2019年07月24日公開
2024年09月22日更新
助六寿司「助六」の由来は歌舞伎の色男?知っておきたい助六の意味
助六寿司の助六という言葉の由来は、歌舞伎十八番のひとつ助六所縁江戸桜の主人公の名前からだと言われています。スーパーやコンビニで助六寿司をよく見かけますが、何故いなり寿司と巻き寿司の詰合せになったのか、その意味を知っていますか?今回はこの助六寿司の歴史や由来、一般的な助六寿司と関西の助六寿司の中身の違いについて説明していきます。またコンビニでどんな種類があるのかなどを詳しく紹介していきます。ダイエット中の人が気になるカロリーも紹介しているので、併せてご覧ください。
助六寿司とは?
助六寿司とは、のり巻きといなり寿司の詰め合わせを意味する助六からきています。助六寿司には一般的なものと関西風のものは少し違いがあり、広い層から人気を博しています。派手さは無いものの、その素朴な味わいは魅力的です。
一般的な助六寿司の中身
一般的な助六寿司の多くは、かんぴょうに玉子焼きと胡瓜、桜でんぷんが海苔で巻かれている海苔巻き寿司といなり寿司の2種類の寿司を詰合わせたものです。地域や店舗によって具の中身が違う事はありますが、スタンダードな組み合わせはこのようになっています。
関西の助六寿司の中身
国民誰もが昔から親しんでいると思いがちな助六寿司は、関西ではあまり知られていません。また関西地方の寿司はかんぴょう巻が存在しないという、驚愕の事実もあります。というより、関西では昔から細巻そのものが無かったというのが事実です。
したがって関西の巻き寿司は全て太巻きとなり、具はかんぴょうだけでなく桜でんぶや卵焼きなどの具を巻いたものを示すようになりました。
助六寿司が買えるところ
助六寿司は、スーパーやコンビニのお弁当コーナーや寿司コーナーなどに行けば、いつでも買うことが可能です。太巻きとかんぴょう巻きの他にカッパ巻きといなりを組み合わせた商品もあり、どの店でも切らさず置かれていて昔から変わらず人気がある弁当といえるでしょう。
いなり寿司・太巻き・かんぴょう巻のカロリー
助六寿司のカロリーは1人前658kcalと比較的低カロリーで脂質も少なめで、かんぴょう巻きのカロリーは一本あたり183kcalです。また助六寿司はいなり寿司と太巻き、かんぴょう巻のセットという事で、おにぎりのようにご飯ばかりではなく植物性タンパク質と野菜などを摂ることができます。
しかし低カロリーで野菜も摂れると思って、ダイエット中でも助六寿司をたくさん食べてしまうと危険です。確かにいなり寿司だけだと食べ応えがあり、一見ダイエットに向いていると感じるかもしれません。
いなり寿司に太巻きも加わりご飯の量が多くなると、必然的に糖質を大量摂取してしまい逆効果です。また寿司飯には酢が入っているので、さらに食欲が増してしまいダイエットには不向きと言えます。
助六寿司の由来と意味は歌舞伎に関係している
助六寿司という名が付いたのは、歌舞伎が流行していた江戸時代中期からでした。歌舞伎の宗家である市川団十郎家のお家芸として、現在でも人気がある演目が昔、庶民の間で大流行した時の事に関係していると伝えられていました。これから、この助六寿司の意味や歴史、由来をそれぞれ詳しく紹介します。
人物と歴史
1811年に七代目市川団十郎が演じる庶民に人気の歌舞伎十八番の助六所縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)という演目がありました。助六寿司の助六という名はこの演目から取られたもので、興行に出されるお弁当はいつもいなり寿司と巻き寿司のセットでした。
歌舞伎が流行していた当時、いなり寿司と巻き寿司の2種類を詰め合わせた寿司折りは、油揚げの揚げと海苔巻きの巻きから揚巻(あげまき)と呼ばれていました。この演目に登場する主人公助六の愛人である吉原の花魁(おいらん)も揚巻であったことから、この人気にあやかるために、いつしか助六という名になったと伝えられています。
また、いなり寿司が文献に登場してわずか30年ほどで全国的に広がったのは助六などの芝居のおかげと言われています。
なぜ助六が寿司になった?
