瓶詰めとは?煮沸消毒のコツや保存方法・瓶詰めレシピを紹介

瓶詰めでオリジナルの保存食を作るのはとても楽しいです。販売しているものより安価ででき、お店では売っていない瓶詰めを作ることもできます。食材には保存料を一切使わないため、通常は保存期間が短くなり保存食にならなくなります。手作りでもきちんと煮沸消毒や脱気、保存方法を抑えれば長期的に保存することができるのでしょうか?瓶詰めに必要な密閉のやり方や、保存瓶の使い方などおすすめのレシピと一緒に紹介します。

瓶詰めとは?煮沸消毒のコツや保存方法・瓶詰めレシピを紹介のイメージ

目次

  1. 1瓶詰めとは?
  2. 2瓶詰めする前の煮沸消毒のやり方
  3. 3瓶詰めのやり方・コツ
  4. 4瓶詰めの保存方法と保存期間
  5. 5瓶詰めに失敗したときの対処方法
  6. 6瓶詰めにおすすめのレシピ
  7. 7瓶詰めを家で作ってみよう

瓶詰めとは?

瓶詰めの歴史が深いことを知っていましたか?実は古くから利用している方法なのです。どのようなことで瓶詰めが生まれどんな食材を保存していたのか、またどんな技法の保存方法なのでしょうか?そんな瓶詰めの歴史を少し遡ってみたいと思います。

瓶詰めの発明にはナポレオンに関係が

瓶詰めは19世紀のヨーロッパで「ナポレオン」の軍用食保存技術の公募で「アペール」の発明により瓶詰めを煮沸して、食品が長期保存できるようになりました。瓶詰めの蓋はコルクを使用しており、蝋をたらして密閉していました。その後ねじ式の蓋が開発されて長く使われるようになり、現在もコルクの蓋は利用されています。

現在は保存だけでなく風味付けの意味合いも

瓶詰めは食品を長期保存するだけではありません。瓶詰めには野菜や果実を酢やオイル、お酒と一緒に入れるやり方が一般的です。酢やお酒は殺菌作用や雑菌の繁殖を抑える目的があります。また瓶詰めは長期保存以外も液体と一緒に漬けることで食材に風味を付ける効果もあります。

瓶詰めする前の煮沸消毒のやり方

瓶詰めを作る時に一番大切な煮沸方法を紹介します。保存瓶には色々な菌がついており、洗うだけでは保存期間を長くすることができません。しかし手軽に自宅でできる材料で長期保存ができます。この長い歴史で生まれたやり方で瓶詰めを初めてみませんか?

保存瓶を煮沸消毒する理由

私たちの身の回りには数多くの菌が存在しています。免疫力がある人であれば生活する上で何の問題もありません。しかし瓶詰めは長期保存を目的としているため、洗剤で洗うだけでは落としきることができません。煮沸消毒は医療現場でも利用している方法です

瓶詰めは昔ながらのやり方で保存瓶の中の食材を長期保存することができます。しかし煮沸消毒はあくまで減菌であり滅菌ではありません。煮沸消毒で対象の菌のみ滅菌できます

煮沸消毒で大事なのは温度です。保存瓶として利用するためには100℃以上の熱湯でなければ意味がありません温度により消毒できる菌が違うのです。この昔から行われている方法で消毒することで瓶詰めとして利用することができます。

大きい鍋で保存瓶を煮る

保存瓶の具体的な煮沸消毒のやり方を紹介します。保存期間を長くするにはこの消毒にかかっているため、丁寧に行ってください。まずはきれいに瓶を洗剤で洗います瓶本体と蓋以外にパッキンなど付いている場合は全て外して丁寧に洗います

瓶がまるごと入る大きな鍋にお湯を沸かします。沸騰したところに保存瓶を入れて5分煮ます。火を止めた後は、トングで鍋から保存瓶を取りきれいなふきんやキッチンペーパーの上に口の部分を下に向けて置き、瓶の熱で自然乾燥すれば煮沸消毒が完了します。

保存瓶を乾燥させる

鍋で煮沸消毒できれば問題ありませんが、果実酒を作るるような大きな保存瓶で難しくなります。その場合はエタノールを使って消毒することができます。準備するものはエタノールか度数35度以上のアルコール、清潔なふきんかキッチンペーパーです。果実酒のアルコールが度数35度以上あればそのまま利用できるので便利です。

瓶をあらかじめきれいに洗い自然乾燥するまでは煮沸消毒と同じです。保存瓶が乾いたら、アルコールを保存瓶に入れてふたを密閉し、ゆするようにして中身全体のアルコールを行き渡らせます。アルコールを捨てたあとはきれいにふきんかキッチンペーパーで拭き取れば消毒で完了です。

瓶詰めのやり方・コツ

お気に入りの野菜や果物を瓶詰めにして、毎日の食卓に色を添えてみませんか?瓶詰めを自分で作るなんて!と思っている人にも簡単なやり方で作れます。最近は、100円ショップなどでもおしゃれな瓶がたくさん販売しています。保存方法を覚えてオリジナルの保存瓶を作ってみませんか?

