2018年06月22日公開
2024年07月18日更新
トマトジュースとオリーブオイルを温めるといい?効果や口コミを調査!
トマトジュースとオリーブオイルを温めると健康に良いのでしょうか?SNS上で広がる口コミではトマトジュースとオリーブオイルを温めて飲むとダイエット効果があるといわれています。栄養豊富な野菜であるトマトを原料にして作られるトマトジュースは健康増進や美容効果、ダイエット効果もあると知られています。オリーブオイルも健康や美容に良い油として有名です。今回はトマトジュースとオリーブオイルを温めることによる健康効果や飲むタイミング、摂りすぎるとよくない理由についても紹介します。
目次
トマトジュースとオリーブオイルを温めるといい?
「トマトジュースにオリーブオイルを加えて温めて飲む」。このような飲み方が健康に良いとSNS上で話題となり、口コミで広まっています。トマトジュースの原料であるトマトが栄養豊富な野菜であるのは言わずと知れたことですが、トマトジュースにオリーブオイルを加えて温めることによってもたらされる健康効果とはどのようなものなのでしょうか?
トマトジュースとオリーブオイルに関する口コミ
SNS上の口コミの具体的な内容についてまとめると、トマトジュースにオリーブオイルを加えて温めることによりトマトの代表的な栄養素であるリコピンの体への吸収が良くなるという口コミや、トマトジュースとオリーブオイルを温めるとダイエット効果のある飲み物になるという口コミが多くみられます。食事と置き換えて飲むのではなく普段の食事に加えて1日1回飲むだけでダイエット効果があるというから驚きです。
レンジでチンしたトマトジュースwithオリーブオイルを、寝る前に俄然飲みまくりパーティーするだけダイエットを開始して1ヶ月…
— 俄然タカハシ (@0912gazen) March 30, 2016
結果は、➖3㎏でした。
引き続き、俄然続けMAX😊✋
乾燥バジル投入で、見た目は俄然オシャンティー(笑) pic.twitter.com/K80xsYKVek
2015年にテレビ番組で「楽痩せダイエット方法」のひとつとしてトマトジュースにオリーブオイルを加えて温める飲み方が紹介されたことが、このようにSNS上で口コミが広がるきっかけとなったようです。その他にもトマトジュースとオリーブオイルを温めた飲み物を就寝前に飲むと、翌朝の肌の手触りがすべすべになったので美肌効果があるとする口コミや、同じ方法によって便秘が改善したという口コミも見られます。
トマトジュースとオリーブオイルでダイエット効果は本当か?
口コミで見られるようなダイエット効果は本当にあるのでしょうか?トマトジュースとオリーブオイルのそれぞれについて着目してみます。トマトジュースは100mlで18kcalと低カロリーです。また、トマトジュースには血中の中性脂肪を減らして悪玉(LDL)コレステロール値を下げる成分が含まれていてダイエットに有効とされています。さらに、トマトジュースには利尿作用があり、余分な水分を排出することでむくみを防いでくれます。
一方、オリーブオイルにはトマトジュースと同様に血中の悪玉(LDL)コレステロールを減少させる作用があるとされるほか、便秘を改善させる効果も期待されています。このようにトマトジュースとオリーブオイルの両方にダイエット効果があることから、トマトジュースとオリーブオイルを加えて作られる飲み物にダイエット効果があるという口コミは本当のようです。
トマトジュースとオリーブオイルを温める効果は?
トマトジュースとオリーブオイルを温めることによってトマトの栄養素リコピンの吸収率が高まるとの口コミがよくみられますがこれは本当なのでしょうか?トマトに関する研究結果として、トマトを加熱調理するとリコピンの体内への吸収率が高まることがわかっています。トマトを加熱調理するとどうしてリコピンの吸収率が高まるのでしょうか?その理由を紹介します。
トマトを加熱調理することでリコピンの吸収率が高まる理由
市販されている生のトマトに含まれているリコピンの構造のほとんどは、「トランス体」という体に吸収されにくい形をしています。トマトを加熱調理すると、トマトの細胞が壊れて細胞外にリコピンが出てきます。このときリコピンの構造が「トランス体」から体内に吸収されやすい「シス体」に変化するため、トマトを加熱調理することによりリコピンの吸収率が高まると言われています。
最近の研究では、リコピンのシス体への構造変化が、にんにくや玉ねぎといったユリ科の野菜と一緒に加熱調理することで、より一層促されることがわかっています。これは、にんにくや玉ねぎを加熱調理した時に発生する香り成分「ジアリルジスルフィド」によるものだそうです。実際に、にんにくや玉ねぎを使用して作られたトマトソースにおいては、シス体のリコピンの比率が生のトマトの約4倍になることもわかっています。
トマトジュースを温めてもリコピンの吸収率は変わらない
トマトジュースは製造工程で殺菌を目的として加熱処理されるため、トマトジュースにはすでに体内に吸収されやすいシス体のリコピンが含まれています。トマトジュースを製造する会社に確認したところ、トマトジュースを温めることでリコピンの量や吸収率が変化することはないとのこと、つまりリコピンの吸収率を高めるためにトマトジュースを温める必要はないのです。
トマトジュースとオリーブオイルを組み合わせる効果は?
