピ
美味しいマグロのカマが手に入ったら、美味しく調理できれば完璧です。ここからは、マグロのカマの美味しい食べ方レシピを紹介します。定番のマグロのカマの煮付けや、カマの塩焼きを美味しく作るコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください!
ふっくら柔らかいマグロのカマの煮付け
まずはカマを甘辛い味で煮る、ふっくらとろとろのマグロのカマの煮付けのレシピから紹介します。材料は、マグロのカマ2本・ネギ1本・生姜一片です。調味料は日本酒300cc・みりん・50cc・醤油50cc・砂糖25g・水150ccです。最初にマグロのカマを煮付け用に下処理をしましょう。その間に調味料全部を鍋に入れて煮立てておきます。
マグロのカマ・ネギ・生姜を調味料を煮立てた鍋に入れて、落し蓋をして中火~少し強火で6分ほど煮込みます。時間が経ったら蓋をとり、煮汁を時折カマにかけながら、煮汁にとろみがつくまで煮詰めればカマの煮付けの完成です。煮付けを作るときの注意することは、煮詰めすぎることによる焦げ付きと、味が濃くなってしまうことです。一緒に大根やごぼうと煮ても、マグロのカマの旨味が出た煮汁が野菜に染みてとても美味しいです。
脂が乗ってジューシーなマグロのカマの塩焼き
マグロのカマ本来の味が楽しめるマグロのカマの塩焼きは、おかずとしてもお酒のおつまみとしても最高の一品です。一番シンプルなものは材料マグロのカマと、調味料は塩とブラックペッパーのみを使った塩焼きです。お好みですりおろしニンニクをプラスしてください。作り方は、まず焼き料理用にマグロのカマの下処理をします。ニンニクを使う方は、下処理の最後の冷蔵庫に入れるときにニンニクを刷り込んでください。
下処理が済んだカマに塩とブラックペッパーをかけ、グリルにカマを入れます。やや強火で20分~30分程こんがりと焼き色がつくまで焼きます。カマのサイズによって焼き時間が変わってくるので、様子を見て徐々に時間を足しながら焼くと上手に焼けます。もしも焦げ付きそうな場合は、アルミホイルをかぶせて焼いてください。こんがりと焼けて、中まで完全に火が通っていればカマの塩焼きの完成です。
フライパンで作るマグロのカマの塩焼き
魚焼き用グリルがご家庭に無い方は、フライパンでも作ることができるので安心してください。魚用グリルの掃除が面倒な方にもおすすめです。フライパンにアルミホイルかクッキングペーパーを舟状の形にしたものを敷き、その上に塩コショウしたマグロのカマを皮目を下にして置きます。舟状にする理由は、100cc程の水を入れて焼くので、その水にカマが浸らないようにするためです。
カマをホイルなどに置いたら水を入れ、フライパンに蓋をして中火で5~6分程蒸し焼きにします。時間が経ったら蓋を取り、皮目に焼き色がついているのを確認したら裏返して蓋をし、また5~6分程焼いていきます。中まで火が通り、身がふっくらとしていれば完成です。脂の乗ったカマの塩焼きは、お好みで大根おろしやポン酢などを添えるとさっぱりといただけます。
マグロのカマの洋風オーブン焼き
塩焼きでシンプルにいただくのもいいですが、カマを洋風に味付けをすれば、ワインに合うちょっとオシャレな料理にもなります。材料はマグロのカマ1つに調味料がニンニク1片・タイム小さじ2分の1・醤油大さじ2・オリーブオイル大さじ1・レモンの絞り汁大さじ2分の1・塩少々です。まず調味料を全部混ぜ合わせます。下処理済みのカマと混ぜ合わせた調味料をビニールなどに入れて揉み込んだら、冷蔵庫で1時間程度寝かせます。
寝かせ終わるころにオーブンを200度に予熱しておきます。マグロのカマをオーブンの天板に乗せて200度で15分~20分程度キレイな焼き色がつくまで焼きます。焼き終わったら裏返し、オーブンの温度を250度に設定して3分焼きます。カリッと焼き上がったら完成です。こちらのレシピはハーブとニンニクの香りがきいているため、塩焼きだと魚の臭みがちょっと気になるという方でも美味しく召し上がれます。
マグロのカマで極上ユッケ
マグロのカマの身を贅沢に使ったユッケはいかがですか?カマの身を使ったユッケは、脂が乗っているのでとろけるような濃厚な味わいです。スプーンでこそげ取った部分の身を使ってもいいでしょう。材料はカマの身約150g・卵黄1個・小ねぎ2本・白ごま少々です。調味料は、醤油小さじ2・コチュジャン小さじ1・酒小さじ1・砂糖小さじ3分の2・ゴマ油少々です。
調味料をすべて混ぜ合わせたボウルにカマの身を入れ、冷蔵庫で20~30分ほど漬けて、最後に卵黄を乗せて白ごまとカットした小ねぎをかければ完成です。こそげ取った部分を使う場合は、混ぜ合わせた調味料をかけて混ぜるだけでも大丈夫です。お酒の肴にはもちろん、あと一品欲しいという時にも丁度良く、とても簡単なレシピなのでおすすめです。
マグロのカマを美味しく食べよう!
マグロのカマの部位や味、下処理の方法など様々な情報を紹介してきましたが、いかがでしたか?マグロのカマという部位すら知らなかったという方も、この記事を読んで少し興味がわいたのではないでしょうか。近年減少しつつあるマグロは高価になりがちですが、マグロのカマならお手頃でしかも味がいいのにたっぷりとたべれると聞いたら、いてもたってもいられないはずです。
マグロのカマは刺し身用のサクで売られているものと比べてしまうと、解凍や下処理などで少し手間はかかりますが、捌いたりなど難しい下処理はありません。なので、ぜひこの記事のマグロのカマの解凍方法や下処理のやり方、レシピを参考にしてお家で刺し身や塩焼き、煮付けなどお好みの食べ方でぜひ召し上がっていただきたいです。今すぐに食べたい!という方はネットで注文してマグロのカマをゲットし、美味しくいただきましょう!