食材は熱いうちに詰める

100度の温度で煮沸消毒した後は、いよいよ手作りしたものを瓶詰めしていきます。瓶が乾き温度が50℃以下にならない前に詰めます温度が下がるとこの後で行う脱気ができなくなってしまうからです。また、瓶の蓋いっぱいに詰めてしまうと密閉できなくなるので9割程度にします

オイルやリキュールに漬けるものは保存期間が長いものもが多いです。何年か前に流行ったジャーサラダを覚えていますか?彩りも鮮やかでバーベキューやランチなどで活躍していたサラダです。

ジャーサラダの煮沸消毒までは同じ工程で行い、瓶が乾いた後はドレッシングを入れ、後は順に固めの野菜から詰め密閉すれば完成します。また一晩寝かせると程よくドレッシングが行き渡り美味しく食べられます。保存方法さえ覚えれば手軽に作れるジャーサラダは、初心者は向けで楽しめる瓶詰めです。

脱気をして密閉する

瓶詰めの良いところは、保存方法をしっかり覚え密閉すればどんなレシピも長期保存ができるところです。そこで次に大切なのが脱気です。レシピにもよりますが、砂糖の量を増やしたり水分を少なくすることである程度防ぐことは可能です。

水分量が増えると細菌が繁殖していくのですが、砂糖にはその水分を吸収する働きがあるからです。しかし全ての瓶詰めに有効的なのが脱気です。脱気とは蓋を密閉する時に中空気をできるだけ抜き、細菌の繁殖を防ぐくことです。

やり方は瓶と同様に蓋も煮沸消毒します。ここで注意することは瓶と一緒に煮沸消毒はしませんアルミなどの素材でできていることが多く、長時間お湯に入れると錆びる原因になります。食材を瓶詰めし蓋を密閉してから1分程待ちます。その間内圧が上昇し「シュッ」と音がするので、再度蓋を密閉すれば脱気が完了します。

長期保存なら再度煮沸する

瓶詰めを長期保存するために、脱気後に再加熱をします。こうすることで瓶内の細菌を防ぐ効果もあります。やり方は、瓶のふたをゆるめたまま再加熱する「脱気殺菌倒立冷放」と、きつく閉めてから再加熱する「機密正立殺菌」の二通りあります。一般的には後者を利用します。 

自然乾燥させた保存瓶に9割程に食材を詰め、しっかり蓋をします。保存瓶がすっぽり入る深めの鍋にすのこを敷いてその上に置きます気泡で瓶が跳ねたり保存瓶通しがぶつかって割れるのを防ぐためです。鍋のお湯が泡立つ90度位で、15~20分加熱します。瓶を取り出し冷水で15分冷やした後は冷蔵庫で保存します。

瓶詰めの保存方法と保存期間

オリジナルの瓶詰めが完成したら保存方法は何がベストなのでしょうか?ここでは瓶詰めに適した保存方法を紹介します。手作りした食材やレシピにより、時間が経つほど美味しくなるものもあります。保存期間が長くなれば食材が時間を追うごとに変化し楽しめます。

瓶詰めの保存方法

瓶詰めの保存方法は冷蔵庫や冷暗所がベストです。ジャムやトマトソースなどは冷暗所での保存も可能です。また果実酒なども床下収納などで保存ができます。しかしレバーペーストなど生鮮の食材を使用している場合は必ず冷蔵庫で保存してください。食材やレシピに合わせて保存方法も変えるようにしてみてください。

瓶詰めの保存期間

手作りした瓶詰めの保存期間は、ジャムなど砂糖を使用しているものは半年程、食材によりますがピクルスは1ヶ月を目安としてください。また、床下収納などの冷暗所に保存すれば、果実酒などは保存期間も1年以上持ちます。保存料を使用していないので保存方法には気を付けてください。

瓶詰めに失敗したときの対処方法

瓶詰めは自宅で出来る手軽な保存食です。特別な機材や材料など使わす長期保存が可能ですが、しかしちょっとしたミスで失敗する場合もあります。ここでは具体的に例をあげて紹介します。

脱気に失敗した場合

きちんとした手順で瓶詰めすれば、食材やレシピによりか長期保存ができます。しかし密閉に失敗すれば細菌が入り込み長期保存どころか、カビが発生したりします。瓶詰めで失敗しやすい工程は脱気です。

通常は蓋をしてから1~2分で中の空気が抜け「シュッ」と音がしますが、音がしない場合は脱気に失敗しています。失敗したら蓋を少しだけ緩めて再度閉めれば脱気ができます。この時、完全に蓋を空けてしまうと、空気が入り失敗すれので気を付けてください。

