2019年04月13日公開
2024年09月11日更新
ショートカクテルとは?ロングとの違いは?カクテルの基礎知識も紹介
ショートカクテルやロングカクテルという言葉を聞いても、お酒の好きな人ならともかくその違いや特徴まではわからないという人も多いことでしょう。ショートカクテルとロングカクテルには明確な違いがあり、使うお酒の種類や度数、使うグラスなどにもさまざまな違いがあるのです。ショートカクテルとロングカクテルの違いやカクテルに関する用語まで、カクテルの基礎知識をまとめてみました。
目次
ショートカクテルとロングカクテルはどう違う?
カクテルと一言で言ってもさまざまな種類があるだけでなく、ショートカクテルやロングカクテルといった呼び方も聞いたことがあるのではないでしょうか?このショートカクテルやロングカクテルといった呼び名の違いは、一体どこから来るのでしょうか?
ショートカクテルとロングカクテルのそれぞれの特徴を始め、お酒の席では知っておきたいカクテル用語を含む基礎知識をまとめてみました。
ショートカクテルについて
ショートカクテルとはどのようなカクテルのことを言うのでしょうか?ショートカクテルに使われるお酒の種類や度数といった特徴をはじめ、使われるグラスの特徴とその理由などについても紹介します。
特徴や度数は?
ショートカクテルとはカクテルというと誰もが連想するような、逆三角形をした足が長くて容量の小さいカクテルグラスに注がれたカクテルのことです。アルコール度数の高い種類のお酒で作ることが多く、20度を超えることも多い種類のカクテルです。
ショートカクテルの最大の特徴は、基本的に氷が入っていないことです。グラスの足が長いことにもちゃんと理由があり、カクテルが注がれた部分を直接触れてしまうことで、中のお酒の温度が上がってしまうことを防ぐためなのです。
ショートカクテルは氷が入っていないため、直接触れなくてもすぐにぬるくなってしまう特徴があります。そのため「ショートカクテルは3口で飲め」と言われる理由にもなっているのです。
飲み切るべき時間
ショートカクテルがすぐにぬるくなってしまう種類のお酒であることは紹介しました。ではショートカクテルを飲みきる時間の目安はどのくらいなのでしょうか?
ショートカクテルは大体15分もするとお酒の温度が変わってしまいます。つまり15分というショートタイムで飲み干すようにすべきお酒、ということでショートカクテルと言うのです。
ショートカクテルより長いロングカクテルについて
ショートカクテルの次はロングカクテルについても見ていってみましょう。ロングカクテルにはどんな特徴があるのでしょうか?使うお酒の種類やグラスの特徴についても見ていってみましょう。
特徴や度数は?
ロングカクテルは大きめのグラスやロックグラスに、氷とともにお酒が入ったカクテルの事を指します。バーや居酒屋を始め、さまざまな場所で楽しめるタイプのカクテルでもあります。アルコール度数は比較的低いものも多く、使うお酒によってアルコール度数の幅が大きいのも特徴のひとつです。
ロングカクテルの一番の特徴は、先ほども少し触れたように氷が一緒に入っていることです。そのためお酒がぬるくなってしまうまでの時間が長い反面、味が薄まってしまう欠点があるのが特徴です。
比較的ゆっくり飲める
ロングカクテルは氷が一緒に入っているため、長い時間をかけてゆっくりと楽しむことができるカクテルです。ただしいくら氷のおかげで長い時間温まらずにすむとはいえ、時間をかけすぎると味が薄まってしまいます。
ではロングカクテルを飲みきる時間の目安はどのくらいなのでしょうか?居酒屋など大勢で楽しむ場所なら好きに飲んでも問題ありませんが、バーで飲むときには30分くらいを目安に飲みきるのがスマートな楽しみ方になります。場所に合わせて飲む時間を変えると良いでしょう。
ショートカクテルとロングカクテルの違い
ショートカクテルとロングカクテルについて紹介したところで、改めてそれぞれの違いをまとめてみましょう。ショートカクテルとロングカクテルの違いは次の2つなのです。
氷の有無
ショートカクテルは基本氷が入っていません。カクテルグラスに入っていても、氷が入っていればそれはロングカクテルになるのです。ショートカクテルとロングカクテルの一番の違いが、この氷の有無なのです。
飲み頃の時間の違い
ショートカクテルは氷が入っていない分、早く温まってしまいます。そのため飲むまでの時間の目安は15分までとされています。
一方ロングカクテルは氷が入っている分、冷たいままでいる時間が長くなります。そのため氷が溶けて味が薄まっても気にしないのであれば、文字通り好きなときに飲みきれば良いカクテルといえます。ですがバーなどお酒を嗜む場所で注文した際には、30分を目安に飲みきるのがスマートとされています。
カクテルの基礎知識【4大スピリッツ】
ショートカクテルに限らずカクテルのベースに良く使われるのが、「スピリッツ」と呼ばれる種類のお酒です。スピリッツは蒸留酒全般を指しますが、中でも「ジン」「ウォッカ」「テキーラ」「ラム」の4つは四大スピリッツと呼ばれる代表的なスピリッツなのです。
ショートカクテルを始め、さまざまなカクテルの基本となる四大スピリッツについて見ていってみましょう。
ベースとなるお酒
