2019年05月27日公開
2024年09月15日更新
アルミ鍋は危険?メリットもある?IHへの対応やおすすめ商品を紹介
アルミ鍋は危険性があるといわれているのを知っていますか?アルミ鍋は私たち日本人の食卓を支えてきた欠かせない鍋ですが、危険性とメリット両方を兼ね備えているといわれています。危険性についてはよく言われる危険性と危険性に対しての否定的な声をまとめました。また、IHで使えるのか、揚げ物としては使えるのか、アルミ鍋のおすすめの商品など気になる点も紹介しています。アルミ鍋を使用していてでいる黒ずみの取り方などもまとめました。アルミ鍋の危険性とメリットを知ってどう使うか判断しましょう。
アルミ鍋の危険性とは?
アルミ鍋は家庭でも比較的手に入れやすい種類の鍋ですが、危険性があるといわれているのを知っていますか?今回は身近なアルミ鍋の危険性とアルミ鍋のメリットについて紹介していきます。また、IHで使えるのかやアルミ鍋のおすすめ商品についても紹介しています。
アルミ鍋は危険性もあるといわれていますが、使うメリットも多く、プロも手放せない鍋として知られています。アルミ鍋についての危険性を知った上でアルミ鍋を使うか判断しましょう。
よく言われる危険性
ラットを用いた動物実験では、アルミニウムを多量に投与したときに腎臓や膀胱への影響や握力の低下などが認められています。食品の安全性を評価している国際機関(JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門家会議)※では、人が一生涯摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される暫定的な許容量(暫定耐容週間摂取量)として、体重1kg、一週間当たり、2mgという値を設定しています。
アルミ鍋のよく言われる危険性としては、アルミニウム製品の脳や臓器、骨などへの蓄積、握力の低下や脂肪にたまりやすい、また神経系への影響がある、などがあります。また、影響を受けやすい幼少期から大人に至るまで長期にわたりアルミ製品を摂取してしまうと、人体への悪影響もありえるということがいわれています。
アメリカでは、アルミニウム製の調理器具が人体に危険性があると政府から公式発表がされているそうです。また、ドイツやフランス、スイス、イギリスなどではアルミニウム製の調理器具の販売規制を行っています。ここでは日本の厚生労働省が発表している研究結果を引用して紹介します。
アルミ鍋は融点が600℃といわれています。これは他の鍋に比べてとても低い温度です。料理はしやすい反面、鍋自体がもつ有害物質が溶け出しやすいという面をもっているといわれています。
過去にアルツハイマー病患者の脳にアルミニウムが蓄積されていたという診断があったことが報道されたことがありました。しかしこれについてはアルツハイマー病がさまざまな原因で引き起こされることから現在ではアルミニウムとアルツハイマー病との関連性に根拠はないとされています。
危険性についての否定的な声
アルツハイマー病とアルミ鍋の関連には未だ解明されていない部分も多いので、危険が全くないとは言い切れないようです。しかし、国立医薬品衛生研究所が主体となって行った研究によれば、あらゆる調理においてアルミ製品を使用した場合、1日あたりのアルミ平均摂取量は1.68mgという結果が発表されています。
これはとても少なく、人体への影響はほぼないといわれています。胃薬や鎮痛剤に使われるアルミは1日服用量に1000mgのアルミ化合物が含まれる薬もあるようなので、これと比べればアルミ鍋からの摂取はかなり少ないことがわかります。
また、アルミはほとんどが体外に排泄されるようになっているので、わずかなリスクよりもアルミ鍋のメリットにももっと目をむけるべきという声もあります。また、アルミ鍋で揚げ物をしてもいいか心配になる方もいることでしょう。しかし、揚げ物程度の温度では有害物質は溶け出さないといわれています。
アルミ鍋のメリット
アルミ鍋の危険性は現状有害、無害の結論が出ていないのが現状でネット上ではさまざまな声があります。その上でアルミ鍋のメリットについて紹介しましょう。
軽くて調理しやすい
アルミ鍋はステンレス鍋や鉄鍋、ホーロー鍋などの他の鍋と比べて重さがとても軽いのが特徴です。軽いため調理時に上げ下げしやすく調理がしやすいというメリットがあります。揚げ物などをする際にも重い鍋ですると手がつらいですが、そのようなこともありません。
女性が片手で料理のとりわけなどもしやすいのが魅力です。軽い分、デメリットとしては衝撃に弱いこと、傷に弱いことなどがあげられます。
熱伝導がいい
アルミ鍋は熱伝導がいいのが特徴です。アルミ鍋のほとんどのものはアルミニウムでできており、表面にはアルマイトやフッ素樹脂が加工されています。アルミ鍋は重量が軽いことが熱伝導の良さにも関係しています。熱がすぐに伝わってくれるので調理が簡単で、料理をしやすいのがメリットです。
煮る、沸かす、焼くとさまざまな料理に適応できます。揚げ物などもサクッとあがります。揚げ物をする場合は、片手鍋だと取っ手をひっかけて油をひっくり返す可能性があるため、十分に気を付ける必要があります。アルミ鍋の揚げ物用のものも販売されています。
しかし、熱伝導がいいため料理が冷めるのも早いです。そのため、保温性を重視したい料理や煮込み料理などには向きません。お湯をすぐに沸かしたいときや少量のソース作りをしたいときなどにはアルミ鍋はおすすめです。
値段が安い
アルミ鍋は比較的安い値段で購入できるのがメリットです。アルミ鍋といってもピンからキリまであるので中にはプロが使うような高いものもありますが、鍋は安く済ませたいという方にはおすすめです。
さびにくい
アルミ鍋はさびにくいというメリットもあります。アルミ鍋は空気に触れることによって皮膜がつくられます。皮膜により表面がおおわれることでさびにくくなるという特徴をもっています。さびにくいということは手入れがしやすいということです。毎日使う鍋なので手入れがしやすいのはとても大きなメリットでしょう。
アルミ鍋はIHに対応している?