それでは何故、揚げ巻き寿司ではなく助六寿司と呼ぶようになったのかでしょうか?江戸っ子らしい洒落で付けられた説やこの演目の幕間で出される弁当だったからという説がありますが、ただ単に外題が助六だからと言うことも十分に考えられます。
海苔巻きといなり寿司の意味と由来
助六寿司の中身がどんな意味や由来で海苔巻きといなり寿司になったのでしょうか?それは助六が頭に巻いていた紫色の鉢巻を巻き寿司に、愛人の揚巻をいなり寿司に例えたという説や、演目の幕間に出される弁当がいなり寿司と巻き寿司の詰め合わせだったという説もありますが、いずれにせよ当時の江戸っ子らしい洒落言葉という事です。
助六由縁江戸桜の内容
では、気になる助六由縁江戸桜の内容について簡単に紹介します。曽我五郎時致(そがのごろうときむね)は、主人公の花川戸の助六(はなかわどのすけろく)という侠客(きょうかく)になり、源氏の宝刀を探し出すために吉原を出入りします。そのうちに、三浦屋の傾城揚巻(あげまき)と恋仲になっていまいます。
その後助六は、吉原で豪遊する意休(いきゅう)という老人が源氏の宝刀を持っていることを知り、それを奪い返すという物語になっている演目です。
コンビニ3社の助六寿司を紹介
助六寿司は、コンビニ3社で販売されています。この3社の助六寿司のお寿司セットは、それぞれ特徴と個性がありました。これらの具の充実度や酢飯の旨味、いなりの甘さやもっちり感、ボリューム感を3社のものと比較して評価していきます。
セブンイレブンの助六寿司
まず始めに、セブンイレブンの助六寿司の価格は税込398円です。レギュラーサイズの恵方巻が400円から1000円以上です。それに対して、同社の助六寿司は400円以下の価格で太巻きが3個と細巻が4個、いなり寿司が2個セットになっていてお得です。
太巻きは、甘めの味付けで大き目にカットされた玉子焼きが存在感があります。他にも、レンコンの酢漬けや椎茸煮や小松菜のお浸しの素朴な味わいが合わさって、やさしい甘みが広がります。
具が多い太巻きを楽しみながら、合間の細巻がつまみ梅が赤しその振りかけと一体となって食欲をそそります。いなり寿司はジューシーで、厚みのあるいなり揚げがとても良いです。ちなみに、このセブンイレブンの助六寿司のカロリーは、473kcalです。
ローソンの助六寿司
次にローソンの助六寿司ですが、価格は税込399円です。こちらは、太巻き寿司といなり寿司だけでシンプルな詰合せです。ローソンは細巻寿司が無い分、太巻きが4個でいなり寿司が3個も付いています。特徴的なのが、太巻きの形状が丸ではなくて、四角になっているところです。
太巻き寿司は、酢飯がモチモチとしていて具が玉子焼きに胡瓜、椎茸とシンプルな組み合わせです。酢飯の旨味がギュッと凝縮されていて、太巻き寿司独特の奥深い味わいの他に、具の一つひとつの良さを堪能できます。
細巻き寿司は無くても、その分太巻きの量が多くご飯がたっぷりあるので、ボリューム感は十分です。いなり寿司の中身に白胡麻が入っていて、香ばしさがあります。いなり揚げの甘さは控えめで、こちらも酢飯の旨味をシンプルに楽しめるので、寿司のシャリにもこだわりたいという方にお勧めです。
ファミリーマートの助六寿司
最後に、ファミリーマートで販売している助六寿司の価格は税込398円です。太巻き寿司が2個に細巻き寿司が3個、いなり寿司が3個の詰合せで、こちらは細巻き寿司も付いています。さらに、いなり寿司がセブンイレブンより1個多く3個になっていて、ボリュームたっぷりです。
ファミリーマートでは、太巻き寿司に穴子が入っています。穴子のタレと酢飯が絡み合い、いい香りがほんのりと漂ってきます。その太巻き寿司を食べてみると、玉子焼きや椎茸煮と胡瓜といったベーシックな具に、濃厚なタレを絡めた穴子がプラスされて奥行きのある味です。
本枯れ節入りの出汁が使用された玉子焼も贅沢感があって、恵方巻きのような満足感があります。いなり寿司は、揚げが程よく甘くて酢飯の相性が抜群です。付け合せの濃い口醤油を浸けて食べると味の変化を楽しむことができ、少し贅沢な気分を味わいたい方は、こちらの助六寿司をお勧めします。
古くから伝わる助六寿司にはドラマチックな由来があった
これまで助六寿司の意味や由来を紹介して来ましたが、如何でしたでしょうか?何気なく普段から食べている助六寿司の意味や歴史を、改めて辿っていくとドラマチックなストーリーがあること知ることができます。この助六寿司の助六と名が付いたのも、昔人気だった歌舞伎の演目で主人公と愛人のドラマチックなストーリーがもとで名付けられた弁当でした。
現在も愛されているこの歌舞伎の助六由縁江戸桜を見る機会があれば、これらの事を思い出して幕間に助六寿司を食べてみて下さい。いなり寿司と巻き寿司の意味も含めて、しっかりと味わえるかもしれません。