ショートカクテルに係らず、カクテルにはベースになるお酒というものがあります。中でも四大スピリッツを使用するカクテルは多いため、覚えておきたい基礎知識といえます。そんな四大スピリッツの特徴を紹介していきます。
ジン
ジンは15世紀のオランダ生まれのスピリッツです。熱病対策の薬酒として作られたジンは、18世紀にはイギリスで親しまれ、19世紀に入るとアメリカにおいてカクテルのベースとしての地位が確立されたお酒です。
一般的に大麦麦芽や穀物を原料としたお酒を蒸留した後に、ボタニカルと呼ばれるさまざまな種子や果物の皮、樹皮などを加えて、時間をかけて再蒸留することにより香り付けをします。どんなボタニカルを使用するかでさまざまな風味を楽しめるのが、ジンの最大の特徴といえます。
ウォッカ
ウォッカは12世紀ごろにロシアの地酒を元に作られるようになったとする説を始め、その起源には諸説あるスピリッツです。現在ではロシアだけでなくアメリカや東欧でも製造されています。
トウモロコシや大麦などの穀物類や、ジャガイモなどのイモ類を原料とし、糖化、発酵、蒸留を経た後、白樺などでろ過することで、癖のない軽やかな味を特徴とするスピリッツです。
テキーラ
テキーラはメキシコで作られるスピリッツのひとつで、竜舌蘭を原料としています。その起源にも諸説あり、山火事で焦げた竜舌蘭の甘い樹液を起源とするものや、竜舌蘭の幹をかじっているハツカネズミの巣穴に溜まっていた液体を発酵させたものとする伝説などがあります。
テキーラは斧で割った竜舌蘭を釜で蒸して発酵させて糖分をとり、その糖分を発酵・蒸留させたものなのです。テキーラはメキシコ政府で製造基準が定められているため、基準に沿ったテキーラには公式規格のイニシャル「NOM」「CRT」と、4桁の番号が印刷されています。
ラム
ラムは17世紀ごろに西インド諸島で生まれたとされているスピリッツです。サトウキビを原料に作られていて、18世紀から20世紀にかけてのイギリス海軍では、兵士の士気高揚のためにラムが支給されていたといいます。
ラムはサトウキビの茎を搾って出た汁を煮詰め、サトウキビに含まれるショ糖を酵母でアルコール発酵させた後、蒸留・熟成して作ります。風味や色もさまざまで、多くの種類のラムがあるのも特徴です。
カクテルの基礎知識【技法用語】
ショートカクテルに限らず、カクテルにはさまざまな用語もあります。自宅でカクテルを作ろうとレシピを調べてみたら、聞きなれない用語が出てきた、なんてことはありませんか?そんなカクテルにまつわる基本的な用語についてまとめてみました。
シェイク
シェイクと言うカクテル用語は、ショートカクテルを作る際に特に良く出てくる用語です。シェーカーと呼ばれる道具にカクテルの材料を入れて振ることで、カクテルの材料を混ぜ合わせたり、アルコール度数の高すぎる酒を空気と混ぜ合わせてまろやかにしたり、カクテルを冷やしたりすることを指していう用語です。
シェイクにもコツがあり、強く振りすぎたり、長く振り続けるとカクテルが水っぽくなってしまいます。経験も必要なのがシェイクという行為なのです。
ステア
ステアというカクテル用語は、ロングカクテルを作るときに良く出てくる用語です。ステアとはグラスに注いだカクテル材料を、バースプーンなどを使ってかき混ぜることを指していう用語です。ロングカクテルを作る際に「ステア」とあったら、材料を入れた後にかき混ぜれば大丈夫です。
ビルド
ビルドというカクテル用語は、グラスに直接氷とベースとなるお酒を入れて、そこにジュースを満たして提供する技法を指していう用語です。最も簡単なカクテルの作り方、提供の仕方をさす用語であり、自宅でも簡単にできる技法を指す用語です。
カクテルの基礎知識【道具やグラスの種類】
ショートカクテルを始め、カクテルを作るのにも道具が必要です。またカクテルを注ぐグラスにもいくつも種類があります。そんなカクテル用の道具について、代表的なものをまとめてみました。
道具
カクテルを作るのに最低限必要な道具は、主にショートカクテルを作るときに使うシェーカー、カクテル用の計量カップであるメジャーカップ、かき混ぜたり果肉を潰すのに使うマドラー、ステアに使うバースプーン、フルーツを絞るときに使うスクイーザー、氷をグラスに入れるためのアイスシャベルあたりがあれば大丈夫でしょう。
この他にもグラスに注ぐ前にステアするときに使うミキシンググラスや、ミキシンググラスからカクテルを注ぐときに果物の種などが入り込まないようにするストレーナー、ベースとなるお酒などをビンごと冷やすクーラーなどさまざまな道具がありますが、必要に応じて揃えていくので十分といえます。
グラス
カクテルを入れるグラスでもメジャーなのは、主にショートカクテルを入れるカクテルグラス、小型タンブラーの一種であるオールドファッションドグラス、ロングドリンク向きのコリンズグラス、ビールでおなじみの取っ手付きグラスのジョッキなど、こちらもさまざまな種類があります。
普段どんなカクテルを飲みたいかで選んでも良いですし、カクテルにこり始めたら揃えていくのでも良いでしょう。
ショートカクテルとロングカクテルをスマートに飲み分けよう!
ショートカクテルもロングカクテルも、それぞれに特徴があり、楽しみ方も違います。どこで注文するかで飲み方のスタイルが変わるのもカクテルの特徴です。ショートカクテルとロングカクテルのそれぞれの良さを理解して、スマートに飲み分けるようにしてください!