2018年11月28日公開
2024年08月16日更新
ザッハトルテの作り方・本格レシピ集!お家で簡単プロの味を再現!
「ザッハトルテには秘密のレシピがある」そんな話を耳にしたことはあるでしょうか。ウィーンを代表するお菓子であるザッハトルテはその魅惑的な見た目から多くの人々に愛されてきました。そして人気故に今日まで語り継がれる諍いや誕生秘話などがあります。今回はそのザッハトルテのレシピとトリビアの紹介です。格調高い見た目から、家庭で作るのは難しそうと思われがちですが、簡単な作り方やレシピがあります。本格プロの味や有名レシピサイトで人気のレシピ、作り方をザッハトルテにまつわるトリビアと共に紹介します。
目次
ザッハトルテのレシピ・作り方は意外と簡単
ザッハトルテってご存知ですか?ウィーンの伝統菓子の一つで、チョコレート味のバターケーキをチョコレートフォンダンでコーティングしたリッチな味わいのケーキ。本場ウィーンでも人気のこのケーキは濃厚な味わいのため無糖のクリームをたっぷり添えて頂きます。
黒く艶やかなその見た目は、誰をも魅了しひと口食べたいと思わせます。チョコレートケーキの王様なんて呼ばれることもあるこのザッハトルテ、実はプロではなくても意外と簡単に作ることができます。ザッハトルテの歴史やトリビアを押さえながら本格レシピと簡単な作り方のアレンジレシピを紹介していきます。
ザッハトルテとはどんなケーキ?
オーストリア発祥の濃厚チョコレートケーキ
ザッハトルテは1832年のウィーンで誕生しました。日本では江戸時代中期~後期頃にこんなハイカラなケーキが誕生したと思うと驚きです。時の政治家・宰相メッテルニッヒが料理人のフランツ・ザッハに命じ作らせた特別なケーキがこのザッハトルテ。若干16歳の若きシェフが作ったこのケーキは「翌日にはウィーン中の評判になった」ほどの人気ぶりだったそうです。
ザッハトルテとチョコレートケーキの違い
さて、ザッハトルテはチョコレートがふんだんに使ってあるからチョコレートケーキと呼んでいいような気もしますが、実はチョコレートケーキとはその作り方において違う点が2つあります。1つは生地がチョコレート味のバターケーキだという点。一般的にチョコレートケーキはココアを混ぜて作ったスポンジケーキを使いふわふわっとした食感を楽しめますが、ザッハトルテはバターケーキを使うのでどっしりとした味わいになります。
そして2つめはアプリコットジャムを使ったレシピになっているかどうか。本家本元のフランツ・ザッハが作ったザッハトルテはチョコレート味のバターケーキを半分に切り、アプリコットジャムを挟むレシピとなっています。濃厚な味わいのこのケーキを最後まで飽きずに楽しめるアクセントとなっているのですが、このアプリコットジャムが7年以上に渡るザッハトルテをめぐる争いを生んだのです。
ホテルと洋菓子ザッハトルテ争いが有名
ウィーンで人気を博したこのザッハトルテ。1876年にフランツの次男エドゥアルト・ザッハがホテル・ザッハ―を開業します。1階にレストランとティーサロンを備え持つこのホテルでザッハトルテが提供されるようになり、このホテルを訪れる人々はザッハトルテを楽しめるようになり、大勢の人がホテルを訪れるようになりました。
しかし数年後、ホテルが財政難に陥った際に、ウィーン王室御用達のケーキ店「デメル」が資金援助をし、代わりにザッハトルテの販売権を獲得します。しかしデメルが作ったザッハトルテは表面にアプリコット・マーマレードを塗ったレシピで、スポンジケーキの間にアプリコットジャムを挟むオリジナルレシピとは違ったものでした。
そこでホテル・ザッハ―はオリジナルレシピとは違うものだということで裁判を起こしました。この戦いはウィーンの世論も巻き込み、7年以上の争う大きな裁判となります。そしてこの「甘い戦争」はお菓子を巡る有名な争いごととして今日まで語り継がれることになりました。
元祖ザッハトルテのレシピは門外不出だった
秘密の作り方で作られていたザッハトルテのレシピは門外不出だったようですが、実はデメルに販売権を譲渡した後にハンス・スクラッチ著の「ウィーンの菓子店」という本にその作り方やレシピが掲載されてしまいました。そして先述の7年以上の争いの後から今日まで、本格プロのレシピから簡単なに作れるオリジナルレシピなど様々なレシピがつくられています。どのようなレシピや作り方があるのか、その一部を紹介していきます。
ザッハトルテの作り方・本格プロの味のレシピを紹介
本家本元のホテルザッハーのレシピや洋菓子店デメルのレシピと同様、しっかりとアプリコットジャムを使用するレシピをまとめました。1つめはホテルザッハ―風の生地の間にアプリコットジャムを挟むレシピ。もう一つはデメル風のアプリコットジャムを生地全体にかけたレシピ。どちらも工程数は多いですが、本格的な味が楽しめるレシピです。
濃厚チョコとアプリコットの本格レシピ「ホテル・ザッハー風ザッハトルテ」
<ザッハトルテ生地の材料>
- ダークチョコレート 120g
- (A)バター 100g
- (A)牛乳 50ml
- 卵3個(卵黄と卵白に分ける)
- グラニュー糖 80g
- 薄力粉75g
- ココアパウダー30g
- アプリコットジャム100g
- 鍋に(A)を入れ火にかけ、温まったらチョコレートを入れて溶かしボールに移します。
- ボウルに卵黄と半量のグラニュー糖を加え混ぜ、1のボウルに加え混ぜ合わせます。
- 卵白を泡立て、残りのグラニュー糖を何度かに分けて加えながらメレンゲを作ります。
- 出来上がったメレンゲを2のボウルに2、3回に分けながら加え、そっと混ぜます。
- 薄力粉、ココアパウダーをふるいながら加え、さっくりと混ぜます。
- 型に流し、180℃のオーブンで30分焼きます。焼き上がり、冷めたら型から出します。
- 焼きあがったザッハトルテ生地の上面をナイフで平らになるように切って裏返し、さらに半分にスライスしてアプリコットジャムをサンドします。
<グラサージュ>
- ダークチョコレート 150g
- 生クリーム(動物性) 150ml
- 水 30ml
- グラニュー糖 30g
- バター 10g
- 無糖のホイップクリーム…適量
- グラサージュの作り方とデコレーション方法です。鍋に生クリーム、水、砂糖を入れ少し温めてから火を消し、チョコレートを加えて溶かします。温かいうちにバターを加えよく混ぜてグラサージュに艶を出します。
- 網に載せたザッハトルテ生地の上からグラサージュを流しかけてコーティングします。下に落ちてしまったグラサージュを鍋に戻して2度、3度かけます。
- ケーキを皿などに移し冷蔵庫ですこし冷やせばグラサージュがすぐに固まります。
アプリコットジャムがたっぷりかかったデメル風レシピの「ザッハトルテ」
<ザッハトルテ生地の材料>
- 食塩不使用バター60g
- 砂糖35g
- チョコレート65g
- Mサイズの卵(卵白と卵黄に分ける)3個
- 砂糖65g
- 塩ひとつまみ
- 薄力粉60g
- (a)アプリコットジャム100g
- 室温に戻したバターをホイップ状にし、砂糖を加え白っぽくなるまですり混ぜます。
- 刻んで湯せんで溶かしたチョコレートを1に加えよく混ぜます。
- ボウルに卵白と塩をひとつまみ加え、砂糖を数回に分けて泡立てメレンゲを作ります。
- 2のボウルにメレンゲを数回に分けて加え、ゴムベラで優しく混ぜ合わせます。
- ふるった薄力粉を一度に加え、さっくりと混ぜ合わせます。
- 型に入れ、表面を平らにならしたら170度のオーブンで40~50分焼きあげます。
- 焼きあがった生地を型から外し、粗熱をとります。
- 生地の上面を平らになるように切って裏返し、さらに上下二つにスライスします。
- 裏ごしした(a)のジャムを間に塗り、はみ出たジャムは生地の側面に塗ります。
<生地にかけるアプリコットジャム>
- (b)アプリコットジャム300g
- (b)砂糖30g
- (b)水大さじ1
- (C)水65ml
- (C)砂糖150g
- チョコレート125g
- 生クリーム(乳脂肪分35%)200g
- 鍋に(b)を入れ、煮詰めます。煮詰める目安は一滴だけ水に垂らすとすぐ固まる程度。
- ケーキクーラーや生地より小さい型等に記事を置き、1をかけ全体にならす。固まって垂れ下がったジャムはへらなどで切り取ります。
- 別の鍋に(c)を入れ沸騰さる。火を止めたら刻んだチョコレートを入れて溶かします。
- 再度火をつけ、108度まで温めます。
- 4の半分の量をまな板にのせ、広げるようにこすりながら粘りをだし、鍋に戻す。
- よく混ぜ合わせ、温度が66~68度くらいまで下げる。
- 6を2の生地の上から全体を覆うようにかけ流す。垂れ下がった部分は切り落とす。
ザッハトルテの作り方・簡単アレンジレシピ
さて、ホテルザッハー風レシピとデメル風レシピという本格的なレシピと作り方を見てきましたが、ここからはアレンジレシピの紹介です。大胆にロールケーキをザッハトルテ風にアレンジしたレシピや、HMを使って簡単にアレンジしたレシピ。小さくてプレゼントに最適なレシピや、なんと生地作り全てを省略した簡単レシピなどをまとめています。
クリスマスにもおすすめのレシピ!「ザッハトルテ風ロールケーキ」
こちらのレシピはザッハトルテをロールケーキにアレンジ!たっぷりのチョコレートクリームでややザッハトルテ感は薄れるとのことですが、佇まいの美しさは変わりません。繊細な作業が必要とされますが、レシピには丁寧な工程写真と難しいポイントは動画も用意されているので挑戦しやすいレシピです。プロ顔負けのこのケーキのレシピ、クリスマスにはブッシュドノエルの代わりに作っても喜ばれます。
HMで簡単の簡単レシピ!ふんわりシフォンケーキのザッハトルテ
ザッハトルテをチョコレート味のシフォンケーキでアレンジしたレシピ。シフォンケーキはホットケーキミックスを使用し簡単にした作り方。グラサージュは板チョコとココアで作るのでお財布にもやさしい作り方のレシピです。本場のものとは違ってふんわりとした食感を味わうことができるのでザッハトルテのどっしり感が苦手な方にぴったりのレシピです。クリスマスデコレーションも可愛くこれからの時期におすすめです。
HMで簡単レシピ②「白いザッハトルテ」
こちらのレシピは表面をホワイトチョコレートのガナッシュで覆ったザッハトルテの作り方。カップケーキを使って作る小型のタイプで、生地にはホットケーキミックスを使い、メレンゲを作らないため手軽で失敗もしづらいレシピです。
表面のホワイトガナッシュは表面をコーティングしてもいいし、面倒であれば写真右奥のもののように表面にトッピングするだけでも可愛いです。アプリコットジャムは使われていませんが、マフィンに似たカジュアルなこのレシピはどんな方のお口にも合いそうです。
驚きのお手軽レシピ!市販のロールケーキでザッハトルテ風
こちらは市販のロールケーキを使った驚きの簡単レシピ。市販のロールケーキの上から生クリームで溶かしたチョコレートを回しかけ、デコレーションするだけというもの。生地作りをすべて省略したレシピなので15分ほどで作れるそうです。かわいくデコレーションすればお店で出てくるような本格的なケーキの雰囲気に。お菓子作りは苦手という方にピッタリのレシピです。
プレゼントにもおすすめのレシピ「小さいザッハトルテ」
こちらは100均のマフィン型で作るザッハトルテのレシピです。小さいサイズですが間にしっかりアプリコットジャムを挟む作り方です。小型で一度にたくさん作ることができるのでプレゼントやバレンタインに複数の人にプレゼントする時などにも最適です。同じく100均の箱を使ったラッピング方法も掲載されているので、思わず作って人に贈りたくなるザッハトルテのレシピです。
ザッハトルテのレシピ・作り方でプロの味を再現しちゃおう
さて、ここまでザッハトルテの歴史やトリビア、レシピを紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。チョコレートケの王様であるザッハトルテには長い歴史と「甘い戦争」を引き起こすほどの魅力があり、門外不出の秘密のレシピでした。
そして格式も敷居も高く門外不出のレシピで作られていたこのケーキが、現代では様々なアレンジレシピが作られ、手軽に作られるようになりました。プロ顔負けのレシピから驚きの手軽さのレシピまで、ザッハトルテの人気が反映されたようなレシピの多さです。ザッハトルテに魅了された人たちが作ってきたオリジナルレシピで、ぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。