焼酎「水割り」の美味しい作り方!黄金比やこだわりの前割り焼酎とは?
焼酎を味わう際、水割りで飲む方も多いと思います。焼酎には甲類と乙類の2種類があり、種類によっておすすめの割り方があります。一般的な水割りは、「黄金比」で割るのが良いとされています。また、割り方によって氷の量や焼酎の量が変わり、混ぜ方も気を付けなければなりません。最近では「前割り」という飲み方も定着してきています。自宅で簡単にできる割り方や作り方のポイントを紹介します。ワンランク上の水割りを飲んでみましょう!
目次
焼酎「水割り」の美味しい作り方が知りたい!
焼酎はいろいろな飲み物で割って自由に楽しめるお酒です。芋焼酎や麦焼酎を味わう際、水割りで飲む方も多いでしょう。焼酎の個性を生かしながら味わえる飲み方として、ロックやお湯割りと共に定番化している飲み方が水割りです。水割りの「良い」とされている作り方を紹介していきます。
焼酎とは?
焼酎と言えば、おそらくほとんどの人が飲んだことがあるお酒です。銘柄を指定してロックを飲んだかもしれませんし、ウーロンハイやレモンサワーで飲んでいるかもしれません。私達にとって身近な焼酎ですが、焼酎には甲類と乙類があるのはご存知でしょうか?甲類焼酎と乙類焼酎の違いや、焼酎の種類を説明していきます。
甲類と乙類
甲類と乙類の大きな違いは蒸留法です。蒸留とは、混合物を蒸発させて再び凝縮させることで、成分を分離・凝縮する方法のことです。甲類焼酎は、連続式蒸留法という明治時代に導入された蒸留法で造られます。
甲類焼酎は、糖蜜が一般的によく使われている主原料です。糖蜜とは、主にサトウキビなどから砂糖を作る際にできる副産物で、廃棄物とも言われています。この糖蜜を水で薄めて、発酵から蒸留によって作られます。
甲類焼酎は、原料を糖化して発酵して生まれる醪(もろみ)を連続的に蒸留するため、アルコール純度の高いクリアな味わいになります。一度に大量に作ることができるため、価格もリーズナブルなものが多いです。
乙類焼酎は米、麦、芋(さつまいも)などを主原料に作られます。これらを発酵させて、単式蒸留を経て、焼酎が出来上がります。乙類焼酎はとてもシンプルな仕組みで、アルコール以外の持つ香りや風味なども抽出されます。
主原料以外にも、仕込みに「麹」を使うか使わないか、といった違いもあります。乙類焼酎は麹を使いますが、甲類焼酎では基本的に使用しません。麹を使って仕込むことで、独特の旨味が生まれるとされています。
乙類焼酎は、原料によって個性的で特徴のある味わいが楽しめます。一度しか蒸留できず大量に造ることができないため、甲類よりも価格は上がります。乙類焼酎を飲む場合、焼酎そのものの風味を味わいたいので、ロックやお湯割り、水割りといった割り方で楽しむのがおすすめです。
焼酎の種類
甲類焼酎の代表銘柄は、ご存知、鏡月や純、キンミヤなど比較的安価なものです。乙類焼酎は本格焼酎とも言い、黒霧島や森伊蔵など全ての芋焼酎、いいちこや二階堂などの全ての麦焼酎や米焼酎などが含まれます。
代表的な原材料は、米、麦、芋で、この主原料に麹を合わせることで、味が決まります。麹は黒麹、白麹、黄麹の3種類が代表的なもので、組み合わせ次第で幅広い味わいになります。
米焼酎は芳醇でまろやかな味わい、タイ米を原料とした泡盛は、独特の香りとキレのある味わいが特徴です。一方、麦焼酎は、どこか甘味を感じる軽やかな味わいです。芋焼酎は、高い香りと強い甘味がクセになる味わいです。
実は、焼酎の原材料として法律で認められている食材は、実に50種類以上あります。アロエや紅茶、栗、抹茶、レンコン、牛乳、トマトなどです。調べてみると驚くほど多くの焼酎が存在します。紫蘇(しそ)やそば、柚子焼酎などはスーパーでも売られているかもしれません。
焼酎「水割り」の黄金比と作り方のポイント
水割りは基本的に、よほどでもない限り手順によって、大きく味が変わることはありませんが、氷の量や焼酎の量を変えることで味の変化を楽しむことができます。こちらでは、水割りの基本的な作り方や割り方、混ぜ方まで紹介します。基本的な作り方を知っておけばアレンジも自由自在です!水割り作りの参考にしてみてください。
黄金比は「6:4」
まずは、水割りの焼酎と水の量について説明します。焼酎の水割りにおける焼酎と水の割合は、「焼酎6:水4」が黄金比とされています。この黄金比の割合は、多くの焼酎関連書籍や販売者などによって紹介されており、「ロクヨン」などと言われることもあります。
6:4の黄金比では少し濃い水割りなのでは?と思うかもしれませんが、焼酎自体のアルコール度数が25度程度ですから、この割合でも決して濃くはありません。6:4の黄金比で水割りを作ってもアルコール度数は15度前後ですので、日本酒やワインなどと同じくらいです。
氷と焼酎の量
水割りを作る際はまず、グラスにたっぷりの氷を入れます。グラスに対して氷1つ分抑えた位置が氷の量の目安です。氷の個数でいうと4、5個程度です。また、氷は家庭用冷蔵庫で作れる氷でもいいのですが、コンビニやスーパーで売っているロックアイスの方が溶けにくく、おすすめです!
