焼酎の甲類・乙類の違いとは?味や飲み方と製造方法を比較!
焼酎は大きく分けて『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の2つに分けられます。そんな甲類焼酎と乙類焼酎の味・飲み方・製造方法といった違いとは一体どのような点が挙げられるのでしょうか…?そこで今回は、甲類焼酎と乙類焼酎の違いについて徹底調査してみました!
目次
何気なく飲んでいる焼酎の種類って知ってる?
芋・米・麦・そば・黒糖…などといった、使用されている原料によって味も香りも異なる焼酎は、毎日飲んでも飲み飽きないお酒として人々の間で人気を集めています。そんな何気なく飲んでいる焼酎には、使用されている原料によってはもちろん、製造方法によって異なる種類があるということをご存知でしょうか?
焼酎は大きく分けると『甲類』と『乙類』の2種類がある。
まず、焼酎の種類を知る前に知っておきたいのが、お酒の種類についてです。お酒全般を大別すると、『醸造酒』『蒸留酒』『混成酒』といった3つの種類に分けられます。『醸造酒』は、穀類などの原料を発酵させアルコールを生成させたものの事で、代表的なお酒はビール・清酒・ワインなどが挙げられます。
続いて『蒸留酒』は、醸造酒をさらに加熱・蒸留したもののことで、代表的なお酒は焼酎・ウイスキー・ウォッカなどが挙げられます。『混成酒』は醸造酒や蒸留酒に果実や香辛料・砂糖等を加え、その成分を浸透させたもののことで、代表的なお酒は梅酒やリキュールなどです。
焼酎の『甲類』と『乙類』の違いって何?
お酒全般の種類で言えば『蒸留酒』にあたる焼酎。そんな焼酎をさらに大きく分けると『甲類焼酎』と『乙類焼酎』といった2種類にわけられます。普段何気なく飲んでいる焼酎にも種類があるということに驚く方も多いかもしれませんが、そもそも『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の違いって一体何なのでしょうか?
甲類焼酎と乙類焼酎の味・飲み方・製造方法違いを調査せよ!
そこで今回は、『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の味・飲み方・製造方法といった違いを徹底的に調査してみました!これらの焼酎には一体どの様な点の違いがあるのか…しっかり学んでみましょう!
甲類焼酎と乙類焼酎の味の違いは?
まず、気になる『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の違いといえば、味ではないでしょうか?あなたが普段飲んでいる焼酎は甲類焼酎と乙類焼酎、一体どちらなのでしょうか…?まずは『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の味の違いをチェックしてみましょう!
『甲類焼酎』と『乙類焼酎』それぞれの味は…
『甲類焼酎』の味の特徴は、焼酎独特の匂いも弱く、口当たりもサッパリとしており、クセがない焼酎です。また、『甲類焼酎』は、甲類の範囲にて、ブレンド・熟成・蒸留回数・蒸留機・加水種類・原料などといったもので変化をつける事も可能なので、ある程度の特徴的な風味を持つものも存在します。
続いて、『乙類焼酎』の味は、麦・芋・米・そばなどといった使用原料独特の風味や旨味といった味わいが強く、クセが強い焼酎です。乙類焼酎は南九州地方が特産地として有名とされています。
甲類焼酎と乙類焼酎の飲み方は?
ピュアな味わいですっきりとした飲みやすさの『甲類焼酎』と、使用原料の香りがしっかりと残された深い味わいの『乙類焼酎』。味が全く正反対である甲類焼酎と乙類焼酎ですから、それぞれのおすすめの飲み方が異なります。では、乙類焼酎と甲類焼酎それぞれのおすすめの飲み方は一体どんな飲み方なのでしょうか?
乙類焼酎と甲類焼酎のおすすめの飲み方
味のクセが少ない『甲類焼酎』の飲み方は、ストレートやロックで飲むことより、お茶割りや果汁や炭酸で割ったサワー・チューハイとして飲まれることが多いです。特に柑橘系のものと相性が良くレモンやグレープフルーツなどを搾って飲むのがおすすめの飲み方とされています。
一方、芋・麦・米などといった、使用されている原料の風味が強くクセがある『乙類焼酎』は、素材本来の旨味をしっかりと感じるためにも、クセのない甲類焼酎のようにお茶割りやサワー・酎ハイなどでは飲まずに、シンプルにお湯割りや水割りで香りを楽しむのが一般的な飲み方とされています。
甲類焼酎と乙類焼酎の製造方法の違いは?
