2021年03月10日公開
2024年11月07日更新
お銚子と徳利の違いとは?正しい使い方・名前の由来をリサーチ!
お銚子と徳利の違いについて、説明しています。お銚子と徳利のそれぞれの由来を、詳しくまとめています。また、正しい使い方や注ぎ方を徹底解説。さらに、お銚子と徳利を扱う際のマナーについても掘り下げています。ぜひ、参考にしてみてください。
お銚子と徳利の違いについて詳しく解説!
日本酒をよく飲む人には、なじみの深いお銚子や徳利です。日本酒を飲む人は、必ず一度はお銚子や徳利を利用したことがあるでしょう。しかし、お銚子と徳利の本来の意味や、それぞれの由来、正しい使い方などを知る人は多くありません。お銚子や徳利の正しい使い方や注ぎ方を知れば、より一層日本酒を美味しく楽しめます。
この記事では、お銚子と徳利の違いを詳しく解説しています。また、お銚子と徳利を使うメリットも紹介しています。さらに、日本酒を注ぐ際のマナーも同時に徹底解説。加えて、熱燗と冷酒の美味しい飲み方と正しい作り方も、詳しくまとめています。ぜひ最後まで読んで、酒器の魅力に触れてみてください。
お銚子と徳利の違いとは?
お銚子と徳利の違いについて、解説します。現代ではどちらも、意味合いとしては違いはありません。実際に居酒屋でお銚子を注文しても徳利が提供されます。しかし、昔はお銚子と徳利は明確な違いがありました。
昔のお銚子と徳利の形状や使用用途、また使い方などのそれぞれの特徴を、わかりやすく掘り下げています。ぜひ、チェックしてみてください。
お銚子と徳利は現在は同じもの
だいたい徳利と猪口が無礼千万だ。武家の家柄の人には、お銚子と木杯、公家の家柄の人には瓶子と磁器盃、注ぐときには武家に対しては裃をつけて、公家に対しては直衣に着替えるのが真のマナーだ。https://t.co/PIm0R4PC0b
— 大山 格 (@itaru_ohyama) May 3, 2019
もともと、お銚子と徳利は違うものでした。お銚子とは長めの柄がついている、盃に酒を注ぐ酒器のことです。徳利は注ぎ口の下の部分が、狭まっていて胴の部分が膨らんでいる酒器のことです。ただし、飲み屋でお銚子を注文すると提供されるのは決まって徳利です。しかし本来、それぞれは形も用途も全く違う酒器になります。
しかし、長く誤った言葉で呼称され続け、誤ったまま言葉が世間に浸透し、現在では徳利はお銚子と同一のものとされています。反対にお銚子のことを徳利と呼ぶことはありません。
お銚子はもともと柄の長い酒器を指す
お銚子とは、長い柄がついている酒器を指します。昔、汁物などを入れていた提子(ひさげ)という柄が長く、注ぎ口がついている容器がありました。後に日本酒を専門に入れる提子をお銚子と呼ぶようになり今に至ります。主に注ぎ口が一つだけの片口と言われるタイプと、注ぎ口が二つある両口と言われるタイプの二種類あります。
また、ふたがついていて土瓶のような形状です。日常生活ではあまり見かけませんが、宮廷などのおめでたい席や、かしこまった祝い事での酒席で盃に注ぐために使われることがあります。
徳利は貯蔵が主な用途だった
晴れるもまだ冷える朝、午前の轆轤は燗徳利から。花見で使ってみたいな・・・というものを考えながら、今月末の展示の準備をすすめていますー。 pic.twitter.com/g1ywcNqpmX
— 酒器 今宵堂 (@koyoido) March 3, 2021
現在では日本酒以外では、麺つゆを徳利に入れて提供するそば屋も多くあります。昔は調味料として使われる出汁なども、徳利に貯蔵していました。その名残が残っているためです。
酒器がお銚子から徳利へ変わった理由
@fmtoyama827 猫好きのお客様向けに最近見つけた酒器と盃のセット。
— スキスキスー (@sukisukisuu_2) September 12, 2019
因みに酒器に取っ手が付いているのはいにしえの頃からあるお銚子。その後庶民の普段使いで取っ手の無いものを徳利っていうのだ。 #fmtoyama827 pic.twitter.com/RqTgxsljWq
もともと、徳利は3升程の大きい容器でした。調味料を貯蔵するための、容器だったためです。日本酒も貯蔵することもありましたが、保管用の徳利は提供するのにはサイズが大きすぎます。そのため、徳利から別の酒器に日本酒を移してから提供していました。しかし、しばらくすると、1〜2合の小さめのサイズの徳利も普及し始めました。
したがって、別の酒器に日本酒を移す必要性がなくなり、徳利のまま日本酒を提供することになったのです。お銚子から徳利に変わった理由は、徳利が日本酒を提供するのに適した大きさのものが増えたからです。
お銚子と徳利の名前の由来
お銚子と徳利の名前の由来について、解説しています。語源を知り造詣を深めることで、多人数での酒席も話に花が咲き盛り上がるでしょう。ぜひとも、チェックして美味しく日本酒を嗜んでください。
お銚子の由来
これ、面白い器ですね。じつはこれが「お銚子」なのです。良く聞くお銚子は「徳利」の事とご承知でしょうが、ここで勉強したのは長く伸びた取手の先に杯を注ぐ器が付いております。しかも片口では無く両口なので、それもまた驚きです!実物がこれだけ揃って勉強出来て楽しいです!#菊水酒造 #菊水 pic.twitter.com/eNp6nKaqyG
— SakeLoveLikeLife (@Yuji_Takahashi1) December 6, 2017
語源は、千葉県銚子市の利根川にあると言われています。銚子市の利根川の河口を、銚子口と呼ばれていたためです。お銚子には注ぎ口がついているので、転じてその注ぎ口に合わせて地名の銚子から、お銚子と呼ばれるようになりました。
徳利の由来
凄く嬉しい。このグラス(日本酒)の方をサービスで最初に出してくれて、それがすごいおいしかったから、徳利で頼みました。
— くりーむちゃん (@creampiecumcum) March 3, 2021
ご飯も美味しい。楽しい。良い1日❤ pic.twitter.com/WePQyJwDQm
徳利の語源は、いくつか説があり、「とくとくとく」と日本酒を注ぐときの音が由来していると言われています。また、徳利は内容量が意外に多く、たくさん調味料や汁物が入るから得をするとのことで、「得」という言葉が由来とも言われています。
【番外編】お猪口の由来
あじさいお猪口!
— ART空 (@artcooooo) March 1, 2021
何色のお猪口に何を注ぐかな?^_^pic.twitter.com/7PFdd3kGeL
お猪口の由来について、説明します。お猪口の「猪口」は、元来「ちょく」と読み「ちょこっとの」とか「飾り気がない」とかの意味合いがあります。また、安直の「ちょく」が語源だという説もあります。年月が経ち、「ちょく」が「ちょこ」という呼び方に変わり、お猪口と呼ぶようになりました。
お銚子や徳利の正しい使い方と注ぎ方
お銚子や徳利の正しい使い方や注ぎ方について、説明しています。とくに気にせずに飲んでいた人は、必見です。お銚子や徳利を使うメリットを理解し酒器を正しく使うことで、一層と日本酒の味わいを深めることができます。熱燗での飲み方や、冷酒での飲み方も詳しく解説していますので参考にしてみてください。
お銚子や徳利を使うメリット
徳利で日本酒を注ぐときに「とくとくとく」と音を楽しめます。注ぐ音を聞くことで、日本酒を飲む雰囲気を味わえるのがメリットの一つでしょう。また、お銚子や徳利の形状も様々なバリエーションがあり、ユニークな形状も多いので見た目も楽しめます。
機能的なメリットとしては、燗酒も美味しく飲めます。お銚子や徳利は冷えにくい構造になっているからです。日本酒をさらに美味しく堪能したい人には、お銚子や徳利で飲むのをおすすめします。
使い方①熱燗
ラストは鯉川熱燗60度。昔から飲み慣れている酒だけに懐かしい。寒い時にはキレが良く気持ちよく呑める酒ですわ😆😆👍👍これから梯子酒しまふ😅😅😋😋‼️‼️‼️‼️ pic.twitter.com/jbj1SCHhQ6
— 日本酒フリーク(一周回って山田錦推し) (@furikunihonshu) March 2, 2021
熱燗はなるべく短い時間で燗にするのが、上手く仕上げるコツになります。あまり長く熱いお湯に浸けておくとアルコールが熱で飛んでしまい、味気ないものになってしまうからです。熱燗は日本酒の温度が50度前後が、美味しく飲める温度になります。まず、鍋に徳利が半分くらい浸かるくらいの量の水を入れます。
火をかけて沸騰させたら火を止めて、徳利を鍋の中に戻します。液体は熱を与えると体積が増える特徴があるので、熱燗を作るときも徳利の中の日本酒が注ぎ口付近まで膨張します。これを基準にして鍋から徳利を取り出しましょう。
鍋を使わずに熱燗を作るのは、他には注ぎ口にサランラップをして電子レンジで加熱する方法もあります。手軽に熱燗を楽しみたい人におすすめです。
使い方②冷酒
地酒の大徳利(冷)を注文🍶 pic.twitter.com/8lnm8PjdRc
— MULLER (@MULLER1175) September 17, 2020
冷酒用のお銚子、徳利があるので冷酒専用の酒器を使うのをおすすめします。冷酒専用の徳利は中心部分にくぼみがあります。そのくぼみが氷を入れるスペースになっているので、そこに氷を入れて飲むことで冷酒を楽しめます。また、日本酒をしっかりと冷蔵庫で冷やしておきましょう。
冷えた日本酒を徳利に注いだら、そこから1~2分ほど待つと飲み頃な温度になり、さらに美味しく飲めます。日本酒を冷やし忘れたときは、日本酒に直接氷を投入することはおすすめできません。味や風味が落ちるからです。
冷酒専用の徳利がなく、日本酒を冷やし忘れてしまった場合は徳利に日本酒を入れて、氷水に浸けて冷やすのが良いでしょう。
注ぎ方のマナー
徳利の中心部分を右手で持ち、下の部分に左手を沿えるように持ちながら注ぐのが基本的な日本酒を注ぐときのマナーとなります。日本酒を注ぐときは手の平が見えるように上に向けながら注ぐと、失礼な注ぎ方になるので気をつけましょう。また、注ぎ口はお猪口や盃のふちに触れないように注ぐのがマナーです。
注ぐ量もお猪口や盃の7~8割くらいの量を注ぐのが、適切です。さらに、テーブルにお猪口、盃を置いてある状態で注ぐのも行儀の悪い注ぎ方になると言われています。日本酒を注ぐ際は必ず相手の人に一声かけて、相手の人にお猪口を手に持ってもらってから注ぐようにしましょう。
お銚子や徳利を正しく使ってお酒を美味しく飲もう!
お銚子や徳利について、詳しく解説しました。燗にして飲んでも、冷にして飲んでも美味しい日本酒です。正しくお銚子や徳利を使うことで、一段と日本酒を美味しく楽しむことができます。注ぎ方のマナーも心得ておけば、不快な思いを周りにさせることなく酒席も楽しく満喫できます。
また、お銚子や徳利、お猪口などの名前の由来や歴史などの造詣を深めることで、より一段とお酒の場が盛り上がることでしょう。今まで特に、酒器にこだわりなく飲んでいた人も、ぜひ、この機会に試してみてください。