基本的に水割りを作る際は、水より先に焼酎を入れます。アルコールの方が水より比重が軽いため、焼酎を先に入れた方が混ざりやすいからだとされています。焼酎の量はだいたいグラスの半分くらいまで注ぎます。
水の量と種類
焼酎をグラスの半分まで注ぎ、水をグラスの8割程度のところまで注げば、6:4の黄金比の水割りになります。目安は、グラスに口をつける分くらいで量を抑えておくのが望ましいです。
水割りに使用する水は「軟水」がおすすめです。ミネラルが豊富な硬水では、味わいのバランスが崩れてしまうからです。それに焼酎の多くの銘柄では、仕込みに軟水を使用しています。日本のミネラルウォーターはほぼ軟水です。
マドラーのかき混ぜ方
水割りを作る際、混ぜ方にもポイントがあります。よく混ざるからといって、カチャカチャ氷を鳴らしながら回す混ぜ方はやめましょう。混ぜ方のコツは、マドラーをグラスの内側に沿って、4周ほど回します。イメージとしては氷の外側を回すイメージです。
水割りを作る手順の時点で、対流ができているので、カチャカチャ回す必要はないんです。この混ぜ方をすると、氷がクルクルと踊っている感じになります。4周ほど回してピタッと止め、マドラーをまっすぐ抜きます。これが正しい、そしてかっこいい混ぜ方です。
焼酎「水割り」よりこだわりの「前割り焼酎」の作り方
ここまで紹介した作り方で十分美味しい水割りを作れますが、よりこだわるなら「前割り」という作り方がおすすめです。最近では、スタンダードな割り方として人気が出ています。「前割り」の作り方を紹介します。
前割り焼酎とは?
「前割り」とは、前もって焼酎を水で割り、それを寝かせることで焼酎と水を馴染ませる飲み方のことです。事前に6:4の割合で焼酎と水を割り、それを一升瓶やペットボトルなどの容器に入れておき、それを1日から数日寝かせます。
こうすることで通常の水割りより、焼酎と水が良く馴染み、よりまろやかな味わいになります。この飲み方は、焼酎の本場、九州地方ではスタンダードな割り方として焼酎の水割り、お湯割り、ロックと一緒に焼酎の前割りがあります。
本格的な飲み方として以前から用いられてきましたが、最近では、あらかじめ前割りされた焼酎や、前割り専用のボトル(前割り用に目盛りが付けられた空のボトル)なども販売されていて、より身近になってきています。
焼酎と水の種類・割合
「前割り」を作るときの焼酎と水の割合は、通常の焼酎の水割りと同じく、6:4の黄金比がおすすめです。もちろん5:5や4:6など好みの割り方に調節もできます。
一般的に14~15度のアルコール度数のお酒は、そのままでも飲みやすいと言われていますので、25度前後の焼酎と水を6:4で割れば、大体14~15度になるので飲みやすくなります。また、前割り焼酎に芋焼酎を使えば、芋の香りが軽減されるので芋焼酎の香りが苦手な方でも飲みやすくなります。
「前割り焼酎」を作る際の水は、水道水ではなくミネラルウォーターがおすすめです。特に軟水のものだとミネラルが少ないため、焼酎の旨味を損ないません。
保管場所と寝かせる期間
焼酎と水を混ぜたら、清潔な瓶やペットボトルに詰め、冷蔵庫の中で寝かせましょう。常温で寝かせることも可能ですが、梅雨時期や夏場は例倉庫での保管が良いでしょう。「前割り焼酎」は、寝かせているときに焼酎のアルコール分子の周りに水の分子がつき、口当たりがまろやかになります。
3日から1週間寝かせれば、十分なまろやかさを堪能できるでしょう。日毎に変わる「前割り焼酎」を楽しむのも趣があっておすすめです!
