にんにくの栽培のコツは？肥料と収穫方法やプランターでの育て方も！

スタミナ補給や疲労回復に効果的であると人気なにんにくは料理には欠かせない素材の一つです。にんにくを家庭で栽培することができるのをご存知ですか？畑や庭を持っていなくてもマンションのベランダでもプランターを用いてにんにく栽培ができます。料理で頻繁に使うにんにくを自家栽培で収穫できれば家計も大助かりです。家庭菜園が初めての人も失敗せずに簡単にできるにんにくの栽培方法を紹介します。

スタミナを付けるためや、疲労回復に効果があると言われているにんにくですが、生活習慣病の予防やがんの予防にも効果がある万能な野菜です。根に近い地下茎には多くの栄養素が含まれています。にんにくも地下茎を身とする食べ物なので、栄養分がぎっしりと詰まっています。にんにく独特のにおいのもとはアリシンです。アリシンには疲労回復に役立つ成分で硫黄化合物です。そのため独特のにおいを放つのです。

アリシンにはたんぱく質の分解を進める働きと、胃液の分泌を促進する働き、そして代謝作用を早める働きを持っています。個の働きが疲労回復に役立ちます。またにんにくには多くのビタミンが含まれています。糖質、脂質、たんぱく質の人間のエネルギー三要素をエネルギーの変換する働きを持っているのがビタミンです。これも疲労回復やエネルギー充填に役立ちます。

ビタミンは体の中に貯蓄することができない為、にんにくを習慣的に食べることが大事です。そのためサプリメントににんにくの成分を閉じ込め、毎日欠かせずに摂取することは非常に効果が高いのです。さらににんにくには脂質異常症を防止する働きを持っています。これは生活習慣病や成人病の予防に大きな効果をもたらします。動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの病気の予防に効果的です。

他にも高血圧の予防や血糖値の上昇防止にも役立つ栄養素がふんだんに含まれているのがにんにくです。においが気になる一面もありますが、殺菌にも効果があり口腔内をはじめとして全身の殺菌作用が働きます。これだけの効果があの小さなにんにくに詰まっています。健康に役立つ食品の頂点に君臨するのがにんにくです。毎日の料理に使用することで家族の健康を維持できる食品を家庭で作ることができます。

にんにくはネギ属の中のユリ科に所属する食品です。ネギやにら、ラッキョウなどもネギ属の仲間ですが、どれも体に良い影響を及ぼす食品として人気です。その中でもにんにくはずば抜けた効果を持っています。にんにくの特徴として独特のにおいがありますが、最近では品種改良によりこのにおいを抑えた品種も登場しています。また地下茎を食べるのが一般的ですが、葉の部分を食べる葉にんにくも人気です。

にんにくの種類は一般的なものとして12個前後の鱗片が一つにまとまった在来種と、6個前後の鱗片がひとつにまとまった6片種があります。スーパーで販売されているものは6片種が多く、甘みがあって人気がある品種です。市場に多く出回っているのと同じにんにくを家庭菜園で手作りすることができます。

にんにくは越冬野菜です。秋に種まきを行い冬を越して春に収穫するのが特徴です。夏野菜を家庭菜園で栽培する人は多く人気があります。越冬野菜は栽培方法が難しい、手入れが面倒などと敬遠されがちですが、自宅の家庭菜園スペースを有効的に活用することができます。すでに家庭菜園を実施している場合、限られたスペースで融通しなければなりませんが、時期が異なる越冬野菜であれば、その心配もなくなります。

地域によって品種の厳選をしないとならないケースも多いのですが、にんにくの場合には、寒冷地で育てるものと暖候地で栽培するものの大きく二種類に分別されます。青森県がにんにくの産地として有名ですが、その地域にあった品種を選ぶことがポイントです。上手に育てるためには、その地域に合致したにんにくの品種や種類を使うことをおすすめします。

にんにくと一言で言ってもその種類はたくさんあります。にんにくの日本一の生産量を誇る青森県産のにんにくがスーパーでは取り扱いのメインですが、ホワイト6片と呼ばれる寒冷地仕様のにんにくです。甘みがあるとして人気のある品種です。低温になることで育つのが特徴であるため、北関東以北の地域でしか育てることができません。冬の寒さを利用して栄養満点のにんいくがホワイト6片です。

エレファントガーリックと呼ばれる巨大なにんにくがあります。手のひらにまるまる乗る程度のサイズです。西洋で栽培されているにんにくですが、日本でも育てることが可能です。プランターを利用して育てるには大きすぎるため、畑や庭を持っている人向けの品種です。育て方は簡単です。平戸と呼ばれる品種はホワイト6片が寒冷地向けに対して暖かい地域に向けた品種です。関西以西で栽培されているメジャーな品種です。

嘉定と呼ばれる葉にんにくに使用される品種もあります。暖かい地域で育つにんにくです。にんにくも実も食べることができますが、葉にんにくとして食べるのが一般的です。最近ではにんにくの食べ方も多様化しており、栄養素こそ劣りますが、葉にんにくをメインとして食べるケースも多くなっています。そのため嘉定の栽培量も増加しています。にんにくの種類が異なっても育て方はほぼ同じです。

にんにくの栽培方法は秋に種をまき、春に収穫を行う越冬野菜です。寒冷地では雪の下に埋もれている期間が長い野菜です。雪に埋もれている時期は、にんにくのメンテナンスを行うことはできません。その分手間がかからない野菜です。種まきは9月頃の秋の時期に行われます。収穫は冬を越して翌年5月から6月頃の時期です。半年以上収穫までかかる野菜です。夏野菜が2か月程度で収穫できるのに比べると長期間です。

重要なのは植え付けの時期です。気温がにんにくの成長に大きな影響をもたらします。暑過ぎる時期に植え付けるとウイルス系の病気にかかりやすくなります。逆に寒すぎる時期だと根の張りが不十分になり、収穫に影響を及ぼします。地面の温度が20度前後の時期に植え付けをするのがポイントです。寒冷地では9月中旬がベストです。暖かい地域では10月に入ってから行うのがベストなタイミングです。

にんにくの育て方で重要なポイントの一つが土の準備です。植物を栽培するには、土は弱アルカリ性がベストです。しかし作物を育てると土は必然的に酸性になります。そのため、アルカリ性の土壌に変えてあげる必要があります。にんにくを栽培する数週間前から石灰を用いてアルカリ性の土壌へと変えてあげます。その後、痩せた土を肥やすために肥料や腐葉土を配合して土に栄養素を行きわたらせます。

畑や庭を利用してにんにくを栽培する場合には、この作業をぬかりなく行う必要があります。最適な土壌でない状態ところににんにくを栽培しても、育ちが悪かったり、病気になったりする確率が高まります。プランターを用いてにんにくを栽培する場合には、園芸店やホームセンターで野菜栽培用の土を購入してそのまま利用します。すでに腐葉土や肥料が配合されているため、そのまま利用できます。初心者におすすめです。

プランターで育てる場合、準備するプランターの大きさは、深さは25センチから30センチ以上のもの、長さは60センチ以上のものを選びます。にんにくは根を張るため、深さは妥協せずに選ぶ必要があります。プランターに入れる土の量は高さの8割程度です。プランターの材質はにんにくの栽培に影響しませんので、お好みの材質のプランターを購入して問題ありません。

にんにくは他の野菜などと異なり種を植える植物ではありません。タネ球と呼ばれるものがにんにくの種になります。スーパーで販売している一般的に食べるにんにくがタネ球です。タネ球は園芸店やホームセンターで販売されているものを購入するのがベストです。品種と地域がマッチしていないとうまく育たない為です。パッケージに書かれている注意書きを読み、購入することをおすすめします。

タネ球の植え方ですが、尖った方を上に向けます。尖った方から上に向けて伸びるためです。そして5センチから6センチ程度の深さに埋めます。深植えしてしまうと発芽が上手にできなくなるケースもあるため、埋める深さに注意します。盛り土も必要ありません。あとはたっぷりと水をやり発芽まで待つのみです。地面の温度が25度以上になると休眠状態になり、腐ってしまう可能性があるため、地面の温度管理を行います。

にんにくのタネ球を植えてから発芽までは約二週間程度です。それまではたっぷりと土が乾燥しないように水を与え続けます。これから寒くなる時期に育てる野菜ですので水のやり方は夏野菜と異なります。発芽までは毎日水を欠かせずやりますが、発芽後はやや乾燥気味でも構いません。しかし冬は乾燥する季節であるため、降雪地域以外では2日から3日おきに水やりをします。

肥料は月一回を目安に与えます。土の栄養素が少なくなるとにんにくの成長に大きな影響を及ぼしてしまいます。そのため、土に肥料として栄養を定期的に与えるのがにんにくの育て方です。また肥料の副作用として雑草があります。冬野菜では夏野菜と比較すると雑草の影響は少ないのですが、タネ球を植えてから十分に寒くなるまでは雑草が生えやすくなります。そのため、定期的に雑草を摘み取ることも大事なポイントです。

肥料のやり方は、追加肥料として土を耕す方法と液体肥料を用いて与える方法があります。追加肥料と液体肥料は各月で行うのがベストです。追加肥料は化学肥料を用います。化学肥料には、緩効性と即効性の二種類があります。最初の追加肥料の際には、緩効性の化学肥料を用います。1平方メートル当たり30グラムが目安です。2回目の追加肥料の際には、即効性の化学肥料に加えて石灰を50グラム混ぜます。酸性化の防止のためです。

液体の肥料は既定の希釈に薄めて利用します。株に直接かからないように撒きます。プランターの場合、撒ける場所が限られているため、株にかからないように特に注意する必要があります。液体肥料を土にさして利用するものでも構いませんが、一ヵ所に集中してしまうため、成長に差が出る可能性があります。希釈した液体肥料を均一の撒くことがベストな肥料やりの方法です。

芽かきはにんにくを栽培するうえでとても重要な作業です。にんにくは分球して二本以上に育つことがあります。その場合、それぞれへの栄養もに分割されてしまうため、一つあたりの成長が小さくなります。そのため成長の良い芽を一本だけ残して残りを摘み取ってしまうことが芽かき作業です。芽が10センチ程度になったら芽かきを行います。特に栄養素が限られているプランター栽培の場合、芽かきの重要性は高いのです。

にんにくの育て方でもう一つ大事なのが、春先のとう立ちです。植物は後世に子孫を残すために花を咲かせて種子を作ります。花が咲く段階の事をとう立ちと呼びます。野菜の収穫ではとう立ちする前にすべて摘み取ってしまう必要があります。栄養素が花に回されるようになるため、味や品質が落ちてしまうからです。暖かくなるとにんにくの性質として子孫を残す活動を始めます。生育最盛期と重なるため、必須の作業です。

とう立ち防止には、花の蕾を摘み取ってしまうことが必要です。花の蕾は炒めて食べることができます。無駄にせず余すことなく食べることができるのもにんにくの魅力の一つです。摘み取るタイミングは見つけてからすぐではありません。蕾の先が葉よりも長くなった時が摘み取るタイミングです。これ以上タイミングが遅くなると固くなってしまいます。また、早すぎると球が分かれてしまいます。

にんにくは葉にんにくを除き、葉を食べる野菜ではありません。あくまでも球の部分がメインとなります。収穫は葉が枯れる頃になります。そのため、とう立ちの前にすべてを収穫することはできません。とう立ちの対処は避けては通れないメンテナンスです。収穫が近くなると手入れが疎かになりがちですが、にんにくの品質を左右する大事なポイントでもあるため、とう立ち対策はしっかりと行います。

にんにくの収穫時期は5月から6月頃です。土に埋まっている部分を収穫するため、見た目で収穫時期を見極めることはできませんが、半分程度の葉先が枯れていることが一つの収穫時期の目安になります。にんにくの収穫時期と梅雨は重なります。収穫タイミングを逃して梅雨の時期に入ると土の中でにんにくが腐ってしまったり、バラバラに分裂してしまったりします。収穫は梅雨に入る前に終わらせることがコツです。

