みりん梅酒とはなに?手作りすると酒税法に違反?正しい知識で梅酒作り
毎年手作り梅酒を作るのが楽しみという方も多いですよね。そんな手作り梅酒を愛する人達の間で『みりん梅酒』というものが話題に。『みりん梅酒』とは一体何なのでしょうか?手作りすると酒税法に違反するとも…?今回は、梅酒作りをする上での正しい知識を学びましょう!
目次
過去、NHKの料理番組で大問題となった『みりん梅酒』。
NHKの料理番組ってすごくバリエーション豊富なレシピをわかりやすい作り方で伝授してくれます。そのため、多くの人がNHKの料理番組を楽しみにしており、日本の食卓はNHKの料理番組に支えられている事も多いです。そんな多くの人が楽しみにしているNHKの料理番組で、過去大問題となった事がありました。その際に紹介していたレシピが『みりん梅酒』です。
『みりん梅酒』ってどんな梅酒?
大手レシピサイトなどでも、作り方が多数掲載されている『みりん梅酒』。しかし、実際に作った事がない方にとってはみりん梅酒がどんな梅酒なのか想像がつきにくいのではないでしょうか?まずは、みりん梅酒とは一体どんな梅酒なのかについて調査してみましょう!
みりん梅酒とは…
『みりん梅酒』はその名の通り、調味料でもおなじみの『みりん』で漬けた梅酒の事です。みりん梅酒はみりん本来のうまみが引き出されたまろやかなおいしさの梅酒で、ホワイトリカーなどのアルコールで漬けただけの梅酒とは違った味わいが楽しめます。
そもそも「みりん」って何?
「そもそも『みりん』って何?」という方もいるでしょうから、まずは簡単にみりんの説明をさせていただきます。みりんは、日本料理の調味料や飲用に用いられるアルコール飲料のひとつで混成酒に分類されます。まず、米焼酎の中に蒸したもち米と麹を入れて麹の酵素の力でデンプンを糖に変えて甘みを出したアルコール度数を14%程度含むものを『本みりん』といいます。
アルコール度数1%未満で、旨味調味料や水飴などの糖類を入れてみりんの風味に似せた『みりん風調味料』、5〜14%程度のアルコールを含むが、不可飲処理(1.5%以上の食塩を加えるなど)しているため飲用と扱われないので酒税のかからない『発酵調味料』と言います。
何故NHKの料理番組で紹介されたみりん梅酒は問題になった?
かつてNHKの料理番組が『みりん梅酒』の作り方を紹介して問題となった事があると文頭で述べさせてもらいましたが、一体何故NHKの料理番組で紹介されたみりん梅酒は問題になったのでしょうか?
みりんで作った手作り梅酒・みりん梅酒は酒税法を違法する!
遡る事約10年前。2007年6月14日に放送されたNHK・『きょうの料理』にて、「わが家に伝わる漬物・果実酒」のシリーズ最終日として梅酒料理が取り上げられました。番組後半では応用料理としてみりん梅酒が紹介され、「食前酒に丁度」よく「飲みやすい」と太鼓判を押していたそうです。
しかし、実はNHKでが紹介した方法で作った手作りのみりん梅酒は酒税法を違法するという事がわかりました。これが大問題となってしまい、NHKでは後日謝罪をする事になったんだとか。
手作りのみりん梅酒が酒税法で違法になるワケ
「一体なぜ、手作りでみりん梅酒を作ったら酒税法を違法してしまうの?」と、思ってしまいますよね。実は、本みりんで梅酒を作ると、梅がアルコール発酵が進んでしまいアルコール度数が高くなることから密造酒となってしまうためです。また、日本ではアルコール度数20未満の酒類で果実酒を作ることは密造酒になるので、酒税法で違法になるのです。
本みりんのアルコール度数は14度程度でアルコール度数20度未満であるため、梅に付いている酵母菌を殺菌する事が出来ずにアルコール発酵が起き、元のみりんより高いアルコール濃度のお酒が出来てしまう可能性があるのです。この様な理由から酒税法で違法してしまうため、NHKで放送された『きょうの料理』では手作りのみりん梅酒が問題視され、後日お詫び放送をする結末となったのです。
当時は大きな問題となりましたが、未だにみりんで梅酒を付ける『みりん梅酒』の作り方を紹介しているブログなども多くあります。きっと酒税法違反になることを知らないで掲載している方が多いのでしょうが、実際にみりんで梅酒を作るのは法律違反になるので絶対にやめておきましょう。
手作りみりん梅酒は酒税法で違法…。そもそも酒税法って何?
アルコール度数が約14%程度しかないみりんを使用しての手作りみりん梅酒は酒税法で違法になるという事はわかりましたが、そもそも『酒税法』とは一体何なのでしょうか…?