アルミ鍋の危険性やメリットについてみてきました。ところで、アルミ鍋はIHに対応しているのでしょうか。安全性の面からIHの家庭への普及が多くなってきましたが、アルミ鍋がIHに対応しているのかが気になるところです。アルミ鍋がIHに対応しているのかを調べました。
IHは調理器具に制限がある
IHには調理器具に制限があるのを知っていますか?直火のガスとは異なり、使えるものと使えないものがあります。IHは一般的には鉄、ステンレス鍋が推奨されていることが多く、一部のアルミ鍋などを除いてはアルミ鍋やホーロー鍋などは使えないことが多いです。
IHの加熱方式
IHでアルミ鍋を使いたいのに使えない時はとても困ります。そもそもIHはどのような加熱方式で加熱されているのでしょうか?IHの加熱方式についてまとめました。
鉄・ステンレス加熱方式
IHは基本鉄、ステンレス加熱方式です。電磁誘導加熱となっており、ガスを使わないのが特徴です。使える鍋については、なべ底に磁石がつくかどうかでわかるという特徴があります。
アルミ鍋は基本的にIHには対応していません。鉄・ステンレス加熱方式でアルミ鍋が使いたい場合は、次に紹介するオールメタル加熱方式にするかIH対応のアルミ鍋を購入するという方法で対処することができます。
オールメタル加熱方式
IHには、オールメタル加熱方式のIHというものがあります。オールメタル加熱方式のIHであれば、アルミ鍋や銅鍋、さまざまな金属鍋の使用が可能です。お気に入りの鍋がIH非対応でないか心配、という方はオールメタル加熱方式のIHの導入を検討してみてもいいでしょう。
アルミ鍋のおすすめ商品
残念ながらアルミ製品は基本的にIHに対応していません。そのため、IHで使いたい場合はIH対応と書いてあるアルミ鍋、もしくはオートメタル加熱形式のIHを選ぶようにしましょう。
ここではアルミ鍋のおすすめ商品を紹介します。調理現場のプロ仕様の人気のアルミ鍋も紹介しています。アルミ鍋を使うことで炒め物や揚げ物など料理がさらに美味しくなります。
アカオアルミ(DONシリーズ)
アルミ鍋のおすすめ、1つ目はアカオアルミです。アカオアルミは1947年創業の70年以上の歴史がある東京都内アルミ圧延メーカーです。DONシリーズはプロの料理人にも愛用者のいるアルミ鍋シリーズで、耐食性、耐摩耗性に優れた硬質アルミを使用しています。
家庭料理から調理現場まで使える雪平鍋から親子丼用のアルミ鍋、アルミフライパンや寸胴鍋までアルミ製でつくられています。打出揚鍋などもあり、揚げ物専用のアルミ鍋になっており、揚げ物に安心して使うことができます。
熱伝導率がよいので揚げ物もアルミ鍋を使えばふわふわサクサクに仕上がるのが魅力です。揚げ物だけでなく煮物などにも使えるので一石二鳥のアルミ鍋です。アカオアルミでは、IH対応の雪平鍋も過去に販売されていました。しかし、現在取り扱われているかは不明です。
中村銅器製作所
アルミ鍋おすすめの2つ目は中村銅器製作所です。東京都足立区で大正初期からアルミ鍋をつくっている製作所です。親子4代にわたってアルミ鍋をつくっています。こちらのアルミ鍋はすべて職人による手作りで作られており、しっかりしていて丈夫で長く使うことができるアルミ鍋です。
プロの料理人にもファンがいるほど人気のアルミ鍋になっています。安価なアルミ鍋とは違い、職人が一つ一つ槌目をつけているのもポイントで、これをすることにより食材により早く火を通すことができます。焦げ付きにくいのも魅力の商品です。
アルミ鍋の中でも行平鍋は大きさが違う15cm、18cm、21cm、24cmの4種類がラインナップされています。その他シチュー鍋などもあります。2~4人分の味噌汁や煮物をつくるなら18cmの大きさがおすすめです。
中尾アルミ
アルミ鍋のおすすめ3つ目は中尾アルミです。東京都台東区に本社をもつアルミ製作所です。プロの料理人が使うアルミ製のキングポットが中尾アルミの定番商品として知られています。