『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の味や香りが異なる大きな理由は製造方法の違いです。では、『甲類焼酎』と『乙類焼酎』それぞれの製造方法とは一体どのようになっているのでしょうか?お次は、『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の製造方法の違いをそれぞれ学んでみましょう。
『甲類焼酎』の製造方法
廃糖蜜や酒粕などを原料とした発酵液を原料に、連続式蒸留器で蒸留して高純度エタノールを生成し、これに加水したお酒…それが『甲類焼酎』です。何度も蒸留を行う甲類焼酎はアルコール純度が高くなり、原料本来の風味が失われるため、クセがない仕上がりになります。日本の税法上で、甲類焼酎はアルコール度数36%以下とされています。
『甲類焼酎』を作る際に使われる連続式蒸溜機は、単式蒸溜機が重なったような構造となっています。それを使って『連続式蒸留法』という明治時代に導入された蒸留方式でつくります。
原料を糖化して発酵して生まれるもろみを連続的に供給し、持続的に高いアルコール濃度の液を得ることができるので、ルコール純度の高いクリアな味わいになります。甲類焼酎は低コストでの大量生産することができるので大手企業によって量産され、それらの販売シェアが高い焼酎と言えます。
『乙類焼酎』の製造方法
米・芋・そば・黒糖などといった原料を使用しており、単式蒸留機をで蒸留して作られたお酒…それが『乙類焼酎』です。『本格焼酎』とも呼ばれます。昔ながらの単式蒸留法で造られたとてもシンプルな仕組みの乙類焼酎は、アルコール以外の原料の持つ香りや風味なども抽出されるようになっています。日本の税法上で、乙類焼酎はアルコール度数45%以下とされています。
乙類焼酎の製造方法は、まず、元の原材料(米や麦など)へ麹菌を生やし、麹をつくります。続いて、タンクや甕(かめ)に麹・水・酵母を加えて一次仕込みを行い、5日間ほど発酵させてもろみを造ります。この時造られたもろみは『一次もろみ』と呼ばれます。
一次もろみの中に主原料(掛原料)と水を加え2次仕込みを行い、8~10日間発酵させて、『二次もろみ』を作ります。このとき投入した主原料が焼酎の冠表示ができる。例えば、主原料にサツマイモを使えば芋焼酎…といったことです。最後にアルコールが生成された2次もろみを蒸留すれば乙類焼酎の完成です。
焼酎には甲類焼酎と乙類焼酎を混合した『甲乙混和焼酎』も!
焼酎は大きく分けて『甲類焼酎』と『乙類焼酎』の2種類になると先ほどご説明させていただきましたが、もっと詳しく分けていくと甲類焼酎と乙類焼酎を混合した『甲乙混和焼酎』という種類の焼酎もあります!焼酎には甲類焼酎と乙類焼酎を混合した『甲乙混和焼酎』とは一体どのような焼酎なのか、お次は『甲乙混和焼酎』について学んでみましょう。
甲類焼酎と乙類焼酎を混合した『甲乙混和焼酎』とは?
甲類焼酎と乙類焼酎を混合した『甲乙混和焼酎』は甲類に風味や香りを足すために乙類をブレンドしたり、乙類のクセを和らげるために甲類をブレンドしたり…といった風に、『甲類焼酎』と「乙類焼酎』それぞれの特徴をうまく活かした焼酎のことです。
低コストで大量生産できるという甲類焼酎の利点を活かしつつ、原料本来の旨味をしっかりと感じられる本格派・乙類焼酎の風味を加えることで、低コストで風味のある焼酎を製造することができると言われています。『甲乙混和焼酎』は価格への志向が強い大手メーカーから多くの銘柄が出荷されており、1800ml・900ml・200mlなどといったパックで販売されていることが多いです。
パッケージをパッと見ただけじゃどんな焼酎かなんて瞬時に判断するのが難しいです。そのため、かつては『芋焼酎』と書いていたから購入したのに、飲もうとしたら『乙類焼酎』ではなく『甲乙混和焼酎』だった…なんてことも多いようです。
このように紛らわしい表示や混和率などの情報が表示されなかった商品もあり、消費者にとって判りづらかったため、業界団体の働きかけによって、統一事項として銘柄やラベルの見やすい場所に『甲類乙類混和焼酎』と表示することや、混和の割合を明記することも義務付けられるようになりました。
《まとめ》甲類焼酎と乙類焼酎の味・飲み方・製造方法違い
甲類焼酎と乙類焼酎の味・飲み方・製造方法違いまとめのご紹介はどうでしたか?普段何気なく飲んでいる焼酎にもさらに細かく分類されていき、その分類は製造方法や味も異なるものでした。一口に「焼酎」といっても、使用されている原料や製造方法によってアルコール度数も異なること、そしておすすめの飲み方が異なることも分かりました。
1回のみの蒸留で使用原料本来の風味や旨味成分を深く感じられる『乙類焼酎』は焼酎好きの人たちに強い支持をされている焼酎。そして、何度も蒸留を重ねてクセの少ない甲類焼酎は焼酎に飲みなれていない初心者にもおすすめです。このようにそれぞれ、味の違いも異なるのでそれぞれの焼酎を楽しんでみるのも良いでしょう。様々な知識を付け、焼酎でより楽しい晩酌を楽しんでくださいね!