瓶の蓋がふくらんできた場合

脱気に失敗したことに気づかずに長期保存をすると、蓋がふくらんできます。これはきちんと密閉できず空気がぬけないまま瓶に残ってしまっている証拠です。このまま保存し続ければ細菌が増え腐敗してしまいます。このような場合は残念ですが廃棄せざる終えません。脱気の時は音を気にして瓶詰めを作るように気をつけてください。

瓶詰めにおすすめのレシピ

ここからは人気の瓶詰めレシピを紹介します。保存期間が長いジャムやソースは日ごろのレシピに役に立つものばかりです。今まで市販のソースを利用していた人も、オリジナルの瓶詰めソースにすればよりコクや味わい深いレシピになります。

いちごジャム

  • いちご、お好みの量
  • 砂糖、いちごの1/3
 
  1. いちごをきれいに荒い、ヘタと傷んだ部分を切り落とします。
  2. いちごを軽量し、1/3の量の砂糖を準備します。
  3. 鍋にいちごを入れて中火で水分がでるまで煮詰め、砂糖を入れます。
  4. アクが出たら取り除いてください。
  5. いちごの色が濃くなってきたら、お好みまでつぶします。
  6. とろみが出れば完成です。冷蔵庫で保存するよりも常温の方が風味が保てます。

えびのアヒージョ

  • 甘エビ、お好み
  • オリーブオイル、適量
  • 塩、少々
  • こしょう、少々
  • にんにく、適量
 
  1. 甘エビとにんにくををフライパンに並べます。
  2. 甘エビが浸るまでたっぷりオリーブオイ入れます。
  3. 塩とこしょうをふり、弱火にかけます。
  4. 低温でゆっくり甘エビに火が通るまで火にかけます。
  5. 甘エビに火が通れば完成です。

野菜のピクルス

  • きゅうり、1本
  • にんじん、2/3本
  • セロリ、1本
  • パプリカ、1/2個
  • レモンの皮の薄切り、少々
  • 塩、少々
  • 白だし、100cc
  • 酢、100cc
  • オリゴ糖、大さじ1/2
  • 白ワイン、大さじ1
 
  1. 野菜は5㎝に切り揃えて、塩で揉みます。
  2. 瓶に野菜と白だし、酢、オリゴ糖、白ワインを入れて半日漬ければ完成です。野菜は切り揃えることできれいに見えます。

トマトソース

  • トマトの水煮缶、2個
  • 玉ねぎ(大)、1個
  • にんにくみじん切り、1個
  • バター、大さじ2
  • ローリエ、2~3枚
  • 塩、小さじ4
  • こしょう、適量
  • 砂糖、大さじ1
  • 白ワイン、100cc
  • オリーブオイル、大さじ1と1/2
 
  1. 玉ねぎをあらみじん切りにします。
  2. 耐熱ボウルにみじん切りにした玉ねぎとバターを入れます。
  3. 耐熱ボウルにラップをかぶせ1000Wのレンジに4分30秒加熱します。
  4. フライパンにオリーブオイルを入れ、レンジで温めた玉ねぎを入れて中火で炒めます。
  5. 2~3分炒めたら白ワインを入れてアルコールを飛ばします。
  6. トマトの水煮缶を加え、トマトはへらでつぶします。
  7. ローリエを2~3枚加えて煮詰めます。
  8. 塩、こしょう、砂糖を加えます。
  9. 本格的に作るなら、ローズマリーやセージ、タイムなどのハーブを加えるとより香りが良くなります。
  10. 弱火で10分程煮詰め、ドロッとしてきたら完成です。

バジルソース

  • バジルの葉、30g
  • パルミジャーノ・レッジャーノ、50g
  • にんにく、1片
  • 松の実、30g
  • エキストラバージンオイル、1001㏄
  • 塩、小さじ
 
  1. バジルの葉をサッと洗い、キッチンペーパーで挟んで水気を切ります。
  2. パルミジャーノレッジャーノチーズをスーパーグラインダーに入れて10~20秒攪拌します。容器も一緒に上下しながらまぜるとより混ざりやすくなります。
  3. ばじるの葉を適当な大きさにちぎります。
  4. スーパーグラインダーに松の実とにんにくを加えます。
  5. さらにバジルの葉を詰め込み、オリーブオイルを回しかけ、さらに攪拌します。
  6. さらにオリーブオイルを追加し攪拌します。
  7. 良く混ざったバジルソースにさらにのこりのオリーブオイルを加えて攪拌します。

瓶詰めを家で作ってみよう

お好みの食材で作る瓶詰はちょっとした手間をかけるだけで、いつもよりも長く保存することができます。ジャムやソースは毎日使用しない人でも便利に利用できます。欲しい時に欲しい食材の瓶詰めがあればレシピの幅も広がり楽しみながら作ることもできます。オリジナルのジャムやソース作りにチャレンジしてみませんか?

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