雪平鍋もつくっており、大きさ15cmのものが3000円ほどで購入できます。煮物や野菜をゆでたり、麺をゆでたりするのにとても重宝すると口コミでも人気があります。
WESTSIDE33
アルミ鍋のおすすめの4つ目はWESTSIDE33です。WESTSIDE33は京都に店を構える職人さんが立ち上げたお店です。店内に入るとずらりとアルミ製の鍋や銅製の鍋などが並びます。ここの調理器具はプロの人にも選ばれる調理器具を取り扱っています。
行平鍋は人気商品で12cm~24cmのものまで幅広いサイズのアルミ鍋を取り扱っています。IHはオートメタル対応のIHのみ使用できます。シンプルなつくりですが、余計なものが含まれておらずすっきりと使うことができる鍋です。手仕事の美しいフォルムが人気のおすすめ商品です。
キプロスター
キプロスターの業務用アルミ片手鍋はアルミ鍋ですが、IHに対応しているめずらしい商品です。熱伝導率がよく、業務用なので強度も強いのが特徴です。オーブンに入れて使用できます。
取っ手は厚くなるので、別売りのハンドルを一緒に使うのがおすすめです。IHのご家庭にとってはうれしいアルミ鍋です。15cm1295円となっており、比較的安く購入することができます。
アルミ鍋は黒ずみになりやすい?
アルミ鍋は黒ずみができることもある製品です。アルミ鍋の黒ずみの原因やアルミ鍋に黒ずみができたときの対処法、アルミ鍋に黒ずみができる前にできる予防方法などをまとめました。
黒ずみの原因
アルミ鍋に使われているアルミニウムは酸化しやすい金属となっており、空気に触れることで酸化して酸化皮膜を作り出します。この酸化皮膜を人工的に厚くしているのがアルマイトと呼ばれるもので、腐食に強いのが特徴となっています。
アルミ鍋にできる黒ずみは、酸化皮膜が傷ついてはがれてしまい、アルミの素地が表面にでてしまうことが原因でできてしまいます。アルミ素地が水分と反応して複雑な化学反応を繰り返し、黒く変色して見えるようになります。
この黒ずみはそのままにしておいても人体には問題はないといわれていますが、できれば食べ物に使うものなので見映え上きれいにしたいものです。酸化皮膜がはがれる原因は、強酸性、強アルカリ性の強い食材、料理と反応してしまった場合などがあります。
黒ずみを取り除く方法
黒ずみを取り除く方法は、まずはステンレスや金属以外のたわしでこすってみてください。金属製のものは表面がさらに傷つく原因になるので使わないようにしましょう。洗剤は中性のものを使うようにします。
それでも黒ずみが取れない場合はレモンの輪切りでこする、リンゴの皮や芯を水に入れて15分ほど沸騰させるなどの方法があります。これは黒ずみを酸と反応させて取れやすくする方法です。クレンザーでこするという方法も効果的です。アルミ鍋に黒ずみができてしまった場合には試してみてください。
黒ずみの予防対策
黒ずみの予防対策を紹介します。きれいに洗ったアルミ鍋に米のとぎ汁と野菜のくずを入れて15分ほど煮立てます。すると、表面がコーティングされて酸化による変色や傷つきを軽減できるそうです。アルミ鍋をきれいに使うために定期的に行うのがおすすめです。
このほかにも調理後はきちんと汚れを落として水を切り、乾かすことを徹底しましょう。アルミ鍋はきちんと予防をしておけば黒ずみをつけず長くきれいに使うことができます。
アルミ鍋を使うかどうかは個人の判断
アルミ鍋は危険性があるといわれてきました。実際に危険性が全くないとはいいきれないことからアルミ鍋を使うのかは個人の判断にゆだねられているのが現状です。しかし、アルミ鍋が使いやすさなどのメリットがあることからプロの現場で使われていたり、家庭でも根強い人気があります。
揚げ物においても心配される声もありますが、揚げ物用のアルミ鍋もあり、揚げ物程度では危険性はないといわれています。アルミ鍋のおすすめ商品で紹介した鍋はとても人気のものばかりです。危険性があるという声と危険性に否定的な声、両方を知った上でアルミ鍋を使うかどうか検討してみてください。