トマトとオリーブオイルといえばパスタやピザといった料理が思い浮かび、地中海沿岸の地域ではお馴染みの組み合わせです。トマトジュースとオリーブオイルの組み合わせにはどのような効果があるのでしょうか?
先程から話に出てくるトマトの栄養素、リコピンは脂溶性であるため、体内で吸収しやすくするために油と一緒に摂るとよいと言われています。同じ理由で牛乳と一緒に摂ってもリコピンの吸収率は高まります。様々な種類の油を用いて調べた結果、オリーブオイルはリコピンの吸収率を最も高める油であることがわかっています。効率よく体内にリコピンを吸収させるためにはトマトジュースとオリーブオイルの組み合わせが最適と言えます。
トマトジュースに含まれる栄養素とその効果
先にも述べた通り、トマトジュースにはダイエット効果があることが知られています。ダイエット効果はどのような栄養素の働きによってもたらされるのでしょうか?また、ダイエット効果のほかにもトマトジュースによってもたらされる健康効果はあるのでしょうか?トマトジュースの栄養素とその効果について詳しく紹介します。
トマトジュースの栄養素:リコピン
トマトジュースの赤い色素であるリコピンはカロテノイドの一種で、ビタミンEの100倍以上もの抗酸化作用を持ち、アンチエイジング効果があります。また、リコピンは悪玉(LDL)コレステロールの酸化を抑制して動脈硬化を防ぐほか、糖尿病や動脈硬化の予防・改善に効果的なホルモンであるアディポネクチンの血中濃度を増加させるため生活習慣病予防に有効といえます。ダイエット効果もリコピンのこのような作用によるものです。
さらにリコピンには、しみのもとであるメラニンの生成を抑制したり、紫外線照射によるコラーゲン減少を抑制したうえでコラーゲン産生を促進することがわかっており美肌効果が期待されています。その他にもリコピンの効能として、アレルギーが原因の喘息、アトピーや花粉症の症状改善や、骨粗しょう症の改善などが期待されています。
トマトジュースの栄養素:カリウム
カリウムは細胞内に多く存在し、ナトリウムとともに血圧を正常に保つ働きがあります。ナトリウムの塩化物である食塩を過剰摂取すると、血圧を正常に保てなくなり高血圧になります。塩分摂取を控えてカリウムを積極的に摂取することで、高血圧は予防できます。また、カリウムは腎臓で余分なナトリウムの排泄を促進しますが、この時水分も一緒に排泄されるため、むくみの防止へとつながります。
カリウムの摂取量は年齢別に目安量が定められており、成人男性は2500mg、成人女性は2000mgが一日当たりの目安量とされています。トマトジュース1缶(200ml)あたりに含まれるカリウムは535.6mgとされています。これは生トマト1個(165g)に含まれるカリウムの1.5倍多い量となっていす。
トマトジュースの栄養素:リンゴ酸・クエン酸
クエン酸やリンゴ酸は柑橘類など酸味のある食材に多く含まれています。トマトジュースの酸味もクエン酸やリンゴ酸によるものです。クエン酸やリンゴ酸は、体内のエネルギーを生成する回路で重要な役割を持っています。また、この回路により筋肉疲労の元となる疲労物質「乳酸」が分解されるため疲労回復を促す効果もあります。
トマトジュースの栄養素:食物繊維
食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。不溶性食物繊維はほとんど消化されずに腸の蠕動運動を活発にします。水溶性食物繊維は便を柔らかくするほか腸内細菌を活性化します。トマトジュースには水溶性食物繊維であるペクチンが生のトマトより多く含まれています。腸内環境を整えて便通を良くするうえ、コレステロール値を下げる作用があるため生活習慣病の予防効果が期待されています。
オリーブオイルに含まれる栄養素とその効果
トマトジュースのリコピン吸収率アップに一役買っているオリーブオイルですが、オリーブオイルの栄養素とはどのようなものなのでしょうか?ダイエット効果があると言われる理由やその他の効果についても紹介します。
オリーブオイルの栄養素:オレイン酸
オリーブオイルの主成分はオレイン酸です。オレイン酸は熱に強く酸化もしにくいと言われています。一価不飽和脂肪酸でオメガ9脂肪酸とも呼ばれるオレイン酸は、善玉(HDL)コレステロールを減少させることなく悪玉(LDL)コレステロールのみを減少させるため、健康に良くダイエット効果があると言われています。オレイン酸は小腸で吸収されにくく、腸を刺激して蠕動運動を活発にするため便秘解消にも効果があると言われています。
オリーブオイルの栄養素:ビタミンE
オリーブオイルにはビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEには抗酸化作用があり、アンチエイジング効果をもたらすことが知られています。また、血行促進作用もあるため全身の新陳代謝が活発となり、ダイエット効果や生活習慣病の予防につながるほか、美肌効果も期待できます。その他、ビタミンEの女性ホルモンを活性化させる作用により更年期障害の改善や月経トラブルの改善効果が期待されています。
トマトジュースとオリーブオイルの作り方
トマトジュースとオリーブオイルが健康や美容に良いとわかったら、早速「トマトジュースにオリーブオイルを加えた飲み物」を作ってみましょう。高血圧の方や普段塩分の多い食事を摂りがちな方は、なるべく無塩タイプのトマトジュースを選びましょう。コップ1杯(200ml)のトマトジュースに加えるオリーブオイルの量は小さじ一杯です。トマトジュースの味が苦手な方や冷え性の方は電子レンジ500Wで2分程温めてもよいでしょう。
トマトジュースとオリーブオイルを飲むタイミングは?
