生姜はチューブでも効果はある?栄養や成分の違いを生しょうがと比較
ダイエット効果や冷え性予防など、嬉しい効果がたくさんある生の生姜。現在は生姜チューブをよく使うという人も多いのではないでしょうか。冷蔵庫の必需品といってもいい生姜チューブは、生の生姜と同じ栄養効果を期待できるのでしょうか?今回は、生の生姜とチューブの生姜の栄養効果や成分の違いについて比較してみました。また、それぞれのメリットやデメリットについても見ていきます。上手に使い分けて、生姜を美味しく健康に摂りましょう!生姜チューブで簡単にできるレシピも紹介します。
目次
簡単手軽な生姜チューブ
生姜は、いざ料理などで使うときに、摩り下ろすのがなかなか手間だと感じることがあると思います。摩り下ろして使うことで、より料理に深みや香りがでるので、手間を惜しまず、丁寧におろして料理をされている方もいらっしゃるでしょう。もちろん、手間をかけるのはとても良いことですが、もっと手軽に、さっと使えたら、料理もぐんとラクになります。
そんなときに便利なのが、生姜チューブです。今の世の中、働きながら家事や子育てをこなす女性はたくさんいます。そんな忙しいみなさんの中には、生姜チューブが便利で、よく使っているという方も多いのではないでしょうか。冷蔵庫に1本あれば、いつでもさっと使えて料理ができるので、有難い存在だと思います。
出典: http://onkoh.com
ではこの生姜チューブは、生の生姜と違いはあるのでしょうか?今回は、生姜チューブと生の生姜の、栄養や成分の違いを徹底的に比較してみました。それぞれに向いたおすすめの食べ方も見てみましょう。
生姜の驚くべきパワー
生姜に期待される効果は、血行促進、発汗作用、解毒作用、便秘解消、消化機能の促進などがあげられます。昔から薬味として使われてきた生姜は、風邪を引いたときに生姜湯にして飲んだり、冷え性の女性には、体を温めてくれる欠かせない食材です。生姜は漢方薬の中にも含まれているため、健康な食材として、料理に取り入れている方は多いのではないでしょうか。
生の生姜と生姜チューブ・栄養成分の違い
それぞれ特に栄養的に違いがないのであれば、生の生姜は必要なくなってしまいます。それぞれにメリット・デメリットがあるから、両方が存在しているのだと、筆者は考えています。まずは、チューブタイプの生姜と生の生姜の、栄養や成分についての違いを見てみましょう。
嬉しい効果がいっぱい!生の生姜の栄養について
まずは、生の生姜の栄養成分と効果について詳しく紹介します。生の生姜に含まれる主な栄養成分をいくつかみてみましょう。体を温めるだけではなく、痛みを抑える効果もあり、さらにはダイエット効果も期待できるので注目されています。
老化防止の働き・「マンガン」
それでは、詳しく生姜の栄養成分を見ていきましょう。まず、1番に注目したいのが、マンガンです。生姜には、このマンガンが野菜の中で2番目に多く含まれています。代謝や抗酸化作用を促進する働きがあります。抗酸化作用は、活性酸素を除去してくれるため、老化防止や免疫力アップにつながる嬉しい成分です。
ちなみに、1番マンガンの含有量が多い野菜は、「めたで」という野菜です。聞き慣れない名前ですが、刺身のツマに使われていることが多い野菜です。「赤蓼」と書き、「べにたで」とも呼びます。
体ぽかぽか成分・「ジンゲロール」
生姜はとてもスパイシーな風味をもっていますが、これはジンゲロールの成分によるものです。ジンゲロールは、血管を広げて血の巡りを良くする働きがあり、体の熱を、体のすみずみまで行き渡らせてくれます。そのため、冷え性改善や、血行不良による肩こり、頭痛、むくみなどを良くしてくれます。さらに、殺菌作用もあるため、魚の臭みを取り除いたり、食中毒の予防にもつながります。
生姜を食べたり飲んだりすると、体がぽかぽか温まるのは、このジンゲロールの効果だったのです。さらに、魚の臭み取りの効果もここに隠されていたのです。
香り成分・「ジンゲロン」
ジンゲロンは、生姜の香り成分の1つです。ジンジャエールの香料としても使われています。また、代謝を良くする効果があるので、発汗作用がはたらき、体をぽかぽかとさせてくれます。このジンゲロンは、先ほど紹介したジンゲロールを加熱したり乾燥させると、変化してできる成分です。そのため、栄養効果やはたらきも似ています。また、脂肪を燃焼させ、痩せやすい体をつくってくれる効果もあります。
痛みに効果的・「ショウガオール」
生姜に含まれるショウガオールは、痛みの原因となるホルモンのはたらきを抑えてくれる効果があります。関節炎やリュウマチ、生理痛に効果があるとされ、注目されている栄養成分です。風邪をひいたときののどの痛みにも良いので、風邪をひいたら生姜を飲む、食べる、という昔からの習慣は、とても理にかなっているのです。
生姜チューブの栄養と成分について
簡単に、すぐに使えるのがとても便利な生姜チューブですが、気になるのは、その栄養効果と成分です。通常、生の生姜を摩り下ろして冷蔵庫に保存しておくと、どうしても酸化して色が変わってしまいます。それが長期間、変色せずに食べられるわけですから、当然、生姜以外の物や添加物が入っています。
生姜チューブの成分表示を見てみよう
生姜チューブの成分表示を見てみると、生姜、でんぷん、デキストリン、ソルビトール、酒精、酸味料、安定剤(キサンタンガム)、酸化防止剤(ビタミンC)、調味料(アミノ酸)、香料、香辛料抽出物などが書いてあります。メーカーによっては、環状オリゴ糖や増粘剤なども含まれています。
やはり、添加物や防腐剤の数が気になります。そしてこれらが含まれているため、栄養効果としてはどうしても、生の生姜より落ちてしまうのです。成分表示は、内容量の多い順に記載されています。当然、生姜が1番に書かれてはいますが、かさ増しとして使われるでんぶんや、その他添加物も微量ながら含まれているため、純粋な生姜、というわけではありません。そのため、風味も生の生姜より劣ります。
生姜チューブに含まれる成分を詳しく
それでは、生姜チューブに含まれている成分を、いくつか紹介しましょう。
生姜の次に多く入る・でんぷんとデキストリン
生姜の次に内容量が多いのが、でんぷんとデキストリンです。でんぷんは、つなぎやかさ増しとして使われているようです。デキストリンは、でんぷんを加工したものです。乾燥を防ぐために使われています。
大量に摂るのは良くない?ソルビトールとは
ソルビトールは、生姜チューブだけでなく、様々な食品の成分表示に見かける添加物です。分量を誤って大量に摂ると、下痢などを起こすことがあります。生姜チューブに含まれている程度の量なら、心配はないでしょう。
正体が分からない?酸味料と香料
酸味料と香料も、多くの食品の成分表示で見かけます。実はこの2つは、何が含まれているのかわからない添加物なのです。また、酸味料と香料は、複数の添加物をひとまとめにして、「酸味料」「香料」と表示ができます。そのため、それぞれに2つ以上の添加物が含まれていることになります。科学調味料によって味をつけているので、生の生姜よりも強い香りや味を感じることがあります。
酸化防止剤にあるビタミンCは良いもの?
酸化防止剤(ビタミンC)などといった表記になっていますが、これは化学合成した成分で、天然のものではないのです。しかし、ビタミンと同じ扱いになるため、このように表示することができます。ビタミン、とあると、レモンなどの自然のものを思い浮かべますが、成分表示に書かれているものは、天然のビタミンはほとんどありません。
このように、生姜チューブには多くの添加物が含まれていることがわかりました。生姜以外のものがこれだけ含まれているため、生姜チューブ1本を買っても、使われている生姜の内容量は、意外と少ないのです。
手軽さをとるか、手間と健康をとるか
生姜は、その栄養価と得られる効果から、ダイエットにも良い食材とされて人気ですが、たくさん摂取する場合は、生の生姜のほうが良いでしょう。生姜チューブで、生の生姜と同じ分量を摂ろうと思ったら、かなりの量を用意しなければなりません。それは同時に、添加物もたくさん体に取り込むことになってしまうのです。
手軽さをとるか、手間を惜しまず健康をとるか、になってきますが、摂取する量や使い方を工夫すれば、生姜チューブも悪いものではありません。何より、その手軽さが魅力なので、そこに重点をおいて、時々使う程度におさえれば、あまり心配もいらないでしょう。
生の生姜とチューブ生姜・用途の違い
続いて、生の生姜とチューブ生姜の使い方についての違いを見ていきましょう。それぞれに性格があり、おすすめの食べ方、使い方があります。
生の生姜は「食べる」
生の生姜は、みじん切りにしたり摩り下ろしたりして使うと、ピリッと料理をひきたててくれます。おろし生姜を冷奴や焼魚に添えるのが1番定番でしょうか。薄切りにして野菜やお肉と炒めて食べるのも、とても美味しいです。料理好きな方の中には、家庭で紅生姜やガリを漬ける方もいるのではないでしょうか。こうして見てみると、生の生姜は「食べる」ためにあることがわかります。
チューブ生姜は「調味料」
生姜チューブは、どちらかというと、香りづけや臭みとりとして使うために作られています。たとえば、魚の下処理の際に、臭み消しとして使うときなどでしたら、生姜チューブでも十分ということ。あくまで風味付け、という考え方で使用するのがおすすめです。
豆腐にのせたり、料理に添えるなど、香りと味、風味がダイレクトにくる使い方をするなら、チューブよりも生の生姜の方が断然おすすめなのです。中には、チューブタイプの生姜をそのまま食べると、独特の苦味や臭いを感じる人もいます。料理と一緒に炒めてしまう場合なら、チューブでも特に違いを感じずに使えるでしょう。
生姜チューブは健康面で安心?それとも?
先ほど、生姜チューブをそのまま食べると、独特の臭いや苦味を感じる人もいる、と書きましたが、これはおそらく、添加物の影響でしょう。生姜以外にたくさん含まれている添加物は、私たちの体に良いものでは決してありません。体に良い生姜をたくさん手軽に摂りたいからと、生姜チューブで大量に摂取するのは、あまり進んでおすすめすることはできません。
生の生姜のメリット・デメリット
健康的に生姜の栄養効果を得たい場合は、添加物も何も含まれていない、自然な生の生姜を使うのが1番良いでしょう。生の生姜のメリットは、とにかく不純物がなく、健康的に食べられるということです。少し手間がかかるという点はありますが、体のことを考えれば、生姜を摩り下ろす作業は、そんなに大変なことではありません。デメリットとまでいうほどのことはないでしょう。
また、生の生姜には、チューブの生姜には出せない、自然な香り、辛味、風味があります。薬味として生でも食べられますし、飲み物にしても、美味しく体に取り入れられます。
生姜チューブのメリット・デメリット
生姜チューブのメリットは、手軽に料理に使うことができること。そのまま食べるのではなく、料理をする際の下準備や、ちょっとした風味付け、香りづけ程度に使うのがおすすめです。しかし、添加物が気になる、風味が生の生姜より劣る、健康面で心配、という点がデメリットになります。
無添加の生姜チューブ
手軽な生姜チューブは手放せない、でも健康面が気になる、という方は、添加物やその他混ぜ物が極力含まれていないものを選びましょう。さらに、無添加の生姜チューブも販売されているので、ご自身や家族の体を考えて料理をしたい方におすすめです。しかしこちらは、普通のスーパーで見かけることはあまりなく、高級スーパーや、自然食品店に置いてあることが多いようです。
生姜チューブを使ったおすすめレシピ集
生姜の風味がきいた和風ドレッシング
材料は、生姜チューブ 小さじ1、すし酢 大さじ2、ごま油 大さじ1、醤油 大さじ1.5、砂糖 大さじ1/2、いりごま 適量です。全ての調味料を混ぜ合わせるだけで、あっという間に完成です。水菜にかけるだけで、美味しくて簡単なサラダになります。サラダを1品足したいときにおすすめです。
生姜チューブで簡単玉ねぎドレッシング
材料は、和風だし 小さじ2、生姜チューブ・にんにくチューブ 各2センチ、醤油・みりん・酢 各大さじ4、砂糖 大さじ1.5、玉ねぎ(みじん切り) 小半分くらい、サラダ油 大さじ1、ごま お好み です。玉ねぎとサラダ油を器に入れ、レンジで約3分温めておきます。その間に、ごま以外の調味料を混ぜ合わせ、これもレンジで約3分温めます。全てを混ぜ合わせて完成です。野菜だけではなく、お肉にかけるのもおすすめです。
体ぽっかぽか!生姜チューブで蜂蜜レモンティー
生姜チューブで簡単にできる、体の温まるおすすめ蜂蜜レモンティーの作り方を紹介します。材料は、ハチミツ 25グラム、ポッカレモン 5cc、生姜チューブ 2センチ、水 マグカップ1杯分です。マグカップを計りにのせて、はちみつ、ポッカレモン、水の順に計ります。レンジで1分温め、生姜チューブを入れて混ぜて完成です。レモンが加わり、生姜チューブの独特の味も気にならないのでおすすめです。
生姜チューブで温かミルクティー
材料は、牛乳 マグカップ1杯分、ティーバッグ 1個、生姜チューブ 2センチです。マグカップの7分目くらいに牛乳を入れ、ティーバッグも加えてレンジで2分温めます。レンジから出してスプーンでかき混ぜ、もう一度レンジで2分温めます。ティーバッグを取り出し、生姜チューブを加えてかき混ぜ、完成です。そのままでも、砂糖を入れて少し甘くしても、美味しく飲めます。ロイヤルミルクティーのようなチャイのような風味です。
まとめ・手軽な生姜チューブと生の生姜は上手に使い分けて
生姜チューブは手軽に使えて便利な反面、添加物の含有量が気になってしまいます。栄養効果的にも、生の生姜より落ちてしまいますが、この便利さが世の中の主婦のみなさんを助けてくれていることも事実なのです。添加物も、実は悪いことばかりではありません。より安全に私たちが食べ物を食べられるようにしてくれたり、足りない栄養素を補う役目を果たしてくれたり、良い面もたくさんもっているのです。
生姜チューブの添加物が気になる、あまりたくさんは使いづらい、という場合は、魚の臭みとりや、からあげの味付けの際に風味付け、香り付けとして使ったりする程度にすると良いでしょう。生の生姜よりも、生姜としての効果は少ないですが、少量で使うなら、ドレッシングやドリンクにするのもおすすめです。上手に他の食材と合わせたり、無添加のものを選ぶなど、生姜チューブも美味しく料理に使いましょう!