『酒税法』とは、簡単に言ってしまえば、酒類の製造及び販売業免許等を定めた日本の法律のことです。酒造免許がない者が手作りで梅酒やサングリアなどの混成酒を造る場合、アルコール度数20度以上のお酒を使用することが酒税法により定められています。
一体なぜ20度以上のお酒でなくてはいけないのかというと、20度以下のお酒の場合、酵素や常在菌などの影響で発酵が起こり、新たにアルコールが生成される為です。
酒税法で違法にならずにみりん梅酒を飲むにはどうする?
ホワイトリカーなどのアルコールで漬けただけの梅酒では出せないようなまろやかな味わいが楽しめるというみりん梅酒。「一体どんな味になるんだろう…?」と想像するとどうしても「みりん梅酒を手作りで作ってみたい!」と思ってしまうものです。しかし、残念ながら酒税法で違法してしまうので手作りでみりん梅酒を作る事はできません。
では、みりん梅酒を酒税法で違法にならずに飲む事ってできないのでしょうか…?そこで、酒税法を違法せずにみりん梅酒を飲む方法を調査してみたところ、製造免許を持っているメーカーが作るみりん梅酒を購入して飲むのが最も安全である事がわかりました。
酒税法では20度以下のお酒で果実酒をつけるには免許がいると規定されていますので、免許をきちんと持っているメーカーが作るみりん梅酒なら酒税法に違法しないのです。もしも「みりん梅酒を飲んでみたい!」と思っているのなら、メーカーが販売しているところで購入しましょう。大手通販サイトなどでもみりん梅酒は販売されているようなので気になる方は要チェックです!
みりん梅酒としてではなく、梅のみりん漬けなら良いの?
手作りのみりん梅酒を『お酒』として飲むと、酒税法で違法となってしまいます。では、『みりん梅酒』として飲むのではなく、『梅のみりん漬け』として食べるのなら良いのでしょうか…?
調査してみたところ、『梅のみりん漬け』として、漬けた梅を食べる事を主体とし、漬け汁は廃棄物とすれば法律違反ではないという記述がありましたので『梅のみりん漬け』として食べるのは良いのでしょう。
梅酒を手作りする際、酒税法を違法しない安全な作り方は?
アルコール度数が14%程度しかないみりんで梅酒を手作りすると酒税法を違法してしまうため避けておくべきですが、みりんではない20度以上のアルコールを使用した梅酒なら手作りすることも可能です。では、酒税法を違法しない安全な梅酒の作り方は…?お次は、美味しい手作り梅酒の作り方を調査してみましょう。
梅酒の作り方
梅酒を手作りする前に注意しておきたいこと
出典: https://tenki.jp
基本的に、お酒を作ると税金を支払わなくてはいけません。しかし、販売したりを目的とせずあくまで個人で楽しむために作るためなら条件付きで可能とされています。禁止されているのが、アルコール分20度以下のお酒で作ること・課税されていないお酒を使うこと・禁止されている食材、穀類(米・麦・とうもろこしやでんぷんなど)やぶどうを混ぜること・完成した梅酒を売ることです。
梅酒の作り方
今回ご紹介するのはホワイトリカーを使用した梅酒の作り方です。材料は、青梅1kg・氷砂糖500g~800g・ホワイトリカー1,8L・5L用のフタが密封できる瓶・竹串を準備します。まず、瓶に熱湯を少し注いで傾け、回します。熱湯を捨て、綺麗な布巾などで水気をよくふき取りビンの口を下にして、日の当たるところで乾燥させて瓶を消毒します。
ボウルに入れて流水で青梅を一つ一つ丁寧に洗います。洗剤やスポンジなどは使わずに手洗いをしましょう。綺麗に青梅を洗えたらカビを防ぐためにも水気はきっちりと拭き取っておきます。青梅の水気が切れたら竹串を使ってヘタを一つ一つ取り除きます。へタの縁をなぞるようにするとスポっと取れますよ!ヘタを取ることでエグ味がない爽やかな味わいの梅酒になります。
水気を拭き取った青梅と氷砂糖をビンに交互に入れていきます。まずは青梅をビンの底に優しく敷き詰め、その上に氷砂糖を乗せる…という工程を繰り返します。氷砂糖と青梅を全部入れたら、瓶にホワイトリカーを全部注ぎ、きちんとふたをして、涼しくて温度変化の少ない場所で保存します。漬け込む期間はだいたい、6ヶ月~1年程度だと言われています。
酒税法を違法せず、安全な手作り梅酒を作ろう!
みりん梅酒のご紹介まとめはどうでしたか?アルコール度数が14%程度であるみりんを使用して梅酒を作るのは酒税法を違法してしまうので手作りは避けておいた方が良いでしょう。どうしてもみりん梅酒を飲んでみたいという方は、きちんと免許を所持しているメーカーが販売する商品を購入して楽しみましょう。
みりん梅酒を手作りするのはリスクもあるので避けておくのがベターですから、手作り梅酒を楽しむ際には通常の梅酒を作ってみるのが良いでしょう。酒税法を違法せずに、安全な手作り梅酒を作って晩酌を楽しんでください!