焼酎「水割り」以外の割り方と飲み方
焼酎と言えば様々な飲み方を楽しめるお酒です。割り方によってはお酒っぽさがなくなり、お酒の弱い人や苦手な人でも飲めるアルコールです。
焼酎を飲むときに割り物を入れるという人は多いと思いますが、その割り方によって味わいは全く異なったものになります。また、混ぜ方に注意が必要なものもあります。今回は焼酎の味を引き立ててくれる様々な焼酎の割り方を紹介します。
ロック
焼酎そのものの味わいを楽しめるのが「ロック」です。焼酎本来の香りが引き立ち、はじめはストレートのような強い素材の味わいを、時間が経つにつれて水割りのような優しい味わいを楽しむことができます。梅干しやレモンスライスを添えても楽しめます。
お湯割り
一般的に「焼酎のお湯割り」など温かいお酒は、年配の人に好まれる傾向があります。若い世代ではあまり一般的ではない「焼酎のお湯割り」ですが、独特の魅力があります。ロックや水割りなど冷やす飲み方では味が締まるのとは反対に、お湯割りでは味に膨らみが生まれ、より香りが立つようになるのです。
特に芋焼酎など甘みをしっかり感じるものの場合、よりふっくらとした甘みを感じることができます。(一般的に温度が高い方が甘味を感じます)要するに美味しくなるのです。
また、お湯割りは「悪酔いしにくい」と言われています。温かいものの方が胃に負担をかけず、消化・吸収が早く進むと言われています。そのため、アルコールが早く吸収され、酔いの症状が早く現れるため、自分の酔いの加減が分かり飲む量をセーブできるというわけです。
このようなメリットがある焼酎のお湯割りは、ついつい飲みすぎて悪酔いしてしまったり、翌日にも影響を出してしまいがちな若い人にこそおすすめの飲み方なのです。
梅酒割り
焼酎のロックに梅酒を加えます。梅酒が爽やかに香る風味豊かな味わいです。しそ焼酎、鍛高譚(たんたかたん)と鍛高譚の梅酒の1:1の割り方がおすすめです。女性向けに、水で割って口当たりをやわらげてあげる割り方もおすすめです。
ソーダ割り
これまで焼酎の飲み方と言えば、ロックや水割り、お湯割りが定番でした。しかし近年は、ウイスキーハイボールのブームがあったせいか、ソーダ割り派の人も急増してきています。
芋や麦などの本格焼酎も含め、焼酎のソーダ割りを作る際の、それぞれの比率は「焼酎4:ソーダ6」が黄金比とされています。水割りの場合は焼酎6:水4のいわゆるロクヨンが黄金比とされるのですが、ソーダ割りはその逆です。
ソーダの炭酸によって風味が持ち上げられるため、水割りのそれより少し薄めとなるのです。また、ソーダ割りは何と言っても爽やかな口当たりが醍醐味ですから、それを生かすためにも、ソーダもしっかり入れて爽やかさを出す、というわけです。
重要なポイントは2つの混ぜ方にあります。1つは、焼酎はソーダを入れる前に氷と一緒にかき混ぜ、あらかじめ冷やしておくことです。2つめは、仕上げの混ぜ方です。ゆっくりそっと一回だけ混ぜるに留めることです。
これらの2つのポイントは炭酸を抜けにくくするための混ぜ方です。炭酸の泡が焼酎を持ち上げてくれるため、何度も混ぜる必要がなく、1回氷をも仕上げる程度でも十分に混ざり合います。
大葉唐辛子割り
最近、「金魚」という焼酎の飲み方が、おしゃれで粋だとネット上で話題になりました。シンプルな飲み方でグラスに氷、大葉、唐辛子(輪切りでないもの)を入れ、焼酎をゆっくり注ぎ水で割るだけです。
大葉の香りと唐辛子の刺激がピリッと後味に残ります。グラスの中の唐辛子が、金魚鉢の中の金魚にみえることから、「金魚割り」と呼ばれます。
金魚割りには細かな決まりはなく、焼酎は甲類でも乙類でもOKです。水割りの他にもお湯割りでも楽しめるので、お好きな割り方で試してください!
クラッシュロック割り
大きめのグラスにクラッシュアイスを入れ、焼酎をゆっくり注ぎます。通常のロックよりもしっかり冷え、キレのある味わいが楽しめます。
また、お好みのフルーツを入れると「クラッシュロックフルーツポンチ」という飲み方になります。使うフルーツはレモンやライムなどの柑橘系がおすすめです。いつものロックに加えてお試しください。
お湯割り&梅干し
耐熱グラスや湯呑などに、70度ぐらいまで冷ましたお湯を入れます。そこに焼酎を入れて、最後に梅干しを入れて完成です。お湯割りは、湯気と共に素材の香りが立ち、華やかな風味を楽しめます。そこに入れた梅干しを潰しながら飲み進めれば、味の変化を楽しめます。耐熱容器に注ぐのは、お湯が先です!
焼酎「水割り」を作り方にもこだわって楽しもう!
多くの方が一度は味わったことのある焼酎の水割りですが、割り方や作り方に多少こだわれば、誰でも簡単に美味しい水割りを作ることができます。人それぞれ好みは違うので、まずは6:4の黄金比で試してみていただき、自分好みの割合や割り方を探してみてください!