にんにくを収穫する日は晴天の日中に行います。収穫方法は根の部分をもって、すべてを引き抜く要領で収穫します。プランター栽培の場合にはできませんが、いくつかサンプルで収穫してみて育ちの状況を確認することもできます。手入れをきちんと行っていれば、同じ条件で生育しているためサンプル収穫は全体収穫の目安にすることができます。収穫時期はごく短いため、晴れの日に一気に収穫してしまうのがコツです。

にんにくの収穫後にも作業があります。ニンニクの下に生えている根をすべて切り取り茎の部分を少し残した状態で畑の上で3日から5日晴天干しします。プランター栽培の場合には、プランターの上の土で晴天干しします。土の中にいたため、湿気を含んでいるため乾燥させるために行う作業です。にんにくをおいしく食べるためにも重要な作業です。

にんにくの収穫時期はわずかの間です。この時期に収穫したにんにくは一年間保存する必要があります。今ではスーパーで一年中購入できますが、保存をするのであれば、氷点下1度程度で保存するのがベストです。冷蔵庫でもまだ暖かいため、チルドや冷凍庫を利用するのがおすすめです。もちろん数週間単位であれば、常温保管でかまいません。それ以上の保管を求めるのであれば、氷点下保管が必要になります。

にんにくはネギやニラと比較すると病気になりやすい性質があります。そのため、病気対策は他の野菜よりも慎重に行う必要があります。病気になる要因の多くは土の状態が芳しくない事です。酸性の土壌や連作障害などで病気になりやすくなるのは一般的です。石灰を混ぜてアルカリ性の土壌にすること、同じ土地で二年連続して同じ作物を育てないなど、家庭菜園の基本を守れば病気になる確率を必然的に減らすことができます。

またタネ球を深植えすることで病気になるケースもあります。目安を守って植える事で予防できます。気象条件が要因で病気になるケースもあります。乾燥は最終的に植物を枯れさせるだけなので病気になりませんが、多湿は病気へ導きます。長雨は特に要注意です。梅雨は避けることができても春や秋の長雨を避けることはできません。水はけのよい土壌を使用することで多湿の被害を避けることができます。

にんにくの育て方では害虫被害にも気を付ける必要があります。真冬は虫が行動していない季節ですので心配いりませんが、秋と春のシーズンには害虫対策も必要です。これから成長という時期と、収穫間近という大事な時期ですので、害虫をこまめに取り除くことと、殺虫剤などの散布を行います。葉に殺虫剤がかかっても収穫は地下の実ですので、あまり神経質になる必要はありません。

マネ科の植物などでは、種や実を鳥に食べられてしまう鳥被害も考慮する必要があります。にんにくの場合には、タネ球であるため、気にする必要はありません、また収穫の時期でも鳥に食べられるのは花の蕾くらいです。鳥被害については神経質になる必要はありません。ただし、野生動物などは畑を食い荒らすことも想定されるため注意します。プランター栽培の場合には、比較的安心です。

健康に欠かせない食品であるにんにくを家庭で栽培することが人気になっています。畑や庭をもっていなくてもプランターを使ってマンションのベランダを利用して育てることも可能です。越冬野菜であるため、夏野菜の栽培の妨げにもならず。手間暇もかかりにくいことなどから栽培する家庭が増えています。育て方のいくつかのポイントはありますが、初心者でも失敗せずに栽培できるのが魅力です。

秋に収穫してなるも終わりに近づくころ収穫する比較的長期間の栽培期間が必要ですが、手間暇がかかるのは種まき直後の時期と収穫間際の春になってからだけなので、面倒さを感じません。また、食材としてにんにくを収穫して食べるだけでなく、とう立ち防止の為に摘んだ花の蕾をにんにくの芽として利用したり、3月頃、早期に収穫した茎を炒めて食べたり、摘み取ったにんにくの葉を料理に使うこともできます。

本来であれば、捨ててしまうようなものも料理に利用して食べることができるのは経済的です。にんにくの実と比較すると栄養素は少ないのですが、もともと栄養素が詰まったにんにくの一部ですので、それなりの栄養素は含まれています。サプリメントにも活用されるにんにくを家庭で作ることができるのは魅力です。冬の空いた家庭菜園のスペースでにんにく作りを始めてみませんか？