体内におけるリコピンの吸収率は時間によって変わり、最も高いのは朝で、次に夜となっています。リコピンの効果を最大限に発揮させたいなら、朝にトマトジュースとオリーブオイルを飲むとよいでしょう。「ダイエット効果を目的とするなら夜飲むように」と言われるのは、新陳代謝を促進する作用をもつ成長ホルモンが最も多く分泌される時間帯が夜の22時~2時のため、リコピンのダイエット効果が高まると考えられているからです。
トマトジュースとオリーブオイルを摂りすぎるとよくない理由
リコピンの摂取は1日に15mg以上が望ましいと言われています。トマトジュースでリコピン15mgを摂取する場合は缶のトマトジュース1本分弱で十分です。リコピンの過剰摂取を心配する必要はありませんが、トマトジュースに塩分が含まれている場合は、飲みすぎによる塩分の摂りすぎには注意する必要があります。
また、腎機能が低下している方においてはカリウムの排泄がうまくできずに「高カリウム血症」を招くことがあります。カリウムを多く含むトマトジュースは摂りすぎないようにしましょう。一方、オリーブオイルは健康に良いとはいえ、カロリーについては他の油と同程度あるため摂りすぎると太ります。一日に大さじ2杯程度を目安に摂るとよいでしょう。
トマトジュースとオリーブオイルを使った料理
トマトジュースとオリーブオイルをそのまま飲んでも良いのですが、飲み続けているうちに味に飽きてしまう方もいると思います。楽しみながら美味しく栄養を摂り続けるために、トマトジュースとオリーブオイルを使った料理をいくつか紹介します。
トマトジュースとオリーブオイルの料理:クイックガスパチョ
きゅうり(1/2本)とセロリ(1/2本)、玉ねぎ(30g)をみじん切りにして混ぜたところに、おろしにんにく少々とレモン汁(小さじ1)、塩小さじ1/2を加えます。野菜がしんなりしたら無塩のトマトジュース(190ml)を加えて混ぜ、器に盛ってオリーブオイルを少々回しかけて出来上がりです。野菜の食感とレモンの爽やかな酸味が加わることでさっぱりとした味わいです。レモンにもクエン酸が含まれるため、疲労回復の効果が高まります。
トマトジュースとオリーブオイルの料理:トマト寒天カナッペ
有塩のトマトジュースを使用してトマト寒天を作ります。作り方はトマトジュース(250ml)を入れた鍋に粉寒天(2g)を加えて煮立て、底からすくうように混ぜて2分間加熱した後、流し缶に入れて固めます。薄切りにしたトマト寒天をバケットにのせて、オリーブオイルを回しかけて黒コショウを散らせば出来上がりです。トマトジュースの水溶性食物繊維に寒天の不溶性食物繊維を組み合わせることで便秘の解消効果が高まります。
トマトジュースとオリーブオイルを取り入れて健康になろう!
いかかでしたでしょうか?今回はトマトジュースとオリーブオイルを温めることによる健康効果や飲むタイミング、摂りすぎるとよくない理由についても紹介しました。SNS上の口コミでは一度に飲みすぎて下痢をしてしまったという方もいましたが、効果や適量を知ったうえで飲めばそのようなことは防げますし、自分のその日の体調によって調節することもできます。
また、効果が何も感じられないという口コミもありましたが、ほとんどの方に中性脂肪やコレステロール値の低下がみられるまで少なくとも1か月以上は継続することが大切なようです。健康や美容への効果が高く、作り方も簡単なトマトジュースとオリーブオイルを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか?