2019年04月04日公開
2024年09月10日更新
菱の実(ヒシの実)とは?味の特徴やおすすめの食べ方/注意点など
菱の実を知っていますか?蓮のように水面に葉を広げる植物が菱です。葉の形が菱型であることから菱と名付けられています。菱には実がなります。菱の実です。産地は暖かい地方が中心で、栗や芋のような食感が特徴の菱の実は、茹でてそのまま食べたり炒め物や揚げ物として調理して食べることもできます。豊富な栄養成分で効果や効能がいっぱいです。そんな菱の実の味や特徴について紹介します。菱の実の茹で方やおすすめの食べ方、食べる際の注意点も紹介します。
菱の実(ヒシの実)はどんな特徴の食べ物?
菱という植物は知っていますか?菱は水中に生息する植物です。そして菱には実がなり、菱の実と呼ばれています。かつては日本国内のどこでも生息しており、菱の実を手に入れることは簡単でしたが、今の日本での産地は限られているため、目にすることが少ないのが特徴です。
菱の実は、おつまみなどにして食べたり、揚げ物や炒め物にする食べ方があります。とても美味しいだけでなく、健康維持に欠かせない栄養成分も豊富です。菱の実について紹介します。菱の実の特徴や食べ方、原産地、そして注意点などを紹介します。
菱の実の特徴
菱は蓮のように水面に葉を広げる植物です。水中に茎をのばし水面で葉を広げます。茎に菱の実が実るのが特徴です。固い皮の中に滑らかな実が詰まっているのが菱の実の特徴で、茹でると栗や芋のように柔らかくなります。寒さに弱いため暖かい地方が産地の植物です。
名前の由来
菱という植物はあまり聞きなれませんが、ミソハギ科ヒシ属に属する植物です。そして菱になる実が菱の実です。菱は水面に蓮のように葉を広げる植物です。そしてその葉の形が菱型であることから菱と名付けられています。
菱は水中から茎をのばして水面に葉を広げます。葉は水面に浮かんでいる状態で、菱の実は果肉部分に該当します。菱は菱の実だけでなく葉や茎も柔らかく野菜として調理されて食べることもできます。
味
菱の実は固い皮で覆われています。しかし菱の実の中身は茹でることで柔らかくなり栗や芋のようになります。ホクホクして美味しいだけでなくほんのりとした甘みが特徴的です。茹でてそのまま食べることができることから子供のおやつや貴重な食料として使用されてきました。
産地や旬
菱は温暖な気候を好む植物です。寒さに弱く北日本では育ちません。原産地はヨーロッパですが、今では中国や東南アジアなどで広く産地になっています。日本でも九州が産地の中心ですが、栽培量は多くありません。
菱の実は8月頃から徐々に大きくなりはじめ、旬の時期は秋です。秋に収穫されずに残った菱の実は、茎から自然に落ちて翌年水中で発芽します。成熟しきって収穫するタイミングは菱の実が固くなった頃です。
菱の実の茹で方
菱の実は茹でて食べます。茹で方にはポイントがあります。菱の実にはアクが多く含まれているため、アク抜きをしっかり行うとともに、多めの水での茹で方がポイントです。また、皮を簡単に剥く方法もあります。
アク抜き
菱の実には多くのアクが含まれています。アク抜きをきちんとしないと苦い味になってしまいます。アク抜きの方法は水にさらしておきます。最低でも2時間以上は水にさらしておくのがベストです。できれば一晩水につけておくのがおすすめです。
茹で時間
菱の実の茹で方は鍋たっぷりの水で茹でることです。菱の実がしっかり水に浸かることが大事なポイントです。また、水に塩を加えた茹で方をし、塩は水の量の3%程度が目安です。
茹で方のポイントは沸騰したお湯の中に菱の実を投入する方法ではなく、水の状態から菱の実と一緒に沸騰させることです。茹で時間は、炊き込みご飯などさらに熱を加えて調理する場合には、沸騰してから10分程度が目安です。そのまま食べる場合には沸騰してから30分程度が目安です。
粗熱を取って皮を剥く
菱の実は茹でたての状態はとても熱くなっています。そのまま皮を剥こうとすると火傷してしまう可能性もあるため、無理に皮を剥かずに粗熱を取ることがおすすめです。放置して粗熱を取ると皮が剥きにくくなってしまう性質があるため、冷水に浸して粗熱を取ることがベストです。
皮の剥き方のポイントは、ナイフで軽く切れ込みを入れて剥く方法がおすすめです。菱の実は小さいのでナイフでけがをしないように注意しながら、平らな面に切れ込みを入れます。あとは指で剥きます。皮が固いことが多く、少し力を入れなければなりません。
菱の実のおすすめの食べ方
菱の実はほんのり甘い味がするだけなのでいろいろな食べ方をすることができます。茹でてそのまま食べることも、炒め物や揚げ物にすることもできます。料理のアクセントとしても利用でき、ハート形の形を活かしたアイデア料理にも使えます。
茹でておつまみに
菱の実は茹でただけで美味しく食べることができます。一般的な食べ方はそのまま食べる方法です。茹でて皮を剥いた菱の実を半分にカットすればおつまみとしてお酒のお供に最高です。また、サラダに散らして食べる方法もおすすめです。ホクホクとした食感が癖になる美味しさです。
炒め物に使う
菱の実は炒め物にも最適です。茹でて皮を剥いた菱の実を食べやすい大きさにカットして炒め物にします。鶏肉や豚肉と一緒に炒めれば、美味しい肉炒めになります。カシューナッツのように使うことができます。また、野菜炒めとして一緒に炒めれば、野菜だけの炒め物にアクセントをつけることができます。
揚げ物に使う
菱の実は揚げ物としての食べ方もおすすめです。茹でて皮を剥いた菱の実を天ぷらやフライにするだけでそのまま食べるよりも、また違った風味を楽しめます。天ぷらやフライに違った食材をプラスしたいと考えているときには最適の食材です。
調理のポイント
菱の実はそのまま食べてもほんのり甘い味がするだけで、風味などに癖はありません。そのためどんな料理にも相性が良く、料理のアクセントとして利用できるのがポイントです。炒め物や揚げ物だけでなく、いろんな料理のアレンジスタイルにも活用できます。
菱の実は独特の形をしています。ハート形のいびつな形をしていることを活かして、料理のデコレーションなどにも使うことができます。
菱の実の注意点と保存方法
菱の実を食べる時の注意点で一番大事なポイントは生で食べないことです。菱の実には寄生虫が宿っていることがあるためです。必ず加熱処理をしてから食べるようにするのが注意事項です。また保存方法は茹でて皮を剥いた状態で冷凍保存するのがおすすめです。
生で食べない
菱の実の食べ方の注意点として生で食べてはいけないというルールがあります。菱の実は熟すると皮が固くなり生で食べることは難しくなります。成熟していないことは柔らかく生で食べることもできそうですが、菱の実の中には寄生虫が生息していることもあるのが一番の注意事項です。
寄生虫は小腸に寄生し下痢や腹痛などを引き起こす要因になります。菱の実を食べる時には必ず加熱処理をしてから食べることを守ることが大事なのです。加熱処理を怠らないようにするのが注意点です。
保存方法
菱の実の保存方法は茹でてから保存するのがおすすめです。茹でて皮を剥いた状態で密封されたタッパーやジップロックなどに菱の実を入れて、そのまま冷凍保存します。解凍するときには、使用する分だけ解凍します。炒め物や揚げ物など再度熱を加える調理をする場合には、凍ったままの状態で利用できます。
菱の実の栄養と効果効能
菱の実には豊富な栄養成分が含まれています。ビタミンやミネラル、βカロテン、リボフラビンなど健康維持に欠かせない栄養成分が豊富です。特にがん抑制に効果があることが最近の研究で分かっています。
ビタミンとミネラルの効能
菱の実にはビタミンやミネラルが豊富に含まれています。ビタミンは健康や美容に欠かせない栄養成分です。抗酸化作用でアンチエイジング効果をもたらしたり、動脈硬化の予防などの効能を持っています。
ミネラルは鉄分やカルシウム、マグネシウムなどを総合的に呼称している栄養成分です。ミネラル自体が体の構成部分になっている他、健康の維持や改善、調整には欠かせない栄養です。
βカロテンの効能
出典: https://latte.la
菱の実にはβカロテンも豊富です。βカロテンは抗酸化作用がある栄養成分です。がんの予防やアンチエイジングの効能があります。体内で必要な分だけビタミンAに変換される優れた働きもあり、疲れ目や眼精疲労の予防の効能も持っています。
リボフラビンで身体の調子を整える
リボフラビンとは水溶性ビタミンのビタミンB2の事です。菱の実にはリボフラビンも豊富です。腸で吸収されたリボフラビンは脂質やタンパク質、糖質をエネルギー変換してくれる代謝効能を持っています。余分な脂肪分をエネルギー変換することで身体の調子を整えるほか、発育促進にも重要な役割を持っています。
がん細胞の抑制率は約30%
出典: https://serai.jp
菱の実の皮にも効能の高い栄養成分が含まれています。菱の実の皮は、白血球の活動を活性化させるとともに、がん細胞の成長と増殖を抑える効能を持っていると研究されています。特に消化器系のがんに優れた効果を発揮し、がん細胞抑制率は約30%と非常に高い効果を得ることができます。
菱の実の皮は一般的に捨ててしまいますが、細かく砕いてお茶の葉の代わりにして飲むことで、がん抑制の効能を得られます。皮だけでなく、菱の実にもがん抑制の効果はあります。
菱の実を旬に食べて季節感を愉しもう!
菱の実はあまり一般的な食材ではありませんが、豊富な栄養成分を含む食材です。ほんのり甘い味が特徴で、茹でてそのまま食べたり、炒め物や揚げ物とした食べ方もできます。産地は東南アジアを中心に日本では九州で栽培されています。
茹で方はアク抜きをすること、生で食べてはならないなどの注意点もありますが、簡単に調理して食べることができます。秋の味覚である菱の実を食べて季節感を愉しんでみませんか?